『観測日誌』
4月4日 平成○年度、県立北高入学式の日。 本日より私の観測が始まる。 …北高へ無事「進学」という形で潜入できた私に、この3年間の学業生活の間、本分である学業はともかく、として、課せられた「使命」は大きい。 もちろん「観測対象者《達》」への接触・調査・尾行・親交を始めとして、私自身、そして私の帰属する《団体》への利益も追及しなければならない。 今日はその初日のことを記そうと思う。 長い、長い坂道を登っていく。最近の高校生のスカートの短さには目を見張るものがあるが、ちょっと前を女子生徒が歩いていたりすると目のやり場に困る。あからさまな行動は慎まなければならない。できるだけ、普通に、この坂道を登っていくことが課題なのかもしれない。入学式前から、3年間の課題が一つ増えてしまった。自らに課題を与えるのはヒーローの特質だ。安西先生も草葉の陰で喜ぶだろう。 入学式自体は、特に普通そのものであった。式の後のクラス分けで私の配属されたクラスは1年5組であった。この高校は、市内の4つの中学からの出身者でほとんど、占められている。もちろん、《所属団体》の後ろ盾があったとは言え、私の出身中学からも、何人かこの高校へ進学し、また、同時に5組にも何人か見知った顔がいる。しかし、見知った相手とは言え油断は禁物だ。どんな出来事が高校で待ち受けているかわからない。中学時代から数年、同じ学び舎で過ごした者であっても、高校に入りどんな変化が現れるかわからない。過去の情報を抹消するわけではないが、それに頼りすぎていても、仕方がない。なぜなら、使命を果たさなければならない。 しかし、このクラス…、観測対象者、もしくはそう「なりうるもの」が大勢いる。これは私にとっても《団体》にとっても好都合だ。 自己紹介の折に、観測対象者の確認、また、新規で観測対象者となりうるものをピックアップしていく。朝倉、阪中、瀬能…、そして重要観測対象者であろう、涼宮。 私の、3年間の内のまず【1年目】がこうして始まった。4月某日 5組での重要観測対象を2名、とここに記す。 一人は、涼宮。東中出身。当初からの重要観測対象者である。ここ数日の行動は大人しく、事前から知っていた彼女の様子とは異なるのが気にはなるが、様子を見ることにする。 もう一人は、朝倉。駅前の公園近くのマンションに住んでいるようだが、出身校不明。更なる調査を続行する。性格は明るく、また、人当たりもよく、成績優秀な様子である。すでに我々クラスの中心人物となっている。カリスマ性も高い。涼宮の観測と同時にこの人物の観測を強化する。 観測対象者のピックアップもひとまず出来たので、観測資材を手に入れるために、電気街へと放課後赴く。デジカメ、DVDハンディカメラ、望遠レンズ等を購入。 4月某日(s-p) 涼宮に接触する男子が現れた。彼の名は…キョンと呼ばれている。彼と同じ出身中学の男子が彼をそう呼んでいる。酔狂な、あだ名だ。まったく相手にされていない様子。観測対象、涼宮には特に変動なし。自宅での様子を探るため、毎晩、定点観測を行い、同時に、静止画・動画での撮影を今後続けることにする。 また、朝倉がクラス委員になったことを付け加えておく。彼女は成績が優秀なだけではなく、運動神経もなかなかのものであることを体育の授業で確認。また、周囲への気配りも忘れない、まさに、優等生である。清楚な雰囲気もあることを付け加えておく。 4月某日(s-o) 涼宮が体育の授業の際、下着姿を男子に見せ付ける。 また、部活動の仮入部をあちらこちらで繰り広げているらしい。既知の情報と変わらないので、接触はせずに、そのまま観察にとどめる。自宅への監視を続行。 5月某日(s-w) ゴールデンウィークが明けた。5月とは思えないほど暑い。 この頃になると、私は「ごく普通に」坂道を登校することが出来るようになった。無駄に人目を気にすることも、前かがみになることもない。そうできるようになったのは友人(と、ここでは言っておこう)と、傍目からは見える存在を得たことである。高校生らしい風景だが、私に課せられた使命をw忘れるわけにはいかない。 5月某日(s-y) 観測対象、涼宮に変化が発生。髪を肩くらいまでに切りそろえて登校。