ひぐらしの憂鬱 第一章
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・ ・ ・ ・ ・ ・誰かがずっと謝っている、さっきからずっとだおれはねむいんだ、寝かせてくれ、、、でも何を謝っているのだろうか、謝られている方だっていい加減に許してやれよ、誰にだってミスはある、どんな過ちだって許されないことはないだろうに、、、もういい加減に許してやれよ、、、「キョン君起きて!もうすぐ着くよ、久々の雛見沢だよ」だんだんと視界が開けてきた、そう、そこは俺が住んでいる、、、雛見沢俺の名はキョン(まぁあだ名なんだが誰も名前で呼んでくれないのであえてここはあだ名で通らせてもらう)親の転勤が原因でここ雛見沢につい3週間前に引っ越してきたばかりだ。まぁ、いわゆる田舎という奴で前の街と違い全くと言っていいほどここには何もない!ただその代わり街にいては得られないようなものがここにはあるわけだが。ちょっと親戚の葬儀に出席するためにここ二日ばかし出かけていたわけだがなぜか知らないがあっちにいる間ここに戻ってきたくてしょうがなかった。それだけの価値がここにはあるということだろう。まぁ確かにこんな大自然は都会にいては味わえないからな。まぁ自然ばかしではないとも言える、俺はここにきて初めて親身になれる仲間を持ったような気がする。しかしあまり素直に喜べない人物が一人いるそいつが・・・「遅い!罰金!」そうこのいかにも自分勝手な奴、涼宮ハルヒである。「久々に会ったっていうのに第一声がそれかよ・・」「うるさいわね!はやくいくわよ!」こういう奴だ、理解したか?とにかく自分勝手、傍若無人、利己主義的・・やめよう挙げてたらきりがない。転校してきて3週間しか経ってないのにこいつの馴れ馴れしさには呆れてしまう。しかし、まぁその馴れ馴れしい性格のおかげで俺もすぐにここになれることが出来たのは感謝しなくてはならないかもしれない。「そういえばこの前、お前んちからもらった漬け物食ったけどさあれって誰が作ったんだ?まさかお前じゃないよな?」「・・・なんでよ」「いや、あれほどまでに味のしみこんだ漬け物は初めて食ったからな。正直うまかった。」ハルヒの顔が赤くなった気がした。「うるさいわね!誰が作ったっていいでしょ!人からもらった物にいちいち文句なんか言うな!!」別に誰も文句は言ってないのだが・・こいつなりの照れ隠しなのだろう受け取ろう。そんな会話をしながら歩いていると、、「おはようございま~す」このまるで妖精のような微笑みをしながら挨拶しているのは一つ年上の朝比奈みくるさんだ。「おはようございます、朝比奈さん」この方を見ていると俺までつい微笑んでしまう(ニヤけてしまうと言った方が正しいかもしれん)「おはよう!みくるちゃん!」と言うとハルヒは朝比奈さんの胸に飛び込み揉み出した。「やめて~涼宮さん!たたたすけてえ~」なんてうらやまs(rhいやいやなんてことを!決して俺もさわりたいなんて思ってはいないからな。そんなハルヒを止めて三人で学校に向かう。ここが学校である。といっても分校であり、決して大きいとは言えなく、人数も多くはない。玄関に入り、靴を脱ぎ、内履きをはき、教室に向かう。ここまでは順調、ここからが問題である。「キョン、早く入りなさいよ」ハルヒがニヤニヤしながら俺に言う。わかっている、このドアの向こうには試練が待ちかまえている。そうトラップという試練が。よし、落ち着け俺、クールに考えるんだ、もしかしたらもうすでに泥沼に片足を突っ込みかけているかもしれない。考えるんだ、、、見つけた。黒板消しがドアに挟まっている。それを取り外し俺はここで一瞬落ち着いてしまう、それがいけなかった。そこで罠が終わるはずがないのに。ドアを開け、足を一歩踏み出した。右足を力強く踏み込むと、何かを踏んだ。何だと考える暇もなくそのかんしゃく玉はバンッと鳴ると油断していた俺はうわぁと右手をついてしまった。プチッと鳴った気がした。いや、鳴った。断言しよう。その音はひもを切った音だった。嫌な予感がして上を見た。無数の金ダライが落ちてきた。(後日談:K氏「いやぁ走馬燈を見ました(笑)」)ちなみに罠はいつもハルヒが前日の放課後に取り付けるらしい。