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『lakeside love story』 5日目」(2020/07/26 (日) 01:41:53) の最新版変更点

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<div>『lakeside love story』<br></div> <br> <div>《5日目》<br></div> <br> <div>結構舞い上がるもんだな。<br> 昨日やっとこさ眠りについたが……ハルヒとキスする夢を見て起きちまった。<br> 合宿に来る以前の俺なら強がって【悪夢】だとか言ってたんだろうがな。<br> 今は不思議と眠気も残らずスッキリとしている。<br> 顔を洗い、時計に目をやる。<br> 「6時半だと?」<br> 思わず声に出た。<br> 昨日布団に入ったのが大体12時ほどだ。<br> そこから5時間寝れずに今は6時半…1時間半しか寝てないわけだ。<br> 今日家に戻ると爆睡だろうな。<br> 「やれやれ。」<br> と俺は呟き、コーヒーを淹れて椅子に腰掛けた。<br></div> <br> <div>俺はまだ寝ているみんなを見てボーッとしていた。<br> 30分ほど。<br> 朝比奈さんが起きてきた。<br> 「ふぁ……あ、キョンくん?おはようございます……。」<br> まだ完全に目が覚めてないのだろう、トロンとした目をしていた。<br> 「おはようございます、よく寝てましたね。」<br> 「あ……見てたの?恥ずかしいです……。ちょっとお顔洗ってきますね。」<br> 「あ、飲み物はコーヒーで良いですか?」<br> 「えっと……ココアお願いして良いですか?苦いのは苦手です…。」<br> 俺は肯定の動作をして、キッチンに行き、ココアを淹れてテーブルに戻った。<br> </div> <br> <div>朝比奈さんも戻って椅子についていた。<br> 「あ、ありがとうございます。わたしの仕事なのに……。」<br> 「いえいえ。たまには俺にやらせて下さい。」<br> 俺も椅子に座り、コーヒーを口に含んだ。<br> 苦い。<br> 「あの……えっと……昨日はどうだったんですか?二人ともいつも通りの態度で戻って来ましたよね?」<br> やはり来たか。<br> 絶対この質問は来ると思ってたさ。<br> 答える前にさらに朝比奈さんがたたみかけてきた。<br> 「まさか……ダメでしたんですか?キョンくん、昨日眠れなかったみたいだし……。」<br> 俺は朝比奈さんに微笑みかけてこう伝えた。<br></div> <br> <div> 「逆ですよ。ハルヒも俺の事を思ってくれていて、無事に成功しました。」<br> 驚きと安堵の表情を浮かべた朝比奈さんにさらに続けた。<br> 「ちなみに寝れなかったのは恥ずかしい話、興奮してたんですよ。嬉しくて。」<br> 伝え終わると朝比奈さんはニッコリと笑い、<br> 「それが普通だと思いますよっ!わたしも……そんな眠れなくなるような恋がしたいなぁ……。」<br> ちょっと、そのセリフはいかがわしい感じにも取られますよ。<br> </div> <br> <div> 「…ち、ち、違いますよぉっ!?わ、わ、わたしはキョンくん達みたいなっ……」<br> 朝比奈さんの言葉を遮るように俺は「冗談ですよ」と笑いながら言った。<br> 「……っ!?もうっ!キョンくんは意地悪ですっ!!」<br></div> <br> <div> 意地悪で良いですよ、と言おうとした時、後ろから人の気配がした。<br> ……ハルヒと古泉?<br> いつ起きたんだ?お前ら。<br> 「おはよっ!朝からみくるちゃんと仲良いわねぇ、あたしの彼氏さん!」<br> 「布団の中で二人の話を聞きながら涼宮さんから全部聞きましたよ。あなたも僕に負けず劣らずナルシストですねぇ。」<br> </div> <br> <div>ちょっと待て。どこまで話したんだ?ハルヒは。<br> そして古泉、お前はナルシストだと自覚してるのか。<br> ……と頭の中で文句を一通り考えた後、ハルヒに向かって言った。<br> 「浮気じゃないぞ?俺はお前だけが好きだからな。」<br> ハルヒと、何故か朝比奈が顔を真っ赤にした。<br> 「……っ!?ちょ、キョ…、ああもう!顔洗って来るわっ!」<br> 古泉がニヤニヤしながら肩をすくめた。<br> 「おやおや、そこまで燃え上がっていらっしゃいますか。」<br> 「いつもこき使われるお返しにしちゃかわいいもんだろ?」<br> 朝比奈さんも口を挟んで来た。<br></div> <br> <div> 「ふわぁ、キョンくん……凄いキザになりましたねぇ……。」<br> 俺は一人でスヤスヤと眠る長門に目をやり、肩をすくめ言った。<br> 「やれやれ。四面楚歌だな。」<br></div> <br> <div>朝飯前、長門を起こせとハルヒの命令だ。<br> さて、困ったな。