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涼宮ハルヒの仮入部~ハンドボール部編~」(2020/03/12 (木) 14:00:58) の最新版変更点

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「おかしい」<br> <br> これが今の俺にとって全く持ってふさわしい言葉だ。<br> もう一度言おう。<br> <br> 「おかしい」<br> <br> 俺は2週間ほど前、1年5組の担任となった岡部というものだ。<br> <br> 「おかしい」<br> <br> 俺は確かに、そのときに言ったはずだ。<br> <br> 「ハンドボールより面白い球技スポーツなんてあるはずがない。みんなは分からないかもしれないが、やったら分かる。だから、まずはハンドボール部に仮入部するのも悪くないと思わないか?」<br> <br> ・・・と<br> <br> なぜだ?なのになぜだ?<br> なぜ、今俺の目の前でやっているハンドボールの練習の中に、俺のクラスメートが入っていないのだ。<br> そりゃあ、ハンドボールは、サッカーやバスケットボールと比べると圧倒的に知名度は低いさ。<br> だからこそ、俺は入学式のときに教えたはずだ。<br> ハンドボールより素晴らしい球技はあるか?いいや、ない。<br> 即レギュラーになれる部活なんてほかにあると思うのか?いいや、ない。<br> 言わすなバカやろう。言ってて心が痛む。<br> <br> 「仮入部したいんですけど」<br> そんな時に横から声がした。<br> その言葉は、今の俺に笑顔になれと言われてるのも同等かそれ以上の効果を発揮させる。<br> ようやく来た。俺は横を見た。うちのクラスの生徒だ。そこにいたのは、<br> <br> 涼宮ハルヒ<br> <br> 入学式の挨拶では一番のインパクトがあった女子生徒だ。<br> 「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい、以上」<br> 噂によれば、奇人変人とのことらしい。<br> まあ、それは入学式の自己紹介を聞いてても分かる。自己紹介といえるのかどうかは分からんが。<br> それと、もう一つ噂によれば、いろいろな部活に仮入部しているとのことだ。<br> 今まで、こんなに仮入部した人はいないらしい。<br> <br> だが、もうその連続記録もここで終わりだ。<br> 俺が終わらせてやる。<br> <br> そして、俺はハンドボールのルールを一通り説明した後、一度ためしにやらせてみることにした。<br> はっきり言おう。<br> うまかった。天才的にうまかった。<br> そこで俺は思った。うちの部員はこんなにも弱かったのか・・・と。<br> <br> まずい! このままじゃ、あきれられてすぐにやめてしまう。<br> そこで俺は決意した。俺もコートにたたなければ。<br> ハンドボール魂が俺を呼んでいる。<br> <br> 「さぁ、涼宮!俺と勝負をしよう!」<br> 結果はもちろん、俺のボロ勝ちだ。<br> 「先生、あたしもう動けません」<br> 「何を言ってるんだ涼宮!ハンドボールはそんな甘いもんじゃないぞ!あの星を見てみろ。あの星はな、何万年も昔の光なんだ。俺たちも、あの星のように時間をかけて光り輝くようになるんだ!」<br> 「先生!」<br> 「さぁ、まだ今日という日は終わってないぞ!今から練習だ!」<br> 「はい!」<br> <br> ゴン<br> <br> ハンドボールが俺の顔に直撃して、俺は我に帰った。<br> まあいい、今の俺の妄想どおりにすればいいだけだからな・・・<br> <br> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br> <br> おかしい!!!!!!!!!!!!!!!<br> <br> 先ほど3回言った『おかしい』よりも3倍以上気もちをこめて、叫びたい。<br> <br> ボロ勝ちどころかボロ負けだ。<br> おかしいとしかいいようがない。<br> だってそうだろ、俺は運動神経高いやつを俺のチームに入れて、運動神経ないやつを涼宮のチームに入れたはずだ。<br> しかも、こっちは念入りに作戦会議。<br> ハンドボールというのは、たとえ一人が運動神経とびぬけてよくても、そう簡単に勝てるスポーツではないはずなのだ。<br> なのに、なぜ・・・・<br> やばい、明日筋肉痛になりそうだ。<br> <br> 「先生、あたしやっぱやめます」<br> 「待ってくれ涼宮ーーーー!!」<br> そう言うと、涼宮は立ち止まって。振り返ってくれた。<br> だが、なんだその死んだゴキブリを見るような目は!?<br> <br> 「もうひと勝負しよう。それで分かってくれるはずだ!ハンドボールのすばらしさを!!」<br> これで、伝わったはずだ・・・俺の気持ちが・・・<br> <br> 「きもっ!」<br> 最後に涼宮はそれだけ言い残して、去ってしまった。<br> <br> それから俺は涼宮に嫌われるようになった。<br> ついでに、今のところ仮入部してた連中まで去っていった。<br> まあいい、確かにあれは俺もやりすぎた。今は反省している。<br> せめて、変な騒動を起こさなければ、俺としてもありがたいのだが。<br> <br> ところでそこの君、一緒にハンドボールをやらないか?<br> <br> 終わり
