キョン100%(1)
3学期も始まりそろそろ春も近くに感じ始めたある日のこと。俺はまた新たな懸案事項を抱えていた。この日は昼休みの何気ない谷口との会話から始まった。「なぁキョン。おまえ深夜アニメとか最近観てるか?」「いや、観てねえよ。夜は寝るのが一番だ。」「俺は昨日観たんだがどうも最近のアニメは現実離れしすぎてる。俺が昨日観たやつなんて主人公の男が美女にモテモテって話でよぉ、しかも女が積極的ときたもんだ。」 「そうかい」谷口のこんなどうでもいい話、この時谷口に詳しく聞いておけばこの日は平穏に過ごすことができたかもしれない。谷口との何気ない会話を終えた俺は何故か無性に散歩がしたくなり校内を歩き始めた。明日は土曜日だ。今日は夜更かしでもするか。などと連休のプランを考えながら歩いてると俺はいつの間にか部室の前に来ていた。ふと長門のことを考えながら開けるとそこにはやはり椅子に腰かけ膝の上で分厚いハードカバーを開いている長門の姿があった。長門はこちらを一瞥すると再び分厚いハードカバーに目をやった。「・・・いたのか長門」ハードカバーに目をやったまま頷く長門。することもないのでとりあえずいつものようにパイプ椅子に腰をかけ短い昼寝でもしようとしたら向かいに座っていた長門がハードカバーを閉じ、立ち上がりだした。そして音もなく俺の前に移動した。「・・・・・これ」長門が差し出してきたのは2枚の映画の試写会のチケット。しかも上映は明日になっている。「どうしたんだ?」「私の投函箱に入っていた」投函箱?ああポストのことか…「・・・明日・・・あなたと・・・」つまりは俺は長門に映画に誘われてるわけだ。日頃世話になってる長門の誘いだし断るわけにはいかない。「明日か・・・いいぜ!空けとくよ!」「・・・・・そう」長門が俺を誘ってくれるなんて初めてじゃないか?とか考えるうちに長門は再び椅子に座りハードカバーを開き始めた。とまぁここまでは良かったんだがこの後俺は再び厄介事に巻き込まれることになる。昼休みも終わりが近づき部室を後にした俺は自分のクラスに歩き始めていた。「あ・・・キョン君!」そう言って俺を呼び止めたのは俺の天使朝比奈さんだ。「キョン君。・・・あの・・・明日お洋服を買いたいので一緒に行ってもらえませんか?」一瞬長門の顔が浮かんだがそこのところはうまく時間調整すればいいさ。なにより朝比奈さんのデートの誘いを断るなんて罰当たりなことをしたらきっと俺はこの先どんな善行をしても即地獄行き決定だろう! 「えぇ、いいですよ!」「ありがとう。じゃあ詳しい時間は夜に電話します。」そう言って俺の天使は背中の羽を羽ばたかせるように小走りで消えていった。結局その後は何事もなく1日が過ぎた。いつも通り後ろの席のハルヒからシャーペンでつつかれたり、部室で平穏に過ごしたり、かえってそれが不気味だった。時刻は現在18時。俺は今部屋でマッタリと過ごしている。明日は長門と映画を見に行き、朝比奈さんとショッピングだ。たまにはこんな生活も悪くないだろう。ふと長門からもらった試写会のチケットを見ると上映時間は10時から。朝比奈さんとは昼過ぎから会えば問題ないだろう。などと考えていると計ったように電話がなった。余談だが俺の着信音は『倦怠ライフ・リターンズ』だが朝比奈さんだけは特別に『恋のミクル伝説』に設定してある。鳴った着信音は後者だった。「キョン君。明日はお昼の1時でも大丈夫ですか?」願ってもない話だ。「大丈夫ですよ。」「よかったぁ。じゃあキョン君また明日に。」「はい、また明日」とまぁこんな感じでことは順調に進んだわけだ。長門と映画を観たあと急げば朝比奈さんのところに間に合うだろう。