Lolita's Love Complex 第一話「My little lover」
「キョンくん、おっはよー!!朝ご飯できてるよー!!」「ぎ・・・ぎがああああああぁぁあああっっっ!!??」妹の目覚まし”シスターズボディープレス”で叩き起こされた俺はその衝撃に死ぬかと思った。俗に言う朝立ち。その状態のアレの上に乗ってきたのだ。もう、痛いのなんのってない。そう、何が起きたか解らないような痛みだったのだ。「あぁああああぁあああああぁぁぁぁぁああぁぁぁ・・・・・・っっっっっ」急速に、意識が薄れていく。「どうしたの!?大丈夫!?」妹が凄い慌てた様子で俺を揺さぶる。「と、とりあえず・・・大丈夫、だ・・・・・ガクッ」「キョンくん!?キョンくんっ!キョンく・・・キョ・く・・・キョ・・・・・」よっぽどの激痛だったに違いない。俺は、そこで意識が途絶えた。 そして、目覚める事はなかった。死因「シスターのカールイス」BAD END 第一話「My little lover」 ・・・と、まぁ、そんなんで死ぬ訳がなく、しばらくして俺は目が覚めた。「・・・ん?」どうしてたんだっけな。あー・・・あ、そうだ。空中妹ダイブで気絶してたんだっけか。自分のあれを確認する。ん、大丈夫そうだ。それよりも体が物凄くダルい事が気になる。どうしたんだろう、俺は。「あの・・・」と、突然ひょっこりと俺の視界に少女が入ってきた。見たことのある心配そうな顔。前見た時よりも大人びた気がする。「・・・ミヨキチか?」俺はその名前を呼んだ。念のために確認する為。「はい。お久しぶりです。えっと・・・お兄さん、大丈夫ですか?」濡れタオルをピトッと俺の額に置きながら尋ねてくる。うん。冷たさが何とも心地良い。「あー・・・なんとかな。ただ頭が少しふらふらするんだよな・・・」何だか知らないが目覚めた時からある感覚。間違いなく妹のムーンサルトキックバックドロップ(仮)とは無関係のダルさ。恐らくは風邪だろう。この季節だから油断していたのかもしれない。「だ、大丈夫じゃないじゃないですか・・・!!」そう言ってミヨキチは微妙に泣きながらオロオロとしていた。「あぁ、大丈夫だって。うん。ほら、この通り」少し無理して起き上がり、手をブンブンと振り回す。頭にガンガンと痛みとして響くがミヨキチを心配させる訳にはいかない。「ほ、本当ですか?」「そんな物凄く心配そうな顔をしなくても大丈夫さ」なるべく自然な笑顔を作ってミヨキチの頭を撫でてやる。さらりとした黒い髪が指に絡んではスッと指の隙間を通っていく。「綺麗な髪だな」「え・・・あ、ありがとうございます」なでなで。「・・・・・・」なでなで。「・・・・・・」なでなで。「・・・・・・」なでなで。「・・・・あの」「ん?」ミヨキチが顔を真っ赤にして上目遣いで喋りかけてくる。くっ、その顔は反則だ。「頭、撫でてくれるのは嬉しいんですが・・・その・・・恥ずかしいというか・・・・・」「あぁ、悪い!」言われて気付いた。俺、滅茶苦茶頭撫でてるで、しかし。とりあえず慌てて手をパッとのける。その反動だった。ズキッ。「っ・・・」思わず呻いた。あの程度の動きなのに呻かずにはいられないぐらい頭に思いっきり響いたからだ。これは軽い風邪じゃない。間違いなく熱は38度超えてる。図らずとも自信がある。ファイナルアンサーで1000万だな。「お、お兄さん!?」ミヨキチが慌てて俺の顔を覗き込んでくる。「大丈夫。手をのける時に腰を捻っただけだから・・・」「お兄さん腰なんて動かしてませんよ・・・気をきかしてくれるのは嬉しいんですけど無理しないで下さい・・・お願いです・・・・・」「・・・悪い」その顔を見ていると、どうも嘘はつけなかった。