幸福な鶴屋さん 3
ある日の放課後、私はいつものように部室棟の物置で昼食をとっていた。
以前教室で弁当を広げた際、まとめて3Fの窓から放り投げられてしまって以来、ここが私の食堂になった。
様々な教材が積み上げられており、窓からさす陽ざしも大半が遮られている。覚られぬように蛍光灯も点けていないので、
正午にもかかわらず異様な不気味さを、この教室はかもし出していた。が、あまりの椅子や机が所狭しと積まれているため、ある意味では快適な面もあったと思う。
「・・・」
誰か、来た。 気配で、わかった。
おそらく教材を取りに来た教師か、文科系の部活動員が備品を取りに来たのだろう。
私は手早く昼食の弁当をたたみ、物陰に息を殺して隠れた。ここで見つかったら、また何を言われるか・・ たまったものではない。
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