涼宮ハルヒの清涼
最近言われてる地球温暖化なんてどーでもいいわ。。ただ5月で30度超えてるって一体何なの、暑すぎよ!これって宇宙人のいたずらなんじゃないのかしら今度みんなで調べる必要があるわね。 ぁあ・・考えると暑い・・・ぐてぐてと教室につくと、あたしの前の席のあいつはこの暑さでけだるそうに下敷きで仰いでいた。 「あたしも仰いでよ」「やれやれ・・それ去年も言ってただろ?」「・・・あんた女々しいのね・・・それにこの暑い時にうるさい」「まぁそういうな。暑くなってきてからな、どうせ言われるだろうと 思って少しばかり雑用らしい事してみましたよ団長殿」 そういうとキョンはカバンから扇子を取り出した。「この前買い物に行ったときに偶然見つけたんだがな」 「何これ・・」「いや・・だから日ごろ世話になっている団長様への感謝のプレゼントなんだが・・いらんならいいさ、すまないな」「持ってかえっても、どーせ使わないで部屋の端で埃かぶるんでしょ。そんな資源のムダになるぐらいならもらってあげるわよ。」 あたしはキョンの手から、無理やり扇子を奪い取って、仰いだ。涼しいし、柄のひまわりも可愛い。案外いい趣味してるわねってこのバカキョンには無理だから・・妹ちゃんが選んだに違いないわね。 ただの雑音にしか聞こえない、つまらない授業中もすっかりお友達になった扇子と過ごしているととあっという間に放課後になっていた。 部室に行くときも右手にはもちろん・・ 「やぁやぁお待たせー」「あ、涼宮さん! すぐお茶お入れしますね。ってその扇子どうされたんですか?」「ふっふっふっ 何とキョンがくれたのよ。日頃の態度を改めて、やっとSOS団に尽くす気になった見たいね」 いつもの席に着くと、みくるちゃんはすぐにお茶を出してくれる。ドジっ娘だけど、こーいうのは気がきくわねぇ。 「ほんとうらやましいです・・・そのひまわりが涼宮さんのイメージぴったりですし。キョン君一所懸命選んだんでしょうねー」 「そんなわけないじゃないーあのアホキョンよ?」言葉とは裏腹に、みくるちゃんにそんな事をいわれ、急に頭が熱くなった気がした。この暑いときにまったく・・・また仰いで涼む。 「・・・・あなただけずるい」「えっ? 有希何か言った?」「・・・・・・・・・何も」「そう」有希はそう言っていたけど、その後私の右手にあるそれを見ていた。有希の前じゃ出さないほうがいいかな? コンコンタイミングがいいのか悪いのか掃除当番のキョンが戻ってきたみたい。この話はもうヤメ!! それから学校ではもちろん、家や外出の時にでも使ってた。正直に言うと調子に乗ってたのかもしれない。そんな時は必ず何か起きるのに。。。 そう・・無くしてしまった。 日曜日にママと買い物に行った時にも、持って行ったからたぶんその時で・・周った所いっぱい調べたんだけど結局出てこなかった。 「・・・・・はぁ」気が付くと溜息が何度も出てくる。愛着があったのもあるけど・・・キョンに無くしたなんて言ったらあいつはどう思うだろう。いくら私でも良く思われないことぐらい分かる。明日学校行きにくいわ・・・・ってだー!!イライラするもう寝よう 「・・・・・ねむい」明るくなってきた・・そして私はぜんぜん眠れなかった・・・やっぱり私はあいつにもらえて嬉しかったんだって実感した。そして一つの決意をした。 キョンに謝ろう。使ってないとか、忘れたとかウソなんかついた方が絶対傷つけるし。。黙っとくなんて無理。ここは団長だろうと雑用だろうと関係ないわ。むしろ上がきちんとけじめつけることで団長の器を見せつけるチャンスだし、一石二鳥だわ。そうと決まればさっさと学校いくわよ。 私は珍しく朝早く教室へ行く。そして前の座席の主が到着するのをまっていた。早く来なさいよ。せっかく私が謝ろうとしてるのに。あいつはいつも待たせるつもりなのかしら。何様のつもり? 「ようハルヒ 何ブツブツいってんだ?」「えっ?」聞かれてた?周りを見ると私の事を見て何人か笑ってた。時間ももうすぐHRだし。。そんなに考え込んでたのかしら・・・まぁいいわ 「何でもない!・・わけじゃなくて・・あの・・ね」「ん?・・どーした?」キョンは聞き返すと、椅子に腰掛け私をみて、返事を待ってくれてる。今言わないと・・・そのために早く来たんだから。 「ゴメン!! あんたがくれた扇子無くしちゃった。せっかくくれたのに。団長としてあるまじき行為だわ・・・ホントにゴメン」私は頭を下げてから、キョンの目を見ていった。 「・・・・ハルヒ、今日はまた30度超えるらしいから大変だな。しかし、今俺は仰げるようなものを持ち合わせていない。今日は致し方ないが、先々考えると備えが必要だな・・・そこで申し訳ないが、今日の放課後この雑用に付き合っていただくなど出来ませんでしょうかね団長殿?」 私は一瞬何を言われているか分からなかった。はっ と気付くとすぐ返事を返す。「まったく仕方ないわねぇ・・アホキョンじゃ、ろくなの選ばないだろうし。いいわよ、私がじきじきに指導してあげるわ。あ もちろんそれなりの報酬は必要よ? ま とーぜん分かってるでしょうけど」 「やれやれ」キョンはいつも通りのあきれ顔で言っていたが、私はあいつの心遣いがうれしかった。そしてちゃんと謝ってよかった。 ってあの時は必死で気付かなかったけど、あいつデートに誘ってる?!今日も暑くてイヤになるわね・・・暑さのせいよ。 顔が赤くなってるのも。。。
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