―――― 二日目 1―

修学旅行の夜というのは騒ぐことが義務付けられたようなもので意味も無く高いテンシ
ョンのままで意識が途切れた。朝、目を覚ますと俺以外で起きている人間はいかった。眠
い目をこすりつつ洗顔所で顔を洗い歯を磨き出すものを出して部屋に戻るとなぜか古泉が
いた。
「古泉、貴様何をしている。」
「あのですね。あなたを起こそうと思ってきたのですが・・・。来るのが少し遅かったよ
うですね。」
「そうか、それならひとつ質問だ。」
「・・・なんでしょう。」
「なぜ貴様はパンツ一丁なんだ?」
「・・・。」
「・・・。」
「マッガーレ!!」
くそ、逃げやがったか。まさかクラスのやつがいる前で来るとはな。油断のならんやつ
だ。くそ、朝から胸クソ悪ぃ。明日はもう少し早く起きる必要がありそうだな。

続々とクラスの男が起きる中俺は谷口、国木田と朝食会場へ向かった。会場にはすでに
四十人ほどの北高生がうろちょろしていた。
ゆっくりとバイキング形式の朝食を食べ、コーヒーをいただく。静かで言い朝だ、など
と思うまもなく、
「キョン!ついにSOS団の世界進出の日が来たわね。」
朝からテンションが高いな。
「お前はおはようもいえないのか?」
「いちいちうるさいわね。」
うるさいのはお前だぞ、ハルヒ。
「と・に・か・く!今日は大事な日なんだからちゃんと準備しなさいよ。」
準備といっても特にすることも無いんだがな。そういうとハルヒは颯爽と去っていった。
二日目の予定は自由行動。昼食、夕食も各自でとり集合も午後七時と学校の放任主義が
前面に押し出された内容となっており、今回の旅行のメインイベントといえるものであっ
た。
とはいえ、われらSOS団にとってはこの日こそが台湾支部立ち上げの日であり台北市
内に不思議を探しに行くことが内定済みであった。修学旅行まで来て普通の休日と同じよ
うに過ごさなきゃいけないのはなぜなんだろう。

というわけで、俺たちはホテルの前で作戦会議をしている。ここまできて二つの半に班
分けるとハルヒが言い出した。
「いつものようにやらなきゃ意味ないじゃないの。有希、あれ出して。」
「・・・・。」
無言で爪楊枝を出す長門。
「さぁ、さっさと引きなさい!」
結果はいうまでもない。俺とハルヒ、長門と古泉という組み合わせだ。
「ふぅん。アンタと?まぁいいわ。さぁ早く行きましょ。」
ハルヒが腕に抱きつき俺を台北の街へ引っ張っていく。


このときはまだ知らなかった。この後に起こる悲劇のことなんて。

                           ―――二日目 1 Fin



|