―――― 二日目 3 ――

「・・・。どうしてそんなにやさしいの?」
「・・・え?」
「キョンは、やさしすぎるの。わたしだけじゃない。有希にも、みくるちゃんにも、阪
中さんにだって・・・」
俺は・・・、それほどまでに優しかっただろうか。
「キョンが私に優しくしてくるれるたびにね、あたし思ったの。この人はわたしのこと
を大切に思ってくれているんだって。でもね、みんなといると思い知らされるの。あぁ、
私だけじゃないんだって。キョンにとって特別なのはあたしだけじゃないんだ、ってね」
「・・・・。」
俺はハルヒの告白を黙って聞くことしかできなかった。俺はハルヒを特別だと思った
ことがあっただろうか。胸に手を当てて考えてみる。




「ハルヒ、いいか?よく聞け。俺にとってお前だけが特別な存在なんだ。」
俺にとってハルヒは特別だ。その気持ちにウソはない。しかし、俺にとっての特別と
はなんなんだろうか。俺はその答えを見つけられないでいた。
「あたしはね、アンタのことが特別なのよ!ううん、特別なんてものじゃない。あたし
にとってはね、キョンが全部なの。」
ハルヒは俺の心を読んだかのように言った。それが・・・、答えなんだ。
「あたしは、あんたが、キョンが好k・・・・!」


俺はハルヒを抱きしめていた。無意識なんかじゃない。俺はハルヒのことを抱きしめ
たくて抱きしめているんだ。特別ってこういうことだな。
「言わなくてもいい。これが俺の気持ちだ。」
「・・・・」
「好きだ・・・。ハルヒ・・・」
うわ、ハルヒの体・・・。思ったより細いな。ずっとこのままがいいな・・・。なぁ
ハルヒ。
「・・・言ったわね?」
「・・・・え?」
ハルヒは俺からぱっと離れるとにやっと笑った。なんかとてもすごくいやな予感がす
るんだけどな。
「今、私のこと好きって言ったわね。」
「う・・・・。言ったが・・・。それがどうかしたか?」
「私の勝ちね」
ハルヒは勝ち誇って言い放った。
「恋愛っていう病気はね、かかったものの負けなのよ?」
あぁ、すべてを今すぐ取り消したい。なんなんだろう。俺はこんな女を好きになって
しまったというのか?あぁ、今すぐ首をつりたい。それにしてもこの女はこの非常事態
時に俺をはめたというのか。信じられん。あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。

「ようやく見つけましたよ。無事でしたか。涼宮さん」
おい、古泉。俺の心配は無しか。
「あなたが無事なのは喜ばしいことです。あなたに死なれてしまっては涼宮さんの精神
がどうなってしまうか想像もできません。お怪我がなくて幸いです。」
当然だろうな、こいつはこういう男だ。俺の心配なんざちっともしちゃぁいねぇ。
「いえ、とても心配でしたよ。アナr」
「みんなはどうなったんだ?」
ここは遮らざるを得まい。まさかみんなの前でそれを言うとはな。それにしてもあい
も変わらずトンでもねぇことをさらっと言うやつだ。残念だが俺の体はハルヒのm

・・・。何言ってんだ俺。
「何人かお怪我をされた人がいるそうですが軽傷だそうで、空港が使用可能になり次第
帰国するという話でしたよ。」
それはよかった。まぁこれもある意味で一生忘れられない修学旅行だな。それにハル
ヒと・・・。
「コラ、エロキョン。ニヤつくな」
必死に笑いをこらえながら突っ込むハルヒ。ホントに心の中が読めるんじゃないのか
?コイツは。
「さぁ、お二人さん。早く帰りましょう。先生方や皆さんもお待ちですよ。」
それもそうだな。何はともあれみんなに迷惑をかけるのはいい気がしない。ホテルに
帰るとするか。

幸いにも俺たちの泊まっていたホテルはひどい被害に遭うこともなく使える部屋をか
き集めることで俺たちの寝泊りするところは確保できた。市内二つの空港の被害もひど
いものではなく中国から航空機が到着次第ここを出発できるらしい。少なくともそれは
明日以降になるわけだ。



やれやれ。それにしても今日は疲れたな。さすがに今日は誰も騒ぐやつはいるまい。
寝るとするか。


           ―――― 二日目 Fin――



|