いつものようにハッスルしようと長門をベッドに押し倒した
「……待って」
長門は一言拒絶の言葉を口にした
こういう関係になってから長門はいつも俺に応えてくれた。そんな長門が初めて行為を待ってくれと言っている
「どうしたんだ?体調でも悪いのか?」
「……体調は問題ない。ただ……」
長門が言葉に詰まる事も珍しい
「ただ?」
「………ただ、私は今妊娠している。だからできれば性行為などの激しい事は避けるべき」

ん?なんだ?
今長門の口から思いがけないワードが飛び出した気がする

「え~と……すまん。なんだって?」
「私卵子と貴方の精子が受精し、その受精卵が着床したのを先日確認した」

きっと冗談とかではないだろう。まぁ確かに猿のように求め続けたし当然と言えば当然だ
「はぁぁぁ………」
長門は俗にいう宇宙人だ。だからって訳ではないが妊娠するとは思わなかった
「……貴方が望むならこの受精卵は……」

そういって長門は俯いてしまった
あぁ、長門は俺が言えば墜ろすだろう。確かに驚きましたが俺は長門を悲しませたくはなかった
「そうか。これから大変だと思うが一緒に頑張ろうな」

長門は満面の笑みを浮かべて、そして泣いていた

どういう経路かは分からないが女子生徒は長門有希が妊娠している。という噂を耳にした

例のカーディガンの事に納得がいっていない女子生徒はこのネタで長門有希を滅茶苦茶にしようと考えた
幸いにも妊娠しているという噂はまだ一部で囁かれているだけで広まっていなかった

確かに最近の長門有希は雰囲気が変わった気がする
以前までは常に無表情だったが最近は微笑んでいる事があった。しかもそういう時は大抵お腹を撫でていた

だから女子生徒はこの噂が噂ではなく事実だと直感していた

だから女子生徒はある男子生徒にこんな噂を吹き込んだ
「土曜日の19時に体育倉庫にいる女は変態でレイプ願望がある」と。

「長門さん長門さん」

金曜日の放課後に女子生徒は長門有希に声をかけた。もちろん長門有希を滅茶苦茶にする為に。
「………何」
「実は悩みがあるの。もし良かったら相談に乗ってもらえない?」
今までの長門ならきっと断っていたのかもしれない。
だが今の長門にはこのクラスメートの力になってやりたかった
「……私で力になれるなら」
「本当!?ありがとう!!
あっ、でもここじゃちょっと言えないの。だから明日の20時頃に会えない?」
長門有希はコクリと頷いた




「バカな女。あの女が笑ってるとイライラするのよね」
長門有希が去ったあと女子生徒は吐き捨てるようにそう呟いた

女子生徒が噂を流した相手。彼はお世辞にもいい生徒ではなかった。もちろ彼の交友関係も含めて。
正直な所、彼らは噂話など信じてはいなかった。まぁ本当だったらラッキー。程度だろう
だから19時に倉庫を訪れて誰もいなくても良かった

彼らはその場で酒、タバコ、果てはドラッグを楽しんだ
そして時間が20時になろうとした時、彼らは相当出来上がっていただろう



ガラガラ…
扉を開けて長門有希は女子生徒を探したがいるのはガラの悪そうな男子が5人だけだった


「おっ!なんだよ待たせやがって」
「お~、マジこいてかよ。かなり良くね?」

長門が女子生徒の居場所を聞こうと思った瞬間、長門は男子生徒によって倉庫に引きずり込まれた

突然倉庫に引きずり込まれた長門はそのまま男たちにマットの上に押し倒されてしまった

男たちはイヤらしい笑みを浮かべて長門を舐めるように見ていた
「ぐへへへへ、じゃ俺たちを楽しませてくれよな」

そう言いながら男たちはドクドクと脈を打ち、張り裂けそうな程に膨張しそそり立ったイチモツを取り出した


長門は現状を把握できずにその光景をぼぉ~と見つめていた
長門にとって性行為とは好意を持つ者同士が子孫を残す為にする行為。
だから長門有希はこれから自分が犯されるなんて微塵も思っていないのだ


