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第4章前編-5 Dark spring + Light summer = Day」(2011/01/24 (月) 22:01:21) の最新版変更点

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<p> </p> <p>  映画の感想。普通に良い内容の映画だった。こんな恋をしてみたいってな感じだ。でもさ、なんかいろいろドラマティックに進み過ぎなんだよな。こんなの現実にあるはずが……<br /><br /> 「さっさと行くわよ」<br /><br /> おい、待て。こいつはちゃんと見ていたのか?もう少し、余韻に浸ってだな……<br /><br /> 「5秒で終わったわ」<br /><br /> どうやら、頭の回転が俺の10倍は速いらしい。まあ、いいけどね……。</p> <p> </p> <p>  映画の後は、ファーストフードで昼飯を食い、ショッピングモールにやってきた。時間の流れに比例して、涼宮の機嫌は悪くなり、どんどん暗い顔になっていく。普段は、真夏の太陽並に余計なエネルギーを振りまいている癖に、今日は曇り顔。全く元気がない。うーん、さすがにこれ以上イライラされると俺の精神面に悪い。実をいうと、さっきから胃潰瘍になりそうなのだ。<br /><br /> 「涼宮、もう止めようぜ」<br /><br /> 「うるさいわね、嫌なら帰れば」<br />  </p> <p> いかにもおもしろくないですよー、ってなしかめっ面をした。はあ……、そんな顔されたら、帰れねえよ。仕方ない、もうちょっと付き合ってやるか。<br /><br />  かくいうあいつらは、普通に、そりゃもう普通に楽しそうだった。俺とまったく逆だ。なぜ、俺はこんな目にあっているんだろう。これが涼宮とのデートだったら、あいつらと同じように楽しいのだろうか?<br /><br />  うん、きっとそりゃない。涼宮が、ただのデートを楽しいって思うことはない、ってのはさっきわかった。お互い楽しまなきゃ、楽しいデートなんてできないはずだ。他人ごとながら、涼宮の将来が心配でたまらないよ。くそー、なんでこんなしょうもない事を考えているんだ、腹立たしい。恨むぞ、キョン、ナツキ。<br />  </p> <p>  そして、日が落ちて暗くなり、やってきたのは公園だった。キョンとナツキはベンチに座っているのだが、さっきから黙ったままで会話はない。公園の街灯がほのかな明かりとなって辺りを照らす。なんか大人のムード満点だ。</p> <p> </p> <p> かくいう俺達も、2人に気づかれないように木の陰に隠れて息を潜めている。こっちは、色気のかけらもなく、なんだか泣きそうになってきた。</p> <p><br />  たーっぷりの間をおき、ナツキがキョンに顔を向け、口を開いた。<br /><br /> 「あたしの……覚えていますか」<br /><br /> 距離が離れているせいで、微かに聞こえる程度。耳をすますが、よく聞こえない。ナツキが何かを言った後、キョンは困った顔をした。<br /><br /> 「いや、……のはずだ」<br /><br /> 「じゃあ、あたしと……」<br /><br /> これは、もしかして告白ってやつか!涼宮の体が、びくっと揺れた。やばい、声がでてた。<br />  </p> <p>「ああ、……だ」<br /><br />  キョンが何かつぶやいたところ、ナツキは驚いた顔をして黙ってしまった。そして、ナツキはとりつくろうよう、笑顔に戻った。<br /><br />  この後、2人は駅まで戻り、ナツキは公園の時と同じ笑顔をキョンに向け、手を振って帰っていった。涼宮は、さっきから何も言わない。黙っている時間の方が少ないくせに、なんだってこんなに無口なんだ?<br /><br /> 「どうした、元気がないぞ?」<br /><br /> 「帰る」<br /><br />  それだけ言って、帰っていった。散々引っ張ったくせに、あっけないもんだ。それにしても、元気のない涼宮は……、不気味だ。<br /><br />  こうしてキョンとナツキのデートは終わったのだが、公園辺りからおかしな雰囲気だった。たぶん俺しか気付いていないだろうがナツキはがっかりしていたような気がする。もしかして振られたのだろうか?<br /><br />  ともかく、今回の登場人物の中で、俺が一番疲れたことは間違いない。</p> <p> </p> <p>次へ</p>
