しっと団の野望 ~エピソード1~
※恋愛相談と時間軸がリンクしています
みなさん、こんばんは。朝比奈みくるです。今日もSOS団のマスコットとして活動しています!毎日が楽しいですよぉ。なんでって?SOS団には、かっこいい男子が二人もいるからです! 一人目はキョン君。涼宮さんに連れてこられた平凡な男子高校生です。でも彼の見せる優しさに、私はもうメロメロです。残念ながら彼は涼宮さんとほぼ相思相愛と言っていい状態にあり、もう付き合うのも時間の問題。でも彼はよく私(特に胸)に視線を向けてくれます。まだ望みはあるんです! もう一人は古泉君。キョン君とは違ったベクトルのカッコ良さです。はっきり言えば、完全に狙い目です!長門さんはキョン君しか目に入っていません。つまりフリーなワケです。うふふふ、バラ色の恋愛生活ももう少しですよ!え?この時代の人と付き合えない?そんなのは【禁則事項】を【禁則事項】しちゃえばいいんです! さて、そんなある日のこと、いつも通り私はメイド姿でキョン君達にご奉仕していました。いつも通りの団活。しかし、それが終わった後キョン君がとんでもないことを言いました。 「みんな聞いてくれ。俺決めたよ。明日、ハルヒに告白する。」 な、なんだってー!?ついに来るべき時が来てしまったようです。まあ時間の問題ですから、仕方ないです。正直、涼宮さんに勝てると思ってませんでしたし、しょうがないですね。だから私は笑顔で言いました。 「わぁ~!頑張ってくださいねえ!」 どっかの誰かさんがモノローグで「手放しで喜んだ」とか言いそうなぐらい喜ぶフリをしました。しかし、私の心にはどす黒い感情が渦巻いていました。あんちくしょうめ……!ま、まあいいです。これでようやく、古泉君一人に狙いを絞ることが出来ますからね。さっそく明日からアタック開始しますよ!! と、決意したのもつかの間、翌日の部室にて今度は長門さんが衝撃告白をしました 「私と古泉一樹は交際することになった。」 はい、私はお盆を盛大に落としました。な、なんだってー!?(2回目)そんなバカな!!長門さんはキョン君に夢中だったはずなのに!こ、これは計算外です、ていうか、こんな連続コンボでカップル成立するなんて聞いてませんよ……これじゃあ、私が一人余り者になっちゃうじゃないですか……「あ、お前の席ねーからwwwwwwww」と言われているようです…… 「一人身……私だけ……一人身……」 いつの間にか口から出てしまっていたようです。キョン君がこっちを見ています。しかし、もう私にマスコットをする余裕はありませんでした。 そう、この瞬間から、私は嫉妬に燃える鬼神となったのです! 「うふふ……ふふふ……ふふふのふ……」 自宅にて。私はポスターを作成していました。目的のために。そう、『あの2カップルの邪魔をする』という目的が! 「ふふふ……これで良し。」 私はポスターを完成させました。 「来たれ!嫉妬に燃える諸君! 共にこの世のバカップルに制裁を加えましょう! 興味のある方は、今週の土曜日に○○まで!」 ふう……完璧です。私の目的を達成させるには、仲間を増やす必要があるのです。これを校内の掲示板に貼っておけば、きっと何人か来てくれるはずです! しかし、問題があります。長門さんです。長門さんにかかれば、こちらの目的などすぐ見破られてしまいます。それどころか、あの反則的な力で何一つ出来ずに終わる可能性が高い。つまり、長門さんに対抗出来るメンバーが必要なのです。喜緑さんは長門さん寄りですから、期待出来ないでしょう。となると、あとは一人だけ……! 思いたったらすぐ実行。私は去年の4月までひとっ飛びしました。目的の人物に会うためです。え?申請が必要?そんなもの【禁則事項】を【禁則事項】しちゃえば(ryその人は、あっさり捕まえることが出来ました。 「あの、少しよろしいですか?」「あ、あなたは確か……2年の朝比奈さん、よね?」「はいそうです、今日はあなたに用があって来ました。朝倉さん。」「私に?何かしら。私は、先輩に目をつけられるようなことはしてないはずですけど……」「あなたの正体は知っています、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイス。 そして長門さんのバックアップ。そうでしょう?」「……あなた、何物?」 彼女は警戒を強めました。でも私は続けます。こちらには切り札があるのです。 「私はこの時間の人間ではありません。もっと未来から来たのです。 あなたには私がいる時間、約一年半後に来てもらいます。」「私がおとなしく従うとでも?」「あなたは今から数ヶ月後、長門さんに情報連結を解除されます。」「なんですって!?」「さらに、長門さんは古泉一樹という超イケメンと付き合ってイチャイチャし始めるんです。 どう思いますか?」「そ、そんなの許せないわ……!あの子に彼氏なんて生意気よ!私の方が絶対モテるんだから!」「私はそれを妨害したいのです。でも長門さんは万能です。私では太刀打ちできません。 だからこそ、あなたの力が必要なのです!!協力してくれますか!?」「……分かったわ!あの娘にだけいい思いなんてさせないんだから!!」 交渉成立です。私は仲間になった彼女を引き連れて元の時間に戻りました。朝倉さんはこの時間に存在しているはずのない存在なので、しばらくは私の家で隠居しててもらいます。 