<p>「おかしい」<br /> <br /> これが今の俺にとって全く持ってふさわしい言葉だ。<br /> もう一度言おう。<br /> <br /> 「おかしい」<br /> <br /> 俺は2週間ほど前、1年5組の担任となった岡部というものだ。<br /> <br /> 「おかしい」<br /> <br /> 俺は確かに、そのときに言ったはずだ。<br /> <br /> 「ハンドボールより面白い球技スポーツなんてあるはずがない。みんなは分からないかもしれないが、やったら分かる。だから、まずはハンドボール部に仮入部するのも悪くないと思わないか?」<br /> <br /> ・・・と<br /> <br /> なぜだ?なのになぜだ?<br /> なぜ、今俺の目の前でやっているハンドボールの練習の中に、俺のクラスメートが入っていないのだ。<br /> そりゃあ、ハンドボールは、サッカーやバスケットボールと比べると圧倒的に知名度は低いさ。<br /> だからこそ、俺は入学式のときに教えたはずだ。<br /> ハンドボールより素晴らしい球技はあるか?いいや、ない。<br /> 即レギュラーになれる部活なんてほかにあると思うのか?いいや、ない。<br /> 言わすなバカやろう。言ってて心が痛む。<br /> <br /> 「仮入部したいんですけど」<br /> そんな時に横から声がした。<br /> その言葉は、今の俺に笑顔になれと言われてるのも同等かそれ以上の効果を発揮させる。<br /> ようやく来た。俺は横を見た。うちのクラスの生徒だ。そこにいたのは、<br /> <br /> 涼宮ハルヒ<br /> <br /> 入学式の挨拶では一番のインパクトがあった女子生徒だ。<br /> 「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい、以上」<br /> 噂によれば、奇人変人とのことらしい。<br /> まあ、それは入学式の自己紹介を聞いてても分かる。自己紹介といえるのかどうかは分からんが。<br /> それと、もう一つ噂によれば、いろいろな部活に仮入部しているとのことだ。<br /> 今まで、こんなに仮入部した人はいないらしい。<br /> <br /> だが、もうその連続記録もここで終わりだ。<br /> 俺が終わらせてやる。<br /> <br /> そして、俺はハンドボールのルールを一通り説明した後、一度ためしにやらせてみることにした。<br /> はっきり言おう。<br /> うまかった。天才的にうまかった。<br /> そこで俺は思った。うちの部員はこんなにも弱かったのか・・・と。<br /> <br /> まずい! このままじゃ、あきれられてすぐにやめてしまう。<br /> そこで俺は決意した。俺もコートにたたなければ。<br /> ハンドボール魂が俺を呼んでいる。<br /> <br /> 「さぁ、涼宮!俺と勝負をしよう!」<br /> 結果はもちろん、俺のボロ勝ちだ。<br /> 「先生、あたしもう動けません」<br /> 「何を言ってるんだ涼宮!ハンドボールはそんな甘いもんじゃないぞ!あの星を見てみろ。あの星はな、何万年も昔の光なんだ。俺たちも、あの星のように時間をかけて光り輝くようになるんだ!」<br /> 「先生!」<br /> 「さぁ、まだ今日という日は終わってないぞ!今から練習だ!」<br /> 「はい!」<br /> <br /> ゴン<br /> <br /> ハンドボールが俺の顔に直撃して、俺は我に帰った。<br /> まあいい、今の俺の妄想どおりにすればいいだけだからな・・・<br /> <br /> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br /> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br /> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br /> <br /> おかしい!!!!!!!!!!!!!!!<br /> <br /> 先ほど3回言った『おかしい』よりも3倍以上気もちをこめて、叫びたい。<br /> <br /> ボロ勝ちどころかボロ負けだ。<br /> おかしいとしかいいようがない。<br /> だってそうだろ、俺は運動神経高いやつを俺のチームに入れて、運動神経ないやつを涼宮のチームに入れたはずだ。<br /> しかも、こっちは念入りに作戦会議。<br /> ハンドボールというのは、たとえ一人が運動神経とびぬけてよくても、そう簡単に勝てるスポーツではないはずなのだ。<br /> なのに、なぜ・・・・<br /> やばい、明日筋肉痛になりそうだ。<br /> <br /> 「先生、あたしやっぱやめます」<br /> 「待ってくれ涼宮ーーーー!!」<br /> そう言うと、涼宮は立ち止まって。振り返ってくれた。<br /> だが、なんだその死んだゴキブリを見るような目は!?<br /> <br /> 「もうひと勝負しよう。それで分かってくれるはずだ!ハンドボールのすばらしさを!!」<br /> これで、伝わったはずだ・・・俺の気持ちが・・・<br /> <br /> 「きもっ!」<br /> 最後に涼宮はそれだけ言い残して、去ってしまった。<br /> <br /> それから俺は涼宮に嫌われるようになった。<br /> ついでに、今のところ仮入部してた連中まで去っていった。<br /> まあいい、確かにあれは俺もやりすぎた。今は反省している。<br /> せめて、変な騒動を起こさなければ、俺としてもありがたいのだが。<br /> <br /> ところでそこの君、一緒にハンドボールをやらないか?<br /> <br /> 終わり</p>

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