放課後の教室に一人残りせっせと一人の男子への贈り物を作る女子、とでも言えば少しは美談になるだろうがその内容は健気でもなんでもない。悪意に満ちあふれている。タライが当たった俺はしばらくボーッとしていたがハルヒの笑い声で自分の置かれた状況に気づき後ろで笑うハルヒをどついてやろうかと思ったがそんな気は一瞬にして消え失せた。「だだだ大丈夫ですか!?」朝比奈さんが近づき俺の頭を触っている。そりゃあもう白衣の天使に見えたね。もうこのまま天国に行ってもいいやとも思えるくらいだったからな。そんな至福を感じているこの状況に水を差しやがった野郎がいる。「おやおや、大丈夫ですか?あなたもいつも大変ですね。」ニヤつきながら近づいてきたこの男は古泉一樹である。「涼宮さんに構ってもらえるなんて全くうらやましいですよ。」「うるせぇ、なんなら代わってもらいたいくらいだぜ」「いえいえ、僕はあなたみたいな強靱な肉体は持っておりませんから」俺の大胸筋を触りながら言ってきた。気持ち悪い奴だ。そっちの気があるのだろうか。それならば今度からは後ろの気配には注意しよう。「いつまで座ってんのよ。早くどきなさいよね!」お前のせいだろというつっこみを入れようと思ったがそこで担任の岡部が入ってきたのでそのやりとりはそこでストップした。一人紹介が遅れた。窓際の席で分厚い本を読み、今の俺の惨劇になんの興味も示さなかったのが長門有希である。ミステリアスな文学少女でありかなり物事に関しては無反応というか無感情なのである。そんな仲間たちと過ごす毎日もそれほど悪くはなく、こんな毎日が続くなら俺はどんな努力でも惜しまないだろう。放課後、俺は帰り支度を始めると「キョン、ちょっと来なさい!」俺はまた何かされるものだと思い少し構えていた。すると「こんにちは、キョン君」朝比奈さんが教室に入ってきた。「どうしたんですか朝比奈さん?ハルヒと一緒に帰るんですか?」と聞いたが朝比奈さんは天使の微笑みでふふふと笑うと、いつの間にか集まりだした古泉や長門の元へと向かった。その集団の中心には案の定こいつが立っていた。「キョン!!喜びなさい!あんたをこの名誉あるSOS団に入れてあげるかテストをしてあげるわ!」いきなり何を言っているんだこいつは・・他の三人に目をやると朝比奈さんはうれしそうな顔をして俺を見、古泉はいつも通りのニヤニヤ顔で見、長門はと言うとやはり読書をして自分の世界に入り、三人はそれぞれの行動を取っていた。視線をハルヒに戻すと何がうれしいのか勝ち誇ったような顔をしてまるで、フフンどうよ、思い知ったかとでも言いそうな顔をしていた。事態がわからず俺は聞いた。「なんだよ、その・・・SOS団とかって言うやつは」「あんたそれぐらい知っておきなさいよ!」むちゃくちゃなことを言う奴である。越して三週間のこの俺に学校の全てを知らないでどうする、みたいなことを言ってきた。(まぁいつものことか、、、)「わからないのだからしょうがないだろ。だから教えてくれよ、そのSOS団の全貌を」「いいわ。教えてあげる、SOS団の目的を。ずばり、それは!」ゴクリと俺ののどが鳴った。「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶことよ!!」・・・・・・・時間が止まったような気がする・・・・・・・何を言っているのかわからなかった、まるで俺の大脳が考えるのを止めたかのようであった。いや、実際俺は止めたかったね、考えるのもばかばかしいと思ったからな。このまま振り返って帰ろうかと思ったよ。朝比奈さんは少し困ったように首を傾けてこっちを見、古泉は先ほどからの気持ち悪いニヤニヤ顔を止めず、長門は・・(以下同文)何秒経っただろうか、俺の体内時計は活動を停止していたためわからなかった。そのとき古泉が「つまり涼宮さんがおっしゃりたいのはみんなで村を探検したり、ゲームをしようということなのですよ」古泉はハルヒよりも数百倍いや計り知れないほどわかりやすい説明をした。「で、今日はあんたの入団試験をやってあげようというわけよ!」俺はやれやれと息を漏らした。「まぁわかった。俺も楽しいことは嫌いじゃないからな。いいぜ、その試験受けてやるよ」朝比奈さんが満面の笑みを浮かべた。この笑顔を少しでも長く拝められるなら悪くないかもなという考えが一番の理由ではあったのだが、試験を通して俺の度量をこいつらに見せつけるのも良いだろうと思ったのだ。