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『涼宮ハルヒの退屈Ⅱ』」(2007/01/14 (日) 02:48:26) の最新版変更点

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 進級に関わる忌々しいテストから早2週間が経ち俺達は夏休みを迎えようとしていた<br> 大した事件も事故もなく平凡に暮らしていたって訳だ<br> 思えば1年前は野球大会に駆り出されたなぁ・・・ もう今年は無くていい<br> 朝比奈さんも来年の3月にはこの学校を卒業する あとの事はわからんが<br> 一杯でも多く朝比奈さんが淹れてくれる紅茶を飲みたいものだ<br> しかし俺のこの希望は悉く打ち砕かれるのは判っているのだ<br> その打ち砕く張本人がドアをドンッと勢いよく開け 恵比寿と勝負すれば勝てるほどの笑みを浮かべている<br> <br> 「皆でテニスやるわよ~」<br> <br> あぁ・・・憂鬱だ・・・<br> <br> 『涼宮ハルヒの退屈Ⅱ』<br> <br>  今回のテニスは大会には参加していないらしい<br> それがせめてもの救いだったわけだが<br> とは言うもののテニスに関してはハルヒと古泉以外はドが99個着くぐらいの素人で<br> 朝比奈さんはテニスは一度やってみたかったんですよね などと至福の顔をしているが<br> 実際にはラケットの握り方も知らないらしい あの~今さらですが・・・天然ですよね?<br> ともかく何も起こらないで欲しいと願うばかりであった<br> <br> <dl> <dd> ハルヒが言ってたテニスコートがある駅までは電車で1時間かかるらしい<br> さらに半時間歩いてやっと着いたって訳だ<br> 家でゲームしてた方がマシだったなんて・・・言えないよな あの笑みを見ていたら・・・<br> 「さぁ着いたわよ~」 見ればわかる<br> そこは長年誰も使っていないらしく多少寂れていたが ネットを張れば普通のコートに早変わりした<br> <br> 「やっぱり物事は習うより慣れろよね みくるちゃん」<br> 「ふぇ?手取り足取り教えてくれるんじゃないんですか?」<br> 「何言ってるの?SOS団のメンバーが そんなんじゃ先行きが不安だわ」<br> あとこの学校にもいられる日数が残り少ない人に対して先行きという言葉は使わない方がいいんじゃないか?<br> <br>  さて荷物も置いたし動きやすい服に着替えてこよう と思ったが更衣室が男子女子などと別れていないらしい<br> ハルヒの提案で男子が先に着替えることになった 「10秒以内ね!」 無茶だ<br> <br>  で帰るときに着替えるのは女子かららしい なるほど下着泥棒対策ね するか!!<br> 仕方ないから帰りに残り香でも嗅がせてもらうよ<br> 「ちょっとキョン 何鼻の下伸ばしてんの?」<br> <br> 早速長門と古泉のラリーが始まった おいハルヒ・・・アップなしか?<br> 「アップなんかしてたら時間が無くなっちゃうじゃない ラリーがアップ代わり」<br> お前は俺らの体より時間か そりゃお前(と長門)だけは特別かも知れない だけど<br> 「うるさい 始まったわ」 一蹴かよ・・・<br> <br> 「長門さん 上手いですね」<br> 「マニュアル通りにしているだけ」<br> この二人は上手い 上手いが故に一瞬のミスが命取りだ あっ古泉がロブを上げた<br> 「私の勝ち」<br> そう宣言する長門 と次の瞬間<br> 長門が打ったスマッシュは目にも留まらない速さで<br> 在りえない擬音を出し 古泉のコートへ突き刺さった<br> 少しは力をセープしてくれよ 長門<br> 「している」<br> <br>  次にハルヒと朝比奈さんがラリーを始めた<br> 「これぐらいでいいかしら」 おいおい まだ20回もしてないじゃないか<br> 「ほらほらみくるちゃ~ん 小さくなってるだけじゃ点は取れないわよ~」<br> 優越感に浸るハルヒ 朝比奈さんは今いる場所で縮こまっているだけだ<br> 朝比奈さんの頭にボールが当たり脳震盪でも起こしたらどうするんだ<br> 結果は当然の如く朝比奈さんが惨敗した<br> 「あぁ~ん足くじいて痛いです~」<br> すみません暴君がこんなこと提案したせいで あっ肩貸しましょう<br> 「あっキョンくん駄目です・・・仲良くしちゃ・・・」<br> 仲良くというわけじゃないですが・・・とりあえず着替えてきてください<br> <br> 準決勝は長門とハルヒか<br> ズドン キュ バァーン ドン パァーン<br> とてもじゃないが高校生の試合ではない 悪い事は言わない テニスプレイヤーになれ ハルヒ<br> 戦況はハルヒがバックスピンをかけ長門に打たせないという そりゃ宇宙人に打たせたらガットが一瞬でパーだ<br> 「そろそろね」 何がだ<br> 「王子サーブ!!」 卓球だ!!