教師「えー本日を持ちまして、涼宮ハルヒさんは転校することになりました。」
…どいつもこいつもニヤケ面。
教師がいなかったら拳の1発や2発かましてるところよ。
──そんな学校生活も、もう終わり。
唯一出来た思い出が楽しくなかったのが心残りかな?
教師の岡部がサラリと奇麗事を並べると、生徒の間からは拍手の音が聞こえた。
どうせ、万歳の拍手だろう。あたしを惜しむ者なんて一人もいない。
あたしの前の席にいるキョンが遠く見える。
…キョンは、どういう意味で拍手してるんだろう…?
だけどもう、どっちでもいい、アンタともサヨナラよ。
……少しだけ楽しかった。ありがとうね。
あたしはもう次の生活を思い描いていた。次こそ普通に生きれますように…。
そんな精神状態の中、ある音があたしの耳を刺激する。
ガラッ!
キョン「どうしたんだハルヒ、お前らしくないぞ。」
──えっ?
……キョン?
古泉「見て下さい、この体。機関のお偉い方さんからも好評なんですよ。」
──嘘。キョンはあたしの席の前で拍手を送っている。
ただ、転校しようとしているあたしを、無関心な表情で…。
長門「…精神を攻撃する情報思念体。解ってしまえば、怖くない。」
突然現れた長門が教師である岡部に飛び掛る。
──そんな光景に驚いている暇もなく、キョンがあたしの手を引っ張る。
キョン「いくぞ、こっちだ!」
その時のキョンの手は暖かかった。間違いない。本物だ。
あたしはふと顔に笑みを戻すと、そのまま倒れてしまった。
キョン「───おーい、ハルヒぃー。」
ん……ん?
気づけばあたしはキョンに抱きかかえられていた。
──夢?だったの?
キョン「お前相当悪い夢見てたんだな、ソファーから落ちるなんて普通はありえんぞ。」
普通の部室。普通の光景。普通の…キョン……。
ハルヒ「あ……あっ、そう!
あたしたまにはだってこーいう事あるわよ!」
──嬉しかった。夢でよかった。
そう思うと同時に、また眠気が誘ってくる。
ハルヒ「あたし、もっかい…寝る。
キョンも……。」
あたしは喉まで出かけた言葉を噛み殺した。
だけど、あの、手を引っ張ってくれた時のキョンは本当に頼もしかった。
──そのうち、副団長も考えてやらなくはないわ。団長があたしでよかったわね、キョン。
古泉「さてさて…涼宮さんはまた眠ってしまいましたが…。」
長門「いい。……彼女に何らかの支障を出さない事、これが私達の役目。」
キョン「しっかしまぁ、やっぱり頼りになるよな、長門は。」
長門「………」
───ハルヒ、お前は戦った。自分の精神に負けず、がんばった。
だから今は眠っていろ、SOS団の団長が倒れるなんて団員の俺達には、願ってもいない事だからな…。
……お前が閉鎖空間にいる間、いろんな計画立ててたんだぞ。
お前が起きたら、どれから実行してやろう……っとと、それを決めるのは団長のお前だったな。はははは……。
Fin
これを読んでくれた古泉萌えの皆さんありがとう
古泉「次週もマッガーレ!」