部室に来たものの誰も居なく。丁度疲れていた俺はそのまま椅子で眠ってしまっていたようだ。
キョン「むう…?」
誰かの気配で目を覚ました…長門だ。長門が俺のすぐ目の前に立っていた。
キョン「よう…まだ、お前だけみたいだ…な゙?」
落ち着け。うん、落ち着け俺。OK、冷静だ。
目の前に居るのは長門だ。長門です。長門。うん、どう見ても長門だよなあ、うん。
長門「…ゔ~~~…(ぐすっ)」
どこか怯えたようにこちらを見…
前言撤回。どちら様ですかあなた。ああ、解らなければ聞くしかないよな。
キョン「…どちら様でしょうか?」
長門「有希…です。」

念のため確認する。
キョン「有希って…長門有希?」
長門「うん。」
念のため再確認。
キョン「……ヒューマノイドインターフェイス?」
長門「うん。」
即答した。OK、とりあえず本物としておこう。
キョン「一体どうしたんだ?そんな喋り方じゃなかったろう?」
喋り方だけじゃないが。
長門「…ウィルスのせい。」
キョン「ウィルスってのはパソコンとかのあれか?」
長門「うん、それ。」
キョン「…それのせいで口調が変わってると?」
長門「…口調じゃなくて人格。…人格以外はほとんど変わってない。」
人格が変わってても適切な説明をありがとう。
どっちかというと今の説明の方が解りやすくて助かるぞ長門ー。

とりあえず大体把握した…と思う。話を変えてみよう。
キョン「そういえばさっき、何か言いかけてた?」
長門「さっき?」
キョン「なんか涙目で」長門「泣いてない。」
追及されたくなさそうだ。無表情を見慣れているせいか解りやすすぎる。
キョン「俺が起きた時だ。何か言いたそうにも見えてたんでな。」
長門「あ、うん…でも話はちょっと後。」
呪文を唱えだす長門。瞬間、周囲の光景が大きい公園に変わる。
キョン「……おい長門…説明を頼む…。」
長門「ウィルスに触っちゃったのは2時間位前なの。それからすぐに他のインターフェイスが攻撃してきて私は空間に閉じこもって…」
人格一つでここまで変わるのか。言葉は解りやすいのに解りにくいぞ長門。
長門「こもってたら寂しくなったけどキョン君と一緒なら寂しくないかなって思って。」

ようやくウィルスと言えるものだと思った。行動がぶっとんでるというか衝動的というか。
キョン「なあ長門。そのウィルスはいつ…その、良くなるんだ?」
とりあえずベンチに座って聞いてみた。
長門「…誰も来なければあと20分位かな。」
案外早くてほっとする。長門が隣に座って来た。
侵入者は現れず時間は過ぎ。
キョン「あと1,2分だったっよな。」
長門「…うん。」
今日。1時間にも満たない間に、長門の色々な表情を見た。
否定してたけど泣き顔。
指摘された時の少しすねたような顔。
ぶっとんだ事を言った時の無邪気な顔。
今隣でどこかもの悲しそうに景色を見ている顔。もしかしたらこれらが本来の…視線が合った。
長門「どうしたの?」
キョン「…いろんな表情が見れたと思ってな…。」
長門「…うん。」
沈黙。長門が口を開いた。
長門「あと15秒で元に戻る。…だから。」
不意にキスをされた。すぐに離れ、言う。
長門「少し残念だけど、多分今の私とは永遠にお別れ。」

長門「またいつか。泣いたり笑ったりさせて欲しいな。」
周囲の景色が急に消え、いつもの教室が目に映…
キョン「だっ!」
ベンチが消えて尻餅をついた。
視線を上げると長門が手をさしのべていた。
キョン「すまん。」
長門「私のミス。謝るのは私。」
いつもの長門…だな。そう思いながら手を取り立ち上が
谷口「wawawa忘れ物……はっ!」
手を取りながら立っている俺と長門。
谷口「…度々すまん。ごゆっくりっ!」
…谷口。お前は毎日何か忘れてるのか、おい。
キョン「…部室に行かないとな。団長様が怒ってそうだ。」
長門「そう。」
手を離そうとしたが離さない長門。
キョン「どうした?」
長門「このまま行く。」
キョン「……そうか。」
長門「そう。」



古泉「これから大変そうですね…ただ見る分には微笑ましいのですが。」

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