Different World's Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その六)~
「え、原稿を書き直したいって・・・・・・って、ちょっと有希!あなた、顔、真っ赤じゃない!やっぱり、熱があるんじゃ・・・・・・」
このことを喜ぶべきなのか、悲しむべきか、迷っていると、パソコンのスイッチを切った彼が、
「そうだな、少し、熱が上がってきたのかもしれないな。長門、今日はもう帰った方がいいと思うぞ。俺が家まで、送っていってやるよ。」
「何よ!あんたはまだ、原稿が終わってないでしょ!ある程度、仕上がるまで、今日は帰さないんだから!」
「おいおい、長門の体調が悪くなったら面倒みろと、俺に言ったのは、お前だぞ。俺は今、お前の命令に忠実に従っているだけだ。」
「やれやれ・・・・・・さあ、俺たちも帰るか。」
「・・・・・・・・・・・・」
とんでも電波話を聞かされたり、時空を超えてみたり、バカにぎやかなクリスマスパーティをしたり・・・・・・。
「どうした?何かあったか?」
長門の白い手がドアノブをひねると、ドアはいとも簡単に開いた。
「・・・・・・?」
俺は、このまま足を踏み入れてもいいものかと悩んでいると、長門が俺の袖を引っ張った。
「あなたは、これからどうするの?」
「・・・・・・いい。」
彼にお茶を出すと、
「おお、わりぃな。」
「どうだ、この部屋はお前の部屋と何か違うところはあるか?」
私は、周りを見渡したが、自分の部屋とたいして変わりなかったので
「別に。」
「こっちの世界の長門は、部屋を飾りつけるようなまねは絶対しないだろうけど・・・お前はどうなんだ?したことはなくても、したいと思ったことはないのか?」
「・・・・・・別に。」
だから、私は本を読むのが好き。
「いや、別に俺がこの部屋にいるのがつまんねぇって言ってるわけじゃないんだ。ただ、毎日お前はここで何をしているのかな、と思ってさ。」
「・・・・・・読書。」
だが、この長門はどうだ?
俺が頭の中で、ギャル文字を使ってメールを打っている長門を想像していると、
ぴん、ぽーんー
目の前で、石像と化していた長門は、はっとして、ぱたぱた音をたてるという、長門にしては珍しい歩き方で、部屋の壁に取り付けてあるインターホンのパネルへと向かった。
「・・・・・・」
~Different World's Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その七)~へ続く~
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