しかし、彼女の髪は願掛けだった、という未確認の情報もあるが…。慎重に調査を進める。 また、全学年への一通りの調査を終了した。 5月某日 《団体への報告書の写し》 重要観測対象者を以下に羅列する。留意されたし。 朝倉:観測レベルAAA(1年5組)自宅マンションを2日おきに監視中。 阪中:観測レベルABB(同)自宅住宅街付近を含め毎週日曜日に監視。 瀬脳:観測レベルABC(同)通学途中を中心に監視。 涼宮:観測レベルAAA(同)重要観測対象に付き、深夜2時までの観測を継続中。 長門:観測レベルAAB(1年6組)朝倉と同じマンションなので2日おきに同じく監視中。 朝比奈:観測レベルAAA(2年)自宅不明。学校での様子を監視。 鶴屋:観測レベルAAB(2年)自宅のセキュリティーレベルが高い。よって学校での様子を監視。 喜緑:観測レベルABB(2年)自宅不明。 中西:観測レベルABC以下の4人は学校でも私生活でもグループ行動をすることが多いので、同様に監視する。 財前:観測レベルABC 榎本:観測レベルABB 岡島:観測レベルABB 以上。識別コード「B」「C」対象者については別種郵送する。 5月某日(s-o,n-w) 重要観測対象:涼宮AAAと、キョンと呼ばれる男子が接近。新密度が上がっている模様。 自宅での涼宮AAAの様子が変わってきている。特に、どう、とは言えないが、一言で言うならば「楽しそう」である。 5月某日(s-w,n-w) 重要観測対象:涼宮AAAが授業中に、文字通り叫んでいた。観測対象に変化の兆しが見える。 尾行の監視作業に入るかは、慎重に見極めたい。 5月某日(s-b,n-w) 季節外れの転校生がやってくる。9組に編入されたようだ。男子生徒、古泉。8月末の報告書には追加しておこうと思う。 5月某日(s-y,n-w,a-b) 重要観測対象:涼宮AAA,謎の団体設立。別途、報告する。 また、朝倉AAAと長門AABの自宅マンション監視中、朝倉が長門の部屋を訪れていることも確認。どうやら交友がある模様。が、監視に気づかれているはずはないが、電気を消されてしまった。どういう意図か、趣味か、嗜好か、注意深く、観測を継続する。 5月某日(s-r,n-w,a-b) 入梅が前倒しになるんじゃないかと言うくらい暑いが、観測はそうも言っていられない。 重要観測対象:涼宮AAAは、暑さにまいっているのか、様子が大人しい。先週の様子とは違う。同じく重要観測対象の朝倉AAAが気にしているが、無視している様子。 放課後、5組の教室で異常事態が起こっていた模様。と、いうのも扉が開かなかった。時刻は17時過ぎのこと。この後にあったことは、別に報告したい。 5月某日(s-g,n-w) 重要観測対象:朝倉AAA転校。 疑念が募る。もう少し事を早く積極的に行っておくべきだったか?と後悔するが、我が使命に振り返ることは許されない。彼女の居住地だったマンションへと赴くが、途中、重要観測対象:涼宮AAAとキョン、観測対象:長門AABの姿を見つける。もしや。彼ら、彼女らも?と不審を覚えるが、今日はこれ以上の調査は出来ない、危険と判断、帰宅する。また、この夜、重要観測対象:涼宮AAAがベッドでうずくまって、泣いている様子。この頃、感情の起伏が激しいようだ。キョン、と呼ばれる男子の影響か?やがて、電気が消えたので観測終了。 5月某日(s-w,n-w) 重要観測対象:涼宮AAAの髪型が変わっていた。 が、昼過ぎには戻った。 6月某日(s-w,n-w) 重要観測対象:涼宮AAA。観測対象:長門AAB。観測対象者:朝比奈AAA。観測対象:鶴屋AAB。キョンなど揃い踏みでの野球大会。観測続行。 7月7日(s-y,n-w) 七夕。この使命が果たされるように、願いをかける。 窓辺で、星たちに願いをかけるため、両手を組んで祈る。 神よ、全知全能の神よ、我が使命、願いを受け入れんことを。 7月某日(s-bl,n-w) 期末テスト終了。この頃、先の野球大会での謎の団体、SOS団は毎日、文芸部室を根城として活動していることが周知の事実となっている。 観測対象:喜緑ABB,文芸部室SOS団に接触。 7月某日 夏休み突入。観測を夏休み中までは続けることが出来ない。 