<br> 結局ハルヒ6-1長門でハルヒの圧勝<br> 「次はリミッターを解除・・・」 しなくてよろしいぞ 長門<br> <br>  決勝戦 何故俺がシードなのかわからない<br> 「涼宮さんが望んだからですよ」 知るか<br> 俺は全然動いていない しかも決勝戦だ ラリーは長めにさせてもらうよ<br> とうとう試合が始まった<br> <br>  ズドン くっ重い・・・<br> ハルヒの打球は打ち返してくるごとに重くなっている<br> ハルヒ5-1俺 <br> 「張り合いがないじゃない もう終わり?」<br> まだだ まだ終わらせねぇぞ<br> <br></dd> <dd> ハルヒがサーブを打つ ビュン うわっ速っ<br> 最後までとっておきたかったが仕方ない・・・ ふんっ!!<br> ズドン 俺が打った打球はハルヒのラケットを吹き飛ばし金網にめり込んだ<br> 「ふふん・・・やるじゃない」<br> お互いな 俺がサーブを打つ ハルヒが返してくる もういっちょ!!<br> ズドン 今度はハルヒのラケットを突き破った<br> 「もうっ これじゃぁ試合できないじゃない 有希 ラケット貸して」<br> そうさ 点差が開いている以上それ以外の方法で勝つしかないんだ この試合もらった!!<br> 「じゃぁ・・・これはどう?」 下打ちに変えた?<br> うぉぅ これは長門を苦しめた・・・ 「そう バックスピンよ」<br> ネットタッチや打ち損じで点を稼ぐサーブか しかしもう 慣れた!!<br> しかし俺が打った打球は力なくハルヒの頭上へと舞い上がる<br> くっ南無三 「もらっ・・・た」<br> <br>  ドサッ 打球音にしては布の音がした と思ったらハルヒが倒れていた<br> 「痛~い」 その直後ハルヒの頭上に ポコン テニスボールが落下した<br> 「ふにゃぁ」 伸びるハルヒ そんなに簡単に気絶するのか? これ・・・どうすんの?<br> 「これは足首を捻ってますね・・・恐らく軽い脳震盪でしょう しかし熱中症の疑いもあります」<br> そうか だから気を失ったのかハルヒ って大変じゃねぇか すぐ影のある場所へ<br> <br> ハルヒに水を与え 背負う おっ意外と軽いな<br> それにしても解せん 何故こんなカンカン照りが続く時期にテニスを提案するかな<br> 自分の命を捨ててまで楽しみたいのか?ハルヒ いつでも代わりはあるじゃねぇか<br> 小声でつぶやいたときハルヒが声を捻り出していた<br> 「い・・つでもじゃ・・・だめ・・・み・・・く・・・ちゃんが・・・いる内・・・に」<br> ・・・そうかハルヒ お前もちゃんと考えてんだな わかった とりあえず今日は中止だ<br> 「ら・・・め・・・」<br> お前の体の方が大事だハルヒ!! お前が死んだら朝比奈さんはどうなる<br> お前が朝比奈さんを思ってやったことがお前を死に至らしめたら 朝比奈さんは・・・朝比奈さんは・・・<br> 知らない内に涙が出ていた そうか・・・朝比奈さんが出て行けばもうこの集団ではいられなくなるのか<br> 今までと言えど1年間だけだがいろいろなことをしてきた しかし朝比奈さんは唯一の1学年上の3年生だ<br> 今までと同じ事をあと1年間できない そう考えたら自然と涙が出てきた<br> 「わかった・・・ハルヒ・・・とりあえず影にお前を入れてやるから休め お前らしくないぞ 水分補給を忘れるなんて」<br> 「キョ・・・ンも一緒に・・いて・・・一人は嫌・・・」 わかった いてやるから<br> 「やらし・・ことはしないでね・・・」 するか!<br> こうしてぐったりしているハルヒを見るのは初めてだな 色っぽさすら感じる<br> 「何・・欲情してんの・・・」 目ざとい奴め 触らねぇよ<br> 「今なら・・いいよ・・・触っても・・冷やして・・・」<br> とりあえず濡れタオルならあるからこれで頭でも冷やせ 疲れてるんだお前は<br> <br> 「涼宮さん大分よくなりましたね」 おかげさまでな<br> 「やはり熱中症でしたか 無事で何よりです」<br> ハルヒも最初ほどの元気はないもののをよくなったみたいだ<br> 「今日は私涼宮ハルヒの失態により自身が倒れるという・・・」<br> 長ったらしい・・・お前は運動会の校長か また倒れるぞ それぐらいにしとけ<br> 「ふぇ・・・もう・・・だめ・・・」 朝比奈さ~ん!<br> <br> 見慣れた町へ戻る もうあたりは薄暗くなっていた<br> スピーチ中にまた倒れたハルヒを背負って帰るためみんなより早めに切り上げた<br> まったくこいつは・・・ いきなりハルヒが重い口を開けた<br> 「ねぇ キョン」 なんだ<br> 「あたしたちまた会えるかな」 どうしてそんなこと<br> 「高校を卒業するでしょ そうしたらバラバラになっちゃって もう・・・会えないのかな・・・って」<br> なるほど お前らしくないな<br> ふん・・・お前は自覚はしてないだろうが望めばすぐそれが手に入る能力の持ち主だ<br> 必ず会えるさ きっと<br> 「さぁな・・・神様にでもお願いしてみるか?」<br> 暮れなずむ夕日が2人を照らしていた<br> <br> <br> 『涼宮ハルヒの退屈Ⅱ』 fin<br></dd> </dl>

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