「よし!決まりね!みんな早速準備よ!」三人は机を動かしだし、ハルヒは自分のロッカーをガサゴソと何かを探し出した。俺はてっきり面接でもあるのかと思い、多少の緊張をしていたのだが、そんなものは不必要だった。なぜなら俺の目の前には机を5つ固めこちらを見ている三人の少女とトランプを切っている古泉の姿が見えたからだ。何やってんだこいつ、、、そんな考えが顔に出ていたのか、古泉は「先ほどおっしゃったでしょう?ゲームなどを楽しむ団なんですよ、ここは」「あんたもボサ~ッとしてないで早く座りなさいよ!」言われるままに流される俺・・・「涼宮さん、今日は何をされますか?」「そうねぇ、、、有希はなにがしたい?」「・・・・・・・・・・なんでも」今日初めてこいつの声を聞いた気がした。「なんでもって言われてもねぇ、みくるちゃんは?」「そうですねぇ、キョン君は今日初めてだから簡単なのがいいですよね、ババ抜きとかどうですかぁ?」「そうね!!ババ抜きと言えば基本中の基本!こんなので手こずっているようじゃ団員としてもやっていけないわよね!よし、それじゃあ今日はババ抜きで決っ定~。」俺がボーッとしているうちに決まったらしい。どうやらこのババ抜きで勝てば俺の入団が許可されるようだ。「わかってるわねキョン!?試験なんだから本気でかかってきなさいよ!少しでも手を抜いたら死刑だからね!」わかっている。たかがババ抜き、されどババ抜き、ババ抜きをバカにする奴はババ抜きに泣くってくらいだからな!!(よく知らんが)配り終えたトランプをみんなが受け取り、ハルヒの『スタート!!』の声で始まった。人数が5人ということで手札もそれほど多くはない、俺の手札は5枚、不幸なことに俺の持ち札にはババがあった。順番はハルヒ→古泉→長門→朝比奈さん→俺となった。ゲームは淡々と進んでいった。ババ抜きは引き運が鍵になってくるため自分の努力ではなんともならないだろうと考えていた。しかしこいつらはなぜだろうどんどんと手札を減らしていきやがった。「あっがり~」ハルヒだ。「・・・・・」長門が無言のままあがった。「キョン君、、、ごめんなさい」そう言いながらちゃっかり朝比奈さんもあがった。残るは俺と古泉の2人だった。互いに手札は1枚と2枚、もちろん2枚は俺だ。「早く引け。俺はこの緊張感から早く解放されたいんだ」「おや、そうですか僕はこの雰囲気嫌いじゃないですけどね。あなたがそう言うんだったら仕方がありませんね」そう言うと古泉はゆっくりと俺の持つ手札に手を伸ばしてきた。俺にはこいつが何の迷いもなく、躊躇わずに手を伸ばしてきたことに何か違和感を感じた。しかし、それを感じるのが遅すぎた、、、「・・・すいません、あがりです」最後にニヤッとほくそ笑んだこいつの顔を見て俺は内なる俺の衝動を抑えるのに必死だったね。「ちくしょう・・完璧に俺の負けだ・・」「そんなんじゃ、団員の席はわたせないわよ!」不敵な笑みを見せるハルヒ。「キョン君はよく頑張りましたよ」少し困ったような顔をして俺を励ます朝比奈さん。「いつもは僕が負けなんですよ」髪を指でピンッとはじきながら言う古泉。「・・・・・・・・」無言で読書をすr(以下省略)なぜだ!?なぜこんなにも簡単に俺が負けたんだ!?よく思い出せ、さっきの違和感を!何か変だった。みんなはスーッと手が伸び相手の手札を抜き取っていた、、何か印でもなけりゃそんな風にはいかないはずだ、、、印・・・?傷・・・・・・?トランプの傷?俺は本能がそうしろというようにトランプの裏側をのぞいた、、、、、あった。他のトランプも見てみた、、、あった。「フフフ、気づいたようね」「・・・あぁ、まさかこんな手に引っかかるとはな。俺もなめられたもんだ」そうこいつらはトランプの表面の微妙な傷でそのカードを判断していたのだ。「卑怯だろこんなの!」「卑怯?笑わせてくれるわね。みくるちゃん団則第一条!!」「え?え?えーっと、『狙うのは1位のみ!』」「よし!次有希!団則第二条!!」「・・・『そのためにはあらゆる努力をすることが義務づけられている』」「よし!というわけよ、キョン。本気でかかってきなさいっていったでしょ?あぁそれと古泉君?負けた人は?どうなるんだっけ?」ハルヒがいかにもやらしそうに古泉に聞いた。