なぜなら、私には私で、海での、プールでの強化合宿があるためである。 つらい、合宿だが、楽しみを一つでも見つけ、いい夏休みを送りたい。 8月某日 最近、だるい。何故か、何回も夏休みを送っている気分になる。夏バテだろうか? しかし、今日も今日とて合宿だ。張り切らなければ。 8月某日 合宿を自主休み。体調管理には気をつけたい。とはいえ、使命を忘れるわけにはいかない。プライベートでも観測機器は一通り持って出かける。 気が向いたので、夏祭りに来ると、浴衣姿の観測対象達を発見した。さっそく、木陰から観測する。 9月1日(s-g,n-w) 2学期のスタート。しばらく、観測を続けていなかった観測対象たちの夏休み後の変化を探るため、危険だが今学期より、尾行、私物等のチェックをすることにする。 危険な行動とはわかっているが…、夏合宿で鍛えた私の力を試すチャンスだ。 9月某日(s-y,n-w) 夏合宿の成果なのか、尾行・私物チェックとも気づかれた様子がない。私のスキルも上がったようなので、観測をもっと《見るだけでなく》、《声をかけたり》、《触れたり》、《もっと記録に残していったり》しようと思う。 よくよく考えれば、短い高校生活の間に、使命を果たさねばならない。思い立ったら吉日。さっそく実行する。 9月某日(s-bl,n-w) 重要観測対象:涼宮AAAを尾行。SOS団たる謎活動が終わってからの彼女は、ただの美少女女子高生だ。途中、下着を買っていった現場を観測。その後一人でカラオケboxへと入っていった。流行のヒトカラか?隣の部屋で聞き耳を当てると、アニソンを熱唱していた。中の人も大変だ。キョーダインなんかゆとりには通じないぞ。 9月某日(s-o,n-w) 観測対象:朝比奈AAAと同じく鶴屋AABを放課後、尾行。学校でもそうだがプライベートでも仲がいいこの二人は、数メートルごとに男から声をかけられている。 9月某日(s-???n-w) 観測対象:長門AABを尾行。しかし、途中で見失う。 9月某日(s-???n-w) 観測対象:喜緑ABBを尾行。しかし、途中で見失う。
10月某日(s-w,n-w) 観測対象:中西ABC、財前ABC、榎本ABB、岡島ABBの4人が文化祭でのステージ発表をするとの情報。観測しなければ。 10月某日(s-bl,n-w) 我がクラスの文化祭出し物がアンケート発表に決定。つまらない、と正直思う。 10月某日(s-y,n-w,am-w) 重要観測対象:涼宮AAAが率いる謎団体SOS団が映画撮影をしている模様。観測対象が3人もいる団体だ。隠し撮りをしつつ、観測を続ける。特に朝比奈AAAの衣装が素晴らしい。 11月某日(s-bl更衣室確認n-w) 文化祭。合宿の成果を見せ付ける。周囲の反応、特にキョンの反応が面白かった。うさぎちゃんカワイス。 11月某日(s-???n-w) 観測対象:長門AABの様子が違うようだ、とキョンからの情報。聞くところによれば、SOS団はコンピ研とのゲーム対決の練習中なのだが、長門の様子が、楽しそうだ、ということだ。 これは、いい観測チャンス、と思い、今日から観測対象:長門AABの尾行を続ける。 11月某日(s-???n-w) 観測対象:長門AAB、帰り際にコンビニでお菓子を買う。カールチーズ味とポテロング、きなこもちチロルチョコ、だった。カールはカレー味だと思う。チロルチョコのチョイスは素晴らしい。 11月某日(s-???n-w) 観測対象:長門AAB、今日も帰り際にお菓子を買う。やっぱりポテロング、きなこもちチロルだった。 11月某日(s-???n-w) SOS団、ゲーム勝負にて圧勝、との話。キョンから下駄箱で聞いた。観測対象:長門AABの尾行を継続。何故かスキップで帰る観測対象をデジカメに収める。もちろん動画にも。今日もお菓子を買っていった。ポテロング5箱、きなこもちチロル箱買い。 11月某日(s-???n-w) 観測対象:長門AABの自宅マンションでの様子がおかしいので、記す。彼女は自宅に帰っても、読書ばかりしているのだが、最近はぼーっとしている回数が多くなってきた。先日のゲーム対決以来、どんどんおかしくなってきている気がする。 