幸福な鶴屋さん 6
「あ、あ、の・・ やめ・・うぇ・・」
自分から人に接することが無いため、言葉を話すのもご無沙汰だ。
まともな日本語を喋れるわけも無く、醜態を晒してしまった。
結果、その行動は自分の居る正確な位置情報を相手に教えてしまっただけとなった。
「あ、あのう・・ もう、大丈夫ですよぅ・・?」
予想外の相手の問いかけに、私は目を丸くした。早く出て来い、だの さっさとしろ、この糞蟲 だのといわれるものだと思っていたからだ。
相手は・・・ 転校生の方だった。 栗色の髪・・ 童顔だが、出るところは出ている、うん、いいスタイルだ。
「こ、ここですかあ・・?」
栗色は私のいる教卓をずらし、奥にはさまる私を見つけた。
そして、差し出したのは、ハンカチ。
薄く桃色がかった、彼女の精一杯の想い。
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