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涼宮ハルヒの仮入部~文芸部編~」(2020/03/12 (木) 14:48:06) の最新版変更点

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<p>3年前の7月7日、わたしは彼と出会った。<br /> それから、今年の7月7日まで彼をあずかっている。<br /> それまで、2ヶ月と少し・・・<br /> <br /> ページをめくる<br /> <br /> 無音なこの文芸部室。<br /> 彼が来るまで、後2週間。<br /> たった2週間。けれども、2週間も後。<br /> 廊下から足音が聞こえる。<br /> 徐々にこちらに近づいてくる。<br /> きっと、この文芸部室を通り過ぎる。<br /> そう思う。<br /> <br /> ページをめくる<br /> <br /> 足音が止まった。<br /> ドアが開く。<br /> わたしは、その方向にゆっくりと首を向けた。<br /> そこにいたのは、進化の可能性、<br /> <br /> 涼宮ハルヒ<br /> <br /> おかしい。涼宮ハルヒが来るのは2週間後なはず。<br /> わたしは涼宮ハルヒを見た。<br /> 涼宮ハルヒも、わたしを見ている。<br /> 「仮入部したいんだけど」<br /> 涼宮ハルヒは言った。<br /> 仮入部?・・・検索開始。<br /> 該当項目を発見。<br /> 「そう」<br /> わたしは答えた。その言葉だけで充分だと判断した。<br /> 顔を本に戻す。<br /> <br /> ページをめくる<br /> <br /> 「あんた確か6組の子よね?体育の授業一緒だから」<br /> 「そう」<br /> 「あんた名前なんていうの?」<br /> 「長門有希」<br /> 「他の部員は?」<br /> 「部員はわたしだけ」<br /> 「へー、じゃああんたが入部しなかったらこの部活、廃部だったんだ」<br /> 「そう」<br /> そして、涼宮ハルヒは本棚から本をとりだし、パイプ椅子に座って読み出した。<br /> わたしも読書をつづける。<br /> <br /> ページをめくる<br /> <br /> 「アメンボ アカイナ アイウエオ ウキモニ コエビモ オヨイデル」<br /> 隣の部室から声が聞こえる。<br /> 必要な情報ではない。削除。<br /> <br /> やがて、涼宮ハルヒは落ち着きをなくしだした。<br /> 足を揺らす、椅子を揺らす。あくびをする。<br /> なぜそのようなことをするのかは、わたしには分からない。<br /> <br /> 「あんたよくこんなのずっとしてられるわね。しんどくならない?」<br /> どう答えるべきだろうか?<br /> 「大丈夫」<br /> そう答えておく。<br /> <br /> 「ねえ、あんたのクラスに宇宙人とか未来人とかいたりしない?」<br /> 「いない」<br /> ここは、嘘をついておくべき。<br /> そう判断した。<br /> <br /> 「やっぱり、あたしやめるわ」<br /> 「そう」<br /> 涼宮ハルヒは鞄を持って、部室を出て行った。<br /> ドアが開きっぱなし。<br /> わたしは、念動力を使い、ドアを閉めようとする。<br /> <br /> やめた。<br /> わたしは歩き、ドアを手で閉めた。<br /> <br /> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br /> <br /> 涼宮ハルヒが文芸部に仮入部してから、2週間がすぎた。<br /> 現在、昼休み。<br /> 足音が聞こえる。文芸部室のドアの前で止まる。ドアが勢いよく開く。<br /> <br /> 「あっ!いたいた!ねえ、この部室貸して!新しい部活作るから!」<br /> 「かまわない」<br /> 「そう、ありがとう!」<br /> そう言って、涼宮ハルヒは急いぐように部室を出て行った。<br /> <br /> ページをめくる<br /> <br /> 今日、涼宮ハルヒはSOS団を設立する。<br /> けれども、わたしの待機モードはまだつづいている。<br /> 彼が来るまで。</p>
3年前の7月7日、わたしは彼と出会った。<br /> それから、今年の7月7日まで彼をあずかっている。<br /> それまで、2ヶ月と少し・・・<br /> <br /> ページをめくる<br /> <br /> 無音なこの文芸部室。<br /> 彼が来るまで、後2週間。<br /> たった2週間。けれども、2週間も後。<br /> 廊下から足音が聞こえる。<br /> 徐々にこちらに近づいてくる。<br /> きっと、この文芸部室を通り過ぎる。<br /> そう思う。<br /> <br /> ページをめくる<br /> <br /> 足音が止まった。<br /> ドアが開く。<br /> わたしは、その方向にゆっくりと首を向けた。<br /> そこにいたのは、進化の可能性、<br /> <br /> 涼宮ハルヒ<br /> <br /> おかしい。涼宮ハルヒが来るのは2週間後なはず。<br /> わたしは涼宮ハルヒを見た。<br /> 涼宮ハルヒも、わたしを見ている。<br /> 「仮入部したいんだけど」<br /> 涼宮ハルヒは言った。<br /> 仮入部?・・・検索開始。<br /> 該当項目を発見。<br /> 「そう」<br /> わたしは答えた。その言葉だけで充分だと判断した。<br /> 顔を本に戻す。<br /> <br /> ページをめくる<br /> <br /> 「あんた確か6組の子よね?体育の授業一緒だから」<br /> 「そう」<br /> 「あんた名前なんていうの?」<br /> 「長門有希」<br /> 「他の部員は?」<br /> 「部員はわたしだけ」<br /> 「へー、じゃああんたが入部しなかったらこの部活、廃部だったんだ」<br /> 「そう」<br /> そして、涼宮ハルヒは本棚から本をとりだし、パイプ椅子に座って読み出した。<br /> わたしも読書をつづける。<br /> <br /> ページをめくる<br /> <br /> 「アメンボ アカイナ アイウエオ ウキモニ コエビモ オヨイデル」<br /> 隣の部室から声が聞こえる。<br /> 必要な情報ではない。削除。<br /> <br /> やがて、涼宮ハルヒは落ち着きをなくしだした。<br /> 足を揺らす、椅子を揺らす。あくびをする。<br /> なぜそのようなことをするのかは、わたしには分からない。<br /> <br /> 「あんたよくこんなのずっとしてられるわね。しんどくならない?」<br /> どう答えるべきだろうか?<br /> 「大丈夫」<br /> そう答えておく。<br /> <br /> 「ねえ、あんたのクラスに宇宙人とか未来人とかいたりしない?」<br /> 「いない」<br /> ここは、嘘をついておくべき。<br /> そう判断した。<br /> <br /> 「やっぱり、あたしやめるわ」<br /> 「そう」<br /> 涼宮ハルヒは鞄を持って、部室を出て行った。<br /> ドアが開きっぱなし。<br /> わたしは、念動力を使い、ドアを閉めようとする。<br /> <br /> やめた。<br /> わたしは歩き、ドアを手で閉めた。<br /> <br /> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br /> <br /> 涼宮ハルヒが文芸部に仮入部してから、2週間がすぎた。<br /> 現在、昼休み。<br /> 足音が聞こえる。文芸部室のドアの前で止まる。ドアが勢いよく開く。<br /> <br /> 「あっ!いたいた!ねえ、この部室貸して!新しい部活作るから!」<br /> 「かまわない」<br /> 「そう、ありがとう!」<br /> そう言って、涼宮ハルヒは急いぐように部室を出て行った。<br /> <br /> ページをめくる<br /> <br /> 今日、涼宮ハルヒはSOS団を設立する。<br /> けれども、わたしの待機モードはまだつづいている。<br /> 彼が来るまで。<br />

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