とはいえ1日に女の子二人とデートとは俺の女運もまだまだ尽きちゃいないらしい。谷口あたりに聞かせたらあいつは悔しがるだろうな。そんなことを考えながら数時間が過ぎ俺はいつの間にか眠りについていた。「キョン君!キョン君!起きてよぉ~!」いつも通り俺は妹の力で目覚めた。今日は休日だ。なのに毎日起こしにくる妹は意外としっかり者なのだろうか。しかし休みの日くらいはやめて欲しいものである。だが今日はそうは言ってられない。長門と朝比奈さんとのデートの日だ!「キョン君。今日デートでしょ?早く出かけないと遅れちゃうよ!」何故妹がそれを知っている?誰から聞いたのか?問い詰めようとすると妹は「えへっ♪」と言って出て行った。妹のことだからどうせ昨日の電話を盗み聞きしたうえ、俺の机に置いてあった映画のチケットを見て推理したのだろう。こうゆうところは誰に似たのか…まぁ兄の俺ではないことは確かだ。「やべ、遅れちまう。」時計を見た俺は長門との待ち合わせ場所に急いだ。待ち合わせ場所にはすでに長門が来ていた。相変わらず休日もセーラー服なのか。「すまん。待ったか?」「・・・・・私も到着したばかり。」無表情の長門はそう答えたが長門のことだ、かなり前から待っていてくれただろう。俺は長門のさりげない気遣いに少し後ろめたさを感じた。朝比奈さんとの約束は明日でも良かったんじゃないか?今更後悔の念が湧き出てくる。「とりあえず行こうか。」「・・・・・」俺は長門と映画館に向かって歩き始めた。歩いている間長門は無表情のまま前だけを見て歩いている。そんな長門の横顔をみるとやはり長門は眼鏡をしていないほうが可愛いな。いつぞやの眼鏡姿を思い出しつつ見ていると長門がこっちを向いた。「・・・なに?」「な、なんでもない!」長門がもし人間だったら、俺は長門に惚れていたかもしれないな。俺は長門の良い面をいろいろ知っている。もし人間だったら…いや、そう考えるのはよそう。さてとここからはすこしまとめて話そうか。俺たちはこの後映画館に着き2時間にも及ぶ超大作を観覧したわけだ。はっきり言って映画の内容は難しくてよくわからなかった。上映中無表情のままスクリーンから目を離さず観ていた長門を眺めていたほうがまだ目の保養になったな。映画が終わりエンドロールが流れ始め観客席で拍手がおきた。「さて、帰るか長門。」「・・・うん」一瞬少し寂しそうな顔をしたような気がするのは俺の気のせいだろう。長門は相変わらず無表情。「長門はこれからどうするんだ?」「私は図書館に向かう。」本来なら俺も一緒に図書館に行ってあげたいところだが朝比奈さんとの約束もあるためそれを選択することは出来なかった。「そうか・・・じゃあ俺は帰るよ。」「・・・わかった」そう言って長門は図書館に向かって歩きだした。遠ざかっていく長門。このままではいけない気がした。「長門!」立ち止まった長門は首だけをこちらに向ける。「俺も行くよ!」朝比奈さんとの約束までまだ少し余裕がある。万が一遅れたとしてもハルヒと違って朝比奈さんなら笑って許してくれるだろう。何故かわからない。だが長門をこのまま行かせちゃだめだと俺の中の何かが叫んでいた。とりあえず長門を選択して図書館に着くと長門はいつものように館内を物色し始めた。長門はこうなると何時間も動かない。ある意味俺にとっては好都合かもな。俺は長門を図書館において朝比奈さんとの約束の場所へと向かった。なんとか間に合ったようだ。待ち合わせ場所に着くとそこには可憐な姿の天使がいた。「あっ・・・キョン君!わざわざごめんなさい。」「いえいえ、朝比奈さんに誘ってもらえて光栄ですよ♪」「ふふっ♪じゃあ行きましょう。」