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第5章-10 The trouble of all」(2011/02/02 (水) 23:59:25) の最新版変更点

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<p>「では目を閉じて下さい」</p> <p><br />  言われたとおり、朝比奈さんと手をつなぎ、目を閉じた。すると、逆立ちしたような、世界がひっくり返ったような変な感覚が襲う。うぐ、気持ち悪い……。<br />  </p> <p> 気がつけば、俺達は暗い林の中に立っていた。一体ここはどこだろう?<br />  </p> <p>「朝比奈さん、無事に着いたんですよね?」<br />  </p> <p>「はい。少し不安だったんですが、この世界でも問題なく時間移動はできるみたいです」<br />  </p> <p>「とりあえず、少し歩いてみましょう」<br />  </p> <p> 俺達は、わけもわからず、木の間を縫って歩いている。すると、木が少なくなったかと思うと、ほとんど遊具のない公園に着いた。<br />  </p> <p>「ここは……」<br />  </p> <p> この公園に見覚えがある。数年前に取り壊され、すでになくなっている公園だ。昔、ナツキとよく遊んでいたな。<br />  </p> <p>「懐かしいな」<br />  </p> <p> 今は夜のようで、辺りは真っ暗。人の気配はなかった。だが、静まり帰った公園に何か音が聞こえる。誰かが泣いている?<br />  </p> <p>  音がする方に歩いていくと、かわいらしい小学生くらいの女の子が、屋根付きの木製ベンチに座って泣いていた。気になって近づいてみたところ……、驚いた。俺はこの子を知っている。この子は……ナツキだ!急いでUターンして、朝比奈さんを木の陰に連れていき</p> <p><br /> 「朝比奈さん、ここで待っててください」<br />  </p> <p>「え、ええっ!?待ってください、過去の世界で勝手な行動は……」<br />  </p> <p>朝比奈さんが何か言っていたが、耳に届かなかった。</p> <p> </p> <p> ベンチに座っているナツキの目の高さに合わせ、なるべく優しい感じで<br />  </p> <p>「どうしたの?」<br />  </p> <p>声をかけたところ、ナツキは赤く腫らした目を俺に向けた。<br />  </p> <p>「何でもない」<br />  </p> <p>「何でもないことないだろ?泣いてるってことは、悲しいことがあったんじゃないかな?俺は、君のことが心配なんだ。」<br />  </p> <p>「どうして?その顔……、本当に心配しているみたい……」<br />  </p> <p>「みたい、じゃなくて心配してる。ナツキが泣くのは……、昔から苦手なんだ」<br />  </p> <p>「お兄ちゃん、変。親戚のおじさんみたいな雰囲気。でも、周りにいる大人とは違う……」<br />  </p> <p>「うーん、おじさんはひどいな。たしかに、おっさん臭いとはよく言われるけど……。それはともかく、話してくれないかな?きっと楽になるはずだよ」<br />  </p> <p> ナツキは、しばらく迷っていたが<br />  </p> <p>「うん……」<br />  </p> <p>やがてゆっくりと話を始めた。</p> <p> </p> <p>次へ</p>
<p>「では目を閉じて下さい」</p> <p><br />  言われたとおり、朝比奈さんと手をつなぎ、目を閉じた。すると、逆立ちしたような、世界がひっくり返ったような変な感覚が襲う。うぐ、気持ち悪い……。<br />  </p> <p> 気がつけば、俺達は暗い林の中に立っていた。一体ここはどこだろう?<br />  </p> <p>「朝比奈さん、無事に着いたんですよね?」<br />  </p> <p>「はい。少し不安だったんですが、この世界でも問題なく時間移動はできるみたいです」<br />  </p> <p>「とりあえず、少し歩いてみましょう」<br />  </p> <p> 俺達は、わけもわからず、木の間を縫って歩いている。すると、木が少なくなったかと思うと、ほとんど遊具のない公園に着いた。<br />  </p> <p>「ここは……」<br />  </p> <p> この公園に見覚えがある。数年前に取り壊され、すでになくなっている公園だ。昔、ナツキとよく遊んでいたな。<br />  </p> <p>「懐かしいな」<br />  </p> <p> 今は夜のようで、辺りは真っ暗。人の気配はなかった。だが、静まり帰った公園に何か音が聞こえる。誰かが泣いている?<br />  </p> <p>  音がする方に歩いていくと、かわいらしい小学生くらいの女の子が、屋根付きの木製ベンチに座って泣いていた。気になって近づいてみたところ……、驚いた。俺はこの子を知っている。この子は……ナツキだ!急いでUターンして、朝比奈さんを木の陰に連れていき</p> <p><br /> 「朝比奈さん、ここで待っててください」<br />  </p> <p>「え、ええっ!?待ってください、過去の世界で勝手な行動は……」<br />  </p> <p>朝比奈さんが何か言っていたが、耳に届かなかった。</p> <p> </p> <p> ベンチに座っているナツキの目の高さに合わせ、なるべく優しい感じで<br />  </p> <p>「どうしたの?」<br />  </p> <p>声をかけたところ、ナツキは赤く腫らした目を俺に向けた。<br />  </p> <p>「何でもない」<br />  </p> <p>「何でもないことないだろ?泣いてるってことは、悲しいことがあったんじゃないかな?俺は、君のことが心配なんだ。」<br />  </p> <p>「どうして?その顔……、本当に心配しているみたい……」<br />  </p> <p>「みたい、じゃなくて心配してる。ナツキが泣くのは……、昔から苦手なんだ」<br />  </p> <p>「お兄ちゃん、変。親戚のおじさんみたいな雰囲気。でも、周りにいる大人とは違う……」<br />  </p> <p>「うーん、おじさんはひどいな。たしかに、おっさん臭いとはよく言われるけど……。それはともかく、話してくれないかな?きっと楽になるはずだよ」<br />  </p> <p> ナツキは、しばらく迷っていたが<br />  </p> <p>「うん……」<br />  </p> <p>やがてゆっくりと話を始めた。</p> <p> </p> <p><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/6434.html">次へ</a></p>

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