「第3章-1 Near face」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

第3章-1 Near face」(2011/01/24 (月) 11:04:11) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

<p> 夏休みが数週間後に迫ったある日の放課後。場所は文芸部の部室。いつもどーり、涼宮1人が騒ぎ、勝手に解散宣言をした後、部室を飛び出していった。</p> <p> </p> <p>  いつも思うんだが、あいつのエネルギーはどこから持ってきているんだろうな。大抵の健全な学生は、放課後ともなると、メーターがエンプティを示すもんだ。それが、あいつは時間が経てば立つほど、元気になっていきやがる。幸せな奴だ。きっと悩みなんてもんがないんだろう。まったくもって、羨ましい限りだよ。</p> <p> </p> <p>  さて、さっさと帰ることにするか。涼宮と違って、俺は永久機関なんてもんが備わってない。そう思い、席を立つと、いつもの微笑をたずさえ、古泉が俺に近づいてきた。<br /><br /> 「この後、時間はよろしいですか?」<br /><br /> 俺は、断ろうと一瞬思ったのだが、理由が思いつかず<br /><br /> 「別に構わんぞ」<br /><br /> 承諾した。<br /><br />  古泉に着いていくと、到着したのは駅前にある喫茶店だった。<br /><br /> 「実は、僕のこと、涼宮さんのことを話したいと思います」<br /><br />  古泉と涼宮のことだって?まだ隠していることがあるってのか。悪いが、他人のことより、自分自身のことで精一杯なんだ。何しろ、どこから来たのか迷っている途中なんだからな。<br /><br /> 「いいえ、そうではありません。涼宮さんが、あなたをこの世界に呼んだというのはすでにお話ししましたよね?」<br /><br />  ああ、わかってる。ほんと迷惑なこと、この上ない。平穏に暮らしたかったってのに、なんでこんな目にあわなきゃいけないんだか。面と向かって文句を言わない自分を褒めてやりたいぞ。<br /><br /> 「なぜ涼宮さんが、あなたをこの世界に呼んだのか、その詳しい理由はわかりません。ですが、こうも考えられる。涼宮さんが異世界人の存在を願ったという、ただそれだけの理由で、あなたはこの世界にいると」<br /><br />  それだけの理由で俺が呼ばれたっていうのか?なんでよりによって俺なんだよ。わけがわからん。<br />  </p> <p> 「涼宮さんがあなたという存在を選んだ理由は僕にもわかりません。あるのかもしれないし、ないのかもしれない。では質問です。あなたは本当に異世界から来たのですか?」<br /><br />  こいつは何を言っている?俺は確かに元の世界にいたんだ。今だってはっきりと思い出すことができる。<br /> あの、たいした特徴のない田舎町。そこで、俺は育ってきたんだ。間違いないさ。<br />  </p> <p>「本当にそうでしょうか?例えば、こういうことは考えられませんか?あなたは、あの日涼宮さんによって作られた存在である……、とね」<br /><br />  またとんでもないSF話だな。俺が涼宮の都合がいいように作られた存在かもしれないだと。だったら、俺という存在は一体なんなんだ?涼宮のおもちゃってことかよ。そんなの信じられるか。<br /><br /> 「怒らないで聞いて下さい。これはあくまで僕たちの組織の理論なのですが、涼宮さんは神のような存在だと考えています。彼女は願望を叶える力を持っている。この世界は彼女が見ている夢のようなもの。不可能を可能、あるものをないことにでき、ないことをあることにもできる」</p> <p> </p> <p>  言っていることは、理解できる。だが、それがどうした。俺はこうして生きているんだ。俺の人生が涼宮に作られたものかもしれないと、不安にさせて狂わせたいのか?こいつは、俺を落ち込ませてどうしたいんだ?<br /><br /> 「そうではありません。涼宮さん以外の存在は、あなたと同じ条件を持っています。僕だって、涼宮さんが必要ないと思ったら、存在そのものが消えてしまうでしょう。もちろん、この世界もです。幸いにも、涼宮さんは自らが持つ力に気づいていない。気づいてしまったら、この世界は今とは違った変貌を遂げるでしょうね」<br /><br />  涼宮の存在自体が反則なんだな。俺を勝手に巻き込んで、勝手に消すなんて冗談じゃない。<br /><br /> 「去年の5月、世界は破滅を迎えそうになったのですが、彼のおかげで防ぐことが出来ました。しかし、現在我々の世界は、綱渡りをしているような危うい状態です。そして、ここからが本題なのですが……」<br /><br />  こいつは前置きが長すぎる。さっさと言え。<br /><br /> 「あなたが、入団する時のことを覚えていますか?あなたは自分のことを異世界人だと涼宮さんに紹介したのですが、これは大変危険な発言なのですよ。先ほど言ったとおり、彼女に宇宙人や異世界人が存在していることに気づかれると、世界の常識が覆り、崩壊することになります」</p> <p> </p> <p><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/6409.html">次へ</a></p>
<p> 夏休みが数週間後に迫ったある日の放課後。場所は文芸部の部室。いつもどーり、涼宮1人が騒ぎ、勝手に解散宣言をした後、部室を飛び出していった。</p> <p> </p> <p>  いつも思うんだが、あいつのエネルギーはどこから持ってきているんだろうな。大抵の健全な学生は、放課後ともなると、メーターがエンプティを示すもんだ。それが、あいつは時間が経てば立つほど、元気になっていきやがる。幸せな奴だ。きっと悩みなんてもんがないんだろう。まったくもって、羨ましい限りだよ。</p> <p> </p> <p>  さて、さっさと帰ることにするか。涼宮と違って、俺は永久機関なんてもんが備わってない。そう思い、席を立つと、いつもの微笑をたずさえ、古泉が俺に近づいてきた。<br /><br /> 「この後、時間はよろしいですか?」<br /><br /> 俺は、断ろうと一瞬思ったのだが、理由が思いつかず<br /><br /> 「別に構わんぞ」<br /><br /> 承諾した。<br /><br />  古泉に着いていくと、到着したのは駅前にある喫茶店だった。<br /><br /> 「実は、僕のこと、涼宮さんのことを話したいと思います」<br /><br />  古泉と涼宮のことだって?まだ隠していることがあるってのか。悪いが、他人のことより、自分自身のことで精一杯なんだ。何しろ、どこから来たのか迷っている途中なんだからな。<br /><br /> 「いいえ、そうではありません。涼宮さんが、あなたをこの世界に呼んだというのはすでにお話ししましたよね?」<br /><br />  ああ、わかってる。ほんと迷惑なこと、この上ない。平穏に暮らしたかったってのに、なんでこんな目にあわなきゃいけないんだか。面と向かって文句を言わない自分を褒めてやりたいぞ。<br /><br /> 「なぜ涼宮さんが、あなたをこの世界に呼んだのか、その詳しい理由はわかりません。ですが、こうも考えられる。涼宮さんが異世界人の存在を願ったという、ただそれだけの理由で、あなたはこの世界にいると」<br /><br />  それだけの理由で俺が呼ばれたっていうのか?なんでよりによって俺なんだよ。わけがわからん。<br />  </p> <p> 「涼宮さんがあなたという存在を選んだ理由は僕にもわかりません。あるのかもしれないし、ないのかもしれない。では質問です。あなたは本当に異世界から来たのですか?」<br /><br />  こいつは何を言っている?俺は確かに元の世界にいたんだ。今だってはっきりと思い出すことができる。<br /> あの、たいした特徴のない田舎町。そこで、俺は育ってきたんだ。間違いないさ。<br />  </p> <p>「本当にそうでしょうか?例えば、こういうことは考えられませんか?あなたは、あの日涼宮さんによって作られた存在である……、とね」<br /><br />  またとんでもないSF話だな。俺が涼宮の都合がいいように作られた存在かもしれないだと。だったら、俺という存在は一体なんなんだ?涼宮のおもちゃってことかよ。そんなの信じられるか。<br /><br /> 「怒らないで聞いて下さい。これはあくまで僕たちの組織の理論なのですが、涼宮さんは神のような存在だと考えています。彼女は願望を叶える力を持っている。この世界は彼女が見ている夢のようなもの。不可能を可能、あるものをないことにでき、ないことをあることにもできる」</p> <p> </p> <p>  言っていることは、理解できる。だが、それがどうした。俺はこうして生きているんだ。俺の人生が涼宮に作られたものかもしれないと、不安にさせて狂わせたいのか?こいつは、俺を落ち込ませてどうしたいんだ?<br /><br /> 「そうではありません。涼宮さん以外の存在は、あなたと同じ条件を持っています。僕だって、涼宮さんが必要ないと思ったら、存在そのものが消えてしまうでしょう。もちろん、この世界もです。幸いにも、涼宮さんは自らが持つ力に気づいていない。気づいてしまったら、この世界は今とは違った変貌を遂げるでしょうね」<br /><br />  涼宮の存在自体が反則なんだな。俺を勝手に巻き込んで、勝手に消すなんて冗談じゃない。<br /><br /> 「去年の5月、世界は破滅を迎えそうになったのですが、彼のおかげで防ぐことが出来ました。しかし、現在我々の世界は、綱渡りをしているような危うい状態です。そして、ここからが本題なのですが……」<br /><br />  こいつは前置きが長すぎる。さっさと言え。<br /><br /> 「あなたが、入団する時のことを覚えていますか?あなたは自分のことを異世界人だと涼宮さんに紹介したのですが、これは大変危険な発言なのですよ。先ほど言ったとおり、彼女に宇宙人や異世界人が存在していることに気づかれると、世界の常識が覆り、崩壊することになります」</p> <p> </p> <p><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/6409.html">次へ</a></p> <p> </p> <p><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/6390.html">目次に戻る</a></p>

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: