涼宮ハルヒの夢幻 プロローグ
プロローグ 神様は傲慢だ。神は我々を創った創造神でもあるが、神の怒りと称し、この世を幾度と消し去った破壊神の二面性を持つ。 ある時、神に仕えた男が神に刃向かった。男は自らを堕天使と名乗り、悪魔と手を結ぶ。後に神が率いる天使と悪魔達との戦いが起きる。神はその力を使い、悪魔に勝利し、世界は平和になったそうだ。 悪魔は、人々に害を与える悪者であり、神は絶対の正義という考えは、世間の一般的な考えである。しかし、神が悪魔に負けた場合、この立場は逆になったはずだ。何故かって?「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉を知っているだろうか。言葉の通り、勝てば偉いし、負ければ反逆者扱いということだ。江戸幕府や明治以降の日本の立場を見れば、分かると思う。互いに己の正義を振りかざし、悪者は相手だと言いながら、戦う。ならば、悪魔の正義って何だろうな。 「さぁ、何でしょうね。」古泉が肩をすくめて言った。今日は土曜。いつものように、不思議探索という名目で図書館へ来ている。俺の隣には古泉と長門がいる。そういや、古泉を図書館に連れて来るのは初めてだったな。先ほどの話しは、俺が見ていた本であり、欧州の神話をいくつか集めた物らしい。読み始めはつまらないと思いながらも、次第に読みふける自分に気付き、我が前世は、どこぞの宗教活動者なのではと少し複雑な気分に浸ってた。「随分と難しい本をお読みで。」暇だったからな。お前は何を読んでいるんだ?「僕は人の死期についてです。」どんな話だ?「自分の死期は自分では普通気付かない。しかし、それに気づく人々もいるのです。それは何故かというのを科学的に証明する話です。」目の前に死神でも現れたのか?「そろそろ行きましょう。時間です。」もしかしたら今現在、俺の目の前で死神がいて、死のカウントダウンをしているのではないだろうかと不意に思った。それがいつ0になるのか考えると今日は今日とて、不安で寝れないだろうな。 「おい長門。行くぞ。」
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