※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

  ―――― 修学旅行 一日目


そうこうしているうちに修学旅行初日を迎えてしまった。あれからというものハルヒは
憂鬱とは無縁の一週間を過ごしていた。だからって俺をこき使うのだけは勘弁してほしい
んだがな。離陸前の飛行機の中でもハルヒは、
「この飛行機落ちないかしらね。」
とか言っていた。ホントに落ちるから勘弁してくれ。俺はまだこの年では死にたくない
んだがな。しかしハルヒとなら墜落しても次の日の新聞には”飛行機墜落、生存者4名”
という見出しが紙面を飾りそうだ。そんな気がするのはなぜだろうか。

飛ぶこと数時間。俺たちは台北に降り立った。空はどこまでも青く透き通っていた。二
年生約三百五十人がひとつの飛行機で台湾に行くのは無理なため関西国際空港からの直
通組と広島空港経由組、福岡空港経由組に別れ台湾桃園国際空港へ向かうことになった。
俺とハルヒ・長門が所属する一組、古泉が所属する九組は福岡空港組であったために台
湾への到着は一番遅く、入国手続きを済ませ集合場所となっていたメインターミナル向
かうとそこは北高生であふれていた。
点呼と簡単と簡単な連絡を済ませた後、空港ビルの外へ出た。九台のバスに分かれて乗
り込み最初の目的地である台北101ビルへと出発した。バスガイドさんはなかなかの美
人で早くも谷口が話しかけている。それを眺める俺の横で、
「ニヤついてるんじゃないわよ。バカ・・・」
とハルヒがつぶやいたように聞こえたのは気のせいだろう。そんな台詞は何百回と聞か
せられたからな。
バスから眺める台北の街には数々の高層ビルがそびえ立ち大阪や東京と比較してもまっ
たく遜色はない。その高層ビル群の中でも頭ひとつ抜け出している台北101ビルは地上
508メートルで現在世界で最も高いビルである。ビルは台湾ならどこからでも見えるの
ではないか?と思うほど空を真っ二つに割るようにそびえ立っていた。
ビルに入ると岡部が簡単な注意事項、夕食の集合時間をを告げ、俺たちは自由行動とな
った。
「ねぇ、キョン。」
ハルヒが俺に話しかけてきた。
「どうした?ハルヒ?」
「一緒に展望台に行かない?」
正直な話、高いところはあまり好きでは無い。馬鹿と煙は高いところがなんとやら。ハ
ルヒもバカとは言わないものの変人ではあるから高いところが好きなのだろう、などと思
いながら
「あぁ、いいぜ。」
とハルヒの申し出を快諾した。ここで断って不機嫌モードに入ろうものなら台北の街が
閉鎖空間に包まれてしまうかも知れぬ。海外にまで来て古泉に神人退治をさせるのもどう
かと思うからな。さすがの俺もそこまで腐っちゃいないつもりだぜ。一応な。
八十九階の展望台へはエレベーターであっという間に着いた。さすが東芝エレベータ。
日本の技術は世界いt(ry
展望台から眺める台北の街は壮大そのもので俺とハルヒは口を開くことも無く眺めてい
た。ふとハルヒに目をやるとハルヒは腕を組み、その目は感動しているというよりはなに
かに期待しているような目であった。しばらくハルヒを眺めていると、ふとハルヒと目が
合った。ハルヒはニヤッと笑うと、
「何見てんのよ。このエロキョン。」
と言い放った。別に変わった目で見ていたつもりも無いんだが。ただ見とれてただけだ、
とでも言おうと思ったがやめておいた。
ハルヒは黙っていれば美少女である。それは一年半の間そばにいる俺が一番知っている。
これまで怒った顔、困った顔、泣き顔といろいろなハルヒの顔を見てきたがやっぱり笑顔
が一番似合うな。ハルヒには。こんな美少女と一緒に修学旅行を楽しめる俺は意外と幸せ
者なのかも知れない。
「キョン。夕食を食べたらもう一回ここに来ない?それまで下に戻って買い物でもしまし
ょう。」
このビルの地上五階から地下一階まではショッピングモール、レストラン街となってい
る。早くも俺の財布から諭吉さんやら一葉さんが逃げ出してしまうかと思ったが、さすが
のハルヒもそこまで鬼ではないらしくウインドウショッピングを楽しむことができた。
夕食時間になり、四階のレストラン前に集合する。
「食べ終わったら私のところに来なさい!来ないと死刑よ!」
わざわざ台湾で殺されたくは無いんだがな、などと思いながら
「あぁ、わかったよ。」
と答え夕食にかぶりつく。台湾料理というのもなかなかいいものではないか。うん。中
華とは一味違った辛さ、うまみ。うん気に入った。
夕食を食べおわり谷口、国木田と談笑していると
「キョン!アンタ約束忘れたの?展望台に行くわよ!」
と見事に拉致されてしまった。谷口、国木田の両名は
「本ッ当に仲がいいね。」
「キョン。台湾に来てまでいちゃいちゃするのはどうかと思うぜ?」
と、気の抜けたことを言っているが俺は身の危険を感じたね。不機嫌なハルヒなら地上
五百メートルであろうと俺を突き落としかねないぜ?
危険を感じながらもハルヒに引っ張られ昼と同じようにエレベータに乗り込み展望台へ
向かう。ハルヒは俺を引っ張っているときになんかブツブツ言っていたな。八十九階の展
望台に到着し俺とハルヒは窓際に近づき外を見る。
展望台からの眺めは昼とはガラッと変わり百万ドルの夜景となっていた。ハルヒの態度も
昼とはガラッと変わり”女の子”の目になっていた。こんなハルヒをみたら俺でなくても
抱きしめたいと思うだろう。俺のそんな目に気づいたのかハルヒは、
「もう。スケベ。」
とつぶやいた。なんなんだろうね。コイツは。それ以外に言うことは無いのだろうか。
あっという間に集合時間となりホテルへとバスで向かった。ホテルは男子は一クラス当
たり二部屋の大部屋、女子には二人につき一部屋の個室が与えられた。何だこの待遇の違
いは。立ち上がれ、男子。今こそ女子の部屋に突撃するのだ。とは谷口の言葉。ちなみに
その谷口は夜中に部屋を抜け出したのが岡部に見つかって職員部屋送りになった。バカめ。
ところで俺たちの部屋で”マッガーレ!”だの”ふんもっふ”だの変な声が聞こえると国木
田が言っているんだが・・・。気のせいだよな。

                            ――――一日目終わり


|