<p> </p> <p>  映画の感想。普通に良い内容の映画だった。こんな恋をしてみたいってな感じだ。でもさ、なんかいろいろドラマティックに進み過ぎなんだよな。こんなの現実にあるはずが……<br /><br /> 「さっさと行くわよ」<br /><br /> おい、待て。こいつはちゃんと見ていたのか?もう少し、余韻に浸ってだな……<br /><br /> 「5秒で終わったわ」<br /><br /> どうやら、頭の回転が俺の10倍は速いらしい。まあ、いいけどね……。</p> <p> </p> <p>  映画の後は、ファーストフードで昼飯を食い、ショッピングモールにやってきた。時間の流れに比例して、涼宮の機嫌は悪くなり、どんどん暗い顔になっていく。普段は、真夏の太陽並に余計なエネルギーを振りまいている癖に、今日は曇り顔。全く元気がない。うーん、さすがにこれ以上イライラされると俺の精神面に悪い。実をいうと、さっきから胃潰瘍になりそうなのだ。<br /><br /> 「涼宮、もう止めようぜ」<br /><br /> 「うるさいわね、嫌なら帰れば」<br />  </p> <p> いかにもおもしろくないですよー、ってなしかめっ面をした。はあ……、そんな顔されたら、帰れねえよ。仕方ない、もうちょっと付き合ってやるか。<br /><br />  かくいうあいつらは、普通に、そりゃもう普通に楽しそうだった。俺とまったく逆だ。なぜ、俺はこんな目にあっているんだろう。これが涼宮とのデートだったら、あいつらと同じように楽しいのだろうか?<br /><br />  うん、きっとそりゃない。涼宮が、ただのデートを楽しいって思うことはない、ってのはさっきわかった。お互い楽しまなきゃ、楽しいデートなんてできないはずだ。他人ごとながら、涼宮の将来が心配でたまらないよ。くそー、なんでこんなしょうもない事を考えているんだ、腹立たしい。恨むぞ、キョン、ナツキ。<br />  </p> <p>  そして、日が落ちて暗くなり、やってきたのは公園だった。キョンとナツキはベンチに座っているのだが、さっきから黙ったままで会話はない。公園の街灯がほのかな明かりとなって辺りを照らす。なんか大人のムード満点だ。</p> <p> </p> <p> かくいう俺達も、2人に気づかれないように木の陰に隠れて息を潜めている。こっちは、色気のかけらもなく、なんだか泣きそうになってきた。</p> <p><br />  たーっぷりの間をおき、ナツキがキョンに顔を向け、口を開いた。<br /><br /> 「あたしの……覚えていますか」<br /><br /> 距離が離れているせいで、微かに聞こえる程度。耳をすますが、よく聞こえない。ナツキが何かを言った後、キョンは困った顔をした。<br /><br /> 「いや、……のはずだ」<br /><br /> 「じゃあ、あたしと……」<br /><br /> これは、もしかして告白ってやつか!涼宮の体が、びくっと揺れた。やばい、声がでてた。<br />  </p> <p>「ああ、……だ」<br /><br />  キョンが何かつぶやいたところ、ナツキは驚いた顔をして黙ってしまった。そして、ナツキはとりつくろうよう、笑顔に戻った。<br /><br />  この後、2人は駅まで戻り、ナツキは公園の時と同じ笑顔をキョンに向け、手を振って帰っていった。涼宮は、さっきから何も言わない。黙っている時間の方が少ないくせに、なんだってこんなに無口なんだ?<br /><br /> 「どうした、元気がないぞ?」<br /><br /> 「帰る」<br /><br />  それだけ言って、帰っていった。散々引っ張ったくせに、あっけないもんだ。それにしても、元気のない涼宮は……、不気味だ。<br /><br />  こうしてキョンとナツキのデートは終わったのだが、公園辺りからおかしな雰囲気だった。たぶん俺しか気付いていないだろうがナツキはがっかりしていたような気がする。もしかして振られたのだろうか?<br /><br />  ともかく、今回の登場人物の中で、俺が一番疲れたことは間違いない。</p> <p> </p> <p><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/6422.html">次へ</a></p>

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