さて、土曜日です。今日は不思議探索はお休みということになっています。でもどうせ二人でデートという名の探索をするつもりなんでしょう!カーッ!ペッ!!古泉君達も遊園地がどうとか話してたし、ああもう、観覧車に乗って1番上に来た時点で観覧車が止まってしまえ!あ、でもそれじゃあ逆にいろいろとムードが出て……って何想像してるんですか私! さて、召集をかけたのはいつもSOS団が集合するのとは違う公園。いつもの公園じゃ忌々しいカップル共が集合場所に利用する可能性が高いですからね。今現在いるのは、5人。私と朝倉さん。そして…… 「まさか召集をかけたのが朝比奈さんだったなんてな!ていうか朝倉、いつ帰ってきたんだ?」 キョン君の友人、谷口君。まあ彼は来るだろうと思っていました。こういう類のイベントには絶対参加しそうです。そういうオーラがあります。 「ふう、まさかいかがわしい集団に所属している貴様がリーダーとはな。 まあ、あの古泉達の邪魔をするというのには私も同意だ。」 ため息をつくのは生徒会長(本名不明)さん。SOS団では敵ですが、ここでは仲間になって頂きます。 「このようなイベントを、私待ち望んでおりました。」 ……1番のサプライズはこの人。まさかこの人が参加するなんて思ってませんでした。ていうか、学校にしか貼ってないのにどうやって来たんですか 「『機関』の情報収集力を、甘くみないで頂きたいですな。」 物凄い勢いで『機関』を無駄遣いしています。まあいいです、彼はきっと物凄く強い。きっと力になってくれます。 私は、みんなに語りかけ始めました。 「みなさん、今日はよく来てくださいました。今この瞬間から、私達は『同士』です! そしてこの団体に名前をつけたいと思います。それは……「しっと団」!」 記念すべき「しっと団」結成の瞬間です。これは歴史に残りますね。 「しっと団……!!」「ふむ、なかなかだ。」「素晴らしい名前です。」「私、気に入ったわ!」 みなさんも喜んでくれてるみたいです。良かった…… 「さて、「しっと団」では、コードネームで呼び合うことを義務付けます!」「コードネーム!本格的だな……!」「私は『トゥモロー』。そう呼んでください。谷口君は『ジャッカル』。」「『ジャッカル』!なんかカッコいいぜ!」「会長さんは『フォックス』。」「ふん、いいだろう。」「新川さんは『スネーク』。」「何故だか分かりませんが物凄く私にピッタリな気がしますぞ!」「そして朝倉さんは『キラー』です。」「あら、カッコいいわね♪」「さあ、皆さん!カップル達を、地獄に落としましょう!!」「「「「おーー!!!」」」」 私達は聖なる雄叫びをあげました。ちなみに、今公園には小さなお子様を連れているお母様方がいっぱいいるのですが、何やら私達に「なにしてんだコイツラ」的な視線を向けています。流石にこれ以上ここでやるのは少し恥ずかしいので…… 「では、計画について話し合いたいと思います。 場所を変えましょうか。どこがいいかな……出来れば周りに人が来ない場所……」「だったらいい場所があるぜ!『トゥモロー』!」 『ジャッカル』君が提案しました。さて、どこでしょうか……? 「WAWAWA忘れもの~♪俺の忘れもの~♪」 えっと……なんでこんなことになったんでしょうか。『ジャッカル』君の提案はカラオケボックスでした。確かに個室という点ではベストですね。それまでは良かったのですが……何故かノリでカラオケ大会になってしまいました。ま、まあまだ時間はあるし、今日は親睦を深めるという意味で……あ、次私ですね! 「みっみっみらくる♪みっくるるんる……」 ノリにノって歌っている最中でした。私は見てしまったんです。 ドアの前を歩く、キョン君の姿を!! 「『トゥモロー』、どうした?」 気持ち良く歌っている途中でマイクを落とした私に、『フォックス』が声をかけました。私は、「すいません、ちょっとトイレに……」と言って慌てて部屋を出ました。ちなみにみくる伝説は『スネーク』が引き継ぎました。ノリノリでした。 私は見つからないように、そ~っと隣の部屋の中を覗きました。するとそこには…… キョン君、涼宮さん、古泉君、長門さんの姿が!!! 「な、な、なんでここに……!!」 思わず声に出してしまいました。だってそうでしょう?キョン君と涼宮さんは二人きりで市内探索すると言っていたし、古泉君と長門さんは遊園地に行っているはず、なのに何故!? 「ま、まさか……」 ワタシ ハブラレテル? 私は外から見えないようにかがみこんでドアに耳をつけました。周りから見ると不審者以外の何物でもありませんがそんなこと気にしてられません。聞こえてきたのは、涼宮さんとキョン君のラブラブデュエットでした。 「もー!キョン音外しすぎよ!」「だから俺はいいって言っただろ。一人で歌えば良かったじゃないか。」「……いっしょが……よかったのよ……」「ん?なんだって?」「キョンと一緒に歌いたかったって言ってるのよ!!このバカ!!」 ああ、私の胸に、脳に、全身に、どす黒いパワーが溜まっていくのが分かります。そうか、これが、「しっと」の力……!!ふふ、楽しんでいられるのも今のうちですよ。クリスマス!その日あなた達は、地獄に落ちるのです……ふふ……ふふふ……ふふふのふ……!! 終わり(本編に続く)
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