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涼宮ハルヒの分身 エピローグ」(2020/03/08 (日) 15:10:04) の最新版変更点

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<p> </p> <div style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;" align="left"><span style="color:#333333;">エピローグ</span></div> <div style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;" align="left"> </div> <div style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;" align="left"><span style="color:#333333;">朝起きれば何故だかハルヒの声がして、その理由が掴めぬまま独りもだえた後に学校へ行く支度をした。あー、眠いねえ。<br /><br /> いつも通りえっちらおっちら坂道を登っていき、朝っぱらから元気な谷口と合流。とるに足らない会話をした。しょうもない内容でも話していれば坂道の苦も幾分か忘れることが出来、気づけば教室前に着いていた。無意識ってのも凄いもんだな。<br /><br /> 「キョン、客だぞ」<br /><br /> 「ん? 俺にか?」<br /><br /> ドアに手をかけた所で谷口からそう言われた。俺に用なんて、誰だよ。古泉ぐらいしか思い浮かばん。<br /><br /> だがそれは以外にも長門だった。<br /><br /> 「どうした、長門」<br /><br /> 「‥‥‥昼休み」<br /><br /> それだけ言って立ち去っていく。なんだなんだ。なんかまたハルヒが起こそうとしてるのか?<br /><br /> 「おいキョン」<br /><br /> 「なんだよ」<br /><br /> 「昼休みに、あの長門有希と何する気だよ」<br /><br /> 「さあな‥‥‥」<br /><br /> わき腹を小突かれ、顔見ればニヤニヤしている。変態め。</span></div> <div style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;" align="left"> </div> <div style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;" align="left"><span style="color:#333333;">そして俺はようやく長門にこの話を聞かされたのだ。涼宮ハルヒの分身。にわかにも信じがたい話だった。長門の創作じゃないだろうな。<br /><br /> 「‥‥今のは本当なのか?」<br /><br /> 「全て実際にあった出来事。世界を改変した際に、全員が違和感をもたないように私が自主的に記憶を作り替えた。今回ばかりは涼宮ハルヒ個体のみの記憶の改変を施すにはかえって時間がかかるため、あなたも含めた全員の記憶を統一したキーワードに沿った記憶となっている」<br /><br /> 「そのキーワードってなんだ‥‥?」<br /><br /> ウインナーを取り上げながら聞いた。長門も食うか?<br /><br /> 「‥‥‥日常」<br /><br /> 長門はそう言った後、フルフルとわずかに首を横に振った。そうか、いらないか。<br /><br /> 「にしても、じゃあなんで俺たちはその閉鎖空間に最初からいたんだろうな。その、もう一人のハルヒっていうのは俺たちを特に歓迎してたわけでもないんだろ?」<br /><br /> 「涼宮ハルヒが深層心理の中で、団内のメンバーと離れることに拒絶に近い反応があったためと思われる」<br /><br /> なるほど。古泉や朝比奈さん、長門との結びつきもしっかり強くなってたんだな。一緒に映画まで作った中だし。<br /><br /> 「ちなみにそれはこっちのハルヒのことか?」<br /><br /><br /> 一呼吸置いてから<br /><br /><br /> 「両方」<br /><br /> とだけ長門は短く呟いた。</span></div> <div style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;" align="left"><span style="color:#333333;">ハルヒはハルヒに違いないということ、か。<br /><br /><br /> 長門から急にされた話ではあったが、そんな話も放課後になるまでの間に特に疑いもしなくなっていた。自分が体験していない出来事を語られるのは何だか歯がゆい気がしたが、まあなんだ。過去の俺は頑張ってたというわけだ。<br /><br /><br /> 「‥‥キョン!」<br /><br /> 「なんだ」<br /><br /> 「なんだじゃないわよ! あんた一冊も本を呼んでないってどういうことよ!!」<br /><br /> 読書大会のことなんてすっかり忘れたんだよ。確か一週間かそこらか前に言われた気がしなくもないが、まあ曖昧だ。長門が作ったからだろう。<br /><br /> 「何有希をチラチラ見てるのよ! あんたが本を読まなかったのは他でもないあんたのせいでしょ!」<br /><br /> 古泉は相変わらず微笑んでいるだけだし、朝比奈さんはメイドさんの格好したまま古泉と同じく笑っている。読書の達人長門は‥‥‥まあ言わずとも分かるだろう。<br /><br /> 「罰よ! 古の時代から悪しきものにはペナルティーを与えるのが規律なんだから!」<br /><br /> 最初からこうなる展開になることを予期していたかのように、ハルヒはポッケから折りたたんであるルーズリーフを取り出し、それを広げた。裏からでも分かるぐらい、罰ゲームがびっしりと書かれている。やれやれ。</span></div> <div style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;" align="left"> </div> <div style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;" align="left"><span style="color:#333333;">「さぁーて、どれにしようかしら。みくるちゃん、古泉君、有希達も選ぶのよ!キョンの罰ゲーム」<br /><br /> な、4つもやるのか!?<br /><br /> 「当たり前でしょ! みんな10冊以上読んでるんだから!!」<br /><br /> 朝比奈さんは顔からして、あんまりキツくないものを選ぼうとしながらも、鬼畜極まりないものしかないらしく悩んでいた。