キョンの墓前にて
悪夢のような夢を見てあたしは目を覚ました。
夢のなかであたしは怖い姿のあなたと寝ていて、あたしが起きるとあなたは、あなたを捕まえたあたしを怒っていた。
あたしは何故かあなたの為に、あたしが一番尊敬する人から言葉を貰って、あなたに聞かせていた。
その言葉が終わる前にあたしは夢から覚めてしまったんだけど、起きてからね、悪夢じゃなかったって気付いたの。
あなたが去って1ヶ月。あたしの心の悲しみも、なんとかやっと柔らいだと思ってた。
だけど悪夢に姿を変えて、あなたはやってきた。夢から覚めて、意味に気付いて、あたしは泣こうと思った。
だけど涙が出ないの。とても嬉しくて悲しいのに。それはきっと、あたしの涙をあなたが消してくれたから。
そしてあたしは泣いてしまう。あなたの優しさに。
「ありがとう、さよなら」『さようなら。ありがとうな』
夢の中で、寝ていたあたしが見てたのは、変わり果てる前のあなたの心だった。
幸せそうにあなたは誰かを見ていて、その誰かの酔っ払ったような行動は、あなたを笑顔にしていたと日記に書いていた。
その後には、変わっていく自分と、その大きなきっかけの物が惜しむように綴られていた。
最初に夢から覚めた時は、怖い姿のそのものが、あなたになんてとても見えず、わからなかった。
起きてみたら、不思議と目覚めが良くて、しばらくして、…あなただったと気付いたの。
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