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「鈴宮ハルヒの停学」(2011/01/05 (水) 20:35:44) の最新版変更点

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<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「校長先生、お話とはなんですか？」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
「ああ、岡部先生。鈴宮を停学にしなくちゃならなくなりましたので、よろしくお願いします。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
「停学ですか？　まあ、問題児には違いありませんが、そこまでのことはなかったと思いますが。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「実は、ある三年生の男子が鈴宮の前であいつのことを……。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「この場合のあいつというのが誰を指すのか、というツッコミは無意味ですね。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「無意味です。とにかくその男子があいつのことを鈴宮の前で…。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「はあ。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「バカキョンと呼んだそうです。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「それで鈴宮は……。まあ、だいたい想像はできますが。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「その場でそいつを半殺しにしました。その男子生徒は病院で治療を受けています。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「自分がいちばんそう呼んでるじゃないか、というツッコミは無意味ですね。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
「無意味です。いつもはあいつが止めればなんとかおさまるんですが、今回はそうじゃなかったようです。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「わかりました。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「それで、反省文を書かせたんですが、なんだか言い訳がましいんですよ。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「鈴宮が言い訳ねえ……。なんかあいつらしくないですが。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「とにかく読み上げますよ。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;"> </div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;"> </div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">……今回私がなぜこのような事件を起こしてしまったのか、私なりに考えてみました。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
私は団長であり、キョンは雑用でいちばん下っ端であるとはいえＳＯＳ団の一員なのだから、それを守らなくてはならないと思っただけです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">それ以上でもそれ以下でもありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あんたのことを馬鹿にされて自分のことのように頭にきた。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
あたし以外であんたのことを「バカキョン」と呼ぶ奴がいたら、どこの誰であれ生まれてきたことを後悔させてやる。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あんたの心にかすり傷でもつけるようなことは、あたしがさせない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
あんたのモノはあたしのモノ、あんたのすべてがあたしのモノ、だからあんたの敵は、それがどこの誰であろうとあたしの敵！</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">などとは考えていません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">ましてや、</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">自分の思い人を馬鹿にされてついカッとなってしまった。後悔も反省もしていない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">などということは絶対にありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
つまり、「あんたのためにやったことではない。だから勘違いしないように」とキョンに伝えて下さい。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;"> </div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
それで今の心境ですが、やるべきことをやったというすがすがしい達成感でいっぱいです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
だけど停学になったら学校に行くことができずキョンに会えなくなる、それだけがつらい、などとは考えていません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あいつの顔を見ることができない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あいつの声を聞くことができない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あいつの背中にシャープペンを突き刺すことができない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">朝早く登校してぼんやりとあいつを待っている時間が楽しいのにそれを味わえない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あいつが楽しみにしている弁当を奪って半分食べてしまうという楽しみを味わえない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
部活中パソコンのディスプレーを見るフリをしながら、あいつの間抜け面を盗み見る楽しみを味わえない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
帰りに「コンビニで何かおごりなさい！」とか言ってわざと遠回りさせ、「ついでだからここまで来なさい！」と、家まで送らせることができない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">それらが何よりもつらいなどということは一切ありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
コンビニといえば、あいつの飲みかけの缶コーヒーを奪って、間接キスを狙うなどというイヤラシイことをしたことは一度もありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あれは純粋にコーヒーが飲みたかったのです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">だから、</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">どうせなら直接しろ！</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">この意気地なし！</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">根性なし！</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">ヘタレ野郎！</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">などと考えたことは一切ありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
だからこのままでは欲求不満がつのって、私の方があいつを襲ってしまうかもしれないなどという恐れは一切ないので安心してください。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;"> </div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">だから、「しばらくは写真でしか会えない」などと考えてはいません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">ましてそれがつらいなどと考えてはいません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">わたしはあいつの写真など一枚も持っていません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
