標的(Target)3 夏のミステリーツアー
※ここからは第三者視点になります。2日目の乱闘で、ほぼ全員、ケガを負い、1000万円も偽物であることがわかり、SOS団とボンゴレのメンバーは、リボーンにだまされていたことを認識する。骨折り損のくたびれ儲け、ふんだりけったりの結末となった。その後、行事を終え家路に着くツナだったが、SOS団の知り合いである、谷口、国木田、三栖丸ミコト、キョンの妹、鶴屋は、リボーンの計らいで、SOS団がいる間、ツナの家で生活することになった。ツナ自信は断っていたが、ツナの母親である奈々の計らいで、彼の言うことは無視された。そういうこともあったが、無事に(?)3日目が始まる。時刻は、朝の6時。白み始めた空の色とは対照的に、街は夜の名残である闇にまだ包まれている。そんな中、リボーンと涼宮ハルヒに呼び出され、SOS団のメンバー、ボンゴレファミリーのメンバーは、ほぼ全員並盛駅前に集まっていた。それぞれ眠たげに目をしばたかせている。駅の周辺はまだ通勤する人が行き来していない。ツナは眠気を抑えきれず手を口に当てて、噛み殺せなかったあくびを隠す。そこに笹川京子と三栖丸ミコトに声をかけられる。京子「おはよう、ツナ君」ミコト「おはようございます。」京子は、灰色のミニスカート、水色のTシャツ姿で、ミコトは、膝まである水色のズボン、ピンクのポロシャツ姿で彼の前に登場している。ツナ「おはよう、京子ちゃん、ミコトさん。…あの、ミコトさん、昨日は大丈夫ですか?」ミコトは、昨日の乱闘に巻き込まれ相当被害に遭っており、彼女の体に傷が目立っている。そういうこともあってか、ツナは彼女を気遣っている。すると、彼女は、にっこり笑顔を見せて彼に話した。ミコト「――大丈夫ですよ。ツナ君。痛みはもう平気で…ごほっ、ごほっ…」急にミコトは京子とツナの前で咳き込み、小さな拳で口をおさえ、さらに、彼女はその場でガクッと右ひざをつける。京子「大丈夫ですか!?三栖丸さん!!」ツナ「ミコトさん!?」京子はミコトに近づき、しゃがんで咳き込む彼女の体をさすっている。ミコト「……ごめんなさい。ツナ君、笹川さん。私、…ごほっ、本当は、ごほっ、……生まれ…つき…ごほっ…体が…弱く……て…ごほっ、ごほっ」森「どうしたんですか?沢田君、笹川さん」異変に気付いた森園生が走って、ツナたちに駆けつけた。ツナ「森さん!」京子「それが、三栖丸さん、急に咳き込んで…」森は、ミコトの体にそっと近づき、その後2人の方に振り向いて言った。森「…わかったわ。とりあえず、三栖丸さんは、私が何とかするから、沢田君と笹川さんは、アリアさんに状況を報告してきて。」京子・ツナ「わかりました。」そういうと、2人は、集まるみんなの前でリボーンたちに並ぶアリアの元へ走ってこの事を告げた。そこで、アリアは2人にこう答えた。アリア「わかったわ。ミコトちゃんは治ったら後で参加させるわ。」ツナ・京子「よろしくお願いします」彼女からの返答を聞いた後2人は、すぐに獄寺やキョンたちのいるところに向かい、そこで朝比奈みくるに挨拶をかけられる。みくる「おはようございます。ツナ君、笹川さん」ツナ・京子「おはようございます、朝比奈さん」獄寺「10代目、おはようございます!!」山本「おはよう、ツナ」ハル「ツナさん、おはようございます!!!」ハルはとびっきりの元気な笑顔を見せながら、ツナにあいさつをする。ツナ「うん、おはよう、獄寺君、山本、ハル」ツナは、3人のあいさつに応える。みくる「あれ?笹川さん、三栖丸さんと一緒じゃ…」京子「それが、三栖丸さん、急に具合が悪くなっちゃって、森さんが…」表情を曇らせ、顔をうつむかせて京子はみくるにそう話す。みくる「そうなんですか…」京子とみくるのやり取りを聞いていたキョンが口を開いた。キョン「やっぱりそうか…」ツナ「えっ、知ってるんですか?キョンさん」キョン「ああ、三栖丸さんは体が丈夫じゃないことは知ってる」キョンとツナが話しているとき、フゥ太とランボ、イーピンがやってきた。3人の中で、フゥ太だけがツナに挨拶をする。フゥ太「おはよう、ツナ兄」ツナ「おはよう。フゥ太」ランボは大きな声で笑いながら立っている。ランボ「ガハハハハァッ!!ランボさん朝からハイテンションだもんね!!」イーピン「ランボ、うるさい!!静かにする!!」クローム「ボス」ツナ「ああ、クローム、おはよう。」ツナはすっと現れたクロームにもあいさつをする。その後、鶴屋、古泉、キョンの妹、ビアンキに、ディーノ、ロマーリオ率いるキャバッローネファミリーをはじめとするいつものメンバーも大勢で遅れてやってきた。リボーン、コロネロ、アリア、森園生、ラル・ミルチ、涼宮ハルヒが並んで、キョンやツナたちの前に立っている。まだ彼らは、リボーンと涼宮ハルヒに何をやるのかは聞かされていない状態である。そんな中、涼宮ハルヒがここにいるメンバー全員に声をかける。ハルヒ「みんな、そろってるわね!?」谷口「おい、涼宮ぁ、今日は一体何をやるっていうんだ?」谷口はハルヒを問いただすと、彼女は笑顔で応えた。ハルヒ「今日は、ミステリーツアーをやろうと思ってるの!!」全員「ミステリーツアー?」了平「それってどういうことだ?」ハルヒ「つまり、行き先がどこかも告げず、いろいろなところを回るってことよ。もちろん、徒歩は大変だから、バスを準備したわ」そういってハルヒが指さしたところに、マイクロバスが4台止まっており、3台はキャバッローネファミリーのメンバーが、もう1台は、これからツナたちが乗るバスだ。テレビのロケの際に使うようなものだ。リボーン「バスは、キャバッローネファミリーのやつらが準備したんだ。ほぼ全員が乗れるバスだ。」ハルヒ「それじゃ、みんな早速乗ってもらうわよ!!」ディーノ「涼宮、俺は先にロマーリオと他の部下で一緒に行かせてもらうぞ。」ハルヒ「ええ、いいわ。でも、その前にディーノ、ベンチで寝ているミコトをバスに入れてくれない?」ディーノ「ああ。」ディーノは、寝込んでいるミコトを背負って、バスの中に入り、彼女を置いた後、黒い高級車に乗ってロマーリオらと共に走り去って行った。ラル「俺も先に行くぞ。」コロネロ「俺もだ。コラ。」ハルヒ「ええ。」そうして、ラルは走って、コロネロは、相棒の鷹のファルコに頭を掴まれて飛んで行きその場を後にした。鶴屋「ねぇ、ハルにゃん」ハルヒ「何?鶴屋さん」鶴屋「ラルやコロネロ、ディーノには行き先は先に伝えたのかい?」ハルヒ「ええ。伝えてるわよ。また後で合流することになってるから。」リボーン「んじゃ、時間ねぇから、早速バスに乗り込むぞ。」リボーンの一言で、全員がバスに乗り始めた。バスの席順は、すでに決められていて、ツナはなぜかミコトとペアになっていた。バスの中は、冷房が完備されて、前の運転席はまだ、人は乗っておらず、窓は全て、外側に白い板で覆われており、外の景色をみることができない。