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今日は土曜日、いつもと同じように不思議を求めるべく市内探索をする日だ。
俺が集合場所に付いた頃には”情報操作でもされてるんじゃないか?”という
感じでいつも最後だ。
 
「遅い!罰金!」
 
ハルヒのいつものセリフがこだまする。
俺たちは集合した後いつもの喫茶店に入り俺のおごりで飲み物を飲んだ後、
恒例の班分け作業を行った。結果・・・ハルヒ・長門・朝比奈さんの3人、
俺・古泉の2人となった。
 
「今日こそ何か不思議なものを見つけるのよ!遊んでたら承知しないからね!」
 
今日もハルヒのテンションは高い。
 
「とりあえずどこへ行きましょうか。」
「まあ、公園辺りでいいだろ。時間も潰せるし。」
「そうですね。じゃあ公園に向かいましょう。」
 
俺と古泉は他の3人と別れた後、公園へと向かった。公園に向かっている途中
俺は、
「なあ、古泉。『不思議』ってのは何を示すんだろうな。」
「涼宮さん曰く”そんじょそこらにあるようなものじゃないもの”のようですが・・・」
「でもさ、それって『不思議』っていうんじゃなくて『珍しい』って言わないか?」
「そうですね。確かに言われて見ればそんな気もしますね。」
「大体、不思議の考え方も個人個人違うと思うんだが。」
「確かに。僕が超能力を使うことを僕が不思議と思わないように、長門さんも
その力を使うことを不思議と思わないでしょう。朝比奈さんもそうでしょうし。」
 
「結局自分自身に起こっても不思議だって思えないようなものは、他人から見ても
珍しいとしか見えないかもしれないな。」
「それも一理ありますね。」
「と、すると・・・この市内探索ってのは意味あるんかね。」
「まあ、涼宮さんが意味があると思っているからいいんじゃないですか。」
古泉は相変わらずのスマイルで答えた。
 
結局俺と古泉は公園で雑談をし、昼の時間になったのでいつもの喫茶店に
戻った。
 
「なんかあった?」
「いいや、別に特に何もなし。」
「あっそ。ま、あんたには期待してないけど。」
 
そんな感じの会話で昼食が始まった。昼食を食べている途中、俺はさっき
古泉と話したことをハルヒたちにも話した。もちろん、3人の素性は隠して
あくまで宇宙人・未来人・超能力者がいて・・・という風にだ。
 
「ふーん。あんたも結構考えるじゃない。」
「わたしもキョン君の言うとおりな気がします。」
「同意する...」
「僕たちは少々漠然と探しているのかもしれませんね。」
「まあ、今のままじゃそんな感じだろうな。」
「じゃあ、『不思議』の定義っていうのはなんなのかしら。」
「結局”自分にとってもありえないこと”とかなんじゃないのかねぇ。」
「そうなるとますます市内探索は難しくなるわね・・・」
 
ハルヒはそういうと考え込んだ。まさか”来週からは日本・いや全世界に
するわよ”とかいいそうな気がしないでもない。
 
「僕の知り合いで交通機関を割安で・・・」
「お前は黙ってろ。」
 
古泉はやはり同じようなことを考えていたようだった。これ以上
飛びまわされたんじゃ体がもたん。
 
「う~ん、一体何があるのかしら。」
「わかりませんねぇ。」
「結局今まで通りにやっていくしかないんですかね。」
「アイスコーヒーおかわり...」
 
結局午後の探索は無くなり、皆で頭をひねって考え込んでいた。もっとも
長門だけは延々とアイスコーヒーをおかわりしていただけだったが。結局
結論が出ないまま夕方となってしまった。
 
「どうやら今日はわかりそうもないし解散しましょ。」
「そうだな。」
 
俺たちは勘定を払うと店を出て駅前の広場に向かって歩いた。と、そのとき
前方から見慣れた人物が歩いてくるのが見えた。谷口だ。
 
「よう、みんな今日も活動か。」
「まあな。」
「よくやるよな、お前らも。」
「ところで谷口、チャック開いてるぞ。」
「えっ!またかよ。いっつも閉めても閉めてもいつの間にか開くんだよなぁ
不思議なもんだよ。」
 
その会話を聞いたとたん、ハルヒが水を得た魚のような勢いで、
 
「それよ!!それが不思議なのよ!!」
「へ?」
 
谷口はいまいち事情が飲み込めない様子だった。まあそうだろうな。
 
「みんな、谷口君のチャックのようなものが『不思議』なのよ!」
「そういえばそんな感じがしますね・・・」
「僕もそんな気がします・・・これは不思議ですよ。」
「ユニーク...」
「おいおい、皆で何言ってるんだよ・・・俺が不思議?」
「あんたじゃなくてチャック現象がよ!」
 
こうしてSOS団内では不思議1号として”谷口のチャック”が認定された。
不思議ってのは意外と身近に潜んでるもんなんだな。そんなことを考えつつ
週明けの放課後、部室で古泉が面白い話しをしてくれた。
 
「僕の知り合いに探偵がいるので谷口君の家系について調べてもらったん
ですよ。そうしたら、谷口君のお父さんも同じようにチャックが開き、
おじいさんや先祖の人もふんどしが取れたりなんだリと同じようなことが
起こっていたらしいんですよ。」
「まさしく不思議ね・・・」
 
まったく、谷口だけじゃなくてその家系まで不思議だったとは・・・俺も
それを聞いたときには仰天というかなんと言うか・・・まさに驚きだった。
 
「当面のSOS団の目的はこの”谷口君のチャック”を上回る不思議の
発見よ!」
 
ハルヒは俄然やる気をみせた。
 
「それにまず市内だけじゃダメね。日本中、いえ世界中に行く必要が
あるわ!」
「それでは僕の知り合いで交通機関を割安で・・・」
「お前は黙れ。」
 
俺はハルヒを説得しなんとか市内探索だけで探していこうということに
させた。とてもじゃないが海外まで行って罰金取られたんじゃ割に
合わないし金が続かないしな。
 
「それにしても『不思議』って定義が難しいわね。」
「だから『不思議』なんだろ。」
「たまにはキョンもいいこというじゃない。」
 
こうして『不思議の定義』騒動は終わりを告げた。しかし、第2、第3の
谷口のチャックがいつか現れるかも・・・しれない。
 
 
 
おしまい。
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