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【第五話-12/08】
 
 ついに残されたのは俺1人になった……ハルヒは消え、宇宙人・未来人・
超能力者はいなくなってしまった。やはり最終ターゲットは俺なのか?
長門の残した”彼はあなた”そして”力”この2つと謎の指輪。これらが
全て合わさった時、事件は解決する。そんな気がする……
 
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 俺はもう学校に行く気力も無くなりつつあった。だが引きこもるわけ
にも行かず、事件の手がかりが何かあるかもしれないという思いを持ち
気力で学校に行っているようなものだった。ハルヒたちのいない学校、
それがこんなにもつまらないものだとは、いなくなって初めて感じた
ことだった。
 
「最初は当事者にもなるのも嫌で、SOS団も嫌々だったのにな」
 
 そんなことを小声で言いつつ学校に着いた。HRも始まり教室に岡部が
やってきた。
 
「今日もいい天気だな。ハンドボールをやるには絶好の日和だ。それに
クラス全員揃っているしな」
 
 クラス全員が揃っている? 変だ、ハルヒは現にまだいない。その
証拠に俺の後ろの席は空いている。俺は岡部に、
 
「先生、ハルヒがいませんよ」
「ハルヒ?誰の事だそれは?」
「涼宮ハルヒですよ、忘れたんですか?」
「涼宮ハルヒ……いや名簿には載って無いぞ。キョンの気のせいだろ。
さあ、授業の始まりだみんなしっかりな」
 
 そういうと岡部は教室から出て行った。ハルヒの名前が名簿に無い?
どういうことだ? 何かの間違いではないかと思いつつ午前中の授業が
始まった。授業の合間の休み時間に谷口がやってきた。
 
「キョン、朝のありゃ何だ?」
「何って……俺の後ろのハルヒが未だに休んでいるだろうが」
「お前の席の後ろの席はいつも誰も座ってなかったじゃないか。それに
涼宮ハルヒなんてこのクラスにはいないぞ」
 
 俺の席の後ろはいつも空席……そんなバカな!いつも俺の後ろはハルヒが
陣取っていた。現に今も。
 
「そういえば涼宮って名前には聞き覚えがあるなぁ……」
「お前と同じ中学だったんじゃないか?」
「そうそう、よく知ってんな。そうだよ涼宮ハルヒって確かに中学の時
一緒だったぜ。電波女で有名だったしな。」
「中学出た後はこの北高に入学したろ?」
「いや、たしか3年前に行方不明になったって聞いたな」
「3年前に行方不明……?」
「おっと予鈴だ。また昼休みな」
 
 谷口の話では中学には確かにハルヒはいたらしい。ところが3年前に
行方不明になっているという。これはいったいどういうことだ? それで
入学していないから他の人間にハルヒの記憶が無いのか? などと考えて
いるとあっという間に午前中の授業が終わり昼休みなった。谷口と国木田が
やってきて、
 
「キョン、飯食おうぜ」
「悪い、ちょっと用事があるんだ」
「なにかあったのキョン?今日は朝からおかしいよ?」
「ちょっとな。それじゃ」
 
 俺はもしやと思い長門・古泉・朝比奈さんのクラスへ向かい、クラス
メイトが覚えているかどうかを聞いた。案の定、だれもその3人は覚えて
おらず入学してきた形跡すらないという。朝比奈さんのクラスから帰る
とき偶然廊下で鶴屋さんに出会った。俺は鶴屋さんに、
 
「鶴屋さん、朝比奈さんことを覚えてますか?」
 
 と言った。そうすると意外な言葉が返ってきた。
 
「君誰にょろ?」
「え?キョンですよ。SOS団で朝比奈さんと一緒に活動している」
「君にも見覚えないし、朝比奈さん?だっけ、その人もしらないにょろ」
「そうですか……」
「誰かと勘違いしているのかもね。ま、気を落とすな少年!」
 