また、運転席側の近いところと、客席側のところには、黒い仕切りがある。キョン「おい、ハルヒ、いくらなんでも、ミステリーツアーだからって窓からの景色を見せないのはやりすぎじゃないのか?」ハルヒ「何言ってるの。ミステリーツアーは、行き先わかんないから面白いんじゃない。景色が見えたら意味ないでしょ」というハルヒの正確で、しかし妙に納得のいかない言動にとまどいを見せるキョンだった。そんな中、リボーンは、みんなにこう言った。リボーン「ここから先は、全員これをつけてもらうぞ。」そう言って彼が取り出したものは黒いアイマスクだ。ビアンキ「これって何の為につけるの?」リボーン「ミステリーツアーだからミステリーっぽくしようと思ってな。」ツナ「なあ、リボーン、寝ているミコトさんにもつけるの?」ハルヒ「もちろんミコトにもつけてもらうわ」リボーンの代わりにハルヒがツナに向けて応えた。リボーン「一人に一つずつだ。配ったらすぐにつけろ。」全員にアイマスクが配られ、ほとんどのメンバーの目に例外なく装着した。ツナの隣りで小さな寝息を立てて、眠りながら座っているミコトに、彼は、ゆっくり彼女の耳にアイマスクのひもをかけ目に装着させ、その後、自分にも装着した。全員がマスクをつけたのを確認したリボーンとハルヒは、みんなに言った。ハルヒ「あっ、気をつけてね。そのアイマスク、勝手に取ると」リボーン「電気ショックが起こる仕掛けになってるからな」2人が言ってるそばから、ランボがアイマスクを取ろうとする仕草をした瞬間、ランボ「ぐぴゃあああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」ランボの体が強い光に覆われ、感電し、黒こげになってそのまま気を失った。ただ、マスクをつけている人には、この状況を把握することはできないが、確実にランボが酷い目に遭ってることは、悲鳴からして承知することができる。ハルヒ「あんな風になるから、みんな気をつけてね。」みくる「ちょっとリボーンさん、涼宮さん!!それはやりすぎですよ!!」ハルヒ「いいじゃない。その方が面白いじゃない!!」全員が、ハルヒとリボーンの恐怖に支配されている状態になった。こうなった以上、もう誰もこの二人を止めることはできない。リボーン「んじゃ、俺は運転席の近くの席に座ってるから、涼宮、後は頼むぞ。」ハルヒ「ええ。まかせて」ハルヒから返答を聞いたリボーンは、運転席から出入りするところのカーテンを閉めてそのまま前の方へ去っていった。ハルヒ「バスの電気消すわよ!!」そして、ハルヒは、バスの電気を全て消し、車内を一気に暗くさせた。ハルヒ「それじゃ、ミステリーツアースタートよ!!」ハルヒがそう叫んだ瞬間、バスがゆっくりと動き出し、出発し始める。――――――車内の前方の席に、森園生、リボーン、アリアが座っている。運転をしているのは、スーツをつけ、口ひげを生やした少し白髪混じりの男性で、いかにもどこかの執事のような人間だ。リボーン「なあ、森」森「何ですか、リボーン」リボーン「運転している奴は一体誰だ?」森「彼は新川。私と古泉の知り合いなんです」リボーン「そんな奴がどうしてここに来てるんだ?」森「彼は、今日一日私たちにいろいろと手伝ってもらうために呼んだだけですから特に理由はありません」2人が会話をしている時、新川が運転をしながらリボーンに自己紹介をする。新川「初めまして、リボーンさん。新川と申します。今日はよろしくお願いします。」リボーン「ああ。よろしくな。それで、新川、お前に一つ聞きたいことがある」新川「何でしょうか?」リボーン「バスの後ろをついてくる車があるが、それもお前と森が関係あるのか?」リボーンが言うには、バスの後ろをずっと離れない黒いセダンの車が走っているという。それを問われると、新川は応えた。新川「はい。あの車には、多丸兄弟が乗っています」森と新川、リボーンの3人の会話を聞いていたアリアが言葉を開いた。アリア「多丸兄弟っていう人たちも森さんと新川さんやSOS団の古泉君と関係があるってことでいいのね?」森「はい。」アリアが問うと、運転する新川の代わりに森が応えた。新川「それで、リボーンさん、次はこの道ですか?」リボーン「ああ。」新川が運転しながらリボーンに道を尋ねると、彼はそう話した。みんなが乗るバスが最初に向かう目的地は、並盛山。バスを走らせていると、並盛山と書かれている看板が見える。バスは、確実に並盛山へと向かっているそして、バスは並盛山の駐車場に止まった。その後ろを並んで走っていた多丸兄弟が乗っている黒い車は、別のところへ移動し、誰も気付かれないところにひっそり止まる。――――――アイマスクを着け、行き先も告げられないまま、ただ黙ってバスに乗っているツナたち。その時、バスが止まった振動が全員の体に伝わった。ハルヒ「みんな、マスク取ってもいいわよ。」止まった事を確認したハルヒは席を立って、バスの電気を点けながら、みんなにそう告げた。彼女の一言で、全員がアイマスクを取り始め、席から立ち上がる。ツナもアイマスクを取ったときは、獄寺と山本がバスを降りようとしていたのが見えた。獄寺「10代目、お先に行かせてもらいます。」山本「悪いな、ツナ、先行く」ツナ「う、うん…」それから、キョンや長門、京子やハル、谷口、国木田たちもバスからどんどん降りていき、車内は、ツナとミコトの2人だけになった。リボーン「ツナ、ミコトを起こせ」ツナにそう話し、リボーンはバスから降りていった。ツナ「……うん。」リボーンに言われ、ミコトの肩を優しくたたき、緊張した面持ちで話しかけるツナ。ツナ「……あ、―――あの~…、ミコトさん、……起きて…ください…着きましたよ?…」ミコト「…ふ…ぇ?」寝込んでいたため状況が飲み込めないミコト。自分がアイマスクをつけられていることに気がつき、それを取ると、ツナが目の前にいることにびっくりした。ミコト「……つ、ツナ君っ!?あれ?…ここは?」ツナ「バスの中ですよ。」ミコト「バスの中……ですか?」ツナ「はい。涼宮さん、ミステリーツアーを企画して、バスでいろいろなところを回るということを言っていました。」ミコト「……それで、……今どこですか?」ツナ「わかりません」京子「…ツナ君、三栖丸さん、どうしたの?」2人が降りて来ないことを心配したのか、京子がバスの入り口から、顔を出し、2人を呼んでいた。ツナ「ご、ごめん、…すぐ降りるよ」そうしてツナとミコトがバスを降りた瞬間、ツナはここが並盛山であることに気がつく。ツナたちは、リボーンに誘導されて、山道を登り始めてすぐ、小さな広場にやってきた。そこで、全員がリボーン、森、ラル、コロネロ、アリア、涼宮ハルヒの前を向いて立ち止まっている。