「in the middle of nowhere 五章」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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<div>僕は、ほとほと疲れてしまったんですよ。<br>
この世界に。<br></div>
<br>
<div>
僕たち「機関」は世界のために日夜活動しているわけです。<br>
機関の大人たちはそのことについてあきらめているようでした。<br>
自分たちがやらなければいけない、そう思って自己犠牲の精神のもと<br>
活動していたわけです。<br>
僕も最初の頃はそう思っていましたよ。正義のヒーローみたいだとも思いました。<br>
世界は僕たちの『おかげで』うまくいっている。そう信じて疑いませんでした。<br>
ところが、ある時気づいたのです。<br>
――世界は僕たちを『犠牲にして』うまくいっている。<br>
僕らがどれだけ汗水たらして働いても、誰も評価してくれないんです。<br>
社会は僕らの活動から生み出される利益だけを享受して、<br>
下にいる僕らのことは顧みもしないのです。<br>
僕らは正義のヒーローじゃなかったんです。<br>
そうですね、言うなれば奴隷ですよ。<br></div>
<br>
<div>こんな世界はなくなってしまえばいいんです。<br>
僕を踏みつけて、酷使して、結局何一つ僕には残さない。<br>
そんな世界のためには働く気なんてもう、起きないんですよ。<br>
そうです。疲れ果ててしまったんです。<br>
何ですか?え?<br>
そうですね。確かにあなたの言う通り、涼宮さんは落ち着いて来ています。<br>
でも、そこまでなんですよ。結局彼女はいつ爆発するか分からないままなんです。<br>
中の信管が抜けてないんです。……僕はあなたにそれを期待したんですけどね。<br>
でも、あなたは素直になってくれない。<br>
大事な人が自分を見てくれない。そんな不安や怒りが溜まりに溜まって<br>
爆発した時、何が起きるでしょう?あなたでも分かるでしょう?<br>
このままの関係が続けば、遅かれ早かれ破局は来たのですよ。絶対に。<br>
僕が引き起こさなくても。<br></div>
<br>
<div>
どうせ来る破局なら僕がその引き金になってやろうと思ったんですよ。<br>
今までの復讐に。<br>
これで僕はすっきりしましたよ。<br></div>
<br>
<div>本当のことを言うと、僕はあなたが嫌いでしたよ。<br>
いえ、性格とか、そんな所ではありません。<br>
あなたが涼宮さんに好意を寄せられているという、ただそれだけで。<br>
</div>
<br>
<div>
僕は彼女が好きでした。――高校に入ってからですけど。<br>
でも、彼女はあなたに惹かれ続けていたんです。<br>
ここ数日、僕は彼女といろいろな話をしました。<br>
宇宙人は存在するのか、とか、時間移動は可能か、とかいう超常現象から始まり、<br>
趣味、とか、家族、とかそんな会話もしました。<br>
彼女は意識していなかったでしょうけど、<br>
いつも、どこか満たされていないような顔をするんです。<br>
時々、声にならない呼びかけをしていました。<br>
そばにいないあなたに向けて、ね。<br>
かなわぬ恋、なんて生易しい物じゃありませんよ。<br>
僕を見てさえくれないんですよ。<br>
さあ、世界が終わるまでの残り少ない時間。どうぞ有意義にお使いください。<br>
『心残り』のないようにね。<br></div>
<br>
<br>
<ul>
<li><font color="#666666">六章</font></li>
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<div>僕は、ほとほと疲れてしまったんですよ。<br>
この世界に。<br></div>
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僕たち「機関」は世界のために日夜活動しているわけです。<br>
機関の大人たちはそのことについてあきらめているようでした。<br>
自分たちがやらなければいけない、そう思って自己犠牲の精神のもと<br>
活動していたわけです。<br>
僕も最初の頃はそう思っていましたよ。正義のヒーローみたいだとも思いました。<br>
世界は僕たちの『おかげで』うまくいっている。そう信じて疑いませんでした。<br>
ところが、ある時気づいたのです。<br>
――世界は僕たちを『犠牲にして』うまくいっている。<br>
僕らがどれだけ汗水たらして働いても、誰も評価してくれないんです。<br>
社会は僕らの活動から生み出される利益だけを享受して、<br>
下にいる僕らのことは顧みもしないのです。<br>
僕らは正義のヒーローじゃなかったんです。<br>
そうですね、言うなれば奴隷ですよ。<br></div>
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<div>こんな世界はなくなってしまえばいいんです。<br>
僕を踏みつけて、酷使して、結局何一つ僕には残さない。<br>
そんな世界のためには働く気なんてもう、起きないんですよ。<br>
そうです。疲れ果ててしまったんです。<br>
何ですか?え?<br>
そうですね。確かにあなたの言う通り、涼宮さんは落ち着いて来ています。<br>
でも、そこまでなんですよ。結局彼女はいつ爆発するか分からないままなんです。<br>
中の信管が抜けてないんです。……僕はあなたにそれを期待したんですけどね。<br>
でも、あなたは素直になってくれない。<br>
大事な人が自分を見てくれない。そんな不安や怒りが溜まりに溜まって<br>
爆発した時、何が起きるでしょう?あなたでも分かるでしょう?<br>
このままの関係が続けば、遅かれ早かれ破局は来たのですよ。絶対に。<br>
僕が引き起こさなくても。<br></div>
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どうせ来る破局なら僕がその引き金になってやろうと思ったんですよ。<br>
今までの復讐に。<br>
これで僕はすっきりしましたよ。<br></div>
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<div>本当のことを言うと、僕はあなたが嫌いでしたよ。<br>
いえ、性格とか、そんな所ではありません。<br>
あなたが涼宮さんに好意を寄せられているという、ただそれだけで。<br>
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僕は彼女が好きでした。――高校に入ってからですけど。<br>
でも、彼女はあなたに惹かれ続けていたんです。<br>
ここ数日、僕は彼女といろいろな話をしました。<br>
宇宙人は存在するのか、とか、時間移動は可能か、とかいう超常現象から始まり、<br>
趣味、とか、家族、とかそんな会話もしました。<br>
彼女は意識していなかったでしょうけど、<br>
いつも、どこか満たされていないような顔をするんです。<br>
時々、声にならない呼びかけをしていました。<br>
そばにいないあなたに向けて、ね。<br>
かなわぬ恋、なんて生易しい物じゃありませんよ。<br>
僕を見てさえくれないんですよ。<br>
さあ、世界が終わるまでの残り少ない時間。どうぞ有意義にお使いください。<br>
『心残り』のないようにね。<br></div>
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<li><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/953.html"><font color=
"#666666">六章</font></a></li>
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