 鶴屋さんは変な励ましをしてくれた後クラスへと入っていった。
 
「そうか、朝比奈さんの記憶が無いから俺に繋がって無いんだ。だから
俺の記憶もないのか……」
 
 そう考え込みながらぶつぶつ小声で言っていると午後の予鈴が鳴った。
 
「今日も昼飯抜きか……」
 
 俺は午後の授業に出るためクラスへと戻った。午後の授業中俺は今
置かれている状況について考えていた。まず、ハルヒは3年前から行方
不明で北高には入学せず。他の3人も入学・転校してきた跡もなし。
そして消えた関係者を通じて俺を知った人は俺のことを覚えていない。
なんとも最悪な状況だ。まさに孤立無援。いつもだったらなにかしらの
手助けがありそうなものだが今回はそれも無いようだ。そう考えている
うちに放課後となり部室へと向かった……
 
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「な、どうなってるんだ!」
 
 俺が部室の前に行くといつも張ってある「SOS団」のプレートが
無かった。そして中に入ってみると、SOS団が出来る前の物置部屋の
ようなただの文芸部室だった。無論長門もおらず無人だ。俺はパイプ
椅子に座るとあらゆる手がかりがなくなったことに落胆した。
 
「これが俺に対する精神攻撃だったら褒めてやるぜ」
 
 俺は独り言を言った。まさに本音だが。俺はふと指輪のことを思い
出し、上着のポケットに入れていた指輪を出してみてみた。すると、
驚くことにもはや青い部分はなく、真紅の宝石の指輪へと変貌していた。
 
「どうなってるんだ……やはり何かの力を吸っているのか?」
 
 力を吸う? 確か長門の書き残したメモには”力”とあった。では
どんな力を吸っているんだ? 俺の体には異常は無い。と、いうことは
俺以外から力を吸っていることになる。ではどこから? そんなことを
考えながら指輪を見ていると突然指輪が一瞬眩しく光った。と、同時に
俺の頭のなかに、
 
”キョン……キョン!”
 
 というハルヒの声が聞こえたような気がした。周りを見渡したがハルヒ
の姿は見えなかった。そうすると、もしかして全ての消えた人たちはこの
指輪に……
 
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 俺は今日は早めに帰ってきた。というのも情報も何かを探す場所さえ
ないからだ。いつも通り飯などをすませ自分の部屋で休んでいた。手がかり
といえばこの指輪ひとつ。もしこの指輪の謎を解明できればみんなを救える
かもしれない。しかしどうやって解明する? 俺は一般の高校生に過ぎない。
魔力や超能力などの類は持ち合わせていない。とすると唯一の方法は、
持ち主から聞きだすしかない。と、考えていると携帯電話の着信音が鳴り
響いた。発信者は出ていない。古泉の記憶が人々から消えている以上
森さんで無いことは確かだ。俺は意を決して電話に出た。
 
「もしもし」
『感謝する。指輪は大切に持っていてくれ』
「おい、あんた誰なんだ?」
『既に俺のことは知っているだろう。手がかりで姿を現しているはずだ』
「それは俺の格好でだろう?本当のお前は何者なんだ?」
『それもすでに知っているはずだ』
「とにかく、みんなを元に戻せ。いや、戻してくれ」
『……』
 
 電話は突然切れた。やはりこの指輪が鍵なのか。そして古泉が言っていた
通りハルヒ・朝比奈さんを誘い出すという行為は俺へのアピールだったのか。
しかも話し方から察するにどうやら俺たちを常に監視していたようだ。
それに電話の声はどこかで聞いたことがあるような声だった。と、いうことは
俺の知っているヤツの仕業なのか? そんなことを考えつつ、明日への英気を
養うため寝ることにした。今夜はもう電話はかかってきまい。
 
 みんなは絶対に救い出してやる……
 
 
───Missing Ring -失われる7日間- 第五話 終
 

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