キョンに関係を求められた時は何故か嬉しかった。
長門有希本人は気付いていなかったが、キョンに好意を持っていたから。


何も分からない長門は勝手に盛り上がる男たちをただ眺めていた

男たちは正直面白くなかった
こんな状況なのに長門有希が泣くどころか悲鳴の一つもあげなかったからである

しかしもう何でも言い。このままで犯してやろうと思った
そして男の一人が長門の髪を鷲掴みにして立ち上がらせた
「じゃとりあえずパンツ脱いでくれよ。ぐふふふ」
「……なぜ?」
「はぁ?なぜって?お前今の状況分かってんのか?」

そう言われても長門にはどういう事か理解できなかった
「……分からない」
「はぁ?お前バカかよ。ぐふふふ」
「ぎゃはははは」

笑っている男たちをぼぉ~と長門は見つめていた。
しかしそれが男たちには気に入らなかった
「テメェ何スカしんだよ!」
そう言いながら頬に平手打ちを受けた
それでも長門はぼぉ~と見つめていた


そしてその長門の態度にキレた一人の男が長門の腹部に思いっきり殴ったのだった

腹部を殴れた長門は一瞬何があったのか理解できなかった

男子生徒が長門の腹部をもう一度殴ろうと腕を振り被った時長門はしゃがみ込みイヤイヤと首を振り号泣した
「なんだよ!いい反応できんじゃねぇかよ!」
「ほらほらもっと暴れろよ」

うずくまり壊れた玩具のように首を振り続ける長門を男たちは足蹴にしていた


5分程長門に暴行を加えて男たちは満足したのか、飽きたのかまた長門の制服を……
腹部を殴られたショックで無抵抗な長門は男たちの前に裸体を晒してしまったのだ

衣服を剥がされて長門有希はやっとこれから自分がされる事に気付いた
「……性行為はダメ」
未だにズキズキと痛む腹部を押さえて長門は男たちに懇願した

しかし興奮しきった男たちが長門の要求など聞かずに長門に飛びかかった

ずっと止めて止めてと懇願する長門に男の一人が煩いと一喝して、その汚らわしいイチモツを長門の口にねじ込んだ

いきなり奥まで入れられて長門は嗚咽を繰り返し、涙や鼻水で顔はクシャクシャになっていた

(イヤ…あの人以外触られたくない)
長門がいくらそう思って泣いても男たちはお構いなしに騒いでいた

「うわぁ、あったけぇ」
「んだよ。おめぇが一番かよ」
「次オレなオレ」
「じゃ俺おっぱい貰うわ」
「あ!おれもおれも。俺左な」

などと男たちは長門を思い思いに弄びだした

そして男たちが本格的に長門有希の肉体を弄びだした時に倉庫の扉が開いた

男たちが振り返るとそこに立っていたのは息を切らせているキョンだった

「あぁ?なんだテメェ?」
一人の男が長門から離れてキョンににじり寄った
「お前ら…長門に何してるんだ」
キョンがそう言うとキョンの目の前に立った男は笑いながら応えた
「オメェ何言ってんだ?この状況見てもわかんねぇのかよ」
そして男はキョンの顔を思いっきり殴った

