1? > 365の一欠片
「さよーならー」さて、今日もかったるい授業を終えて放課後の部活の時間に入る。高校2年生になってもハルヒの破天荒ぶりは相変わらずで今日も新団員探しに精を出しているそうだ。…しかし「ふぁ…」…眠いなぁ。「あ、キョン。今日も部活かい?」「おぉ国木田。そんなところだ…まだ帰らないのか?」「谷口が眠ったままなんだよ」「…こんな奴はこうすりゃいいんだよ」バシン近くにあったノートで叩いてみた。「うぉっ!?」「な?起きただろ?」「ホントだ…というかキョンって容赦ないね」「まてまて、俺に謝罪は?」「まぁ毎日のように妹に叩き起こされてるからな。これくらいは優しい方だ」「妹さんと仲いいんだね」「…まぁな」「おい…謝罪は?」「うるさいぞ谷口。じゃな国木田。早く行かないとハルヒが黙っちゃいないから」「うん。またね」不毛なやり取りを終えて部室に向かう。谷口の寝顔みたらこっちまで眠くなってきた…そういや気持ち悪いもん見ちまったな…春眠暁を覚えずとはよくいったもんだ。そんな時間帯過ぎていようが眠いもんは眠い。いい感じに暖かくなってきたしなぁ…決めた。「…部室行って寝よう」ただハルヒに見つかると叩き起こされる恐れがあるな…部室にいる人に頼んでハルヒが来たら起こしてもらおうかな。コンコンそんなことを考えながら部室をノックする。「………」返事がない。ただの屍n…じゃなくて。誰もいないのか?と思っていたら静かに部室の扉が開いた。「…朝比奈さん?」「あ、キョンくん。どうぞ。あ、静かにお願いしますね」悪戯っぽく笑う朝比奈さん。なんて愛おしい笑顔なのだろう。そう言われて中に入るとにやけ面の古泉と…「………」机に突っ伏して寝ている長門がいた。「…珍しいこともあったもんだな」「ええ、部室に来たときからこうだったんですよ」長門の寝顔なんて滅多に見れるもんじゃないぞ。「長門さん…可愛いですよねぇ」確かに…くうくうと寝息を立てて眠る長門は…なんと言うか犯罪的な可愛らしさを持っていた。あ、いえ、朝比奈さんも可愛らしいですよ?だからそんな寂しそうな目で見ないで下さい…とりあえず眠るのはやめにしてみんなで長門を見ることにした。「はい、お茶どうぞ」「ありがとうございます朝比奈さん」のんびりしながら「みな○け」の新刊まだかなぁ…なんて考えてると。バタン部室の扉が開いた。「やぁやぁ!みくるはいるかいっ!?」「あ!鶴屋さん!静かに!静かに!」いえ、あなたも十分声大きいですよ朝比奈さん。「…もぞもぞ」あ、長門起きちまったみたいだ。「あ、有希っこ寝てたのかい?いやーごめんごめん」直後部室の空気が固まった。…状況を説明するとだな。起きた長門が少し涎垂らしたままトロンとした目でおでこ赤くして「…ふぇ?」とか言いだしてしまったわけで。まぁなんというか…その「有希っこめちゃめちゃ可愛いじゃないか!」そういうわけで。なんかもう今すぐ抱きしめてしまいたいような愛らしさがあって…あ、冗談です朝比奈さん。「……?」そんなこんなで騒ぐ4人を長門はまだポケーっと眺めてた…と思いきや…「…迂闊」とだけ呟いていつも通りに読書に勤しもうとしていた…のだが「な、長門さん?…本が上下逆さまですよ?」まだ少し寝ぼけているようで「…問題ない。これでも読める」「あははは!ダメだ!有希っこ最高に可愛いっさ!」ここまできて意地を張る長門もまた流石としか言いようがなかった。「ねぇ有希っこ!もう一回寝ておくれよ!」「長門さん。私からもお願いします!」長門は何のことだかわからないといった感じで無視を決め込んでいる。「…なんか久しぶりに良いもの見た気がする」「奇遇ですね。僕もですよ」と、そこへ「お待たせー!みんないるわね!?」SOS団団長のハルヒのお出ましだ。「あれ?みんなどうしたの?鶴屋さんまで」「いやぁ実はね、かくかくじかじかで」「えー!?そんなことがあったの!あたしも見たかったなぁ…そうだ有希!もう一回寝なさい!」「そうにょろ!もう一回寝るっさ!」いや、困ったのはわかるがこっちをみないでくれ長門よ。正直その二人は止められん。その後のハルヒの提案で、今日の団活は鶴屋さんも含めお昼寝になった。ってか鶴屋さんは何しにきたんですか?「ん?出番がほしかったから遊びにきたのさ!」…そうですか。春も始まったばかりのそんな日常の、特に何でもない1ページ。長門が気付いて皆を起こした頃にはもう21時を回っていたのは言うまでもないだろう。おわり
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