おしかけ新妻☆天蓋領域娘九曜
「藤原くんはあまいのがお好き」や「膝の上」の続編です+++おしかけ新妻☆天蓋領域娘九曜+++藤原「ふー。今日は疲れたな。…ただいまー…なんてな。独りなのについ言っちまうぉおおっ!」九曜「───おかえり───なさい───」藤原「なぜお前がココに居る!」九曜「───ごはんに───する?───お風呂に───する?───」藤原「不法侵入すんじゃねぇ! ……っていうかなぜ裸エプロン…」九曜「───…それとも───わ───た───し───?───」藤原「どれもしない! それとそういうこと小首かしげて言うな!」九曜「───…やさしく───して?───」藤原「…出てけ」+++藤原「…zzz…」九曜「───…て───」藤原「ぅう〜ん…」九曜「───朝よ───起きて───ダーリン───」藤原「…! 誰がダーリンだ!」九曜「───朝ご飯───」藤原「…昨晩追い出したはずなのになんで居るんだよ…」九曜「───忘れてた───」藤原「…あ?」ちゅっ九曜「───おはようの───キス───」藤原「…出てけ」+++藤原(ったく。これじゃ家に帰って来られないじゃねぇか。…暫くの間ホテル住まいでもするかな)九曜「───…はい───」藤原「…なんだ? 今週発売のnanneじゃないか」九曜「───わたし───ハネムーンは───南紀白浜が───良いわ──」藤原「…出てけ」+++九曜「───…ダーリン───」藤原「…ダーリンはやめろと何度言えばわかるんだ」九曜「───……あ───な───た───?───」藤原「それもやめろ」九曜「──────…おまえさん…?──────……我が君…?───」藤原「…あのなぁ…。はぁ…。あと…俺のこと呼ぶ時に小首かしげるのやめろ」九曜「───……パンジー・藤原…───」藤原「ちょ…! そのお笑いコンビの売れてない方の芸名みたいな呼び方はやめろ!」九曜「───…皆───そう───呼んでる───のに…───」藤原「皆って誰だよ!」九曜「───…わたしの───ことは───…ハニーで───いいわ───」藤原「…出てけ」+++九曜「───…藤パン───」藤原「やめろっての」九曜「───…パンパン…───」藤原「…やめろっつってんだろ」九曜「───……パンつ…ん───?───」藤原「…出てけ」+++九曜「───晩ご飯…───」藤原「…あ?」九曜「───食べて───」藤原「…ハンバーグか」(俺の好物じゃないか。どうして…)九曜「───そう───好物で───揃えて───みた───」藤原「…そうか」(うざいと思いながらも流されてしまう俺って…)九曜「───ハンバーグ───ナポリタン───」藤原(…いや、いくら追い出しても追い出してもなぜか部屋に侵入してくるこいつが悪い!)九曜「───チャーハン───エビフライ───」藤原(そうだ俺はもう半ば諦めているんだきっと。いや諦めるな! ここで諦めたらこいつの思うつぼだ)九曜「───…デザートは───ダーリンの───好きな───ショートケーキ──」藤原(しかし一体どうしたらいいものか…。っていうかこれらの組み合わせに見覚えがあるのだが…何だっけ)九曜「───いただき───ます───」藤原(とりあえず勿体ないので目の前の料理は食ってやるか…。食べ物に罪は無い)九曜「───あとで───…わたしも───食べて…───」藤原「…出てけ」+++藤原「ごちそうさま。さ、ショートケーキ出せ」九曜「───まだ───食べ終わって───いない───…にんじんが───残ってる───」藤原「んぁ? にんじん嫌いなんだよ」九曜「───甘い───のに…?───」藤原「ふん、甘いものは好きだがにんじんは嫌いなんだ。いくら甘く味付けしたってにんじんはにんじんだ。にんじんグラッセなんてもんは子供騙しの出来損ないだ。騙しきれてないからタチが悪い。にんじんグラッセなんて考案したやつの顔が見てみたいもんだな」 九曜「───食べなきゃ───だめ───おおきく───なれない───」藤原「いや、もう大きいから」九曜「───た───べ───な───さ───い───」藤原「い・や・だ!」九曜「───…そう」藤原「ふん」(口移しで食わされないように気をつけねば!)九曜「───じゃあ───ダーリンの───ケーキは───わたしが───たべる───わ───」藤原「てめぇ!」ちゅっ藤原「んんーー!!むーー!!」九曜「───ちゃんと───食べられた───わね───」藤原「てめぇがおかしな方法で無理矢理食わせたんだろうが!」九曜「───エライ───エライ───」(なでなで)藤原「…出てけ」+++
