想い
「キョン…嘘ついてないなら私の眼を見ながら話なさいよ。なんでさっきから眼を合わせようとしないの?」
「気づいちまったんだよ。自分の気持ちにな。」
「何?キョン?気づいたことって」
「それはなハルヒ・・・」
だめだ言えないハルヒが好きなんてどうしても言えない。
「はっきりいいなさいよ!!バカキョン!!!!」
「すまん。ハルヒもう少し休んでからでいいか?」
「そうね・・・。寝不足だから少しはゆっくりしなさいよ。団活休んだら死刑だから!!」
わかったよ。死刑はいやだからな。
ハルヒはそういうとさっさと保健室から出て行った。
俺はしばらく保健室のベッドの上でじっとしていた。
放課後、俺は家に帰ろうかと思ったが、ハルヒの機嫌を損ねると
閉鎖空間が発生し、古泉が苦労するからな。
今日はせっかくのバレンタインデーだ。
さてと、部室いくか。
そう考え俺は保健室を後にした。
文芸部室の前、俺は深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
そして扉を開けた。
「うぃ~す」
「あっ!キョン!!大丈夫なの?」
お、ハルヒ心配してくれてたのか。
「ばっ・・ばかじゃないの?
団長として団員の健康を心配するのは当たり前じゃない!!///」
そういったハルヒの顔は夕日のせいか赤く見えた。
ところでハルヒみんなは?
「あ~今日はもう帰ったわ。チョコあげただけで何もすることなかったし」
うぉ~ぬかった。朝比奈さんのチョコをもらえないなんて!!死のうかな・・
「なにばかなこといってんのよ。大丈夫よ。
有希とみくるちゃんは明日あんたにあげるって。」
お~神は私を見捨てなかった。ありがたやありがたや
「それでハルヒは帰らなかったのか?」
「だって、あんたが来たとき誰もいなかったらかわいそうじゃない。それに・・・」
そこまで言ったハルヒは急に黙り込んでうつむいてしまった。
「どうしたんだハルヒ?気分でも悪いのか」
「ちょ・・あ・・・たかった・・のよ」
ん?何だって?
するとハルヒは顔をあげた。
「だから。チョコをあんたに直接渡したかったのよ!!!!」
そういいきったハルヒの顔は真っ赤に染まっていた。
「そうか、ありがとよ。で、チョコは?」
「あんたには雰囲気ってもんがないの?帰るときに渡すわよ」
帰る?ああそうか今ここにはハルヒと俺だけだもんな。
「あんた本当に大丈夫?いつもよりも顔が赤いわよ」
それはなハルヒ、お前が直接くれるなんていうからだよ。
と心で言った。口から言えるわけがねぇ。
「それじゃ帰るわよ。」
そういってハルヒはさっさと靴箱の方に歩いていった。
って俺が鍵するのかよ!!まあいいチョコもらえるんだ。これ位お安い御用さ。
俺が鍵を掛けて職員室に届け急いで外へでるとハルヒが待っていた。
「遅い!!!」
「悪い。鍵掛けてきたからな。それじゃ行こうか。」
「ちょっ・・なんであんたが仕切ってんのよ。団長はわたしよ。」
そういっているハルヒの顔はどことなくうれしそうに見えた。
「それで、どこで渡してくれるんだ?」
俺が言うとハルヒは呆れ顔で
「だから、あんたにはデリカシーってもんがないの!?
そういうのは女子から言い出すでしょうが。そんなに欲しいなら今あげるわよ!!」
「すまんハルヒ。俺こういう風に直接もらうの初めてでさ。なんか落ち着かないんだよ。」
「そうならそうと早く言いなさいよ。」
「すまん」
「いいわよ別に。」
そう怒っているハルヒの顔はこれもうれしそうだった。
そして俺らはハルヒの家に近い公園に着いた。
「ブランコ乗りましょ?」
「あぁ」
そこで俺たちは子供みたいにいろんな遊具で遊んだ。
気が付くともう午後8時、周りは暗くなっている。
「そろそろ帰ろうかしら。」
「そうだな。帰るか」
そういって俺は公園から出ようと歩き出した。すると
「キョン」
「なんだよハルヒ、ってうぉ!!」
ハルヒはいきなり袋を投げてきた。
「家に帰ってから開けなさいよ。じゃないと死刑だから」
お前は家まで見張ってる気か。と思いつつ
「わかったよ。」
と返事をし家に帰った。
帰路、正直うれしかった。
家に帰って妹にチョコをもらい部屋にすぐ入った。
さぁいよいよ袋オープン!!!
中に入っていたのは手紙と箱だった。
俺は急いで箱を開け中身を確認した。
中に入っていたのはチョコだった。しかしなにかが違う。
明らかに人の手で作られていたのだ。
「これはハルヒの手作りか」
そうこぼし俺は食べてみた。
うまいうますぎる、店のチョコよりうまい。というか店が開けるぞ。
と思うくらいうまかった。
俺はチョコをゆっくり味わったあと手紙のほうを読んだ。
そこにはこう書いてあった。
『キョンへ
この手紙を読んでるということはすでにチョコを食べたんでしょうね。
順番は言ってないけど、どうせ食いしん坊のキョンのことだから
チョコを先に食べるに決まってるわ。あのチョコは私の手作りよ!!
ありがたくいただくことね。でもこの手紙はこのことを言いたいだけじゃないの
本当の目的はね。私・・・・』
俺は急いで自転車に飛び乗ってさっきの公園へと向かった。
『私、キョンのことが好き。』
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公園に着くとすぐにハルヒを探した。
しかし、いないどこにもいない。
「ハルヒ~~~」
俺は大声をあげた。近所の方すいません。
「なによ・・・・・」
後ろを見るとハルヒの姿があった。
震えている。
「泣いてるのか?ハルヒ」
「なっ・・・泣いてないわっよ。わっ・・私は団長なのよ。泣いてるわ・・・け・・・・」
俺はハルヒを抱きしめた。
「もういい、何もいうな」
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