<br> あいつの噛み付きはなかなかにダメージを負うからな。<br> しかたない、いつも通り強行策でやるか。<br> 近付いて行くと長門がいきなり目を見開いた。<br> 「うおっ!?」<br> 我ながらマヌケな声を出したね。<br> 「………昨日、どうだった?」<br> お前も心配してくれてたのか。<br> 畜生、涙が出そうになるぜ。<br></div> <br> <div> 「ああ、大丈夫だ。俺はハルヒと付き合ってるよ。」<br> 長門は少しハルヒの方を見た後、視線を戻した。<br> 「………そう。よかった。……少しだけ、あなた達が羨ましい。」<br> 「そうか。大丈夫だ、今にお前にもちゃんと『長門有希』って『人間』を見てくれる奴が現れるさ。」<br> 俺は長門の気持ちを察して、先に言葉を伝えた。<br> 「……ありがとう。」<br> 長門は少しだけ、ほんの少し俺にだけわかるように微笑んで、起きていった。<br> </div> <br> <br> <div> 最後の日ということもあって、食事はエラく豪勢だった。<br> </div> <br> <div>余った食材全てを使ってのバーベキューだとよ。<br> ハルヒらしくて嬉しいが。<br> ちなみに迎えに来てくれた新川さん、一緒に帰る予定の森さんにも食事を振る舞った、というより無理矢理食べてもらった。<br> 松茸のせいで食材が丸1日分ほど余ったからな。<br></div> <br> <div> そして片付けを終わらせた後、みんなでペンションに別れを告げ車に乗り込んだ。<br> </div> <br> <div> ちなみに古泉との散歩は食事で消えたが文句はない。<br></div> <br> <div>さすがにみんな遊び疲れたのだろう。<br> 俺と長門以外の全員が深い眠りについていた。<br> 「長門、お前は眠くないのか?」<br> コクリと頷く、肯定の動作だ。<br> 「わたしは既に必要なだけの睡眠は取った。……あなたは?」<br> </div> <br> <div>苦笑いで俺は答えた。<br> 「俺か?俺が寝ると寄り掛かってるこいつが起きちまうからな。」<br> 「………そう。」<br> 「長門、心配してくれてありがとな。俺はお前らと一緒にいれてほんとに……幸せだよ。」<br> 「………いい。」<br> はは、相変わらずわかりにくい奴だ。<br> 「ただ…………」<br> ただ?<br> 「「クサい。」」<br> ってハルヒ!?<br> お前……起きてたのか?<br> 「当たり前よっ!!まったく……有希、このバカのクサさに負けちゃダメよっ!」<br> 「………わかった。」<br> お前らひでぇな……。<br> 「あ、キョン!あさって……2人でどっかへ行くわよ!」<br> </div> <br> <div> お前な……デートの誘いなら長門のいない所で頼むよ、はぁ。<br> 「気にしないで、いい。」<br> 普通は気にするもんだぞ。<br> 「じゃあ決まりねっ!あさっての9時にいつもの喫茶店でっ!」<br> もう勝手にしてくれ……。<br></div> <br> <br> <div> その後、1人1人家まで送ってもらい、最後に俺の家に着いた。<br> 古泉は報告とやらの為に森さん、新川さんと【機関】に行くらしい。<br> 「もう少し話をしたかったんですがね。散歩がなくて残念です。」<br> </div> <br> <div> 「まぁな。とりあえず頑張って報告してこい。2人もお疲れ様でした。」<br> 俺は疲れていたから適当な返事ときちんとした挨拶をして、家に入った。<br> </div> <br> <div>「あ!!キョンくんおかえり~!」<br> 妹の声も久々だな。<br> とりあえず疲れたから寝せてくれ。<br> 妹にそう言うと、膨れながらも部屋から出てくれた。<br> 聞き分けの良い子に育ってくれて兄は本当に嬉しいぞ。<br></div> <br> <div>あさってはデートか……。<br> 明日は昼まで寝て、貯金おろして……。<br> 考えながら俺は深い眠りに落ちていった。<br></div> <br> <div>《5日目終了》<br></div> <br> <br> <ul> <li><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/932.html"><font color= "#666666">6日目</font></a></li> </ul>
<div>『lakeside love story』</div> <p> </p> <div>《5日目》</div> <p> </p> <p> </p> <div>結構舞い上がるもんだな。<br /> 昨日やっとこさ眠りについたが……ハルヒとキスする夢を見て起きちまった。<br /> 合宿に来る以前の俺なら強がって【悪夢】だとか言ってたんだろうがな。<br /> 今は不思議と眠気も残らずスッキリとしている。<br /> 顔を洗い、時計に目をやる。<br /> 「6時半だと?」<br /> 思わず声に出た。<br /> 昨日布団に入ったのが大体12時ほどだ。<br /> そこから5時間寝れずに今は6時半…1時間半しか寝てないわけだ。<br /> 今日家に戻ると爆睡だろうな。<br /> 「やれやれ。」<br /> と俺は呟き、コーヒーを淹れて椅子に腰掛けた。</div> <p> </p> <p> </p> <div>俺はまだ寝ているみんなを見てボーッとしていた。<br /> 30分ほど。<br /> 朝比奈さんが起きてきた。<br /> 「ふぁ……あ、キョンくん?おはようございます……。」<br /> まだ完全に目が覚めてないのだろう、トロンとした目をしていた。<br /> 「おはようございます、よく寝てましたね。」<br /> 「あ……見てたの?恥ずかしいです……。ちょっとお顔洗ってきますね。」<br /> 「あ、飲み物はコーヒーで良いですか?」<br /> 「えっと……ココアお願いして良いですか?苦いのは苦手です…。」<br /> 俺は肯定の動作をして、キッチンに行き、ココアを淹れてテーブルに戻った。</div> <p> </p> <p> </p> <div>朝比奈さんも戻って椅子についていた。<br /> 「あ、ありがとうございます。わたしの仕事なのに……。」<br /> 「いえいえ。たまには俺にやらせて下さい。」<br /> 俺も椅子に座り、コーヒーを口に含んだ。<br /> 苦い。<br /> 「あの……えっと……昨日はどうだったんですか?二人ともいつも通りの態度で戻って来ましたよね?」<br /> やはり来たか。<br /> 絶対この質問は来ると思ってたさ。<br /> 答える前にさらに朝比奈さんがたたみかけてきた。<br /> 「まさか……ダメでしたんですか?キョンくん、昨日眠れなかったみたいだし……。」<br /> 俺は朝比奈さんに微笑みかけてこう伝えた。</div> <p> </p> <p> </p> <div>「逆ですよ。ハルヒも俺の事を思ってくれていて、無事に成功しました。」<br /> 驚きと安堵の表情を浮かべた朝比奈さんにさらに続けた。<br /> 「ちなみに寝れなかったのは恥ずかしい話、興奮してたんですよ。嬉しくて。」<br /> 伝え終わると朝比奈さんはニッコリと笑い、<br /> 「それが普通だと思いますよっ!わたしも……そんな眠れなくなるような恋がしたいなぁ……。」<br /> ちょっと、そのセリフはいかがわしい感じにも取られますよ。</div> <p> </p> <p> </p> <div>「…ち、ち、違いますよぉっ!?わ、わ、わたしはキョンくん達みたいなっ……」<br /> 朝比奈さんの言葉を遮るように俺は「冗談ですよ」と笑いながら言った。<br /> 「……っ!?もうっ!キョンくんは意地悪ですっ!!」</div> <p> </p> <p> </p> <div>意地悪で良いですよ、と言おうとした時、後ろから人の気配がした。<br /> ……ハルヒと古泉?<br /> いつ起きたんだ?お前ら。<br /> 「おはよっ!朝からみくるちゃんと仲良いわねぇ、あたしの彼氏さん!」<br /> 「布団の中で二人の話を聞きながら涼宮さんから全部聞きましたよ。あなたも僕に負けず劣らずナルシストですねぇ。」</div> <p> </p> <p> </p> <div>ちょっと待て。どこまで話したんだ?ハルヒは。<br /> そして古泉、お前はナルシストだと自覚してるのか。<br /> ……と頭の中で文句を一通り考えた後、ハルヒに向かって言った。<br /> 「浮気じゃないぞ?俺はお前だけが好きだからな。」<br /> ハルヒと、何故か朝比奈が顔を真っ赤にした。<br /> 「……っ!?ちょ、キョ…、ああもう!顔洗って来るわっ!」<br /> 古泉がニヤニヤしながら肩をすくめた。<br /> 「おやおや、そこまで燃え上がっていらっしゃいますか。」<br /> 「いつもこき使われるお返しにしちゃかわいいもんだろ?」<br /> 朝比奈さんも口を挟んで来た。</div> <p> </p> <p> </p> <div>「ふわぁ、キョンくん……凄いキザになりましたねぇ……。」<br /> 俺は一人でスヤスヤと眠る長門に目をやり、肩をすくめ言った。<br /> 「やれやれ。四面楚歌だな。」</div> <p> </p> <p> </p> <div>朝飯前、長門を起こせとハルヒの命令だ。<br /> さて、困ったな。<br /> あいつの噛み付きはなかなかにダメージを負うからな。<br /> しかたない、いつも通り強行策でやるか。<br /> 近付いて行くと長門がいきなり目を見開いた。<br /> 「うおっ!?」<br /> 我ながらマヌケな声を出したね。<br /> 「………昨日、どうだった?」<br /> お前も心配してくれてたのか。<br /> 畜生、涙が出そうになるぜ。</div> <p> </p> <p> </p> <div>「ああ、大丈夫だ。