11月某日(s-bl,n-w) 私事で恐縮だが…、これも合宿で得た一つの能力とその結晶として報告する。 坂の下のお嬢様高校「光陽園」の1女子生徒とのアプローチに成功した。クリスマスは使命、プライベート共に大いに盛り上がりたい。 12月某日(s-g,n-w) カーディガンを朝は着ていたはずの観測対象:長門AABが、カーディガンを着ずに帰宅している。忘れたのだろうか? 重要なアイテムと判断し、入手すべく学校へ侵入するも文芸部室には鍵がかかっていた。 12月17日(s-?,n-?,a-b) 信じられない…としか言いようがない。まさに奇跡だ。一足早い、クリスマスプレゼントなのだろうか? 重要観測対象:■■■■■が■■の部屋にいた。なぜ?かは、わからないが、こんなにうれしいことはない。早速■■■号室の監視に入る。 12月18日(s-y,n-w)どうにもおかしい。風邪をひいたわけでもないのに、鞄にマスクが入っていたり、昨日の報告書にもわけのわからないことを書いている。 使命、プライベート共に安定しているので、浮かれているのだろうか?でも…何か大事なことをwa忘れているような気もする。 505号室はやはり無人だった。どうかしてしまったようだ。 キョンが階段から落ちたことを付け加えておく。 12月19日・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(修正コードを確認。修正箇所を暫定的に■へ置換。)/////////////////////////////////////////////// 「………。」 「なっっっっっっ…!!!!」 「ふ…ぇ…」 今、私の目の前には、3人の観測対象者がいる。そして、彼女たちが見ているのは、私の数ヶ月間に渡る「観察日誌」だ。 私の状況といえば、ぐるぐる巻きにされて地面に転がっている。しかもチェーンでだ。こんなチェーン、貨物の積み下ろしデッキにしかないようなものだが、観測対象者の一人である長門有希は、私の首根っこを左手に、チェーンを右手にここまでやってきた。 そして、ここは、なぜか港である。 「ま、まてよ…、ほら♪冗談だって、じょうだ…」ドンっ!!寝転がっている俺の側頭部を涼宮の足が貫いた。 「おう!危ねーじゃねーか!ってパンツ見えるぞ、涼宮」こんなアングルこそ絶好の観測、ではないか!! 「見えたって構わないわよ…。あんた…ここで死ぬんだから」 あぁ、そうなんですか…って、おい!!sisisisi死んじゃうの俺!?長門と朝比奈を見やる。長門は、キョンの言っていた「凍り」の目線で、いつもは天使のようだと、これもキョンの言っていた朝比奈は、目に涙を溜めながらも「悪魔」のような様子である。うむ、俺、冷静☆。 「でもねぇ…あっさり死んじゃっても、あたし達、つまんないし。まずは、全部ゲロッてもらいましょうか!?」 涼宮は、靴の底で俺の顔をにじり踏んだ。パ、パンツ…。 「どっからいきましょうね…?まず、日付の横にある記号はなにっ!?」 視界が涼宮の靴によって遮られているので、どっちかはわからないが、腹を思いっきり蹴られた。うーん、この靴のサイズなら、朝比奈か。しかし、痛みは大きい。誰だ?天使から悪魔に豹変させたやつは!? 「早く言えっ!!!」 蹴られた痛みの上に、顔面を踏みつけている涼宮の全体重が俺の顔に押しかかる。 「う…、う…、し、した…ぎ」 「はぁっ!?!?」 喋りにくいことを察したのか、涼宮の靴底が俺の顔の上からどいた。 「だぁかぁらぁ、下着の色だよ、いぃろ!wが白、yが黄色、Oがオレンジ、bは黒、blが青、rが赤。みりゃわかんだろ?ちなみにSってのは涼宮、nってのが長門aってのが朝倉、朝比奈さんはamだ。だってみくる、だろ?」 「気安くよぶんじゃねーよ!」 朝比奈が俺の横腹を蹴飛ばした。やっぱりさっきの痛みは朝比奈のものだったか。痛みが、ほら♪一緒だ♪ 「この記号は…なに?」 長門が聞いてきた。俺は得意げになって答える。 「あーそれはな、ランクだよ。朝倉はAAAだから《AAプラス》長門はAABだから《Aマイナー》だな。お前は顔はかわいいんだけどな、胸が、な。あと下着が白ばっかりってのも、うぅうぐぅおぉっっ!」 