ミコト「リボーン、涼宮さん、これから並盛山で何をしようと言うのですか?」ミコトは腕を組んで立つリボーンとハルヒに声をかけると、先にリボーンがみんなに聞こえるように答えた。リボーン「これから、お前らは、3チームに分かれて、虫捕り対決を行ってもらう。」全員「虫捕り対決?」ハルヒ「ルールは、この並盛山でカブトムシを獲って、その獲ったムシの大きさを競うの」ハルヒはみんなにそう説明した。リボーン「昨日、ラル・ミルチやコロネロが木に蜜を塗ってある。たぶん、虫がたくさん集まっているだろう。制限時間は1時間だ。対決を始める前に、助っ人を呼んでいるんだ。」全員「助っ人?」リボーン「ああ。もうそろそろ来るはずだが…」すると、“ドス―――――――――ン!!!!!”谷口「ぎゃああああああああああああああああああああっ!!!!!」いきなり谷口の頭上に大きな乗り物が落ち、彼を押しつぶす。キョン・国木田「谷口―――――――――――――っ!!!!!!!!」乗り物は煙を上げ、そこから人が現れる。その正体は、ボンゴレ御用達の武器チューナー、ジャンニーニである。ジャンニーニ「お久しぶりです。10代目、リボーンさん」ツナ「ジャンニーニ!!」リボーン「来たか。……獄寺、山本、ツナ、キョン、谷口の上に落ちたメカをおろせ」山本「あいよっ。」獄寺「ったく、仕方ねぇな…」ツナ「とりあえず、このメカをおろして、谷口さんを救出しよう」キョン「なあ、こいつ本当に大丈夫なんだろうな!?…」キョンは心配した面持ちで、ツナたちに話しかけている。大きな乗り物から降りたジャンニーニは来て早々、リボーンに話しかける。ジャンニーニ「リボーンさん、見慣れない方々が大勢いるんですが、誰なんでしょうか?」リボーン「こいつらは、SOS団で、こいつはその団長の涼宮ハルヒだ。」ジャンニーニ「その、SOS団とは何でしょうか?」リボーン「SOS団っていうのは、この涼宮ハルヒが団長で、いろいろな不思議を探している奴らだ」リボーンがハルヒを紹介すると、ジャンニーニは彼女に視線を向けて、挨拶をし始める。ジャンニーニ「はじめまして、涼宮さん。私はジャンニーニと申します。よろしくお願いします。」ハルヒ「こちらこそよろしくね。ジャンニーニさん」2人は互いに握手をした後、ジャンニーニは再びリボーンに目を向ける。ジャンニーニ「それで、今日は何の用でしょう。リボーンさん」リボーン「今日は、SOS団とボンゴレ合同で虫捕り対決をするんだ。それでお前にもちょっとサポートという形で回ってほしい」ジャンニーニ「なるほど!お安い御用です。何でもさせていただきます。」リボーン「頼んだぞ。」ジャンニーニ「ええ。」彼の返答を聞いた後、リボーンは、みんなに向けて喋りだす。リボーン「みんな、聞いてくれ。今日は、ジャンニーニがお前らをサポートしていくから何かあったら、いつでもこいつに言え。もちろん、アリアや森たちも助けてくれるぞ」キョン妹「ねえ、この人誰なの?」キョンの妹は、不思議そうにジャンニーニを見て、そう言った。リボーン「あっ、そうか。SOS団の奴らは分かんなかったな。こいつはジャンニーニって言うんだ。」ジャンニーニ「初めまして。SOS団のみなさま、今日はよろしくお願いします。」全員「よろしくお願いします。」SOS団のメンバーは彼の前で、頭を下げてお辞儀をした。リボーン「んじゃ、早速虫捕り対決を始めるが、その前に、ジャンニーニ」ジャンニーニ「はい。この山にはどんな虫がいるかわからないので、私が発明した虫よけスプレーをやってもらいます。」そう言って彼は、『虫よけスプレー』と書かれた缶を取り出し、みんなに見せる。ツナ「(この人、武器チューナー専用じゃ…。薬剤師の免許とか取ってるのかな…)」と心の中で思いつつも、その言葉を一切口にしないツナだった。そして、彼の作った虫よけスプレーが体に噴射される。ジャンニーニ「ご安心ください。このスプレーを体にかけると、どんな虫でも寄ってきませんし、人にやさしい安全なものを使用しておりますので、大量の雨や水に濡れない限り、効果は10時間ほど続きます」ほとんどのメンバーにスプレーがかけられたが、いざ、ランボの番というときに、スプレーが1本空になってしまう。ジャンニーニ「いけません。スプレーが切れちゃいました。新しいのを出しましょう。」そう言うと、ジャンニーニは自分のカバンから新しいスプレーを出し、ランボの体に噴射する。しかし、このスプレーを巡って、後で騒動に発展することはまだ誰も知らない。全員にスプレーがかけられたのを確認したリボーンは、みんなに話した。リボーン「チームが決まった」ツナ「えっ、もう!?」リボーン「ああ。森やラルたちと6人で抽選して決めた。」チームの編成はA、B、Cの3チームに分割され、その中で一番大きなカブトムシを獲ったチームが勝ちだとリボーンの口から告げられる。リボーン「紹介する。Aチームは、ツナ、京子、キョン、長門、山本、みくる、ミコト。Bチームは、獄寺、古泉、鶴屋、キョンの妹、ディーノ、ロマーリオ、ハル、フゥ太。Cチームは、ランボ、イーピン、クローム、谷口、国木田、了平、ビアンキ、以上だ。人数の多い少ないは勝敗に影響しない。」この発表の後ツナの心の中は、ものすごく喜びに満ちていた。自分の憧れである笹川京子と一緒になれたことが彼にとってうれしいことだったからだ。そんな中、キョンが涼宮ハルヒに質問をし始める。キョン「おい、ハルヒ、お前は参加しないのか」ハルヒ「何言ってるの。あたしはこのツアーの主催者よ。あたしが参加したら、意味ないじゃない。一応審査員長よ。あたしは」キョンの質問に、ハルヒはそう答える。リボーン「言い忘れてたが、涼宮が審査員長だ。最終的に判断するのは涼宮だからな。」ハルヒは、身につけている腕時計を見て、みんなに告げた。ハルヒ「今は、7時59分。あと1分で開始よ!!さっきリボーンが言った通り制限時間は1時間! 一番大きなカブトムシを獲ったチームが勝利よ!!」キョン「もし獲れなかったり、負けたりしたら…」ハルヒ「最下位になったチームは、そのチームから1名決めて罰を受けてもらうわ。」ツナ「ま、…まじかよ…」ツナはハルヒの言葉に怯える。それに気付いた山本は彼の肩をひじで軽く突いて笑いながらこう言った。山本「まっ、いいじゃねぇか、ツナ。でけぇカブト見つけたら、こっちのモンだぜ。気にすることはないさ。」ツナ「――う、うん。」ツナは、山本の方を振り向いて、安堵したように彼にうなずいた。リボーン「それじゃ、早速開始だ。虫捕り網とかごは、森とアリアから受け取れ。」それぞれのチーム全員が森とアリアから網とかごを取って、歩き出そうとする。Bチームも同じで、これから適当な場所に向かおうとしていた。そんな中、メンバーである古泉がどこかこわばった表情をしている。鶴屋「どうしたんだい?古泉くん。どこか体の調子でも悪いのかいっ?」古泉「いえ、…特に……。……あの、鶴屋さん」鶴屋「何だい?」鶴屋はふと立ち止まり、古泉の方を見上げる。古泉「実は、ちょっと森さんに用がありまして。獄寺君やディーノさんたちと先に行ってもらえませんか。必ず後で来ますので。」古泉のいきなりの一言に戸惑いを見せながらも、鶴屋は答えた。鶴屋「……わかったにょろ。後で合流するっさ。」古泉「ありがとうございます。」彼女からの返答を聞いた彼は、一目散にチームの前から走り去ってしまう。――――――みんなが去った後、森は、キャバッローネファミリーが作った特設テントの中のイスに座っており、リボーンや、涼宮ハルヒ、ラル、コロネロ、アリア、ジャンニーニもそこにはいた。テントに着いた古泉は、来てすぐに、森に話しかけた。古泉「あの、森さん?」森「何、古泉、どこか具合でも悪いの?」森はいきなり古泉がやってきたことに少し疑問に感じながら、彼に話す。古泉「実は、…森さんに聞きたいことがありまして……。ここではちょっと……」森「分かったわ。2人で話しましょう。」そう言うと、森は座っていたイスから立って、みんなに一言話す。森「皆さん、ちょっと失礼します」ラル「ああ。」アリア「ええ、わかったわ」ラルとアリアは、森にそう答えたが、リボーンは、無表情のまま、うんともすんとも言わなかった。このリボーンの態度を、肯定と受け取った森は、古泉を連れて、人気(ひとけ)のないところへ向かう。2人が行く姿を、リボーンは、ただ無表情のまま黙ってみていた。2人が茂みについた途端、古泉は気配を感じとっていた。古泉「そこにいるのは分かってるんですよ。多丸兄弟、新川さん」すると、木に隠れていた多丸兄弟と新川が出て来た。裕「……久しぶりだな、古泉」古泉「どうして、あなた方がここに?」森は、数秒ほど黙りこんだ後、古泉に答えた。森「実はね、リボーンやラル・ミルチ、アリア、コロネロが持っているおしゃぶりのことと、彼らの関係について調べたくて、ここに来たの」古泉「リボーンさん達のおしゃぶり?それと涼宮さんの観察と何の関係があるんですか?」森「涼宮さんは、リボーンに興味を持ってこの並盛に来た。そのリボーンにはきっと、何か不思議な力を持つ赤ん坊だと。そう思うの。」古泉「力……ですか…?」森「ええ……。」森の表情は真面目な顔で、どこか緊迫とした表情だった。――――――キョンやツナ率いるAチームは、リボーンやハルヒたちがいる場所から100mほど離れたところに集まっていた。キョン「これから俺たちはカブトムシを獲りに行く。ハルヒのやることだ。きっととんでもない罰ゲームが待っているに違いない。そうならない様に、大きなカブトムシを見つけて、この勝負に優勝するぞ!!」全員「はい!!」キョン「ところで、長門、今何分だ?」長門「今は8時10分。この時間帯、蜜のにおいを感じたスズメバチが飛び回っている。そのスズメバチに襲われる可能性がある。だから早急に成虫の捕獲作業を行うべき。さっき振りかけられた虫除けスプレーでは、不十分に思える」キョン「分かった。とりあえず、リボーンたちが言っているように、蜜が塗ってある木を探して行くか。まず、ここは二手に別れよう。朝比奈さんと山本は俺と、長門は笹川京子と三栖丸さんとツナを頼む。」長門「わかった。」長門は淡々とした口調で返事をした。キョン「あと長門、もし何かあったら俺の携帯に電話してくれ。」彼女はキョンの一言に無言のまま首を縦に振った。こうしてAチームは、二手に分かれ、作業に取り掛かる。――――――Bチームは、制限時間まであと30分だが、どのメンバーの虫かごにも虫が入っておらず、そして、まだこのチームには、メンバーの古泉の姿はない。鶴屋「古泉君、遅いにょろ…」鶴屋は獄寺やハルをはじめとするみんなと歩きながら、そう呟く。そんな時古泉「ごめんなさい、皆さん、遅れました。」古泉が走って鶴屋たちの方に来る姿が見え、全員立ち止まる。現れた彼に、鶴屋はこう言った。鶴屋「どうしたんだい?古泉君。やけに長かったじゃないかっ。あと30分しかないにょろ」古泉「すいません。森さんと大事な話をしていて、時間が遅れました」古泉がそう答えると、2人のやりとりを聞いていたハルが、彼に質問する。ハル「森さんとどのような話をしていたんですか?」古泉「それは、禁則事項です。これは、僕と森さんの大事な問題ですから」彼はそう話し、詳細を語らなかった。そんな古泉を見て鶴屋は、彼に問いただしたりはせず、再び捜索作業をし始める。そのやり取りを見ていた獄寺、ディーノ、ロマーリオ、フゥ太、キョンの妹は、古泉の行動に疑問を感じていたが、時間が経つにつれて忘れてしまう。――――――Cチームも、A、Bチームと同じく、どのメンバーのかごもまだ誰もカブトムシどころか、虫が入っておらず、メンバーの中でビアンキがシビレを切らしていた。ビアンキ「ああ、もう、何でカブトムシ見つからないのよ~…」そんな姿を見て、谷口と国木田は、彼女に恐怖心を抱いている。イラつきがピークに達していたビアンキ。突然、彼女が、左手にピンク色の煙をあげたものを出した。ポイズンクッキングである。それを木に投げつけた途端、木が腐り始め、そのままドスンと大きな音を立て倒れる。谷口・国木田「(ええええええええええええええええええええっっっ!!!!!!!?????)」彼女の行動に2人は、唖然とし、言葉が出なかった。倒れた木からは、虫がたくさん死んでおり、異臭が漂い、その木からカブトムシの成虫が見つかった。ビアンキ「あら、やっと見つけたわ。」ビアンキは、気を失っている成虫を手で獲ると、満足そうな表情を見せ、カゴの中に入れる。しかし、このチームのメンバーは、まだ誰も気付いていない。ランボの体にいろいろな虫が付いていることを。そのことは、ランボ本人でさえ気付いていない。――――――キョンたちと分かれたツナは、長門、ミコト、京子の4人で蜜を塗られている木を探して歩いていた。そんな時、ツナ「あっ!!」ツナは、分かれてすぐに蜜が塗ってある木を見つけ、京子、長門、ミコトと共にそこに走って行った。その木には、カブトムシの成虫が3匹集まっており、大きなものはまだない。それでも、こんなに早くカブトムシが見つかったことに、ミコトはなぜかすごく喜んで、子供のようなあどけない表情で、ツナに話した。ミコト「やりましたね、ツナ君!」ツナ「え?……は、はい…」ツナは、なぜ彼女が喜んでいるのかわからなかった。京子「まだ小さいけど、こんなに早く見つかるなんてすごいよ。」京子もミコトのとなりでツナの前でそう話した。とそこに、アリア「どうみんな、見つかった?」ツナ「あっ、アリアさん!」突然、アリアがツナたちのところへ歩いてやってきた。ミコト「どうしてアリアさんがここに?」アリア「実は、リボーンにAチームの様子を見てくるように頼まれたの。