⊂⊂( ^ω^)⊃⊃「ブーンだお!!」
ハルヒ「ちょっとブーン!部室で走らないでよ!」
⊂⊂( ^ω^)⊃⊃「走り出したら止まらないお」
先ほどから部室の中がさわがしい。
ついさっきまで隣でトランプをしていたブーンが、いきなり走り出したからだ。
しかもハルヒがそれを見て怒り、ブーンを追い掛け回すのだから、うるさいことこの上ない。
キョン「……はあ」
古泉「これは困りましたね」
俺は先程と変わらず、古泉とポーカーを続けているが、
時々ブーンが起こす風でカードが飛んでしまうため、決着がつかない。
うっとうしい。
長門「……」
部室の隅で本を読んでいる長門も、風でページがめくれるたびに顔を上げ、
ブーンとハルヒを無表情に見る。無表情なのがかえって怖いな。
みくる「ふ、ふたりとも、落ち着いてくださいよ~」
メイド服の朝比奈さんは戸惑った顔でオロオロしているだけだし、
(´・ω・`)「フフフ……馬鹿な1だね、ほんと」
ショボンは持参のノートパソコンの画面を見ては、笑っているだけ。
インターネットにでもつながっているのだろうか?
こんな状況を気にもしないショボンがうらやましく思える。
⊂⊂⊂( ^ω^)⊃⊃⊃「ブーン!ブーン!」
ハルヒ「よーし、こうなったら……覚悟しなさい!」
キョン「お、おい……」
スピードが上がり続けるブーンに業を煮やしたのか、
ハルヒが俺の持っていたトランプを取り上げて、
何かの構えを取る。
右手の人指し指と中指にはカードが一枚挟まれている。
おいおいまさか……
ハルヒ「必殺!カード手裏剣、追跡打ち!」
なんだそりゃ。
しかし、名前に負けずカードは回転しながらブーンを追跡し、飛んでいく。
あー、あれは当たったら痛いな。
( °ω°)「な、なんだお!?危ないお!」
ブーンは、恐るべき反射神経でそれを避けた。
だが、トランプはまだ飛んでいく。部室のドアの方へと。
そして、タイミングよくドアが開くのだから、運がいいのか悪いのか……
カードはなんと
ξ°⊿°)ξ「………」
プスリという小気味良い音を立てて、
カードは見事、部室に入ってきたツンの頭に刺さった。
('A`)「……俺シラネ」
ツンの後ろにドクオがいたことは、俺以外の誰も気付かなかったことだろう。
みんな、カードが刺さったツンを見ていたのだから。
ツンは長門のような無表情で、頭に刺さったカードを抜き、部室全体を見渡した。
ξ°⊿°)ξ「……投げたのは誰?」
ハルヒ「ブーンよ!」
( °ω°)「えー!!!」
まあ、それからはみんなわかることだろう。
今部室の壁には、ブーンがまるでキリストのように磔にされている。
そんなブーンを的にして、笑顔でカード手裏剣を投げ続けるハルヒとツン。
まあ、これはいつものことなので、みんな気にしない。
ブーンがいくら「なんでだお!投げたのは団長だお!」と言っても、
ハルヒとツンのふたり組に関わりたくないみんなは、黙りこくるばかりだ。
キョン「まったく……」
まだ古泉とポーカーを続けていた俺は、
窓から外を見ながら思った。
ブーンたちがSOS団に入ったせいで、また騒がしくなったなあ、と。
fin