Different World's Inhabitants YUKI~モクヨウビ(その一)~
「3月14日、木曜日、朝のニュースの時間です。おはようございます・・・」
なるほど。今日は雨か。だったら洗濯物は部屋の中に干しといた方が・・・って、そんな心配はいらなかったっけ。この世界とも、今日でお別れだった。もう1人の私の言葉が正しいのなら、彼女は今日、戻ってくる。そうすれば必然的に私も元の世界に帰らなくてはならない・・・・・・帰らなくてはならないのだ。
洗濯物なんて・・・もうどうでもいい。
嫉妬心とか、失恋とか。今、思い出しただけでも吐き気がする。
これは、放課後、なぜか俺を廊下で待っていて、そしてなぜか俺の横で楽しそうに歩いている古泉のセリフである。ちなみに普段、このポジションについているハルヒならHRが終わるやいなや、教室を飛び出していった。
今日のあいつは何か変だったな。朝、声をかけてもろくに返事すら返さねぇし。やはり、ホワイトデーとやらが関係してるのかね。あいつにそんな乙女らしい一面があるとは、到底思えないが。
おっと、少し話がそれちまったな。本題は・・・そうそう、『下校時間の変化の謎を解け』だったな。これは、本当に俺にも分からん。そもそも、根本的な理由は、朝のHRに我が担任である岡部がかましやがった「今日は午後から急遽、職員会議が行われることになったので、午後の授業はない。昼過ぎには下校になるからな。」という爆弾発言にある。
何でも古泉によると原因はハルヒにあるらしい。やれやれ、自分の娯楽のために、教師達に無駄な会議をわざわざさせるとは。あいつも、もうちょっとこの世のためにあの馬鹿げたトンデモパワーを使って欲しいものだね。
しかし涼宮さんは、私の質問には答えず、右手で私の手をわしづかみするとものすごい勢いで下駄箱へ向かって走り出しました。もう、長門さんも私も、宙に浮かんばかりの勢いです。わわわ、ち、ちょっと、転んじゃいますよぉ~!
「・・・・・・ほんっとうにバカね!!」
涼宮さんが実に楽しそうに辺りを見渡しています。
・・・あの、何と言うか、そのぉ・・・キョンくんじゃないですけど・・・・・・やれやれですぅ・・・。
~続く~
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