女古泉’ちゃん’の憂鬱 第三話「僕と彼と時々機関」
「はぅ~☆猫かぁいいよ~!!」いつものように『機関』に集まった僕等。森さんがどこで見つけたか知らない生物(ナマモノ)をぎゅっと抱きしめている。「あ、あちしを殺す気かー!!」その謎の生物(ナマモノ)はずっとそう叫び続けている。「やれやれ。『機関』にあんなもの持ち込まないで欲しいですね」僕の隣で優雅に紅茶とココイチのカレーを頬張る女性が呟く。それで、カチンと来た。怒り頂点を貫いて噴火。「・・・あのですね」「はい?」「『機関』は『機関』でも、『埋葬機関』じゃなぁぁぁぁぁあぁあああいぃぃっっっ!!」「「「「な、なんだってー!?」」」」「死徒二人と第一位、七位全員帰って下さいッッ!!」僕はスタンローブの怨念を四人に向かって投げつけた。「「「「ギャー!!」」」」彼じゃないけど、こう言いたくなる。やれやれ、って溜息と共に。「生徒会長のアナル掘ってくるか」新川さんのそんな一言に更に溜息が出る。「猫ー!!猫ー!!ほ、ホァーッ!!」「ニャーッ!!」森さんと生物(ナマモノ)に対して更に溜息が出る。「兄さん。クッパをどうやって倒せるかな」「どうだろうな」「多丸兄弟何をやってるんですか?」「「マリオブラザーズのコスプレ」」・・・・・どうやら、今日も『機関』は平和なようです・・・・・。・・・平和じゃないのが、平和なような場所ですから。第三話「僕と彼と時々機関」「んちはー!クロレンヤマトの宅急便でーす!!」誰も出る気配が無い。仕方ない、ここは僕が出るしかないのか。「はーい」「判子お願いします」僕は指差された場所にポンと判子を押した。そして、荷物を確認する。どうやら僕宛の荷物のようだけど・・・。・・・あぁ、そうか。この前、森さんが僕名義で買ったゴスロリか。いや、違う。今回は甘ロリを買ったんでしたっけ・・・。「森さーん!甘ロリ届いたよー!」「じゃあ、いっちゃん!!早速着てみて触らせて~♪」「触らないで下さい」「そんな事言って毎回感じちゃってるくせにー☆」「そりゃ否が応でも反応しちゃいますよ!人間だもの!!」そんな攻防が一時間以上続き、最後は森さんに半ば襲われて僕がKOされました。・・・女に責められる女。そっちの人ならきっと喜ぶんだろうな。しかし、僕はキョンくんが大好きだから。うん、とても苛められたいぐらい大好きだから。苛めちゃってるけど。「なぁ、森」「生物(ナマモノ)逃げたぞ」「え!?あ、こらー!!」ここで多丸兄弟・・・もといマリオブラザーズが助けてくれた。「大丈夫か」「ピーチ姫」「甘ロリだからそう見えるかもしれないけど、決してピーチ姫のコスプレではないんですよ、コレ」溜息をついて外を見る。遠くで、ビームが飛んでいるのが見えた。「・・・はぁ」このまま機関に居ても仕方が無い。普段着に着替えて僕は外に出る。こうして素、つまり女の子として街中を歩くのは結構久しぶりな気がする。いつも忙しいから。彼のせいで。本当に迷惑。だけど・・・やっぱり大好き。そんな彼が世界で一番。男としてだけど近くに居て解るもん。いつも僕には厳しいけど、だけど優しいんだって。ただゆらゆら街中を歩く。行く当てなんて無いけど。そして、良い感じの川辺にそっと座る。春の訪れが近い。生えている草を見て、そう感じる。「・・・帰ろうかな」数分してポツリと独り言。元々何も目的が無かったんだから。それが良い。でも・・・それは無理みたい。「へへへ・・・一緒に遊ばないか?」不良が五人。僕の周りを囲んでいた。分が悪い。三人ぐらいなら大丈夫だけど、これは人数が多い。「なぁ、いいだろ?楽しい事しようぜ?」「いえ、用事があるので」「いいじゃねぇか、そんなもんさ?」「っ!離して!!」「おとなしくしな!!」このままじゃ、危ない。そう思った時だった。「おい、キョン。見ろよ」「弱いもの虐めをしてる弱者だな」「同意見だね」見覚えのある三人がそこに居た。「何だ、お前等?」「お前ら頭の悪い不良と違ってただの高校生さ」谷口くんが答える。・・・あれ?キョンくんの話だと谷口くんって赤点ギリギリじゃなかったっけ?「んだとゴルァ!!」「負け犬ほど、よく吠えるって言葉を知ってるかい?」国木田くんが嘲笑を浮かべる。「んのやろー!!」「やれやれ。国木田、谷口、散開しろ」そして・・・キョンくんが指示する。「「OK!」」国木田くんと谷口くんはそれぞれ一人ずつ相手していた。国木田くんは、体が小さい分動きが身軽。谷口くんは、ただ単純に喧嘩慣れしている傾向が見られる。キョンくんは三人を相手にして、防御に徹している。けど、動きには余裕が見られた。ふとキョンくんの頬に拳が一発入る。と、同時に「正当防衛成立だな。二人ともやっちゃえ!!」そう呟くのが聞こえた。キョンくんはそこで反撃に移り変わった。身軽な動作で蹴りを払い転ばせ、突きを流して顔面に肘を入れる。食らった二人はその場で蹲って呻いている。そして、それを見て呆然としている一人の顔面に思いっきり右ストレートを入れた。「伊達に休日どっかの誰かに振り回されて体動かしてる訳じゃないからな・・・動体視力と体力には自信があるんだ」見れば、国木田くんと谷口くんも相手を気絶させていた。ふと、何事も無かったようにキョンくんが私を見る。「大丈夫か?」「はい。助けてくれてありがとうございます」「気にしなくていいさ」「それよりも、俺と一緒にデー・・・」「うるさいよ、谷口」「んじゃ。川辺は不良が多いから気をつけろよ」「はい。本当にありがとうございました」キョンくん達は何処かに歩いていった。それを見送ってふと僕は疑問に感じた。なんで、あれだけ強いのにアナル掘られる時に対抗しないんだろうか、と。そんな訳で長門さんに電話で聞いてみたらマッハの速度でキョンくんのアナルを掘っていた事が判明した。「抵抗しようにも出来ないのか・・・」僕は自然と自嘲気味に笑っていた。そんなこんなで、『機関』に戻った。そして、「だーかーらー!!なんで貴方達が居るんですかー!!」と、思わず叫んだ。「「「「何となく」」」」とりあえず、『機関』は『機関』でも『埋葬機関』の四人には再びスタンローブを投げつけて置きました。そのついでに瀕死の四人をアインナッシュの中に放り込む。どうせ死にはしないでしょう。「にゃー!!」「はぅ~☆猫かぁいい~♪」森さんは追いかけて引きずり戻したのであろう生物(ナマモノ)を大事そうに全力で抱きしめていた。「やっぱり生徒会長のアナルはよく締まるぜ」新川さんは何故か若々しくなって帰ってきていました。「変なのー」「変なのー」多丸兄弟はまた違うコスプr・・・っていうか、それ姉妹専用じゃないんでしょうか?そんなこんなで「平和」と書いて「平和じゃない」と読む。そんないつもの『機関』でした。「平和ですね・・・」「やめるにゃー!!もう一回、び~む」「痛い、痛いよー!でもかぁいいよ~♪」「ニャー!!」
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