聞かれたから答えている、のにもかかわらず、話の途中で長門は俺の脚を蹴り始めた。雪のように白く細い足から繰り出されるキックは美しい。蹴られながら、その美脚をうっとり眺める。美しい…。 俺がうっとりしているのがわかったのか、長門は俺の視線に気づくと「ちっ、カスが。」と言って止めてしまった。おしい。非常におしい。 「ってことは、あんた!なに!?あたしたちのことずーと見てたわけ!?」 「見てた、だけじゃないぜっっ!!!」 両腕が塞がってなければGJポーズをしたいところだ。 「見る、だけじゃ、俺の使命は達成できないからな。もちろん撮影も録画もしたぜっ☆ちゃんとCDRにもDVDRにもwawawa忘れずに焼いたからなっ☆!」 3人は何故か、唖然、とした様子だ。俺は主張を続ける。 「だいたいなぁ涼宮、お前カラオケ行ってもアニソンばっかりじゃねーか。いくらよう京○ア○の狙いとはいえ、あれじゃー飽きられるぜ。それに、お前あの枕もとの写真?キョンぅうぐへぇおえっ!!」 涼宮の蹴りが俺の頬を射抜いた。しかし、めげない俺! 「長門もさぁ…お前部屋にカーテンつけたほうがいいぜ。あれじゃ、風呂上りもたまんねーうびゃぼびょうぅおう!!」 長門の膝が俺の腹に落ちた。ブライアント兄弟並の追い討ち攻撃だ。しかし!逃げちゃだめだ!逃げちゃだめだ! 「でも、なにが残念かって朝比奈さんの自宅がわからなかったことだぜ!朝比奈さんなら隙だらけだからきっといい画が手に入っただろうに。俺、残念。でも、朝比奈さん、いっつも角まがったところで消えちゃってうびょぉぼぅろぇっ!!」 「禁則事項ぉぉぉぉぉっ!」と叫びながら朝比奈が俺の顔を2度3度踏みつける。……いい♪ 「で、あんたの《使命》ってなに?所属団体って!?」 3人が声を揃えて詰め寄る。俺の使命っ!それは! 「俺の使命は、かわいい女子の一部始終を永遠の記録として撮影することだっ!!そして所属団体の名はSOS団!SugeeeeeeeeOtokogaSatueisuru団!!」「…なにそれ」それが、3人の声を聞いた最後だった。 12月24日 クラスのみんなの「久しぶり」「大丈夫だった?」との声に迎え入れられて、俺は久しぶりの5組へ入った。 久しぶり、と言っても、「改変世界」じゃ会ってるし、「大丈夫?」と言われても、本当に大丈夫なのは世界のほうか?と疑いたくもなる。まったく、やれやれだ。 いつものように軽薄に声をかけてくるクラスメート1名の姿が見えないが…「改変世界」で風邪をひいていただけに、こっちでもひいたか?などと考えながら、後ろの席に声をかけた。 「なぁハルヒ?」 「ん?」 そっけない返事もいつものこいつだ。安心する。 「谷口、今日休みか?」 ハルヒは外を見たまま答えなかったが、しばらくすると呟くようにこういった。 「今、有希が再構…、しらないわ」 ?わけがわからん。 国木田が、近寄ってきたので同じ事を聞いてみる。 「あぁ彼ね。団体のほうにも連絡ないし。どうしたんだろうね」 ??ますますわからん。そっか、とだけ答え、ハルヒと同じく外を見てみる。 ガラスに反射するハルヒの視線が何故か国木田を追っていた。 ----終わり----- あとがき兼いいわけ7/23の2つ目の投下になります。粘着?前々作「ワードオブライツ」前作「Hirundo rustica」がプリンスレ投下でしたので、内容的に心配でした。のでアナルに投下したんですが、住人皆様暖かく迎えていただきthxです!また、文の一部に「輪舞の人」様のSSの影響もあります。勝手ですが、この場を借りてお礼申し上げます。相変わらず、つたない文とありきたりな表現ですが、読んでいただいた皆様にはお礼しかもうしあげることができません。本当にありがとうございます。最後部で原作とは違う点もありますけど2次創作物なので、ごめんなさいです。まとめサイト管理人様、協力者様お疲れ様です。VIPPERの皆様、お付き合いいただきありがとうございます!毎日暑い日が続きますが、みなさん健康にはきをつけるのよっ!///【ヨーロピアンパフェ2007/7/23】
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