軽く微笑んだ天使は前に向かって歩きだした。おそらくこのスマイルをみて落ちない男はこの世にいないだろう。いたら俺がぶん殴ってやる!でてきやがれ!着いたのは最近できた大型ショッピングモール。こんな機会でなければ二度と来ることはないだろう。「わぁ!この時代のお店は賑やかですねぇ。」「未来にはどんな店があるんですか?」「えぇ~っと、未来には・・・い、言えるわけないじゃないですかぁ!禁則事項です!」やはり朝比奈さんは相当の天然のようだ。その気になればカマをかけて未来のことも聞き出したりできそうだが俺のモラルに反するのでやめておこう。相手が古泉だったら容赦しないがな。「あ・・・この服可愛いですねぇ♪」「店員さんに試着できるかどうか聞いてみたらどうです?」「そうですね♪店員さ~ん。これ試着してもいいですか?」ここの店員は少し太ったお姉さんだ。ネームプレートに『柳原』と書いてあるがどこかでみたことあるような気もする。きっと気のせいだな。その店員はキャピキャピとした歯切れの言い声で話し始める。「えぇ~試着ですかぁ~♪あぁもうどんどんしちゃってくださ~い♪」「じゃあこれ着てきますね。キョン君、少し待ってて下さい。」朝比奈さんは衣装チェンジのため扉のむこうに消えていった。再び扉を開けたそこには再び輝いた天使がいた。「キ、キョン君・・・どうですか?」そりゃもう朝比奈さんに似合わない服なんてなくもちろん似合っていたさ。少し衣装が朝比奈さんに負けてたけどな。「似合ってますよ。」素直に発した言葉だった。「じゃあ、これ買います!」部室でハルヒに無理やり衣装を着替えさせられてるときも思ったが、朝比奈さんはどんな服だろうと最終的には喜んで着ている。未来では一体どんな服を着ていたのか見てみたい気もする。未来と言えば朝比奈さん(大)が未来にいるってことは今俺の目の前にいる朝比奈さんもいずれいなくなってしまうんだよな。これは既定事項だろうが納得できないな。「キョン君?どうかしたんですか?」「いえ、なんでもありませんよ!」いつか別れる日がきても俺は朝比奈さんを忘れない。絶対にな。「キョン君、今日は付き合ってくれてありがとう。」「またいつでもご一緒しますよ♪」俺はそう言いながら長門を思い出していた。時間は今15時。長門を図書館に置いてきて2時間になる。まぁあいつのことだから普通に閉館までいそうだが。このまま朝比奈さんと一緒にいたいが長門を放っておくわけにもいかない。「では朝比奈さん。また明後日学校で会いましょう。」「うん♪今日はありがとう!」俺は朝比奈さんを見送ると図書館に再び向かって走りだした。まぁここまでは俺の頑張りによって順調に来たわけだ。ところが走っていた俺は角からでてくる人間に気づかず衝突してしまった。「いったいわねぇ~!どこ見て走ってんのよバカ!」聞きなれた声、聞きなれた喋り方もうおわかりであろう。涼宮ハルヒだ!よりにもよってこんなときに俺はハルヒと出くわしちまった。「キョ、キョン?」「・・・ハルヒ?」「なんであんたこんなとこにいんのよ!?」朝比奈さんとのデートが終わってこれから長門を迎えに行く途中。なんて言えるわけない。「たまたま散歩してたんだよ。おまえこそ何やってんだ?」「暇だったからみんなを呼ぼうと思ってね!丁度良いわ!いつもの喫茶店に行きましょ!みくるちゃんもいまそこに呼んだから!」さすがにハルヒはやることが早い。「なら俺は今から長門を連れてくる。あいつはこの時間なら図書館にいるはずだ!」「そう。お願いね。二人で消えちゃだめよ!」ハルヒと別れ、また面倒くさい集まりがあんのか。今度は何するんだろうか。などと考えつつ俺は図書館に着き長門に事情を説明した。