「音-Freeze my love-」
ここは部室の中。いつもと変わらない平和な日常が送れると思っていた。この日がくるまでは…。 この日は、長門と古泉は用事があるということで、SOS団には来なかった。朝比奈さんは遅れてやってくると言っていた。部室には、ハルヒと俺しかいなかった。「ねぇ、キョン」「何だ?ハルヒ」「私たちの身近なところに音ってあるじゃない?」「……そうだな」「例えば、足音、ピアノとかギターとかの音もそうだし、本のページをめくる音、テーブルを叩く音、パソコンのキーボードを打つときの音、そして、今あたし達がしゃべる言葉などなど、世の中にはいろいろな音があるのよ!? すごいと思わない!?」「そりゃ、音は、空気の振動で起こる現象だからな」 「あ、そうそう、話が変わるんだけどキョンにお願いがあるの」ハルヒが急に話を変えて、俺に何か頼む。「言ってみろ」 すると、ハルヒの口から恐ろしく予想外な言葉が―――――!! 「私ね、ナイフで人を刺す音が聞きたいのだから、死んで」“ザクッ”という音と同時に、わき腹から激痛が走るいきなり俺の体にナイフを刺したのだ。「ぐ……あっ!!……」“ズボッ”とナイフが体から離れた瞬間、俺は倒れた。「フフフ、いい音…」赤い液体が床一面に広がる。俺がつけてる服も赤く染まっていく。薄れゆく意識の中、途切れ途切れにハルヒに問いただす。「何故……だ………、な……ぜ……な…んだ………ハルヒ、何故………俺…を……襲う…ん……だ…」すると、ハルヒが笑いながらこう言った。「フフ…フフフフフフ……、残念だけど、涼宮ハルヒじゃないわ。私は…………」といいながら、ハルヒは自分の顔の皮を剥ぎ始めた。すると、またあいつがやってきたのだ―――――!! 再びあの時の恐怖がよみがえる。 「朝倉涼子よ。戻ってきちゃった。地獄から」「ど、どうやって、……戻って…来たん…だ!?」「それは、ひ・み・つ」「なぜ、……俺を・・・・襲…う!?」「簡単なことよ。あなたに死んでほしい。ただそれだけ」俺は思った。朝倉がハルヒの変装で来たということは、まさか、ハルヒの身に何かが起こったというのか!?俺は意識が朦朧としている中力の限り朝倉に叫んだ「おい朝倉、ハルヒはどうした!?」「………涼宮さん?フフフフフフ……アッハッハッハッハッハッハッハ!!」「何がおかしい!?」「私が殺したわ。真夜中に。ロープで首を絞めて。彼女の家で。幸いにも、親御さん、出張だかなんだか知らないけど、いなかったみたいで、しかも、玄関の鍵を閉め忘れていたみたいで、簡単に彼女の家に入れたわ。ちゃんと防犯対策ぐらいしなさいよね。おかしいったらありゃしない!!アッハッハッハッハッハッハッハ!!それでね、こっそり彼女の部屋に向かったの。たぶん私が中に入るまで寝ていたと思うんだけど、扉をあける”ガチャッ”っていう音に反応しちゃって目が覚めたのか、起き上がって、『誰!?誰なの!?』って。おそらく、彼女は、寝起きと、部屋が夜中で暗かったせいか、私の顔が見えなかったみたいで、好都合だったわ。私の顔もしられないまま、そのまま首を絞めて殺すことができた。殺(や)った後は、朝までずっと彼女のそばにいて、朝になったら彼女に変装して学校に登校して、みんなと授業に参加して、今ここにいるっていうわけ。あの長門さんにまでこの変装は見破られなかったなんて、私の変装テクニックってすごいわね。アッハッハッハッハッ!!」「き、……貴様ぁ!!!」 「あっ、言い忘れてたけど、首を絞めていたとき、涼宮さん、無駄だとわかっていながらあなたに助けを呼んでいたわね。『助けて、キョン』って。いい気味」 「てめぇ、よくもハルヒを!!」許さねぇ!!、絶対許さねぇ!!こみ上げる憎しみを強くさせ、俺は精一杯の力を振り絞って立ち上がり傷口を押さえながら、朝倉のほうに向かい1発殴ろうとした。 が、“ザクッ”再びナイフが体に突き刺さる。今度は左胸に刺さっていた。「がはっ!…」 “ドサッ”俺はあまりの痛みに耐え切れなくなり再び倒れた。ナイフは俺の体に刺さったままだ。目がかすむ。 朝倉は俺のほうに立ち寄り、つぶやくように言った。「涼宮さんとあの世でお幸せに。」”ズボッ”次の瞬間、朝倉は俺の胸に刺さったナイフを抜き、再び、俺の左胸に刺した。“ザクッ”「ぐっ……ああぁっ!」 そのあと、腹、背中、足、腕、胸をメッタ刺しし、あちこちに血が飛び散った。 俺の息の根はなくなった。 朝倉は抜け殻になった俺の前にひざをおろし、呟いた。「いい音を聞かせてくれてありがとう、キョンくん。そして、さようなら。」そういうと、朝倉は立ち上がりナイフをカバンにいれて、帰ろうとしたが、偶然、朝比奈さんがドアを開け、中に入ってきた。異様な光景に驚いた様子で魂のない俺の体にすがりつく。「そんな、キョン君!?ねぇ、しっかりして!!キョン君、キョン君!!!」俺の体を触ると、ぬくもりがないことも、心臓の音もないことを気付いたとき、彼女は泣き始めた。 「うっ、……うわああああぁぁぁぁっ!!、キョン君―――!!」泣いてる朝比奈さんを尻目に、朝倉はとんでもないことを言い放った。「見られたからには、あなたにも消えてもらう」「やだぁっ!!…、来ないでぇ!!」朝比奈さんは、カバンからナイフを取り出し、それで刺そうとする朝倉を突き飛ばし、部室から逃げようと、ドアをあけたとき、バリア状態になっていて、逃げる事はできなかった。朝倉は恐怖でおびえている彼女に近づき、ナイフを振った。「さようなら」やめて! 強く心のなかで祈るもむなしく、ナイフは朝比奈さんの胸を突き刺す。“ザクッ”「あっ、あぁっ…」 胸のほうから激しい痛みが彼女を襲う。つけてる制服も血まみれになる。少しずつ、血の雫が1滴ずつナイフを伝ってポタッ、ポタッ、と落ちていく。 「い、……痛い、…痛い………よ…………」“ズボッ”とナイフを抜いたと同時に、朝比奈さんは倒れた。”ドサッ”鮮血があふれ出て吐血して、手で押さえても血が止まらず、床は血溜まり状態になり、呼吸も乱れ、瞳孔も見開いた状態になった。「痛い………よ……あぁ…………あ……ぁ…」やがて、朝比奈さんも静かに目を閉じた。絶命した。 「フフフ、終わった」そういうと、朝倉はナイフをカバンにいれて、”バタン”とドアを閉め、この場から立ち去った。その時、夜になっていて月があたりを照らしていた イメージソング 「Freeze my love」GLAY
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