「【三分間劇場@コーヒー】」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

【三分間劇場@コーヒー】」(2020/03/12 (木) 15:46:10) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

━━━━季節外れな暖かい陽射しが、俺の座る窓際の席を心地よく包んでいた。<br> まったく…少し気を抜けば授業中の今でさえ、深い眠りに堕ちてしまいそうだ…━━━<br> <br> 【三分間劇場@コーヒー】<br> <br> 俺は瞼の重さに耐えながら、必死に黒板を凝視していた。<br> いつもならハルヒが、後ろの席から何かと妨害工作を仕掛けてくるので、少しくらい眠くなっても直ぐに目が覚めてしまうのだが…<br> 何故か今日は静かだ。<br> 珍しく、真面目に授業を受けているのだろうか…<br> だとしたら丁度良い。とりあえず後でノートを写させて貰うとしよう。<br> (普段、俺に散々迷惑をかけているんだから、それくらい当然だろ。)<br> <br> 俺は、とりあえずハルヒの様子を確認しようと、少しだけ体を捻って後ろの席に視線を送っ……あれ?<br> <br> (寝てやがる…。)<br> <br> ハルヒは机の下までヨダレを垂らしながら、マヌケな顔を右に向けて眠っていた。<br> まったく、たまに静かにしていると思えばコレだ…。<br> (まあ、いいや。ノートは後で国木田にでも写させてもらうさ。)<br> 俺は残りの授業の時間に集中すべく、体を元に戻す。<br> <br> そしてノートを開いた瞬間…後ろの席から突然ハルヒの声がした!<br> 「あははっ!もらったわよっ!」<br> 俺は驚いて思わず振り返る!そして「いきなり何を言ってんだ!」と言いかけて…ハルヒが先程の姿勢のままでいる事に気が付いた。<br> (寝言……か?)<br> やれやれだ。この女は眠っていながらも、俺に妨害工作を行うらしい。<br> ハルヒとはこのまま付き合って行きたいが、次から席順だけは学級委員に考慮して頂く事にしようと思う。<br> そして、俺がそんな考えを巡らせている今も、ハルヒは妙な雑音を発し続けている…。<br> 「う~ん、ムニャムニャ……みくるちゃん……ここが良いの……うふふ……」<br> …ちょっと映像化して欲しい『雑音』ではあるが。<br> 「ううん…………知らなかったでしょ……………マヨネーズが以外と合うのよ……」<br> 朝比奈さんとマヨネーズの接点がさっぱり解らない俺を置き去りにして、ハルヒの寝言は暴走していく…。<br> 「ムニャムニャ…………大三元…………詰められるだけ詰めなさいよ………マッガーレ………」<br> もうだめだ…聞いていると脳がウニか蟹味噌になっちまいそうだ。<br> 耳にティッシュペーパーでも詰めて遮断しよう。<br> 「……ううん………キョン………大好きよ…………」<br> <br> あ…<br> <br> やっぱり…いいか。<br> 我が儘はともかく…寝言くらいは…な。<br> <br> 俺は少し振り返ってハルヒの寝顔を見ると、再びペンを握りノートに向かった。<br> <br> おしまい
<p>━━━━季節外れな暖かい陽射しが、俺の座る窓際の席を心地よく包んでいた。<br /> まったく…少し気を抜けば授業中の今でさえ、深い眠りに堕ちてしまいそうだ…━━━<br /> <br /> 【三分間劇場@コーヒー】<br /> <br /> 俺は瞼の重さに耐えながら、必死に黒板を凝視していた。<br /> いつもならハルヒが、後ろの席から何かと妨害工作を仕掛けてくるので、少しくらい眠くなっても直ぐに目が覚めてしまうのだが…<br /> 何故か今日は静かだ。<br /> 珍しく、真面目に授業を受けているのだろうか…<br /> だとしたら丁度良い。とりあえず後でノートを写させて貰うとしよう。<br /> (普段、俺に散々迷惑をかけているんだから、それくらい当然だろ。)<br /> <br /> 俺は、とりあえずハルヒの様子を確認しようと、少しだけ体を捻って後ろの席に視線を送っ……あれ?<br /> <br /> (寝てやがる…。)<br /> <br /> ハルヒは机の下までヨダレを垂らしながら、マヌケな顔を右に向けて眠っていた。<br /> まったく、たまに静かにしていると思えばコレだ…。<br /> (まあ、いいや。ノートは後で国木田にでも写させてもらうさ。)<br /> 俺は残りの授業の時間に集中すべく、体を元に戻す。<br /> <br /> そしてノートを開いた瞬間…後ろの席から突然ハルヒの声がした!<br /> 「あははっ!もらったわよっ!」<br /> 俺は驚いて思わず振り返る!そして「いきなり何を言ってんだ!」と言いかけて…ハルヒが先程の姿勢のままでいる事に気が付いた。<br /> (寝言……か?)<br /> やれやれだ。この女は眠っていながらも、俺に妨害工作を行うらしい。<br /> ハルヒとはこのまま付き合って行きたいが、次から席順だけは学級委員に考慮して頂く事にしようと思う。<br /> そして、俺がそんな考えを巡らせている今も、ハルヒは妙な雑音を発し続けている…。<br /> 「う~ん、ムニャムニャ……みくるちゃん……ここが良いの……うふふ……」<br /> …ちょっと映像化して欲しい『雑音』ではあるが。<br /> 「ううん…………知らなかったでしょ……………マヨネーズが以外と合うのよ……」<br /> 朝比奈さんとマヨネーズの接点がさっぱり解らない俺を置き去りにして、ハルヒの寝言は暴走していく…。<br /> 「ムニャムニャ…………大三元…………詰められるだけ詰めなさいよ………マッガーレ………」<br /> もうだめだ…聞いていると脳がウニか蟹味噌になっちまいそうだ。<br /> 耳にティッシュペーパーでも詰めて遮断しよう。<br /> 「……ううん………キョン………大好きよ…………」<br /> <br /> あ…<br /> <br /> やっぱり…いいか。<br /> 我が儘はともかく…寝言くらいは…な。<br /> <br /> 俺は少し振り返ってハルヒの寝顔を見ると、再びペンを握りノートに向かった。<br /> <br /> おしまい</p>

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: