幸福な鶴屋さん 5
その時にはもう涙があふれ、嗚咽を抑えるのも精一杯だったから、何を言われたのか具体的には覚えていない。
その時、色んな事が頭に浮かんできた。
教師に、学習面での努力が足りない、だからお前は駄目なんだと露骨に否定されたこと
入学時の自己紹介で下手に明るく振舞ったことから、余計に虐められるようになったこと
ろくな人生じゃないここならば・・カッターナイフも糸ノコ、調理用のガスコンロもある。
ここで死ぬのも悪くない、と考えたが、伸ばしすぎた黒髪が仇となった。
詰まれた学習机にひっかかり、それを崩してしまったのだ。
一瞬、自分でも心の臓がすぼまったのが分かった。
また蔑まれる 罵倒される 嫌われる 傷つけられる 心が壊される。
3人のうち、1人は片付けてから行く、と告げたらしく、こちらに向かってくるのは1人。何故、2人を帰らせたのか、私には分からない。その時点で、私はもう気づかれていただろう。
こちらに迫る足音にさらに身をちぢこませながら、私は震えた。
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