そして古泉も古泉で、わざとらしく、そしてにやけながら。「そうですねぇ、、たしか罰ゲームだったと思いますが?いかがですか、涼宮さん?」クックックとハルヒが笑っている間、俺はこの後自分がどんな罰を受けるのだろうかという想像をしていた。(というか現実逃避だがな)ハルヒは言った。「罰ゲームは・・・今日これから放課後の時間私につきあいなさい!!」向こうの世界に自分の身を委ねようとしていた俺は一瞬反応が遅れた。えっ、と俺は思った。それだけか?というかそれハルヒの得にしかならないんじゃ、、、。「いいわよね!?みんな!?」みんなうんうんとうなずくことしかできなかった。全くこいつの唯我独尊ぶりには呆れるばかりである。「でも、涼宮さん、キョン君の入団はどうしますか?」朝比奈さんだ。「そうねぇ、、、みんなは?どう思う?」一応意見は聞くらしい。「あたしは良いですよ」かわいらしい笑顔の朝比奈さんが女神に見えた。(常に俺の中では女神であるが)「僕も賛成ですね」こいつ雰囲気で言ったんじゃないだろうか。「有希は?」「・・・いい」「というわけで、本日これをもってキョンの我がSOS団への入団を許可するわっ!!!光栄に思いなさい!!!」なんだろうか、このうれしくも悲しくもないこの気分は、、、。「ちなみに団長はあたし!団長の言うことは絶対だからねっ!!それと古泉君が副団長でみくるちゃんと有希が団員その1とその2!!で、あんたが団員その3というわけよ!」やけにうれしそうなハルヒが紹介を終えた。こうして俺は晴れて(?)SOS団に入団したわけである。「それじゃ今日はここで解散ね!!みんな今日は帰っていいわ!あっキョン!あんた罰ゲームなんだから早く行くわよ!!」と言われると俺の右手はハルヒにつかまれ俺は身勝手な団長様に連れ去られるのであった・・。教室を出るとき朝比奈さんががんばってとでも言いそうにガッツポーズをし、古泉はニヤニヤとこちらに視線を向け、長門が読書をしているのが見えた。気のせいか哀れみの目を向けられているような気がした。俺は引っ張られる間これからどうなるのだろうという考えにふけっていた。(このとき俺の頭の中には名曲ドナドナが流れていた・・・)「おい!ハルヒ、どこに行くんだよ!?」「うるさいわね!あんたはついてくればいいのよ!」外に出るとそんな会話をしていた。外は夕方になったとはいえ、まだ少し暑さを感じさせる。やれやれ、まだ6月だっていうのに、、夏本番になったらどうなるんだ?地球が溶けるんじゃないか、なんて馬鹿なことを考えていると俺たちはいつの間にか橋の前に立っていた。田舎の渓谷にはぴったりの橋と、その下にはゴウゴウと流れる川があった。それほどボロくはないがやはりこの高さだ、もし落ちたらなんて考えるとゾッとする。そんなことにも気を止めずハルヒは橋を渡り終えていた。「早く来なさいよ~!!」わかってるよ、、、まったく。少し慎重に渡る。よくありがちなドラマでは人が渡っている最中に橋が壊れるよなぁ、なんてことを考えているとばかばかしさに苦笑する。「遅いわよ!」そりゃあ悪かったね。フンッと鼻を鳴らすとハルヒはまたもずんずんと先に行ってしまった。俺も急いで追いかけることにしよう。こんなところに一人で置いていかれたくないからな。木々を抜けるとそこはおもわずうわぁと言いそうになるような・・・ゴミの山だった。俺は唖然として「なんだこれは」「見てわかんないの?山よ山!ゴミの山よ!」「そりゃ見たらわかるが、、なんだって俺をこんなところに連れてきたんだよ」「あんたねぇ、見なさいよこの山!いかにも謎!って感じでしょ!?」何がどう謎なのだろうか、誰か説明してほしい。しかしこのゴミの量は凄まじかった。街の方から持ってくるのだろうか。こんな田舎にまで都会のゴミを持ってくるなんて、現代社会をおもわず批判したくなるような光景だった。それほどの量なのだ。「まぁ百歩譲って謎だとしよう。ここで何をするんだ?」「そりゃあ、ここから謎を掘り出すのよ!」嫌な予感がした。「つまりそれって、、、ゴミあさりということか?「そんなモンじゃないわよ!謎探しって言ってほしいわね!」そう、このSOS団の団長はつまり涼宮ハルヒは俺を連れてゴミあさりをさせようというわけである。確かに罰ゲームにはなるわな。「わかったよ、罰ゲームだもんな、やるよ、ゴm・・・謎探し」「それでいいのよ」満足そうに言うハルヒ。