長門は無言で頷き。俺たちはいつもの喫茶店に向かった。いつもの喫茶店に着くとそこにはハルヒと朝比奈さんがいて古泉の姿がなかった。「古泉は?」「古泉君ならバイトがあるから今日は来れないって電話もらったわ!」バイトねぇ。またあの薄暗い空間で化け物退治でもやってるんだろうか?あの野郎今日に限って来ないなんてまるで俺のことを全部知ってるようだ。まぁ赤い玉に変身するような変態野郎だからいつどこからひょっこり顔を出すかわかったもんじゃねぇ。「そうか古泉はいないか・・・」結局その日はハルヒは本当に暇だっただけらしく特にすることもなく喫茶店で適当に談笑してから解散になった。朝比奈さんと長門が帰りハルヒと二人になったところでハルヒが薄笑いを浮かべた。「さぁキョン!今からお化け退治に行くわよ!」「はぁ?」「はぁ?じゃないわよバカ!隣町の廃墟に夜な夜な幽霊が出るって噂なのよ!これはSOS団として見逃せないわ!」また始まったよ。こいつも普通に高校生活を過ごせばいいものをどうしてこうも厄介事が好きなのかね。「朝比奈さんと長門はいいのか?」「みくるちゃんは怖がりだし、有希も苦手そうだからね!あたしたちのほうが動きやすいのよ!」俺としては長門がいてくれたほうが心強いのだがハルヒに言うわけにも行かず仕方なく付き合うことにした。夜も7時を回っていたのであたりは真っ暗。俺たちはコンビニで懐中電灯を購入し隣町の廃墟に向かった。廃墟につくと辺りは不気味なほど静まり返っていた。なるほど。確かに幽霊の一つや二つはでてきそうだ。「さぁ、入るわよキョン!」ハルヒに引っ張られ中に入ったが中は真っ暗でほとんど見えない。懐中電灯を点けあたりを照らすといかにも廃墟らしくボロボロの階段や壁が映しされる。「キョン!奥に行ってみましょう!」俺の手を強く握ったハルヒはなんとなくだが少しは恐怖を感じているように感じた。「何もないわね」「幽霊なんていねえんだよ。」結局中をくまなく探索したが何もなかった。諦めて帰ろうとするとハルヒが庭を指差した。「キョン!あれ見て!」ハルヒの指差す先には明らかに使われていない古い井戸だった。「ただの井戸だろ?」「怪しいわ!中を見てみましょ!」こうゆうときのハルヒは目をキラキラと輝かせていてもはや誰が止めても無駄だろう。俺はハルヒの言うとおり井戸を覗いてみた。井戸の中は…正直言うと何も見えない。「キョン!ここにロープがあるわ!これで井戸の中に降りて調べてみましょ!」俺だって普通の人間。こんな薄気味悪い井戸の底なんて見たくない。だが団長様は納得してくれないだろうな。「ハルヒ、どうせなにもねえよ!時間の無駄だ。さっさと帰ろうぜ!」「キョン、あんた怖いの?大丈夫よ。あたしも一緒に行ってあげるから。」いや、おまえと一緒だから怖いんだよ。お前が望めば井戸の底に化け物が一体や二体でてきてもおかしくないからな。だがさっさと帰りたかった俺は適当に調べてさっさと帰ろうと井戸に入ることにした。ロープをしっかり固定し俺に続きハルヒも下に降りて行った。井戸の中盤まで来たときに俺はとんでもないことに気づいた!明らかにロープが腐ってる。気づいた瞬間それは漫画のようにプツリと切れ俺たちは井戸の底に落ちてしまった。「いてて・・・」「いったぁ~い!」井戸の底は意外と何もなく地面も柔らかかったおかげで助かったようだ。「うそ?ロープ切れちゃったじゃない。」「だから俺は嫌だったんだよ。」「あたしもまさかこんなことになるなんて思っても見なかったもん!」「こりゃ登るのは無理だな。」「どうすんのよ!?この辺り夜はあまり人こないわよ!」「朝まで待つしかないだろう。」「朝まで?あんたと二人で?」