孤島に行った時の寝顔写真は、あいつがわたしに逆らったら全校生徒に間抜け面をさらすことができるようにとの保険にすぎません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
みくるちゃんにデジカメを渡してあいつの寝顔を撮ってほしいと頼んだとき、「わかってますよ」的な顔をされて、なんだか弱みを握られたような気がしたという事実はありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">なぜならみくるちゃんに「わたしもその写真ほしいですう」と後で言われたからです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">それを断ったのは、決して独占欲からではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">しかし有希がいつのまにかデータを流出させてしまいました。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">三人ともこの写真を持っているのがなんだかくやしいなどと思ってはいません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
その写真を何枚もプリントアウトして、一枚は写真立てに入れ、一枚はアルバムに入れ、一枚は定期入れに入れているなどということはありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">ご存じの通り私は電車通学ではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">そのためにわざわざ定期入れを買うなどという馬鹿なことはしません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あいつが寝ている時に隠し撮りをしたことは一度しかありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">どうせなら目をあけている写真がほしいなどと考えたこともありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">なぜならあいつは起きていても寝ていても変わらない間抜け面だからです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
写真でしか会えなくなるのなら（この言い方はなんだか死んじゃったみたいでいやですね）、</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
不意打ちで抱きつき、あいつがあわてふためいた顔をして、わたしはカメラ目線であいつのいう１００Ｗの笑顔でカメラに収まる、</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">そんなツーショット写真があればどんなに慰められるだろう、などと考えてはいません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">だいいち協力してくれる人がいません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">みくるちゃんは……、あの子は機械音痴だからきっと失敗するでしょうね。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">有希は……、そんなことを頼んだら一言、「スケベ」とか言うに決まっています。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
あるいは、「わたしも同じシチューションで写真に映ることを希望する」などと言い出しかねません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">もちろんそんなことは絶対に許しません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">古泉君が撮ったら、キョンがいやな顔をするに決まっています。そんなのはいりません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">そうだ、阪中さんに頼めばいいんだ、と今気がつきました。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">学校に行くことが出来るようになったら早速試してみます。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">だけどその写真はまだ私の手元にはありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">それが寂しい、なんて考えたりはしていません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;"> </div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
とにかく誤解があるようなのですが、私はあいつのそばにいないと死んでしまう生物などではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">現に、あいつが田舎に帰省していた時も寂しくなどありませんでした。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
だから、「どうせならあたしも連れて行ってくれればいいのに」とか、「親戚にあたしのことを紹介してくれれば一石二鳥じゃないの」などと考えたりはしませんでした。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あいつに一時間に一回メールをしたのも、寂しかったからではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
あいつからなかなかメールが返って来なくて、電話して「バカァ！」と怒鳴ったのは、雑用のくせに団長に対しての敬意が足りないと思ったからであり、決して寂しかったからではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
絶対にあの時わたしは泣いてなどいませんでした。勘違いしないようにキョンに伝えて下さい。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
あいつが三日間昏睡していた時に片時も離れず病室に寝泊まりしていたのは、団員の心配をするのは団長のつとめだと思ったからにすぎません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
あいつがこのまま起きなかったらと思うと怖くて怖くて、この呼吸が止まってしまったらと思うと怖くて怖くて、その呼吸音が聞こえるところから一歩も離れられなかったからではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">なぜならトイレとシャワーだけはどうしようもなかったからです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
あの時わたしが恐怖のあまり病院のトイレでゲロを吐いたなどというのは、フィクションです。実在の人物、団体、事件等とは関係ありません。うそっぱちです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
だからあいつに、「あたしはあんたなんかいなくても平気なんだから、停学が解除されて学校に行くようになっても、あんまりあたしに構わないでね」と言っていたと伝えてください。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">ただし、「本気にしたら殺す」とも言い添えて下さい。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;"> </div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">さっきも書きましたが、わたしは今、やるべきことをやったとしか考えていません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">キョンが止めていたのだから言うことを聞くべきだったとか考えてはいません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
これも誤解があるようですが、わたしは、あいつが本気になったらなんでも言うことを聞くわけではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あいつの言うことならなんでも聞くのは有希の方です。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
たしかにわたしはあいつの言うことしか聞きませんが、あいつの言うことならなんでも聞くわけではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">例えば、あいつが「ハルヒ、古泉とキスしてみろ」と言っても絶対にやらないでしょう。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
つまりわたしは、「あいつが本気になって忠告したことに従って、後悔したことなど一度もない」などと考えてはいないのです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">私は団長です。あいつは雑用です。下っ端のぺーぺーです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あいつが私に忠告するなど１００万年早いのです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