古泉は<br /> 「恥ずかしいセリフ10連発なんて良さそうですね」<br /> などと言って、助けてくれそうにない。長門は黙々と何かを選び、本の世界に舞い戻った。しれっとしてはいるが、校庭の真ん中でヒゲダンスとか選んでいそうで一番怖い。<br /><br /> ハルヒは何だろうか。まあ俺のインスピレーション的に、おそらくは‥‥‥<br /><br /> 「あたし達全員が笑うまで一発芸よ!!」<br /><br /> ‥‥ほらな。こういう奴なんだこいつは。大人しく哲学書読んでる方がマシにさえ思える。</span></div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"> <span style="color:#333333;">俺は一週間の猶予が与えられ、それまでに</span></div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"> <span style="color:#333333;">古泉の選択した恥ずかしいセリフ十個、<br /> 長門の選択した校庭のど真ん中で百だか千だかの風になってを丸々一曲熱唱、<br /> 朝比奈さんの選択した誰にも言えないほど恥ずかしい過去を語る、<br /> ハルヒの全員が笑うまで一発芸をし続ける<br /> の準備する羽目となった。これはひどい。人生経験上地獄の一週間となりそうだった。<br /><br /><br /> ‥‥‥‥<br /><br /> 「おそらく、私はまたあなたの記憶を消すかもしれない」<br /><br /> 「何故だ」<br /><br /> 「あなたに‘涼宮ハルヒ’の能力を応用出来るという事実をまた知らせてしまったから。未来の私は今話した内容ごと忘れさせると思われる」<br /><br /> 「‥‥‥どうして忘れさせる内容を話した? どうしてハルヒの能力を使えることを俺が知っていると困るんだ?」<br /><br /> 「‥‥‥‥‥‥」<br /><br /> ‥‥‥‥<br /><br /></span></div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"> <span style="color:#333333;">知ったこっちゃねーや。長門は何か抵抗しているようにも見えたし、それが言えないならば、俺はいつ言われても受け入られる状況にしておくまでさ。長門が記憶を消そうと、何をしようともな。<br /><br /></span></div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;">  </div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;">  </div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"> <span style="color:#333333;">でも長門、</span></div> <div style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;" align="left"><span style="color:#333333;">どうせ消すんだったら‥‥その、なんだ。</span></div> <div style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;" align="left"><span style="color:#333333;">皆の考えた罰ゲームの分も含めちまって<br /><br /><br /> この一週間以内に、頼むぜ?<br /><br /><br /><br />           完<br /><br /><br /> 消失へ続く</span></div>
<p> </p> <div align="left" style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">エピローグ</span></div> <div align="left" style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"> </div> <div align="left" style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">朝起きれば何故だかハルヒの声がして、その理由が掴めぬまま独りもだえた後に学校へ行く支度をした。あー、眠いねえ。<br /> <br /> いつも通りえっちらおっちら坂道を登っていき、朝っぱらから元気な谷口と合流。とるに足らない会話をした。しょうもない内容でも話していれば坂道の苦も幾分か忘れることが出来、気づけば教室前に着いていた。無意識ってのも凄いもんだな。<br /> <br /> 「キョン、客だぞ」<br /> <br /> 「ん? 俺にか?」<br /> <br /> ドアに手をかけた所で谷口からそう言われた。俺に用なんて、誰だよ。古泉ぐらいしか思い浮かばん。<br /> <br /> だがそれは以外にも長門だった。<br /> <br /> 「どうした、長門」<br /> <br /> 「‥‥‥昼休み」<br /> <br /> それだけ言って立ち去っていく。なんだなんだ。なんかまたハルヒが起こそうとしてるのか?<br /> <br /> 「おいキョン」<br /> <br /> 「なんだよ」<br /> <br /> 「昼休みに、あの長門有希と何する気だよ」<br /> <br /> 「さあな‥‥‥」<br /> <br /> わき腹を小突かれ、顔見ればニヤニヤしている。変態め。</span></div> <div align="left" style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"> </div> <div align="left" style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">そして俺はようやく長門にこの話を聞かされたのだ。涼宮ハルヒの分身。にわかにも信じがたい話だった。長門の創作じゃないだろうな。<br /> <br /> 「‥‥今のは本当なのか?」<br /> <br /> 「全て実際にあった出来事。世界を改変した際に、全員が違和感をもたないように私が自主的に記憶を作り替えた。今回ばかりは涼宮ハルヒ個体のみの記憶の改変を施すにはかえって時間がかかるため、あなたも含めた全員の記憶を統一したキーワードに沿った記憶となっている」<br /> <br /> 「そのキーワードってなんだ‥‥?」<br /> <br /> ウインナーを取り上げながら聞いた。長門も食うか?<br /> <br /> 「‥‥‥日常」<br /> <br /> 長門はそう言った後、フルフルとわずかに首を横に振った。そうか、いらないか。