夏の追憶
降り返らずにいられなかった。
思っていたよりも早く過ぎていった至福のときを。そしてハルヒのことを
あいつと離れてから10度目の夏がもう終わる。普通に考えれば別につまらない10年でもなかった。普通に考えればな。どうしてもあの頃と比べてしまう。あの夏と
10年の間に恋や愛なんかがまったくなかったとはいわない。しかしどうしても、、、どんなに人を愛そうとしても、、、あの笑顔が頭から離れない。そして重ねてしまう、そして終わってしまう。
今、思えばハルヒが俺のことを好きだったなんてことはなんで自分で気がつかなかったのか不思議になるほどの事実でそしてその事実は後悔へとかわり俺に重くのしかかる。
「なぁ、ハルヒもう一度おれにチャンスをくれないか?」
ひとりごとは自転車置き場の壁に軽く反響して、消えた。
ハルヒはいまどこでなにをしているのだろう愛をぶつけることができる人がいるのだろうこんどは上手くいくといいな。
ただあの時を忘れないでほしいたまに思い出して欲しいあの夏、あの場所には紛れもなくいたのだから。SOS団が、な。
「ハルヒ、愛してるぞ」
今更な告白はハルヒに届くはずもなく、反響もせずに消えた
怒るように急な突風が吹いて俺は目をつむりまた夏の思い出を噛み締めていた
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