トントントントン グツグツ シャッシャッ藤原「zzz…」九曜「───にんじんさん♪───さくらんぼさん♪───しいたけさん♪───」藤原「ん……」九曜「───ダーリンの〜♪───おべんとう───」藤原「むにゃむにゃ…」九曜「───隠し味は───愛情♪───」藤原「…うう…うるせぇ…」九曜「───わたしも───おべんとばこに───入りたいわ〜♪───」藤原「…出てけ…むにゃむにゃ…」+++九曜「───ダーリン───ネクタイ───曲がってる───」藤原「…そうか」ぐい藤原「っ…! なにをする!」九曜「───じっと───してて…───」しゅるしゅる…藤原「…」九曜「───はい───できた───」藤原「…あぁ………わ…悪いな」九曜「───そんな…───ネクタイ───直すのは───妻の───し───ご───と───」藤原「ふざけんな! 誰が妻だ」九曜「───いって───らっしゃい───気を───つけて───ダーリン───」ちゅ藤原「…出てけ…って出るのは俺の方か」+++藤原「ううーー…なんだか身体が…」九曜「───ダーリン───?───」藤原「うう…」九曜「───すごい───熱…───」藤原「…うぅ…う…」藤原「…あぁ…冷たくてきもちいー……ん? 氷枕?」九曜「───zzz…───ダーリン…───」藤原「…まさかこいつ…一晩中看病してくれてたのか? 裸エプロンで……」九曜「───zzz…───はやく───よくなって…───」藤原(は! 何てことだ…! この黒の塊が一瞬でも天使に見えてしまうとは!)+++九曜「───ん…───」藤原「…よ…よぅ」九曜「───ダーリン───!───」がばぁっ藤原「うわっやめ…」九曜「───完治の───キス───」藤原「やめろぉっ」ドンッドサッ藤原「…!?」九曜(ぽろぽろぽろぽろ)藤原(…な、泣いてる…?)九曜「───うう…───ダーリン───…ひどい───」(しくしく)藤原(こ…今度は泣き落としか? その手には引っかからねぇぞ!)九曜「───うぅ…───…わたし───実家に───帰らせて───頂き───ます───」(しくしく)藤原「あぁ帰れ! 帰れ! 二度と戻ってくんじゃねぇ!」九曜「───うう…───」(しくしく)藤原「とっとと出てけ」+++藤原「あーせいせいした」(これで思う存分気ままな独り暮らしが堪能出来るぜ。それにしても腹減ったな。コンビニで弁当買ってくるか……)藤原「ただいま…ってひとりなのについ言っちまうな」(あ、洗濯しなきゃ明日の下着が……って洗濯されてる…。あれの仕業か…。ん? このシャツは何だ?あぁそうだ。ボタンが取れたからそのままにしておいたんだっけ。…あれが付けてくれたのか………)藤原「は! 何を考えてるんだ俺!」(あんな塊………あんなやつなんて…………)(……やっぱちょっと寂しいかもな………なんて…な)ピンポーン藤原「ん? こんな時間に何だ?」九曜「───ダーリン…───」藤原「…な!」九曜「───やっぱり───ダーリンと───暮らし…たい───」藤原「……おまえ…」九曜「───……駄目…?」藤原「…………」(どうした俺! 何故即答しない? ダメだって言えよ、コラ!)九曜「───それに…───」藤原「…ん?」九曜「───わたしの───お腹の───なかには───…赤ちゃん───が…───」藤原「………は?」九曜「───ダーリンの───こ───ど───も───」藤原「いや、それおかしいって! 俺、身に覚えないんですけど!」九曜「───…ふたりの───愛の───結晶───」藤原「違うつってんだろ! 俺は知らん!」九曜「───ダーリンが───寝てる───間に───いわゆる───既成事実───という───やつ───種を───採取───した───」藤原「…! な、な、な…!」九曜「───名前は───何に───する───?」藤原「出てけぇえっ」おわり。めでたしめでたし………?
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