<br /> <br /> 「にしても、じゃあなんで俺たちはその閉鎖空間に最初からいたんだろうな。その、もう一人のハルヒっていうのは俺たちを特に歓迎してたわけでもないんだろ?」<br /> <br /> 「涼宮ハルヒが深層心理の中で、団内のメンバーと離れることに拒絶に近い反応があったためと思われる」<br /> <br /> なるほど。古泉や朝比奈さん、長門との結びつきもしっかり強くなってたんだな。一緒に映画まで作った中だし。<br /> <br /> 「ちなみにそれはこっちのハルヒのことか?」<br /> <br /> <br /> 一呼吸置いてから<br /> <br /> <br /> 「両方」<br /> <br /> とだけ長門は短く呟いた。</span></div> <div align="left" style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">ハルヒはハルヒに違いないということ、か。<br /> <br /> <br /> 長門から急にされた話ではあったが、そんな話も放課後になるまでの間に特に疑いもしなくなっていた。自分が体験していない出来事を語られるのは何だか歯がゆい気がしたが、まあなんだ。過去の俺は頑張ってたというわけだ。<br /> <br /> <br /> 「‥‥キョン!」<br /> <br /> 「なんだ」<br /> <br /> 「なんだじゃないわよ! あんた一冊も本を呼んでないってどういうことよ!!」<br /> <br /> 読書大会のことなんてすっかり忘れたんだよ。確か一週間かそこらか前に言われた気がしなくもないが、まあ曖昧だ。長門が作ったからだろう。<br /> <br /> 「何有希をチラチラ見てるのよ! あんたが本を読まなかったのは他でもないあんたのせいでしょ!」<br /> <br /> 古泉は相変わらず微笑んでいるだけだし、朝比奈さんはメイドさんの格好したまま古泉と同じく笑っている。読書の達人長門は‥‥‥まあ言わずとも分かるだろう。<br /> <br /> 「罰よ! 古の時代から悪しきものにはペナルティーを与えるのが規律なんだから!」<br /> <br /> 最初からこうなる展開になることを予期していたかのように、ハルヒはポッケから折りたたんであるルーズリーフを取り出し、それを広げた。裏からでも分かるぐらい、罰ゲームがびっしりと書かれている。やれやれ。</span></div> <div align="left" style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"> </div> <div align="left" style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">「さぁーて、どれにしようかしら。みくるちゃん、古泉君、有希達も選ぶのよ!キョンの罰ゲーム」<br /> <br /> な、4つもやるのか!?<br /> <br /> 「当たり前でしょ! みんな10冊以上読んでるんだから!!」<br /> <br /> 朝比奈さんは顔からして、あんまりキツくないものを選ぼうとしながらも、鬼畜極まりないものしかないらしく悩んでいた。古泉は<br /> 「恥ずかしいセリフ10連発なんて良さそうですね」<br /> などと言って、助けてくれそうにない。長門は黙々と何かを選び、本の世界に舞い戻った。しれっとしてはいるが、校庭の真ん中でヒゲダンスとか選んでいそうで一番怖い。<br /> <br /> ハルヒは何だろうか。まあ俺のインスピレーション的に、おそらくは‥‥‥<br /> <br /> 「あたし達全員が笑うまで一発芸よ!!」<br /> <br /> ‥‥ほらな。こういう奴なんだこいつは。大人しく哲学書読んでる方がマシにさえ思える。</span></div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">俺は一週間の猶予が与えられ、それまでに</span></div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">古泉の選択した恥ずかしいセリフ十個、<br /> 長門の選択した校庭のど真ん中で百だか千だかの風になってを丸々一曲熱唱、<br /> 朝比奈さんの選択した誰にも言えないほど恥ずかしい過去を語る、<br /> ハルヒの全員が笑うまで一発芸をし続ける<br /> の準備する羽目となった。これはひどい。人生経験上地獄の一週間となりそうだった。<br /> <br /> <br /> ‥‥‥‥<br /> <br /> 「おそらく、私はまたあなたの記憶を消すかもしれない」<br /> <br /> 「何故だ」<br /> <br /> 「あなたに‘涼宮ハルヒ’の能力を応用出来るという事実をまた知らせてしまったから。未来の私は今話した内容ごと忘れさせると思われる」<br /> <br /> 「‥‥‥どうして忘れさせる内容を話した? どうしてハルヒの能力を使えることを俺が知っていると困るんだ?」<br /> <br /> 「‥‥‥‥‥‥」<br /> <br /> ‥‥‥‥</span><br />  </div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">知ったこっちゃねーや。長門は何か抵抗しているようにも見えたし、それが言えないならば、俺はいつ言われても受け入られる状況にしておくまでさ。長門が記憶を消そうと、何をしようともな。</span><br />  </div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"> </div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"> </div> <div style="margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">でも長門、</span></div> <div align="left" style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">どうせ消すんだったら‥‥その、なんだ。</span></div> <div align="left" style="text-align:left;margin:0mm 0mm 0pt;background:#FFFFFF;"><span style="color:#333333;">皆の考えた罰ゲームの分も含めちまって<br /> <br /> <br /> この一週間以内に、頼むぜ?<br /> <br /> <br /> <br />           完<br /> <br /> <br /> 消失へ続く</span></div>

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