それで、今何匹見つかったの?」長門「今のところ成虫が3匹見つかっている。しかしどれもまだ小さい」長門が無表情のままそう呟くと、アリアは応えた。アリア「そうなの。でもまだ時間はあるから、焦らずにゆっくりカブトムシを見つけてね。」全員「はい。」アリア「…ところで、朝比奈さんやキョン君、山本君はどこなの?」ツナ「キョンさんや朝比奈さんと山本とは、別れて作業しています。終わる直前に集まることになっています。」ツナがそう告げると、アリアは言葉を返した。アリア「そう、わかったわ。みんな頑張ってね。」全員「はい」アリアは、ツナたちの前から立ち去ろうとするが、何か思い出したかのようにふと足を止め、ミコトの方を向いて、話しかける。アリア「あと、ミコトちゃん」ミコト「はい」アリア「…あなた、体調の方は大丈夫?きつかったら無理しなくていいのよ?」アリアの問いかけにミコトは答えた。ミコト「……大丈夫ですよ、アリアさん。心配しないでください。」彼女が答えると、アリアは、笑顔の表情で再び返した。アリア「…わかったわ。もし何かあったら、長門さんや、笹川さん、沢田君に言って。もちろん、私や森さんでもいいし、涼宮さんも助けてくれるわ」ミコト「……わかりました。」ミコトの返答を聞いたアリアは、長門、ツナ、京子に視線を向けて話した。アリア「綱吉君、笹川さん、長門さん、もし、ミコトちゃんに何かあったら私や森さんに報告してね。」ツナ・京子「はい。」アリア「じゃ、あたし、キョン君たちのところ行ってくるわね。」ツナ「ありがとうございました。」アリアは何事もなかったかのように去って行き、ツナたちの前から完全に姿を消した。そうして彼らはまた歩き出した。数十分後、彼らが道を歩くたび、樹木に大きなカブトムシが止まっているのが見つかり、たくさんの成虫が、彼らのカゴの中に入っている。京子「すごい。こんなに集まるなんて。もう入りきらないよ。」ミコト「私のカゴももういっぱいです。」長門「私も」ツナ「それじゃあ、もう時間ですから、そろそろキョンさんたちと合流しましょう。」ミコト「はい。…あっ、ツナ君、あれ見てください。」ツナ「えっ?」ツナがミコトが指さしたところに振り向いた先には、一見何の変哲もないただの木があった。しかし、その木には、ツナたちが見た事もないすごく大きな成虫が1匹止まっていた。その成虫は8cm以上あるであろう大きなものだった。ツナ「すごい!!こんな大きなカブトムシ見たことないよ!!」ツナは、走って樹木に向かい、止まっている成虫を網で捕まえた後、取り出してそれをカゴの中に入れた。その時だ。ツナ「う、うわっ!!」ミコト・京子「ツナ君っ!?」突然、地面が崩れ落ち、ツナがそこから落ちそうになる。下は崖になっており、落ちると命の保障はない。そして、足をかけるところもない。それでも彼は、何とか、別の木に手を掴んでいて、落下は免れたが、自分は助かるのかという恐怖心が溢れている。ミコトは急いでひざをつけて、自分の手を伸ばし、ツナを助けようとする。ミコト「……ツ、ツナ君、掴まってください!!」ツナ「は、……はい…!!」ツナは必死に腕を伸ばし、ミコトの手を掴もうとするが、なかなか手が掴めない。しかし、彼は何とかミコトの手を掴み、彼女は、その手を引っ張ろうとする。次の瞬間。ツナ「うわぁっ!!」ミコト「きゃあああああぁぁああぁっ!?」大きな音と共に再び地面が崩れ、2人は底が見えない崖から落ちる。京子「ツナ君!!三栖丸さん!!!」慌てて京子が、崖下を覗き込むと、2人は真っ逆さまに落ちていくのが見える。そんな状況を見て彼女は、パニック状態に陥った。どうすればいいのかわからなくなり、長門に相談する。京子「どうしよう、長門さん、ツナ君と三栖丸さんが!!…」そんな京子に長門は冷静な態度で言った。長門「落ち着いて。まずあなたは、リボーンたちのところへ行き、助けを呼ぶこと。私は、彼と朝比奈みくる、山本武に助けを呼ぶ」京子「でも…」長門「時間がない。急いで。」無表情でそう話す長門。しかしその心の中では二人を早く助けたいと思っていた。それを読み取った京子は、表情を固くさせ、彼女に返事をした。京子「……わかりました。リボーン君や森さんたちに知らせてきます。」そう言って京子は、長門の前から走り去って、リボーンと涼宮ハルヒたちのいるところへ向かう。それを見た長門は、すぐにキョンに電話をかける。山奥に電話はつながらないだろうと思っていた彼女だが、運よく彼につながる。(キョン『もしもし?』)長門「大変なことが起こった。」(キョン『どうした?』)長門「沢田綱吉と三栖丸ミコトが崖から落ちた。」(キョン『何だと!?ツナと三栖丸さんが!?』)キョンは声を上げて驚く。(キョン『それで、今、お前はどこにいる!?助けは呼んでいるのか!?』)長門「今私は崖にいる、笹川京子は、助けを呼ぶためにリボーンたちのところへ向かっている。」(キョン『そうか。今から俺たちもそこへ向かうから、長門、そこで待ってろよ』)長門「わかった。」そうして長門は、携帯を切り、崖下を覗き込んでいる。――――――ツナとミコトは、真っ逆さまに崖から落ちている。ミコト「どうしましょう!!ツナ君!!このままじゃ私たち死んじゃいますよ!!」ツナ「まずい!!どうすれば…」このままでは、下の方に体を打ち付けられて、自分とミコトの命の保障がない。そんな恐怖がツナの頭を混乱させる。ミコト自身もわからなかった。自分がこの後どうなるのか。本当に助かるのか。そういう恐怖が彼女の頭を過ぎる。そんな時、パ―――――――――ンッ!!!突然、乾いた銃声が鳴り響いたと同時に、ツナの額から大量の血が流れていた。ミコト「つ、ツナ君っ!!?」彼は、瀕死の状態に陥り、ミコトが彼の名前を呼んでも返事をすることはない。すると、ミコトはあることを思い出した。ミコト「ま、…まさか…」彼女は、落下中、辺りを見渡すと、ある光景を目にした。ミコト「リボーン!」リボーンが、遠く離れたところから、木に上って銃をツナに向けて発砲していたのだ。リボーン「死ぬ気でミコトを助けて来い。」そう呟いて、さらに、リボーンは、ツナに向けて、2発発砲し、それが今度は、彼の両方の太腿に命中し、そこからも多量の血が流れる。ミコトは突然のリボーンの発砲に唖然とし、彼女自身が混乱し始める。すると、撃たれたはずのツナの表情が変わった。彼の額から炎が宿り、目つきも大きく変わり、死ぬ気の炎が発動した。それだけじゃない。太腿を撃たれるとジャンプ弾が発動し、ツナのジャンプ力が驚異的な力を見せる。ミコト「まさか、…これって……リボーンが、前に言ってた死ぬ気の…!?」ツナ「リッボ――――――――――ン!! 死ぬ気で三栖丸ミコトを助けるっ!!!」そう叫ぶと、ツナは、崖の壁に足をつけ、そのジャンプ力を生かし、ミコトの前に現れ、彼女を抱える。そして、崖壁から崖壁へと驚異のジャンプ力で移動し、元の場所へ戻っていった。うまく着地すると、ツナの額から炎が消え、元の彼に戻った。ツナ「ふぅ、何とか助かった…。」ジャンニーニ「10代目。」アリア「綱吉君!!ミコトちゃん!!」京子・みくる「ツナ君!!三栖丸さん!!」山本「ツナ!!」キョン「2人とも、大丈夫か!!?」ジャンニーニとアリア、森園生、そして、Aチームのメンバー全員がツナの方に駆けつけて、彼に集まってくる。ツナ「ジャンニーニ、アリアさん、森さん、それに、山本、長門さん、京子ちゃん、キョンさんに朝比奈さん!!」キョン「大丈夫か、ツナ、ケガはないか?」ツナ「はい。大丈夫です。」森「無事で何よりです。沢田君。笹川さんから事情を聞いて、大急ぎで来たの」ツナ「そうなんですか!?」森「ええ。」森はツナにそう話した。アリア「ところで森さん、涼宮さんは?」アリアはツナと話していた森に質問すると、彼女は答えた。森「涼宮さんは、テントでラル・ミルチとコロネロとともに待機しています。」アリア「そうなの。」京子「ツナ君、心配したよ。よかった無事で。」京子は彼の元にやってきて、心配そうな表情で、彼に話した。ツナ「ごめん、京子ちゃん。心配かけて。……ところで、ミコトさんは!?」ミコト「ツナ君…」ミコトが、すっと彼の前に現れる。ツナ「ミコトさん、ケガはないですか!?」ツナはミコトを問いただすと、彼女は無言のまま2回首を横に振り微笑んで答えた。ミコト「いえ、ありません。……ツナ君、助けてくださってありがとうございます。」ツナは、自分に責任を感じたのか、彼女の前で顔を落とし、こう話した。ツナ「い、…いえ、俺が悪いんです…。俺がもっと注意していればこんなことには…」ミコト「…ツナ君は悪くありません。寧ろ、そんなことはどうだっていいんです。それより私、ボンゴレファミリーのことやあなたのことをもっと知りたいんです。そして、もしできるのでしたら、あなたに何でも協力したいんです。それで、お願いです。ツナ君、私と友達になってくれませんか?」そう言って彼女は、ツナの話を遮って、彼の前で何かを求めるように右手を差し出す。ツナ「えっ?……」ツナは突然の彼女の言葉に困惑し、不安そうな表情をとり、自分から手を差し出さなかった。山本「やってやれよ、ツナ」京子「ツナ君…」そう話す山本と京子の方を見て、ツナは少し表情を和らげながら二人に頷き、ミコトに目を向けた。そして彼は右腕を上げ、手を差し伸べた。互いの手が一つにつながろうとした瞬間、ミコトが急に彼の正面に傾き力失くして倒れる。ツナ「うわっ!!ミコトさん!?」ツナはいきなり倒れ込む彼女の体をなんとか押さえる。京子・キョン・みくる「三栖丸さん!!」アリア「ミコトちゃん!!」ツナは、すぐに彼女の体を木陰があるところに寝かし付ける。京子とキョンたちは、ミコトが急に倒れ込んだことに驚き、彼女のところへ走る。ツナ「ミコトさん、しっかりしてください!!」ツナはしゃがんでミコトの体を揺さぶりながら呼び続けるが、彼女は目を閉じ、意識はなく、返事もない。京子「三栖丸さん!!三栖丸さん!!」京子も、彼女の体を揺さ振り、彼女の名前を呼んで意識を確かめる。突然の出来事に、森やアリア、ジャンニーニたちは落ち着かない様子でいる。長門「待って」長門の一言でみんなの動きがピタリと止まった。キョン「どうしたんだ?長門」アリア・みくる「…長門さん?」長門「……耳を澄ましてみて。」長門の言う通り、全員耳を澄ましてみた。すると、ミコトの小さな寝息がツナたちに聞こえる。長門「――彼女はただ寝ているだけ。」長門の言葉に、ツナは安堵の表情を浮かべながらも、少しホッとした。ツナ「…よかった…。」山本「何事もねぇみたいだし、よかったな。ツナ」ツナ「うん。」リボーン「きっと疲れたんだろう。ミコト。」ツナ・キョン「リボーン」リボーンが、何食わぬ顔で、ツナたちの前に現れた。森「リボーン、どこ行っていたんですか? こんな大事な時に」リボーン「他のチームの様子を見に行った途中、ちょっと道に迷っちまってな。お前らのところにいけなかった。すまねぇ。最近物忘れが多くてな」リボーンがそう答えると、森は彼の一言を疑うことなく、納得の表情を見せる。森「何だ。そうだったんですか。」みくるとキョンは、彼のことを気遣う。みくる「近頃、若年性健忘症もありますし、…リボーンさん、病院へ行ったほうが…」キョン「朝比奈さんの言う通りだ。リボーン、早く病院で診てもらえ。」リボーン「ああ。次に行かせてもらう。キョン、みくる、森、心配かけてすまなかった。」ツナ「(って森さん、朝比奈さん、キョンさん、何納得してるんですか――――――――っっ!?あいつうううううぅぅぅぅぅぅっ!!!!)」ツナはリボーンの態度に怒っていたが、それを口に出さず心の内にしまった。それを吐き出した後に酷い目に会うのは目に見えている。そんな中、彼はキョンに話しかけられる。キョン「ところでツナ、カブトムシは獲れたのか?」ツナ「それが、ミコトさんと俺のカゴの中の虫はほとんどいなくなっちゃったんです。」キョン「…そうか、……待てツナ、まだ一匹お前のカゴに入ってるぞ。」ツナ「えっ!?」キョンからの言葉でツナは、カゴの中を見ると、崖から転落する前に獲った成虫が中に入っていた。キョン「すごいぞこの大きさ!!」山本「おっ、すげぇな、こんなカブト、見た事ねぇぜ。」みくる「私も見たことありません!!」Aチームのメンバー全員が、ツナが獲った大きなカブトムシの成虫に驚いていた。そんな中、リボーンは、全員に言った。リボーン「んじゃ、もう9時だ。さっきのところに戻るぞ。ツナ、ミコトを背負え。」ツナ「えっ!?俺が!?」リボーン「当たり前だろ。ボンゴレボスのお前がそんなんでどうする。」リボーンの言葉に、ツナは渋々応じた。ツナ「わ、わかったよ…」彼は、ミコトを背中で背負って、キョンやリボーンたちと共に、元の場所へ戻って行った。――――――これから、虫捕り対決の優勝チームが決まろうとしている。そこに、寝込んでいたはずのミコトが、ツナたちの前に現れ、それに気付いたツナが彼女に話しかける。ツナ「ミコトさん、大丈夫ですか?まだ寝ていた方が…」ミコト「安心してください。ツナ君。もう大丈夫です。みなさん、心配かけてすいませんでした。」そう言うと、彼女は、Aチームのメンバーに深く一礼をする。そんな中、ハルヒは告げた。ハルヒ「じゃあ早速、どのチームが大きなカブトムシを獲ったか、決めるから、チームの代表は、そのチームの中で獲った一番大きな成虫を出して。」ツナ「どうぞ、涼宮さん」古泉「どうぞ」クローム「……どうぞ」それぞれのチームが、ハルヒに成虫の入ったカゴを渡す。ハルヒ「ありがとう。ツナ、古泉君、クローム」そのカゴを数秒ほど見ると、ハルヒは話した。ハルヒ「優勝チームが決まったわ。」リボーン「優勝チームはどこだ?ハルヒ」ハルヒ「優勝は!?……」緊迫とした雰囲気。みんなが固唾を呑んで涼宮ハルヒの発表を見守る。ハルヒ「優勝は、Aチーム!!」キョン「ほ、…本当か?ハルヒ…」ハルヒは目を輝かせ驚きを隠せない表情のまま答えた。ハルヒ「ええ!!こんな大きなカブトムシ見たことないわ!!いったい誰が獲ったの!?」彼女は、Aチームのメンバーを問いただすと、ツナ「…は、はい。」ツナはそっと彼女の前で手をあげる。ハルヒ「すごいじゃない!!ツナ!!」ハルヒはそっと手を上げ名乗り出るツナに話した後、彼を含むAチームにこう告げた。ハルヒ「おめでとう、あんたたち。賞品渡すから前に来なさい」キョンやツナ率いるAチーム全員、ハルヒやリボーンたちのところに来て、みんなが見守る中、アリアから賞品が授与される。アリア「優勝おめでとう。みんな。」赤いリボンで結ばれた大きな箱。チームを代表して、ツナがその箱を受け取る。ツナ「ありがとうございます。」受け取ったのを見届けたみんなが、ツナやキョンたちに拍手を贈る。キョン「ハルヒ、この箱に何が入っているんだ。」キョンが質問するとハルヒは、一言彼に言った。ハルヒ「大丈夫よ。どっきりじゃないから。不安だったら開けてみて」ツナやキョン率いるAチームは、元の場所に戻って行き、ミコトが、箱を結んであるリボンを解き、中を開けると、実がぎっしり詰まっていそうな大きなスイカが中に入っていた。Aチームが箱の中身を確認している中、ハルヒは再びみんなの前で喋り始める。ハルヒ「それじゃ、罰ゲームを受けるチームの発表よ。」これから、罰ゲームを受けるチームが発表される。B、Cチームのメンバーが緊張した表情で、涼宮ハルヒの方を見ている。Aチームも、優勝はしたものの、罰ゲームを受けるのはどのチームか気になり、彼女の方を見ている。リボーン「罰ゲームは、どのチームだ?ハルヒ」ハルヒ「罰ゲームを受けるチームは、……Cチーム!!!」緊張がほぐれ、安堵の表情を浮かべるBチームとは対照的に、Cチームの面々は愕然としている。ハルヒの発表に納得のいかない谷口は、彼女に抗議する。谷口「どういうことだよ、涼宮!!何で俺たちのチームがビリなんだよ!?」ハルヒはCチームのカゴを出して答えた。ハルヒ「Bチームのカブトムシと、あんたたちCチームのカブトムシ、大きさが全然比べ物にならないわ。」リボーン「このカブトムシ、一体誰が獲ったんだ?」リボーンの問いかけに、谷口は投げやりの態度で答えた。谷口「牛柄のガキだよ。」ツナ「えっ、ランボが!?」3人の話を聞いていたツナが声を上げる。リボーン「それで、今どこにいるんだ?」リボーンがランボの居場所を谷口に問いかけた時、「ぐぴゃあああああああああぁぁぁぁあああああぁぁぁっ!!!!!」キョン「何だ!?」いきなり甲高い声の悲鳴に全員が声のした方へ振り向いた。すると、ランボが、体全体にいろいろな虫に覆われて泣きながらみんなのところに走ってきている。キョン「ど、どうなってんだ、これ!!」ツナ「何でランボの体が虫に覆われてるの!?」ミコト「とりあえず、逃げたほうがいいんじゃないですか!?ツナ君!」ミコトの問いかけにツナは答えた。ツナ「仕方ない、逃げよう!!」ツナの一言で、ランボを避けるように、全員が走って逃げる。ランボ「こらぁぁぁっ、お前らぁ、オレっちを置いてくな~~~~~っ!!!」獄寺「何でアホ牛にあんなに虫が!!!」リボーンは走っているツナの上で、一緒に走るジャンニーニに問いかけた。リボーン「ジャンニーニ、これは一体どういうことだ?」ツナ「説明してよ!何であんなことになってるの!?」ジャンニーニ「おかしいですね~……。ちゃんと虫よけスプレーをかけたはずですが…」そう呟きながら、彼は走りながらカバンからスプレーの容器を取り出して、確かめる。すると、彼は驚いた口調で話した。ジャンニーニ「いけません!!『虫よけスプレー』ではなく、『虫よせスプレー』をかけてしまいました!!」ツナ「バカ――――――――――――――ッッ!!!!!!」ミコト「ジャンニーニさん、何とか出来ないんですか!?」ジャンニーニ「いえ、それが…」ミコト「あなたが作ったんでしょう!?何とかしてください!!」ハルヒ「落ち着いて、ミコト。ちゃんと考えはあるわ。」ツナ・ミコト「涼宮さん…?」ハルヒは至って落ち着いていた。なぜ、こんなに落ち着いて走っていられるのか、ツナとミコトにはわからなかった。ハルヒ「ラル・ミルチ、コロネロ」ラル・コロネロ「ああ。」ラル「とりあえず、罰ゲームはランボが受けることでいいな?涼宮」ハルヒ「ええ。それでお願い」コロネロ「お安い御用だぜ。コラ。」ハルヒと、ラル、コロネロの考えていることが何なのか、ツナとミコトはわからないまま、数分後、体をいろいろな虫に覆われているランボが、今にも崩れそうなつり橋の手すりロープに立っていた。下は、河になっており、橋から落ちると、命の保障はない。ランボは、橋の下を見て、恐怖を覚え、足がすくみ、涙目になっている。彼の足には、ゴムロープが1本巻きつけられている。それを、ここにいるハルヒ、リボーンを含むメンバー全員が見守っている。その中で、ツナとミコトが同時に涼宮ハルヒに不安そうに話しかける。ツナ・ミコト「あの、涼宮さん、これから…何を……?」ハルヒはにっこり笑って二人に答える。ハルヒ「決まってるじゃない!!Cチームの罰ゲーム、バンジージャンプよ!!」リボーン「ランボの体についた虫がとれて、罰ゲームも出来て、一石二鳥だしな。」ミコト「2人とも、何考えてるんですか!!やめてください!!」ツナ「そうだよ、リボーン!!ランボがかわいそうだよ!!」ツナとミコトの説得に、リボーンは静かに答えた。リボーン「いいじゃねえか。ものすごいスリルが楽しめるぞ。安心しろ。ミコト。ツナ。あいつの体にちゃんと安全ゴムロープもつけてるから。」ツナ・ミコト「そういう問題じゃないだろう!!(でしょう!!)」ハルヒは、2人の声を無視して、コロネロに合図を出した。ハルヒ「それじゃ、コロネロ、お願い!!」コロネロ「任せとけ!!コラ!!」そう言うと、頭を相棒の鷹のファルコに掴まれていたコロネロが急降下して、左足を前に出して、つり橋のロープに足をかけていたランボに、とび蹴りをすると、彼の足がロープから落ち、そのまま下に落ちる。ランボ「ぐぴゃぁぁぁあああああぁぁぁぁああぁあああああぁ!!!!!!!!!!!」ツナ「あっ、ランボ!!!」ランボが真っ逆さまにつり橋から落ち、ロープが最下点に達した時、空中で上下動を繰り返す。そんな中、リボーンがランボの命綱であるそのゴムロープをカッターで切ってしまう。ランボ「んぎゃああああああああああああぁぁぁっっ!!!!」そのままランボは、ドボンと水しぶきと共に音を立てて落ちてしまう。ツナ「何してんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!???」リボーン「うざい奴が一人消えて清々した。」リボーンの言葉に、キョンやツナたちは唖然とした。河でおぼれているランボをよそに、涼宮ハルヒがみんなに声をかける。ハルヒ「それじゃ、次の目的地に行くわよ」ツナ「何言ってるんですか!!涼宮さん!!ランボを救出しないと!!!」ハルヒ「あ~、無視無視。時間ないから。さ、みんなバスに戻るわよ」ハルヒの一言で、全員が歩き出し、後の不安を抱えながらも、ツナは渋々歩き出した。ちなみに、ランボが救出されたのは、また後のことである。――――――みんなとバスへ向かう中、キョンは古泉の様子がおかしいことに気付く。その表情は彼がいつも浮かべる爽やかな、そしていけすかない(最もあくまでキョン個人の意見だが)余裕を含んだ笑みではあるが、どこか違和感を覚える。一体、何が起こったのか、彼に小さな声で尋ねてみた。キョン「なあ、古泉。」古泉「はい。」キョン「どうしたんだ。お前」キョンは古泉を問いただすと、彼は小声で答えた。古泉「実は、新川さんと、多丸兄弟が並盛に来ているんです。」キョンはなぜ、機関のメンバーが、並盛にやってきたのかわからなかった。キョン「……何故だ?何のために」古泉「それは言えません。でも、新川さんは、僕たちが乗ってるバスの運転を担当しているそうです。」キョン「なんだと!?」言った途端、古泉は人差し指を立てる。キョン自身も意識せずに声が大きかったらしい。
幸い誰も気付いていないようだ。そして、彼は続けながらキョンに話す。古泉「あと、森さんが言うには、新川さんや多丸兄弟のことは、すでにリボーンさんやアリアさんには知られているそうです。」キョン「……そうか。」そう答えると、キョンはそれ以上、古泉に何も質問したりせず、黙ってみんなとバスへ向かう。並盛山の駐車場に、先程のバスが一台止まっている。駐車場に着いた後、ジャンニーニはリボーンやハルヒ、ツナに話した。ジャンニーニ「それでは、リボーンさん、涼宮さん、10代目、私はここで失礼致します。」リボーン「ああ。またな」ツナ「…うん。」ハルヒ「ええ、また逢いましょう。」そして、彼は大きなメカで空を飛び、そのまま去って行った。それを確認した後、ツナやキョンたちがバスに乗り込もうとしたとき、「待って。キョン」女性の声が響き、名前を呼ばれたキョンが振り向き、同調してバスに乗り込もうとするリボーンたちの動きも止まる。その女性は、キョンがものすごく知っている人物で、中学時代の同級生で、同じ塾にも通っていた人物、佐々木だ。佐々木は、キョンのところに走ってやってきてすぐに話しかける。佐々木「やあ、キョン、久しぶりだね。」キョン「佐々木、お前、どうして…!?」キョンは佐々木のいきなりの登場に唖然として、言葉が出なかった。そこに、ディーノがキョンに尋ねる。ディーノ「おい、キョン、こいつは誰だ?」キョン「佐々木って言うんだ。中学の同級生だった。」ハルヒは、佐々木を見て、不機嫌そうな態度をとっている。キョン「それで、なぜ、お前がここにいる?」佐々木は答えた。佐々木「くっくっ。君が涼宮さんたちと駅で集まっているのを見て、後をつけてきたんだよ。全く、ひどいね。この僕を置いていくなんて。」ツナ「あの~…、佐々木さんって言いましたっけ?」ツナはキョンと話す佐々木に話しかける。佐々木「そうだけど、君は?」ツナ「沢田綱吉と言います。よろしくお願いします。」佐々木「沢田綱吉……か。まあいい。それで、これからキョンたちは何をするの?」リボーン「今、俺たちは、ボンゴレとSOS団と合同でミステリーツアーをしている最中なんだ。」リボーンは、キョンの前に立って佐々木にそう話す。リボーン「紹介遅れたな。俺の名はリボーン。こいつの家庭教師をしてるんだ。」そう言ってリボーンは、ツナの方に指をさしている。佐々木「くっくっ。君は赤ん坊なのに、家庭教師なんだ。面白いね。」佐々木はバカにするような口調で、リボーンにそう話す。その彼女の態度に獄寺が怒り出した。獄寺「てめぇ、リボーンさんをバカにすると!!!…」リボーン「待て。獄寺。」獄寺「リボーンさん…」リボーンは今にも切れそうな獄寺をとめると、再び彼女に言った。リボーン「佐々木。もしよかったら、俺たちの仲間に入らねぇか?」彼からの言葉に佐々木は何の躊躇いもなく答えた。佐々木「…喜んで。キョンと一緒にいられるのなら。」キョン「ちょっ、お前!」いきなり同行することを了承する事にも驚いたが、何より今の言葉は受け取り様によっては面倒臭いことになる。そう思ったキョンはとっさに声を上げた。彼女の返答にリボーンは再び返した。リボーン「んじゃ、決定だな。」こうして、佐々木は、キョンやツナたちの仲間になり、ツアーに参加することになった。そして、彼女はバスに乗り込むが、それを見ていたハルヒは、どこか浮かない顔である。理由はわからないが、あまり佐々木のことを快く思っていないみたいだバスに乗って次の目的地へ向かうSOS団とボンゴレのメンバー。車内では、再びキョンやツナたちは、電気も消して、全員がアイマスクをつけている。しかし、なぜか佐々木だけは、リボーン、アリア、森、運転する新川のいるところに座っていた。理由は、アイマスクが人数分しかなく、準備ができない。それが理由だった。バスの中、アリアは、隣に座る佐々木に顔を向けて話しかける。アリア「初めまして。佐々木さん。私はアリアといいます。よろしくね。」佐々木「こちらこそよろしくお願いします。アリアさん」アリアと佐々木が互いに自己紹介をした後、すぐに佐々木はリボーンに話しかけた。佐々木「ところで、リボーンと言ったかな?」リボーン「何だ?」佐々木「君は本当に家庭教師なのかい?」リボーン「ああ。だが、俺は元々、ヒットマンなんだ。」佐々木「ヒットマン?」リボーン「ああ。家庭教師として、並盛に来て、沢田綱吉、通称ツナをマフィアのボスにするのが俺の仕事なんだ。」佐々木「ああ、さっきのあの少年ね。…マフィアのボス?」リボーン「ああ。俺たちはボンゴレファミリーだ。」佐々木「ボンゴレファミリー?つまり、あの少年以外に、何人もいた人たちは」リボーン「全てツナのファミリーだ。」佐々木「そうなんだ。…それで、次の目的地はどこへ行くことになっているんだい?」森「並盛海岸よ。」佐々木「並盛海岸?」森「ええ。」森は佐々木に次の行き先をそう告げる。しかし、バスに乗っているツナやキョンたちはまだ知らない。この後、涼宮ハルヒによって起こされる変わった出来事に巻き込まれることを…。その事実を知らないまま、彼らのバスは確実に並盛海岸へと向かっている。
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