だからわたしは、「あいつは底抜けのお人好しのように見えながら、実はものすごく頑固で、ある一線を越えることは絶対に許さない」などということを知りません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">なぜならあいつをずっと見続けてきたわけではないからです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
ましてわたしは、その一線を越えることだけはないように常に気をつけているわけではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
その一線を越えてしまったことが一度だけあり、キョンに見捨てられてしまったらどうしようかとしょんぼりしたことなどありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
だから、あいつに怒られて、悲しくて悲しくて、どうしようもなく自分が嫌いになったなどという経験をしたことはありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
だからわたしは、実は自分が一番あいつに優しくされている、などということを感じたことは一度もありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
「みくるちゃんにはデレデレして、有希には気遣ってあげて、あたしにはなんにもないんだから」などとあの二人に言ってみたことはあるけれど、実はそうではない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
あたしはあいつにあんな態度で接しているけれど、あいつはあたし以外の人間が、それが男であれ女であれ、似たような態度で接することは絶対に許さないだろう。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あたしが一番甘やかされている。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あいつがみくるちゃんに優しくするのは、みくるちゃんがあいつに優しいせいだ。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あいつが有希を気遣ってあげるのは、有希があいつに素直なせいだ。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あたしはあいつに優しくできないし、素直にもなれない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">それでもあいつはあたしがそばにいることを許してくれる。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">あたしがやきもちを焼くのは、自分が大事にされていると思えないからじゃない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">たとえいちばん優しくされていても、特別に優しくされていても、</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">自分だけが優しくされていないと不満に思うのは女の本能。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">などということを考えたことは一度もありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">わたしはどこの甘ったれ女ですか。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
ただ、あいつがわたし以外の人間に、わたしみたいな態度を取ることは許さない、というのは事実のようです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">というより、わたしが許しません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">わたしが、させない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">自分を大切にしてくれる人を守るのは当然のこと。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">そのためにはその人の言葉に逆らうことも辞さない。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">それが女の守るべき一線。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
だから決して、あいつを「バカキョン」と呼ぶことができる特別な地位を守ろうとしたのではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">わたしはそんなに小さい人間ではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">わたしはそんなにせこい人間ではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">本当です。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
たとえばあいつはわたしのことを「ハルヒ」と呼びますが、仮にわたしの前であいつがあの二人を「みくる」「有希」と呼び捨てにしても、決してわたしはへそを曲げたりしないでしょう。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">この部分は絶対にあいつには伝えないで下さい。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">本当にあいつがそのように呼びだしたら、あの二人が迷惑するからです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
わたしがやっと学校に行けるようになって、あの二人の呼び名が変わっていたなどということがあったら、わたしがショックを受けるからではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;"> </div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
さて、どうしたら今後このようなことを繰り返さないかということなのですが、校内でＳＯＳ団を敵にしてただですむと思っている人間がいるとは驚きです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
映画上映、軽音楽部の代理出演、機関誌の発行などでＳＯＳ団の名が満天下に轟いていると思っていたのに、まだまだ足りなかったようです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
だからわたしがするべきことは、一日も早く学校に復帰してＳＯＳ団の活動を再開し、今度こそ最強の集団にすることです。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">そうすれば決して今回のような事件は起きないでしょう。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">だから決められた課題を毎日きちんとこなし、きちんと謹慎します。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">決してキョンに一日も早く会いたいからではありません。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">最後に岡部先生、キョンに、</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
「あたしは自業自得だから仕方がないけど、あたしの軽率な行動によってあんたに迷惑をかけた。それが何よりいちばんつらい。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">などとは決して考えていないので、勘違いしないように伝えて下さい。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">よろしくお願いします……。</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;"> </div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;"> </div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「以上です。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
「言い訳がましいというより、言い訳が暴走して、書かなくてもいいようなことまで書いてありますね。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">
「たしかに。ただしいちばん最後の部分から、鈴宮なりに反省しているということははっきり読み取れます。ただ……。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「ただ…、何ですか。」</div>
<div style="margin:0mm 0mm 0pt;">「反省文の中ぐらい、あいつを本名で書いてやれと鈴宮に伝えて下さい。」</div>
<p><span style="font-size:10.5pt;">　　</span></p>