俺はハルヒと付き合ってるよ。」<br /> 長門は少しハルヒの方を見た後、視線を戻した。<br /> 「………そう。よかった。……少しだけ、あなた達が羨ましい。」<br /> 「そうか。大丈夫だ、今にお前にもちゃんと『長門有希』って『人間』を見てくれる奴が現れるさ。」<br /> 俺は長門の気持ちを察して、先に言葉を伝えた。<br /> 「……ありがとう。」<br /> 長門は少しだけ、ほんの少し俺にだけわかるように微笑んで、起きていった。</div> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <div>最後の日ということもあって、食事はエラく豪勢だった。</div> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <div>余った食材全てを使ってのバーベキューだとよ。<br /> ハルヒらしくて嬉しいが。<br /> ちなみに迎えに来てくれた新川さん、一緒に帰る予定の森さんにも食事を振る舞った、というより無理矢理食べてもらった。<br /> 松茸のせいで食材が丸1日分ほど余ったからな。</div> <p> </p> <p> </p> <div>そして片付けを終わらせた後、みんなでペンションに別れを告げ車に乗り込んだ。</div> <p> </p> <p> </p> <div>ちなみに古泉との散歩は食事で消えたが文句はない。</div> <p> </p> <p> </p> <div>さすがにみんな遊び疲れたのだろう。<br /> 俺と長門以外の全員が深い眠りについていた。<br /> 「長門、お前は眠くないのか?」<br /> コクリと頷く、肯定の動作だ。<br /> 「わたしは既に必要なだけの睡眠は取った。……あなたは?」</div> <p> </p> <p> </p> <div>苦笑いで俺は答えた。<br /> 「俺か?俺が寝ると寄り掛かってるこいつが起きちまうからな。」<br /> 「………そう。」<br /> 「長門、心配してくれてありがとな。俺はお前らと一緒にいれてほんとに……幸せだよ。」<br /> 「………いい。」<br /> はは、相変わらずわかりにくい奴だ。<br /> 「ただ…………」<br /> ただ?<br /> 「「クサい。」」<br /> ってハルヒ!?<br /> お前……起きてたのか?<br /> 「当たり前よっ!!まったく……有希、このバカのクサさに負けちゃダメよっ!」<br /> 「………わかった。」<br /> お前らひでぇな……。<br /> 「あ、キョン!あさって……2人でどっかへ行くわよ!」</div> <p> </p> <p> </p> <div>お前な……デートの誘いなら長門のいない所で頼むよ、はぁ。<br /> 「気にしないで、いい。」<br /> 普通は気にするもんだぞ。<br /> 「じゃあ決まりねっ!あさっての9時にいつもの喫茶店でっ!」<br /> もう勝手にしてくれ……。</div> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <div>その後、1人1人家まで送ってもらい、最後に俺の家に着いた。<br /> 古泉は報告とやらの為に森さん、新川さんと【機関】に行くらしい。<br /> 「もう少し話をしたかったんですがね。散歩がなくて残念です。」</div> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <div>「まぁな。とりあえず頑張って報告してこい。2人もお疲れ様でした。」<br /> 俺は疲れていたから適当な返事ときちんとした挨拶をして、家に入った。</div> <p> </p> <p> </p> <div>「あ!!キョンくんおかえり~!」<br /> 妹の声も久々だな。<br /> とりあえず疲れたから寝せてくれ。<br /> 妹にそう言うと、膨れながらも部屋から出てくれた。<br /> 聞き分けの良い子に育ってくれて兄は本当に嬉しいぞ。</div> <p> </p> <p> </p> <div>あさってはデートか……。<br /> 明日は昼まで寝て、貯金おろして……。<br /> 考えながら俺は深い眠りに落ちていった。</div> <p> </p> <p> </p> <div>《5日目終了》</div> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <ul> <li><a href="//www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/932.html"><font color="#666666">6日目</font></a></li> </ul> <p> </p> <p> </p>

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