SONG OF KUNIKIDA -MELTY CADENZA OF SECRET- プロローグ
冬は人が暖かく感じる。もちろん肌に感じる冷たさは冬そのもの。通り過ぎていく風が証人。震える体をさすりながら私は学校の校門をくぐる。でも、寒い、と口には出せない。他の女の子より暖かい格好してるんだもん。口に出して言ったら怒られちゃう。まぁ、怒られないけどね。ちなみにそんな私の格好は男子用の制服。女子が着るのはおかしい。けど、私は大丈夫なの。だって、学校では男の子だもん。ふりだけどね。おかげで、今は毎日が辛い。だって、「おはよう、国木田」「キョン、おはよう」大好きな彼に気持ちを伝えることさえ出来ないんだから。―――あの空は何を見ているのか。この地面は何を見ているのか。―――始まりか。経過か。結末か。―――未来と現在と過去。終わりから始まる唄。SONG OF KUNIKIDA -MELTY CADENZA OF SECRET-
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