佐々木「ん?素直になる薬?」(3/3)
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佐々木「こ、この包み紙……僕はなんてことを」キョン「ん?どうした?」佐々木「……!」きゅんっ佐々木「ふぁっ……」キョン「?」佐々木「(だめだ……切ないよ……)」キョン「なんかまた具合が悪そうだな、病院寄っていくか?」佐々木「……いや、もう少しこうしていようよ」佐々木「(だめだ、もうキョンと別れて帰らないと、でないと……)」キョン「そうか?」佐々木「(僕は……本当に……)」----
佐々木「ねえ、キョン」キョン「ん?」佐々木「さっきの話なんだけれど」キョン「ああ」佐々木「君は、僕の居心地のいい居場所を、なるべく残したいって言ってくれた」キョン「そうだな」佐々木「ただ、僕らがいくら親友だと言ったからって、いつまでもこんな毎日が続くワケじゃない」キョン「そうとも」佐々木「僕らだって大人になって、周りを取り巻く環境だって、大きく変わっていくんだ」キョン「うむ」佐々木「でも、でもね」キョン「?」佐々木「(だめ……やめて……)」佐々木「僕は……僕は……」佐々木「ずっと、君とこうしていたいって思うよ」
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キョン「ん?ああ、そ、そうか」佐々木「そのために、僕はどうすればいいのか、ってずっと考えていたんだ」キョン「……」佐々木「時間が流れて、僕らの周りの景色が変わっていくなら」佐々木「僕らも、変わらなきゃいけないって、そう思った」キョン「あいかわらず小難しい話が好きだな」佐々木「キョン」キョン「おう」佐々木「(言わないで……お願い……)」佐々木「僕はさ、ずっと恋愛は心の病だって言ってきただろう?」佐々木「でも、気がついたら、僕は君のことばっかり考えているんだ」佐々木「これって、心の病なんだよ」佐々木「ねえ、もし僕みたいなのが、その……あの佐々木「き、きき、君の彼女になりたい、なんて言ったらさ……ええと」佐々木「キョンは、どう思うのかな……」
キョン「……」佐々木「……」佐々木「(すごく胸が苦しい……こんな気持ちなんだな、人を好きになるっていうのは)」キョン「あー、その、なんだ」佐々木「……」キョン「笑っちまうだろうな、そんなこと言われたら」佐々木「え……」キョン「だって、佐々木が、だろ?想像もつかんわ」佐々木「そ、そうだよね、僕みたいなのが……」佐々木「(わかってたのに……こうなるってことくらい、大切なモノが壊れちゃうってことくらい……)」佐々木「っく……ひっく……はは、変だな……なんで僕は、泣いて……ううっ」
キョン「お、おい!」佐々木「ごめん、キョン……やっぱり僕は疲れてるみたいだ……ぐすっ」佐々木「もう、帰るよ」佐々木「(このアメのせいだ……こんなもののせいで、僕は大切な居場所を失ったんだ……)」佐々木「(さよなら、キョン)」キョン「……ちょっと待て」ぎゅっ佐々木「ふぁ!?」キョン「いいか、人の話は最後まで聞くもんだ」佐々木「きょ、キョン!?」キョン「なあ、佐々木。いくら鈍感な俺でも今のはわかるぞ」キョン「お前は、勇気を振り絞って俺に好意を伝えてくれたんだろう」佐々木「だ、だからなんなのさ、関係ないだろう!僕なんか!僕なんか!」キョン「お前から問いかけてきたんだから、最後までこっちの答えを聞けと言うとるんだ」佐々木「いらないよ!もう十分だ!」----
キョン「もし、お前が俺の彼女になりたいって言ったら?」キョン「そんなもん、笑いがとまらんにきまっとるだろうが」佐々木「ううっ……ひどいよ……」キョン「だってな、そんな幸せなことってあるか?」佐々木「え……?」キョン「なあ、佐々木。俺はな、今まで生きててこんなに笑いがとまらんことはなかったぞ」佐々木「あ、あの、え?いや、じょ、状況が……」キョン「お前は頭はいいが、肝心な所が抜けてるから、わかりやすく言うぞ」キョン「もし、お前が俺の彼女になりたい、なんて言ったらな」佐々木「は、はい」キョン「俺は全力を尽くして、お前のこと幸せにしてやるから覚悟しとけ!」ぎゅぅぅ佐々木「あ……あ……」佐々木「ひっく……ひっく……うう……うわああああああああん」
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キョン「なあ、いいかげん泣きやんでくれよ」佐々木「す、すまない……でも、なんだか止まらなくて……ぐすっ」キョン「なんだか端から見たら俺が悪者みたいじゃないか」佐々木「で、でもっ……ひっく、その、ほんと……うれしくって……うう」キョン「あーもう、ズルいなお前は」ちゅっ佐々木「んんっ!?……んっ……ちゅ」キョン「はあ」佐々木「……」キョン「あ……すまん、つい」佐々木「ず、ずるいのはどっちさ……こんなことされたら……んん」キョン「!?」佐々木「んちゅ……はむ……んっ……んちゅぅ」佐々木「(もう、なんにも我慢できなくなっちゃうじゃないか……ばか)」----
キョン「ぷぁっ……さ、佐々木!ストップ!タイム!」佐々木「キョンが悪いんだぞ……まだ、もっと」キョン「んっ……んんっ……!」佐々木「ん……ちゅっ……んむ……」佐々木「ふにゃ……」すりすりキョン「……ゴクリ」佐々木「……もっと」キョン「……ちくしょう」佐々木「んちゅ……んん……はむ」佐々木「んん……もっと」キョン「……ぐぐ」佐々木「……♥」
佐々木「ねえ、キョン。ぎゅーってしておくれ」キョン「あ、ああ」ぎゅー佐々木「ん……これで、ここはずっと僕の居場所になったかな」キョン「そうだな」佐々木「くっくっ、そういえば、さっき僕が言っただろう?『周りの景色が変わるなら、僕らも変わらなきゃ』って」キョン「あー、言ってたな」佐々木「僕はね、あの時思っていたのさ。何かを得るために、大切なモノを失う覚悟が必要なんだって」キョン「ん?」佐々木「キョンという親友を失うかわりに、恋人になれたら、ってね」佐々木「でもね、違ったんだ」佐々木「君は、昔も、今も、そしてこれからも、ずっと僕の隣にいるって、そう言ってくれたんだ」佐々木「だからね、親友だったキョンも、これからの、その、こ、恋人のキョンも、ずっと僕と一緒に歩いてくれる」----
佐々木「それはね、すごく素敵なことだと思うんだよ」キョン「そうだな」佐々木「ねえキョン、これからもひとつ、よろしく頼むよ」キョン「ああ」おしまい
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