LOST 3話
-長門有希自室にて-パタン ドアが閉まる音。きわめて殺風景なマンションの一室、必要最小限の生活道具。対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースは帰ってきた。彼女は今日一日の涼宮ハルヒの行動と時間平面状の変化。位相空間の変化などを逐一監視しそれを統合情報思念体に送るのがここにいる『理由』なのである。そして今日も、彼女は監視内容を送信し一日の行動内容を終了しようとしていた。「…涼宮ハルヒと彼の交際を確認」「………。」「……エラー自動修正プログラム起動」「…………」「私は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」「修正を終了。現時刻をもって同期を完了。」「引き続き涼宮ハルヒの行動を監視する。」-月曜日-朝から妹の朝ごはんソングを聴きながら毎度の様にエルボードロップで起こされた。妹の元気は俺の朝のテンションの低さの逆二乗則で、朝から元気いっぱいの妹に文字通りたたき起こされいつもの様にのんびりと朝の支度をしようとしていた。しかし、なんとまぁそれだけではなく玄関には土曜日だけでは足らず日曜日まで二人でXXXXな事をしていたSOS団団長兼俺の『彼女』から昨日『愛する彼女』にランクアップした涼宮ハルヒその人が立っていたのだったもちろん、ポニーテールで。「お、おはよう!早く支度しなさいよ!せっかく迎えに来てあげたんだから、いつまでも待たせるんじゃないのよ!」妹よ、ハルヒが来ているならそうやって伝えるんだぞ。次からでいいから。できることを一つづつ増やそうな。そんな、悠長なことを考えている場合でもなく。急いで着替え朝食を胃の中に放り込む。 まてよおい。まだ始業の時間にはかなりの余裕があるぞ。「アタシ今日、日直。」玄関のマットの上にちょこんと腰掛けているハルヒは髪型の違和感だろうか少し髪をいじりながらそう答えた。「ハルにゃん日直なんだー、えらいねー。」妹よ、今日も怪我に気をつけて学校に行くんだぞ。俺は早いが学校に行かねばならない「いってらっしゃぁ~い」数日前の俺なら、なんでハルヒの日直の日に俺まで早く出かけなきゃならんのだと文句を言っていただろう悪いな昔の俺。今は状況が違うのだ。「ん。」あぁ。短いやり取りだが手をつなぐ意思表示にはコレぐらいで十分だ。朝の通学ラッシュの時間を大幅に先回りし人気の無いハイキングコースを二人で歩く。周りには秋の気配でいっぱいでお世辞にも紅葉が綺麗だとはいえないものの「もうすぐ冬だ」という語句をひねり出すにはちょうど言い頃合だった。極めてゆっくりと歩きつつ、コイツは案外計算深いのかもしれないなと思っていた「何よ?」なんでもないさ。また短いやり取り。明朗快活なハルヒがここまで静かなのも珍しいがここ二日のことを考えるとこういうハルヒもハルヒであって、それはそれでいいのかもしれないと思っていた。学校に着くと、ハルヒは職員室に日誌を取りに行くと行ってかばんを渡して行ってしまったので俺は先に教室に行っておいた。今思えば、彼氏ならそこで待っているのが定石の様な気がした。朝の学校は不思議な静けさがあってまるで『暖かい閉鎖空間』にいる気がした。教室に入り当然誰もいない筈の教室に入ると後ろから二番目窓際の俺の席に座っているヤツがいた。長門…?
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