森園生の電子手紙 国木田君と森さんと野良猫さん
森園生の電子手紙 国木田君と森さんと野良猫さん それは森さんが退院して入院から通院に切り替わった時のお話。 その日、たまたま僕は森さんの通院に付き合っていて、森さんからお礼に一緒に夕食でもと誘われ繁華街を2人並んで歩いていた。 隣を歩く森さんは僕に勿体無いほど美人で可愛くて少し緊張してしまう。本当に僕みたいな子供が彼氏でいいのかな?と不安になるよね……っとか考えてたら……森さんが隣に居ない? 焦って辺りを見回すと少し後ろでしゃがみ込んで何かしている。「…可愛い…あっそうだ猫さん、これ食べる?」どうやら野良猫に構っているみたいだった。「クスっ…美味しいかった?……そう、良かった。」猫の頭を撫でニッコリ微笑む………可愛い。猫もだけど森さんが可愛い過ぎる。この人と別れる事になったら…僕は発狂するんじゃないだろうか?改めて彼女の素敵さを実感し側に寄るのも忘れて彼女に見入っていた。 「国木田君?どうしたんですか?」じっと自分を見つめる僕に気が付いたらしく、猫の頭を数回撫でて、じゃあねと言うと此方に歩いてきた。「国木田君も一緒に撫でれば良かったのに…猫さん可愛いかったですよ?」「見ていましたよ。でもそうですね…僕にとっては野良猫と話す貴女の方が可愛いかったですよ。」森さんがはっとした表情で真っ赤になる「もっもう、急に変な事言わないで下さい!恥ずかしいじゃないですか……」へっ?あっ……思わず言った自分のセリフを思い出し僕赤くなる。ついと言うか何故か自然に言ってしまったが…まるで口説き文句だ。恥ずかしい。「違うんです。その口説き文句とかじゃなくて、その森さんがあんまり可愛いくて自然に出たって言うか…」「仕方ないですね…国木田君?その言い訳の方が口説き文句臭いですし、真っ赤になって弁明する貴方の方がさっきの猫さんや私の何倍も可愛いですよ?」そう言って、森さんは変な言い訳を始める僕の頭を優しく撫でると、少し赤い顔のまま微笑んだ。 僕は改めて思う本当にこの人を好きになって良かった……と。 FIN
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