藤原くんはあまいのがお好き
+++「藤原くんはあまいのがお好き」+++
橘 「はい佐々木さん、メニュー」藤原 (あ〜すっげぇ甘いもん食いてぇ…。だがこんな女3人男ひとりの状況でチョコレートパフェなんて注文出来ねぇじゃねーかくそっ!)佐々木「ありがとう。……うーん…。そうだなぁ。今日はなんだか甘いものが食べたいんだよね」藤原 (あぁ…糖分が! 糖分が俺を呼んでいる…!)橘 「佐々木さんもですか? 私もなんです! じゃあ〜チョコレートパフェにしませんか?」藤原 (なにぃぃい?! 女はいいよなぁ畜生!)佐々木「いいね。それとアイスティーで。九曜さんも同じものでいいかな?」藤原 (「ふん、面倒だ。同じもので構わない」「ふん、面倒だ。同じもので構わない」)九曜 「───同じもの───で───いい」藤原 (よっしゃあ! これで俺もチョコレートパフェが…さぁ来い! さぁ来い!)「ふん、め…橘 「すみませーん。紅茶3つと、チョコレートパフェ3つ、コーヒー1つお願いしまーす」藤原 …orz+++橘 「ねぇ佐々木さん、今度ホテルメトロフンモッフのケーキ食べ放題行きませんか?」藤原 (なぬぅ? ホテルメトロフンモッフのケーキ食べ放題だと?)佐々木「この前テレビで紹介されていていたよね。いいね。行こうか」橘 「そうなんですよぉ。今とっても話題なんですよ!」藤原 (季節のフルーツタルトが絶品だっていう噂なんだよなー。俺も行きたいんだが…)九曜 「…───」佐々木「ん? 九曜さんも行きたいのかな?」藤原 (なんと!)九曜 「───絶品って───どんなものか───興味が───ある」佐々木「じゃあ一緒に行こうか」九曜 「───行く───」藤原 (…くそっ! 女はいいよなぁ。こういう時程男に生まれたことを恨んだことは無いぜ)橘 「じゃあ今度の土曜日にでも…。あぁんっ楽しみ!」九曜 「…───」藤原 (って何でこっち向くんだよ黒い塊! なんだその目は! 羨ましくなんてないぞ! 羨ましくなんてなんか…! …くそー宇宙人のクセに生意気な…!)…後日。九曜 「───これ───お土産───いる?」藤原 「…!」(こ、これは俺の大好物のショートケーキじゃねぇか! どうして…)九曜 「───消費期限───過ぎてる───けど」藤原 「…」(誰かこいつ殺ってくんないかな…?)+++藤原 (あぁ大好物のNANONEカフェのショートケーキが同じテーブルに3つもあるというのに、なぜ俺の目の前にはコーヒー1杯しか無いのだ?)佐々木「おお…。これは美味しいね」藤原 (せめてワッフルくらい注文しろよ橘! 勝手にコーヒーだけ注文しやがって。覚えてろよ!)佐々木「スポンジのキメ細かさといい、苺の酸味と生クリームの絶妙なハーモニーといい、たまらないね」橘 「でしょう? ここのショートケーキは美味しいって評判なんですよぉ」藤原 (くそ橘! そのケーキよこしやがれ。…って何だ? また真っ黒宇宙人がこっち見てるんだが)九曜 「…───」佐々木「ん? 九曜さんどうしたのかな?」九曜 ガタッ橘 「きゃっなにするの九曜さん! それ私のケーキ…」藤原 「…何のマネだ、黒の塊」九曜 「───あー───ん───」佐々木「く、九曜さん…?」橘 「…」(あーんですって? アレよね? 恋人同士がするっていうアレですよね? きゃー!)九曜 「───食べない───の?───」藤原 「あのなぁ…」(いや食いたいのはヤマヤマなんだがこの方法はちょっと…)九曜 「───そう…───」橘(んんっ…! もうっ! とっとと「あーん」って食べちゃいなさいよ!)九曜 「───じゃあ───」藤原 (っておい! 人に勧めといて自分で食うのかよ!)九曜 「───口───移し───で───」藤原 「ちょ…! おま…まっ」ちゅっ藤原 「てめぇ! な、何しやがる!」九曜 「───好きじゃ───ないの?」藤原 「いや、確かに好…ってちょっと待て。その「好き」はどこにかかるんだ?」九曜 「あなたの───唇は───とても───柔らかい───わ」藤原 「人の話を聞け!」佐々木「いやぁ…なんだか僕たちお邪魔のようだね。お先に失礼しようか」橘 「…そ、そうですね佐々木さん。…藤原さんってこういう子が好きだったんですね……」藤原 「ちょっと待てお前ら! なんか勘違いしてるぞ!」
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佐々木「君が甘いものに目がないとはね。いや変な意味ではないよ。ただ意外だなと思っただけだ」橘 「知らなかったとはいえごめんなさい。今度からあなたの分もちゃんと頼みますから」藤原 「ふん」(イヤッホゥ! これでこの集まりでスィーツ食べ放題だぜ!)橘 「ところで何にします?」藤原 (迷う…。フルーツタルトも気になるがミルフィーユも捨てがたい!)佐々木「んー…そうだね。フルーツタルトとアイスティーにするよ」橘 「じゃあ、私も同じもので」藤原 (そういえば橘の奴はいつも佐々木と同じもの頼んでいるな。アレか「あなたと喜びを分かち合いたいの」ってやつか? ま、どうでもいいけどな)九曜 「───…」橘 「決まりましたか?」藤原 「あぁ。ミルフィーユとアイスティー」佐々木「九曜さんは?」九曜 「───…フルーツ…タルト───」佐々木「それにしてもここの店はフルーツタルトも絶品だね。誰にも紹介したくない店だね」橘 「でしょう? 秘密の隠れ家にしたいですよね〜」藤原 (フルーツタルトも旨そうだな。今度はあれを頼むとするか。ふっ楽しみが増えたぜ)九曜 「───」佐々木「どうしたんだい、九曜さん?」藤原 (やはり1日1回は糖分摂取しないとな。あぁ本当に旨いなこれ…)九曜 「───迷ってた───ミルフィーユというものと───フルーツタルトと───」藤原 (俺が今、この時間平面上に存在しているのはこのミルフィーユを味わうためだ。他に何があろうか)ガタッ藤原 「おい! 何するんだ!」九曜 「───半分こ───」藤原 「は?!」九曜 「───あなたも…───同じ───気持ちの───…はず───」藤原 「何を言っているのかわからない。俺のミルフィーユを返せ! 食いたかったら自分でなんとかしろ」九曜 「───なんとか───する───」ちゅうっ九曜 「───フルーツタルト───おいしい?───わたしは───…おいしい」藤原 「貴様っ…!」九曜 「──────これが───ミルフィーユ…?」藤原 「いい加減にしろ!」九曜 「───分かち合う───喜び…───素敵───」佐々木「……い、いやぁ…ふたりとも仲が良くてなによりだよ…」橘 (九曜さん、なんて大胆なのかしらっ! 私も見習わなくちゃです!)藤原 「………」(もうこいつらなんとかしてくれ…)
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