第二章

七月に入りやはりハルヒは憂鬱になっていた。今回憂鬱な理由は俺にはわかる。
きっと4年前のことを思い出しているに違いない。
4年前に何があったかというと俺は朝比奈さんに4年前に連れて行かれ幼いハルヒに声をかけ話をした、
それだけならまだしも俺は校庭でハルヒの落書きの手伝いをしたのだ、というか俺が全部やった。今考えると映画作りやらホームページ作りやら何も変わってないじゃないか。
そしてハルヒには正体を黙りジョンスミスと名乗った、そして幼かったハルヒに向かって「世界を大いに盛り上げるジョンスミスをよろしく」と叫んだ。
恐らくはこれが原因で世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団、通称SOS団なんて名称にしてしまったんだろう。
大体、世界を大いに盛り上げる~なんてのは誰が最初に考えたのだろうか。
時系列的に言えば俺がハルヒに「世界を大いに盛り上げるジョンスミスをよろしく」と言ったのが原因だがそれを教えてくれたのは朝比奈さん(大)で、
恐らく俺は未来に朝比奈さん(小)にそのことを言ったのだろう、じゃ無ければ朝比奈さん(大)がそれを知っているわけが無いからだ。
そして朝比奈さん(大)が俺に教えて…
そうなれば考えた人間を辿って行くと延々ループするので頭が痛くなる。
話がそれた、ハルヒはこの事を思い出して憂鬱になるのだ。

やはり元気を出して欲しいとこだがこればかりはどうしようも無い。
ここは早々に七夕がすぎるのを待つしかない。そんなことを考えていた。
しかし古泉曰くハルヒを暇にしてはいけないので何か考えなければならない。
そしてこの時期に憂鬱を晴らす方法があるとしたら一つしかない。
涼宮ハルヒとジョンスミスを接触させる…簡単なようで全く不可能な話である。
無理だ、あきらめよう。
またなんか考えてやるからそれまで我慢してくれよな、ハルヒ。
ふと何で俺は古泉みたいなことを考えてるのかと思った。
まあいいか楽しいし、今なら孤島での殺人事件の芝居も許せるかもしれない。
などと考えていた。

7月5日のことである。
ハルヒはこう言った。「明日七夕の短冊を書くから何を書くか考えてきてよね!」
俺は何故明日なのだ?七夕は明後日で平日のはずだ。と思ったがあえて口には出さなかった。きっと何か考えがあるのだろう。そう考えることにした、ほかのみんなもそう思ったのか同じ反応を取った。
翌日ハルヒは去年と同じような竹を持ってきた。
「さあみんな!思う存分願い事を書きなさい!!!」そういってハルヒはふっといペンに堂々とした字で何かを書き出した。
なになに?明…日…あ…の…人…に…会えますように?

なんだって?これは予想外だ、何てこと書きやがる。
当然何も知らない朝比奈さんは「あの人って誰なんですか?」とハルヒに聞いた、古泉も興味津々である。
ハルヒは遠いところを見るような面持ちでこう答えた。
「私…昔の七夕でね、学校に忍び込んで校庭に宇宙人へのメッセージを書こうとしてね…一人の不思議な男と出会ったのよ。
名前しか知らないんだけどね、会えたのはそれっきり。いろいろ探してみたけど見つからない。私はもう一度会ってみたいの。」
朝比奈さん答える。「会えるといいですね…その人に…。」
朝比奈さんの目が輝いていた。

結局短冊に何を書いたのか、見せたのはハルヒだけであった。
ハルヒは俺の書いた短冊を見せろと襲ってきたが何とか短冊を死守した。
そして俺は書いた短冊を誰にも見られないようにかばんの中に入れて隠した、こんなもの見られたら俺は自殺してしまう。長門や朝比奈さんや古泉も誰にも見せずに持って帰ったようで結局飾ってあるのはハルヒの短冊だけであった。
朝比奈さんや長門がなんと書いたか少し気になるのだが。
そんなこんなで今日の活動は終了し解散した。

自宅に戻った俺は一度投げ出した問題について考えていた、
結局思いついたはというと、、、

①今の俺だとすぐにばれるので3年後の俺を今に連れてこさせハルヒに会わせる
②長門のインチキマジック
③古泉を変装させジョンスミスと名乗らせる


ここまで考えた時点であきらめた、不可能を可能にするのは不可能だ。まあ何とかなるだろう。
俺はいつもより少し早く床に着いた。



|