「嫌なら一人で脱出すればいい。」「・・・わかったわよ」人はこんな状況に陥ったら間違いなくハルヒのようになるだろう。だが俺はこの一年いろいろあったおかげでこの程度のことでは動じないようになっていた。まぁ最悪古泉か長門気づいてくれるだろ…「携帯も通じない。もう10時よ。明日まで我慢するしかないのかしら。」「仕方ないだろ?」とりあえず気を紛らわすためハルヒと話を始めた。「・・・寒いわね」「まだ2月だからな」この時間だと気温は5℃を下回る。寒そうなハルヒに俺はコートを貸してやることにした。「ハルヒ。これ着ろよ。」「いらないわよ。大体あんたが寒くなるじゃない!」「俺なら寒さになれてるから大丈夫だ!」「だめ!あんたが着てなさい!」強情なハルヒは頑なに拒否する。だが俺は明らかに寒そうにしているハルヒにコートをかぶせた!「女なら男に恥かかせるなよ!」ハルヒは少し沈黙し「・・・わかったわよ」と頷いた。少し時が経ち今度は俺にもツケが回ってきたようだ。寒い…「・・・キョン。こっちに来なさい。」ハルヒが俺を引き寄せる。「もっと近くに来なさいよ。」ハルヒの指示で俺とハルヒの肩が密着する。「キョン。団長命令よ。文句言ったら死刑だから。」そう言いながらハルヒはコートの半分を俺に被せてきた。つまり今一枚のコートを俺とハルヒが半分ずつ着ているようなものだ。今俺とハルヒはかつてないほど近い距離にいる。「キョン。しばらくこうしてなさい。直に助けもくるわ。」なんかさっきと立場が逆だなこりゃ。「大体あんたのせいなんだからね。ロープくらい確認しなさいよ。」「それはお前も同じだろ?」「うるさいわね。とりあえずあんたが悪いんだから私の言うとおりにしなさい。あんたは今からあたしのおもちゃよ。」おもちゃ?そういえばハルヒが前に朝比奈さんをおもちゃ扱いしたことに俺が切れたことがあったな。今は怒る気にもならないが…「おもちゃだから文句言わないように。」ハルヒはそう言うといきなり俺に抱きついてきた。「な、なんだよ!」「あんたはいま人工カイロなの。文句言わない!」ハルヒの突然の行動に驚きもしたがハルヒの体はかなり暖かい。俺はハルヒの気持ちを察すると反射的にハルヒを抱きしめ返していた。なるほど人工カイロか、よく言ったもんだ。今の俺とハルヒの距離は0だ。一年前のあのときと同じ、誰だってこう思う。今は離したくないと。ふと古泉の野郎の言葉が浮かんだ。「(お熱いですねぇお二人共)」うるせえ古泉!お前がいくら特殊な空間に入れる能力を持ってるからって人の想像の中にまで入ってくんな!…何を言ってるんだ俺は。だが何故か古泉の顔が無性に浮かぶ。ん?どうやらハルヒは俺の胸の中で眠ってしまったようだ。「どうやらそろそろ潮時のようですね♪」井戸の上から声が聞こえる。声の主はわかってる。あの微笑野郎だ!「やっぱり古泉・・・お前の組織の仕業か?」「ええ♪あなたならすぐ気づくと思ったのですが。」「助けるのが遅いんだよ!」「すいません。少々手違いが発生しまして。」やれやれうすうす感ずいてはいたがやはりこいつの仕業だったか…2日後。俺は今クラスでハルヒとSOS団の今後について話している。あれからハルヒはあの時のことを話そうとしない。結局あの後古泉の組織の手によって助け出された俺たちはそのまま家に帰された。もちろんハルヒには古泉の茶番だってことは知らせておらず、普通に助けが来たと思ってる。だが確かにあのときあの場所で俺はハルヒの温もりを感じた。それは一生忘れられない体験だ。第1部 ━完━
キョン100%(2)
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