「それじゃあ、あたしはあっちを探すからあんたはあっちね!」「えっ!?お前も探すのか?」「当たり前でしょ、あんただけに任せてたら心配だもの」それは俺の身を案じているのか、それとも俺がちゃんと探すかどうかを心配しているのかは定かではない。「そんじゃちゃんと探すのよ?わかった?サボってたら罰金ね!!」「へいへい、わかりましたよ」20分も経っただろうか、俺は必死になってあるかもわからない謎ってやつを探していた。すっかり汗をかいてしまった。部活動に青春をかけ汗をかく青年なんていうのはフィクションだけだというのを忘れないでもらいたい。今のおれの状況は部活とは名だけの罰ゲームである。「ふぅっ、少し休憩するか、、、」ゴミの落ちてない場所を探し腰を落ち着ける。・・・雛見沢かぁ、いいとこだよな、都会とは違って空気もうまいし、自然はあるし、何より都会にはない人の温かみを感じることの出来る場所だ。「静かだなぁ、、」沈みかけている夕焼けを眺めながら大自然を体で感じていると、カシャッ!「うわぁ!」なんだ!?「おっとごめんごめん。」「な、なんですかいきなり!?」少し動揺していた自分が恥ずかしかった。「悪かったね。僕は多丸裕、フリーのカメラマンをやっていて雛見沢にはたまに来るんだ。君は雛見沢の人かい?」この聞き方、この人雛見沢の人じゃないのか?「えぇ、そうですけど・・・」俺は少し怪訝そうに言う。「あぁごめん。写真を勝手に撮ったことは謝るよ。いつもは自然の風景を撮っているから被写体を気にせずに撮るもんだからね。ハハハ」爽やかそうな人だった、年もどちらかというと若そうな人だった。「こらーーーキョーーーーン!!!サボるなって言ったでしょー!!!!!!!」遠くからハルヒの声が聞こえてきた。「あの子はゴミの上で何をやっているんだい?」赤の他人に『謎探しですよ』なんて言えるほど俺はバカじゃない。だから、「さあ?昔埋めたバラバラ死体でも探してるんじゃないですか?」冗談のつもりだった、、、この、裕さんという人もアハハと笑ってすましてくれると思ったのに。帰ってきた返事は予想外のものだった。「嫌な事件だったね」え・・・・?「な、何を言っt」「腕が一本見つかってないんだったね」「は?」「殺害現場はこのあたりらしいね、犯人もまだ捕まらずじまい。」「ちょ、ちょっと裕さん?・・何の話をしt」「キョン!!サボるなっていったでしょ!?」「おっとじゃまをしないうちに帰るかな。さっきは悪かったね。じゃあね、キョン君」「・・・・・・・・」来た道を戻りながら俺はさっきの話が頭から離れなかった。嫌な事件?腕が一本!?あの人は何の話をしていたんだ?他の場所と間違えたんじゃないのか?そんな疑問が沸々とわいてくる。だからハルヒの声も全く聞いていなかった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・「・・・だからねぇ、あたしは言ったでしょ?、、ってキョン!?聞いてんの!??」「・・・・なぁハルヒ。昔あの場所でなんかあったのか?」「さっきの場所?あぁダム開発のことね。私も詳しくは知らないんだけどさ。」「・・・・そのさ、ダム開発のなかでなんかあったのか?事件とか、さ、殺人事件とか」 「ない」そう言い切ったハルヒの横顔はどこか異様な雰囲気を漂わせていた。その言い方は否定と言うよりも、、、そう拒絶と言った方が正しいだろう。俺がすっかり困惑した顔をしていると、ハルヒの顔はパッと、まるでスイッチを切り替えたかのように変わった。ハルヒの顔が段々と血の気を取り戻す一方で俺はすっかり血の気が引いていくのを感じた。「実はあたしも去年ここに引っ越してきたばっかでさ、だから正直ここのことはそんなに詳しく知らないのよ。悪いわね」そう言うのを聞いて我に返った。ハルヒが転校生?そうだったのか、、、「そう、だからあんまり教えらんないのよ、、そんじゃまた明日!キョン遅刻するんじゃないわよ?」そう言い残しハルヒは家路を急ぐ・・・・。「嫌な事件だった、、、か。何かあったのか?この雛見沢で」遠くからひぐらしの声が聞こえる、そんなある日の夕方だった・・・
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