行為を邪魔されて腹がたったのかほかの男たちも長門から離れてキョンを取り囲み、さっき長門にした以上の暴行を加え始めた

いつまで殴られるんだ…ってか俺はなんで殴られるんだ…
もう体は痛いを通り越して熱く感じていた

ふいに男たちが俺への暴行を止めた
俺が顔を上げると、そこはさっきまでいた体育倉庫ではないどこかだった
「な…がと……?」

そうだ。俺は長門を助けにきたんだ
俺は呆然と立ち竦む男たちを押し退けて長門へ這った。そして俺は息をのんだ

長門は体中に痣を作った裸体で、顔やアソコからは血を流していた
何よりも驚いたのは長門の目だった

全てを呪うような、光のない目をしていた
「長…門!長門!!」
俺の呼びかけも長門には届いていなかった
「あの人を傷つける…敵性…敵性…敵性…」

そしていつぞやの呪文を呟く
これはマズい。長門はこいつらを殺すつもりなんだ。そう直感した

長門が呪文を唱え終わると槍…というか鉄の棒みたいのが無数に現れた
そして長門が最後の一言を発した瞬間、それらが男たちに向かって飛んでいった


正直な所、長門を襲った奴らを助けるつもりはなかった
でも長門の手をこんな奴らの血で染めたくなかった

次の瞬間、俺は奴らを庇って無数の槍に串刺しにされていた

不思議な感じだった
何本もの太い棒が俺の体を貫いているのに痛さはなかった

前に朝倉の時の長門もこんな感じだったのかなぁ。とか意味もない事を考えてた
「ごふっ……あぁ、痛さはそ……げふっ……そうでもない…けど………気持ち悪いな……ごほっ…」
血を吐くのは何とも気持ち悪いとか思いながら長門を見た

あぁ、長門はもう大丈夫だ。いつもの長門の目だ
「あ……イヤ……」「ごふっ……良かっ……た……いつも…の………長門だ……」

そして俺はにっこり笑った
いや、実際笑えてたのか分からないが。何よりも長門が人殺しにならずにすんで嬉しかった


急に寒くなってきた
長門は裸だからもっと寒いだろうな
よし、ここは俺が文字通り一肌脱いで上着を…
「あ…ははははは……今の…で………ごほっごほっ………穴だら…けだ………スマン…長門………」

どんどん寒さを増していく……
最後くらいは長門の笑顔を見たかったな。などと思いながら……

夢を見た

何もない所だった
上も下も、左も右も全てが真っ白い世界に俺は立っていた
しばらく俺はこの世界はなんなのか考えていた。すると後ろから声をかけられた
後ろを振り返ると一人の少女が立っていた
「え~と…君はだれ?」
一瞬悲しそうな顔をした後少女はこう答えた
「長門有希」
長門……有希?なぜか馴染みある名前だったが、そんな名前の知り合いはいない
だから長門さんが誰か考えるより聞きたい事があった
「長門さん……だっけ?ここは何なんだ?」
「ここはアナタの夢」
「俺の?」
まぁ確かにこんな世界は夢なんだろうな。
そんな事を考えてると長門さんが口を開いた
「お別れ」
「え?お別れ?え?誰が?」
「私」
「え?だって俺は長門さんになんt……あ……」
どうして俺は長門を、大切な人を忘れていたんだろう
「長門!俺お別れなんかしたくないぞ!」
「大丈夫。アナタは生きている。消えるのは私」
「違う!そうじゃなくて俺は長門と、お前と!!」
「……もう時間。沢山の思い出をありがとう」

そういうと長門は消えていった

目を覚ますと知らない部屋だった
「キョン!キョン!!」

ふと声の先を見る
そこには涙をボロボロに流したハルヒがいた
いや、正確にはハルヒと朝比奈さん、オマケで古泉がいた
「なんだよお前ら。人の寝込みを襲うつもりか」

と冗談を言いつつ起きあがろうとした
「痛っ!」
「大丈夫キョン!あんた重傷なんだから大人しくしてなさい」
「重傷?なんで?」「そんなの私たちが知るわけないじゃない。あんたは明け方に倒れてるのを発見されたの」

はぁ…?全然記憶にない

「ハルヒ見舞いは、お前ら4人だけか?」
「何言ってるの?3人じゃない」
「あ…れ?」


その日ハルヒたちは騒ぎすぎで病院をすぐに追い出された

一人になった病室で、俺は心にポッカリ穴が開いたような気持ちだった




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