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『キョンの悪夢』」(2007/01/14 (日) 04:11:03) の最新版変更点

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<div class="main"> <div>『キョンの悪夢』<br></div> <br> <div>気がつくと俺は暗いとこにいた。<br> 「また変なことが……やれやれ」<br> とりあえず歩く、歩く。<br> なにもない。<br> ただ暗いだけの空間。孤独感だけがある。<br> 「………あれはハルヒ?」<br> 暗闇の中に見たことのある後ろ姿だ。助かった。<br> ハ「あ、キョン……」<br> 「助かったよ、ここは何処なんだ?」<br> わかるはずない質問をした。ハ「………ごめんね、キョン。あたし行かなくちゃ」<br> 「は?」<br> ハルヒの前にはドアがあった。<br> いつからあるんだ?さっきはなかっただろう?<br> 「ち、ちょっと待てよ……」<br> ハ「ほんとにごめんね……」<br></div> <br> <div> ハルヒはドアを開け、向こう側に行こうとしている。<br> 「い、行くな!ハルヒ!」<br> 俺は半泣きで叫んでいた。<br> 「一人にしないでくれよ!なぁ!」<br> ハ「ごめんね……さよなら!」バタンッ!!<br></div> <br> <div>ハルヒがドアを閉めるとまた暗闇に戻った。<br> 「また、また俺一人かよ……」<br> もの凄い孤独感と不安に襲われ、俺は叫んでいた。<br> 「うわぁああああああ!!」<br> ハ「キョン!!」<br></div> <br> <div>ハルヒの声が降ってきた。<br> 場所は、いつもの部室だ。<br> 俺はどうしたんだ?なぜ此処に?<br> ハルヒは俺を抱いて、<br> 「何処にも行かないから、此処にいるから……」と言っている。<br> </div> <br> <br> <br> <div>夢だったのか?<br> 頭が痛いことに気付く。が、後回し。<br> 「誰か、説明してくれ」<br> と言ってから気付く。<br> 此処には長門とハルヒしかいないみたいだ。<br> 長「あなたは………」<br> さすが。頼りになるぜ、長門。<br> 長「朝から高熱があるにもかかわらず、学校に来て一日を過ごした。」<br> そうだ、確か……39度近くあったんだ。<br> 長「そして部室に来てドアを開けた途端、突然倒れて机に頭を打った。」<br> なるほど、頭痛はそれか。<br></div> <br> <div>「それで、この状きょ……」ハ「キョン!!」<br> 一番俺の近くにいたくせに今頃起きたのに気付いたハルヒに話を止められた。<br> </div> <br> <div> ハ「大丈夫!?あたしが側にいるから!一人にはしないからね!」<br> 「ありがとう、大丈夫だ。ただもう少し話を聞かせてくれ。」<br> 俺は霞む目をこすり、長門に続きを要求した。<br> ハルヒは相変わらず俺を抱いてくれている。<br> 長「あなたを揺すっても気を失っていて、返事がないため今、古泉一樹と朝比奈みくるが救急車を呼びに行った。」<br> なるほどな。<br> で、何故ハルヒは俺に抱きついているんだ?<br> 長「あなたはうなされていた。酷く汗をかいていた」<br> ハ「それでね…」<br> ハルヒが長門の言葉を継いだ。<br></div> <br> <div> ハ「あたしが水を持って来ようとして有希にあんたの様子を見てるように頼んだのよ」<br> なんとなく感付いてきたぞ……<br> ハ「そしたらあんたが『行くな、ハルヒ』って……。最初は寝言だからって気にしなかったのよ」<br> 寝言か……恥ずかしいな。<br> ハ「そしたらメチャクチャ汗かいてて、うなされてて『一人にしないでくれ』みたいなこと言ってたから……」<br> </div> <br> <div>「そうか。助かったよ、ハ……」<br> 俺は返事をしようとするとハルヒが涙ぐんでいることに気付いた。<br> 「おい、どうしたんだよ」<br></div> <br> <div> ハ「あ、あんたが死んだかとお、思って心配してたんだからねっ!バカァッ!!」<br> </div> <br> <div>心配してくれてるのはありがたい。<br> が、肩を掴んで揺するのはやめてくれ……ほんとにまずい。<br> 長「安静にさせないと………」<br> 長門の一言でハルヒはハッとしたようだ。ナイスだ、長門。<br> ハ「あ…ご、ごめん。つい……。それより、あたし水汲んで来るわ!」<br> </div> <br> <div>「なぁ」<br> 出て行こうとするハルヒを俺は止めて手招きした。<br> ハ「な、なによ」<br> ハルヒを抱き寄せて言った。<br></div> <br> <div> 「怖い夢を見たんだ、誰もいない暗闇でお前もいなくなる夢……。だからしばらくはこうさせてくれ。」<br> 長「………わたしが水を汲んでくる」<br> 長門が気を利かせたのか、出て行った。<br></div> <br> <div> ハ「い、いいわよ。しばらくついててあげる。でもね……」<br> ハルヒは少し声のトーンを下げて言った。<br> ハ「あたしは絶対にあんたを一人になんかしないから……安心しなさい」<br> </div> <br> <div>俺は苦笑した。<br> そうだ、こいつはこういう性格だから俺を一人にするはずはないんだよな。<br> 「ハルヒ」<br> ハ「な、なによ!バカキョンのくせに何笑ってんのよ!」「ありがとうな」<br> </div> <br> <div>ハ「……っ!あ、あたりま…」<br></div> <br> <div> ハルヒがなにかを言おうとすると、3人が同時に戻ってきた。<br> み「あ、気がついてる……よかったぁ…」<br> 古「どうやら無事のようですね…」<br> 2人とも安堵の表情を浮かべている。なんとなく罪悪感だ。<br> 古「とりあえず下まで連れて行きましょう、あと5分ほどで来ますから。」<br> ハ「そうね、古泉くんはそっち側を支えて。」<br> み「じゃあわたしと長門さんで荷物を持って行きますね!」<br> 長「……………わかった」<br></div> <br> <div>みんなに支えられて俺は病院に行った。<br> 3日間の入院になったが、酷い病気ではなかったらしい。<br> </div> <br> <div> 毎日全員で見舞いにも来てくれたし回復も早かったからな。<br> これなら、もう二度と孤独になる夢なんて見ないんだろうな……と、思いつつ病院を後にした。<br> </div> <br> <div> 病院を出る時、俺は心の底からこの言葉を言った。<br></div> <br> <div>「みんな、ありがとう」<br></div> <br> <div>終わり<br></div> </div> <!-- ad -->

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