酷い罪悪感が湧いて、湧いて、とめどなく湧いていたからだ。「もしも、もしもお兄さんに何かあったら・・・私は・・・・・」そう言って突然ミヨキチは俺の腕に顔を埋めて泣き出した。そりゃもう思いっきり肩を震わせて。流石にこればかりは反応のしようがないし対処方法も解らない。相手は大人びているとは言えども小学生だしな。子供心は解らない。「ちょ、待て・・・どうしたんだよいきなり」ミヨキチはひたすらに泣くしかない。どうしたら良いんだ?俺はとりあえず泣き止むまでそっと抱きしめておくことにした。「泣くなよ、ミヨキチ。可愛い顔が台無しだぞ?」「ぐす・・・うぅ・・・」「よしよし・・・すまないな・・・」背中をとんとんと叩きながら俺はあやす。幼い頃のうっすらとした記憶の中で親にされたように。見よう見真似相違ないものではあったが、おかげでミヨキチの泣き声は段々とフェードアウトしていった。親の教えは偉大なり。うんうん。「落ち着いたか?」「はい・・・」「どうして、泣いたんだ?」 「もう、我慢が出来ないからです。私は、お兄さんが好きです。大好きです」 ・・・・・・・・・・・。思考停止することおよそ数十秒。思考の電源再起動。デフラグ。・・・完了。さて、今起きた事を冷静に考えような。・・・・今、好きですって言われたんだな?ミヨキチに。そういうことだな。ハハハ、そうかそうか・・・って。「・・・ハァ!?」即座に反応?そんなの出来るわけがないだろ。何?何て言ったんだ?ちょっと待てよ。え?「・・・好きなんです。お兄さんの事が、一人の男性として大好きなんです」これはあれか。愛の告白って奴か。あぁ、そうだな。了解しました、大佐。俺は今告白されているんですね。何だか解らないけど犯罪の匂いがしています。あぁ、しています。「私は、まだ子供だし、きっとお兄さんも私を子供と見ていると思います。だけど、大好きなんです。愛してるんです」子供は言わんような言葉を並べて告白してくるミヨキチ。俺はただ黙って聞く事しか出来ない。迫力が、そのか細い声の中にあった。そして、再びミヨキチの目が潤み始める。「ですから・・・無理は、しないで下さい・・・心配で仕方が無いんです・・・・・・」「・・・解った。無理してすまない・・・・・」「・・・はっ!わ、わわわ私とんでも無いこと言ってしまって・・・・・・!!」そこでミヨキチの顔は一気に真っ赤になった。「ははは、良いんだよ。ありがとう、ミヨキチ。俺は嬉しいよ」「お兄さん・・・」「でも、ミヨキチはまだ幼い。別に子供扱いしてる訳じゃなくて世間的に愛があっても駄目だと言われるような状態なんだ」俺の言葉にミヨキチは声を大きくして言った。「世間なんて関係ないです!愛さえあれば関係ないんです!!」漫画なら活字でドーンって書いてありそうなぐらいの迫力だった。目を思いっきりぎゅっと瞑って、思いっきり叫んだのだろう、本人としては。「そ、そりゃまぁ、そうだけど、さ・・・」「私は・・・もう我慢出来ないんです・・・・・」そう言ってミヨキチは俺を抱きしめてきた。ここまで美少女に言われて、抱きつかれて、なお無理だと言える男が居るだろうか。いや、居るわけがない。あぁ、お父さん。あぁ、お母さん。そして、妹よ。ごめんなさい。「ミヨキチ・・・」「なんですか?」俺はどうやら、「顔を上げて」「はい・・・ん」「・・・」世間的にはヤブァイだろうけど、小学生と・・・「・・・」「・・・今の、ファーストキスですから、えっと・・・その・・・ちゃんと責任取ってくださいね」「・・・もちろん」 ・・・・・・・恋をする事になりました。・・・テヘッ★
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