第一章

新しいクラスが発表されるのは始業式の後なのでもちろんここで言う教室というのは1年のときの教室である。
ハルヒはもう教室で憂鬱げなというよりは疲れているような顔を浮かべていた。
どうかしたのか?と聞いてみると「何でも無いわよ。」と言い返されたところで元担任の岡部が入ってきて体育館に強制連行された。
入学式に劣らないテンプレートな始業式は幕を閉じた。
とうとう新クラスの発表である。
この時、俺はハルヒと一緒のクラスになるのは確定だと思っていたので谷口か国木田でも何でも良いからまともな知り合いと同じクラスになれと祈っていた。
そして新クラス発表終了後俺は唖然としていた、なんとハルヒと同じクラスにならなかったのだ、ありえない。
谷口や国木田と同じクラスになれたのはよかったのだが…
俺の頭の中では?がありえないぐらいに大量発生していた。

俺は新クラスでの自己紹介を去年した自己紹介を適当に変えて終了し、何故ハルヒと同じクラスにならなかったのかホームルーム中考えていた。
結果から言うとまったく理由はわからなかった。そしてホームルームが終了しあっという間に放課後になった。

そしていつものように部活をしに…正確に言うと団活をしに文芸部室に向かった。
最初は長門しかいなかったのだが、ハルヒ、古泉、朝比奈さんと続いて部室に来て、
俺と古泉は普段道理ボードゲームをし、朝比奈さんお茶を入れてくれ、長門は読書、そして団長様は不機嫌そうにネットサーフィン。
学校は午前中までだったので大体3時ごろに解散した、そして俺は不本意ながら下校途中の古泉に声をかけた。
聞くことは決まっている。何故ハルヒと同じクラスにならなかったのか、
すると古泉は「僕にもよくわかりません。前に涼宮さんの能力が弱まっているかもしれないと言ったでしょう?それが関係しているのかもしれない。
それに気になることがあるんですが…きっと関係ないでしょう。それにあなたもわかってるでしょうが今からアルバイトに出かけなければ、では」なんて気になることを言いやがるんだ。
そして古泉と別れた後、一年生の新入部員(正確には新入団員)のことを考えていた。
今日は始業式なので1年生は来ておらず明日から授業なので明日は何が何でもハルヒを止めなければならない。
何かいい言い訳が無いか考えていた。
もともと頭が言い訳でもないのにハルヒを言いくるめる言い訳を考えなければならないとなると至難の業である、結局寝る前まで考えたが結局何も浮かんでこなかった。

そして翌日の放課後である、ハルヒは案の定SOS団を宣伝しにいこうと言い出した。
俺は苦し紛れに「やはり最強の団というのは少数精鋭のほうが良いんじゃないか?」といってみた。
そしてハルヒはなんと「そうね、わかったわ。」そう答えたのである。
なんということだろう熱でもあるのか?といいたくなるような返答をよこした。
どうせ俺の言うことになんか聞く耳持たずで「あんたは紙を印刷してきなさい」なんていわれるもんだと思っていた。
そして俺の発言により部活は普段通りに行われた。
後で聞いた話だが古泉によるとこの一件で閉鎖空間は出来なかったという

やはりハルヒがおかしい。

もちろん何故ハルヒがおかしいのか俺に知る術は無くまさかハルヒ本人に聞くほど俺も無粋ではない。
とりあえず様子を見てみることにした。
そしてこの状況が一ヶ月続きゴールデンウィークがあけた後、ハルヒがSOS団結団1周年を記念しパーティーしようと言い出した、これには反対する理由が無い
場所は事情を聞いた鶴屋さんが自宅に招いてくれるという、なんと言う太っ腹な人だろうか。
SOS団ができた日は平日なので部活が終わった後鶴屋邸で予定通りパーティーが催された。
なんつう豪勢な食事だろう、正直こんな団の一周年パーティーにはもったいないレベルである。
飯を食い終わった俺たちはボードゲームやら王様ゲームやらで盛り上がっり10時ごろ解散となった。
これでハルヒも少しは元気を出してくれればいいとそんなことを考えていた。

翌日ハルヒは金棒を拾った鬼のように元気になっていた、全くこいつは心配かけやがって…やれやれ。

数日後、俺は長門に呼び出された。
いきなり電話が鳴って突然来て欲しいと、
長門は言った「すでに情報統合思念体は自立進化の糸口を見つけた、本当は私はここにいなくてもいい、だが私の意志で今を生きている。
情報統合思念体も認めてくれた。
最近、涼宮ハルヒの能力が衰えている。あなたもそう感じてるはず、
もし涼宮ハルヒの能力が完全に消えた時、敵対する情報生命体のインターフェイスが私たちをやつ当たりと口封じで始末しにくるかもしれない。
そうなれば最後、恐らく人類は滅びる、でも1つだけ方法がある。
私のインターフェイスとしての力をすべて使い敵対する情報生命体のインターフェイスの全てを消滅させる、
もしかしたら敵対する情報生命体自体にダメージを与えることもできるかもしれない、だが実行すれば地球は半壊し人類は半分滅び、私は普通の人間となる、とても危険、これは最終手段。」
勿論長門のことだからこれが冗談なわけが無い、えらくまずい、まるで変な電波を受信しているSF作家の考えそうな話だ。
長門の家から帰る途中、見知った人に会った、部室専用のエンジェル、誰であろう朝比奈さんだ。
聞くところによると朝比奈さんは俺に話があったそうで長門の家から帰る途中を狙ったらしい。
古泉といい朝比奈さんといい俺の生活は筒抜けなのか?全く
なんと朝比奈さんはこういった、「キョン君も気づいてると思うんですが涼宮さんの力が弱まっているんです、
その影響で今の時代より4年前まで戻ることが出来るかもしれないんです。ですがまだ不安定で…でも近い未来それが可能になるかも…」
俺は割って入って「よかったじゃないですか!!朝比奈さん。」と言った。
「でもそれが可能になっちゃうと私は…」と朝比奈さん。
そうだった全く忘れていた、朝比奈さんというかぐや姫はもはや月に帰る前のというところまで来てしまった。
「大丈夫ですよ朝比奈さん、きっと何とかなります。」なんて意味のわからないフォローを入れてしまった。
一体全体何とかなるってのはどういう意味で何とかなるのかおれ自身に聞きたいところだ。
朝比奈さんはいつぞや聞いたのとは少し違うトーンで「キョン君…今日は話を聞いてくれてありがとう」と言って走りながら去っていった。

この分じゃ古泉からも何か重大な話を聞かされるかもしれんと思っていたがそういう気配は全く無かった。
ハルヒも元に戻り普通(と言っても宇宙人や未来人や超能力者に囲まれたとんでもなく非日常なのだが…)に戻り7月に入った。


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最終更新:2020年12月29日 00:40