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涼宮ハルヒの情熱 プロローグ」(2020/03/12 (木) 14:20:29) の最新版変更点

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<div class="main"> 雪山で遭難した冬休みも終わり3学期に突入し、気付けばもうすぐ学年末テストの時期になった<br> なのに相変わらず、この部屋で古泉とボードゲームに興じている俺ははたから見ればもともと余裕のある秀才か、ただのバカか2つにひとつだろう<br> どちらなのかは言わなくてもわかるだろ?<br> 先程、俺と古泉に世界一うまいお茶を煎れてくれた朝比奈さんもテスト勉強をしている<br> 未来人なんだから問題を知ることぐらい容易であるように思えるがその健気さも彼女の魅力の一つだ<br> この部屋の備品と化している長門も今日はまだ見ていない<br> 最近はコンピューター研にいることが多いようで遅れて来ることもしばしばだ<br> 観察はどうした?ヒューマノイド・インターフェイス<br></div> <div class="main"><br></div> <div class="main"> 「最近涼宮さんに変化が訪れていると思いませんか?」<br> わざわざ軍人将棋なんてマイナーなものを持ってきやがった、いつものにやけ面がもう勝てないと踏んだのか口を開いた<br> 「その台詞、前にも聞いたぞ、今度はなんだ?」<br> 半ば勝ちが決まったゲームの駒をすすめながらこたえる<br> 「いや、失礼。表現があまりよくなかったようですね。あなたが最近…というかクリスマスイブ以降、長門さんに無意識に目がいくようになったのを目ざとく最初に見つけたのは涼宮さんです。」<br> 「質問の答えになってない」<br> 俺の言葉は自分で思ったよりぶっきらぼうだったらしく古泉は微笑のなかで眉をひそめた<br> 「最後まで聞いてください。あなたには話していませんでしたが、それ以来閉鎖空間の頻度が少しだけあがっているのです」<br> 「ほお、それで?」<br> 聞き役に撤するのは得意ではないが、ここは言葉を続けさせるべきだろう<br> 「あなたが長門さんを気にするのを涼宮さんは気に入らないのですよ」<br> にやけ面が含み笑いを取り入れ、いつもの数倍は苛立つ顔になる<br> あまり続きを聞きたくなくなったので手元のボードゲームの勝ちを決めることにした<br> 「あなたも、もし僕が朝比奈さんと仲睦まじげに話していたらイライラするでしょう?…それとも、この例えは涼宮さんの方が的確でしたか?」<br> やめろ、古泉<br> 忘れたかった記憶が戻ってきそうだ<br></div> <div class="main"><br></div> <div class="main">「ありません」<br> 勝ちが決まったゲームを投了するのはいささか不快だが話を終わらせる手段はこれしか見つからなかった<br> 「投了ですか?確実に負けたと思っていましたが、あなたには何手先が見えたんです?」<br> 今しか見えていないさ<br> 話を中断する理由がほしかっただけだ<br> とも言えないので俺は黙ってお茶を飲むことに集中した<br> うん、うますぎる<br> 「そんなことはどうでもいいですね、今回は僕の勝ちです」<br> そう言いながら古泉は対戦成績表に丸をつける<br> ながら丸付けか、小学校の教師ならやりそうだ<br> 「では話を戻しましょうか」<br> 思わずお茶を吹き出しそうになるがもったいないことこのうえない<br> しかし、ごまかしたと一瞬でも油断した俺がバカだった<br> 俺がバカなのは冒頭で述べたばかりなのでいまさらだが<br> 「涼宮さん風に言うと、一種の精神病ですね、彼女はまさに今その状態です」<br> やめろ、そこまで記憶がさかのぼると閉鎖空間での悪夢を思い出す<br> そんな俺の危惧を知ってか知らずか古泉は続ける<br> 「閉鎖空間から涼宮さんと二人で戻って来れたのですからあなたもまんざらでもないのでしょう?」<br> …近くに44オートマグがあったなら自分の頭を打ち抜いていただろう<br> 銃刀法に感謝しろ、古泉<br> 「おやおや、そんな顔をするなんて予想外でした。続きを話すのが少し億劫になってきましたね」<br> そんなことを言いながらもちっとも表情を崩さない古泉に殺意すらおぼえた<br> どういう言葉で殺意を表してやろうか考えていると、いつものようにどでかい音をたてて我らが団長が飛び込んできた<br> </div> <div class="main"><br></div> <div class="main">「やっほー!みんないる?」<br> 銀河系の星達がすべてちりばめられたような笑顔を振りまきながら入ってきたハルヒ<br> やばいな、これは何かろくでもないことを思いついた時の顔だ<br> 「…あれ?有希はまだ来てないの?」<br> 寡黙な宇宙人の指定席であるパイプイスに目をおき、疑問をなげかける<br> 「長門なら、多分コンピ研じゃないか?」<br> 疑問にこたえたのは俺だった<br> 朝比奈さんはハルヒのお茶を煎れに行ってしまったし、古泉は微笑を浮かべるだけなので自動的にこたえるのが俺の役割になっていた<br> 「ふぅん、じゃああたし連れ戻してくるから、それまでに会議の準備しといて」<br> それだけ言うとハルヒはスピードスケートの清水のようなスタートダッシュで駆け出した<br> やれやれ、おっとこれは禁句だったか<br> だが、口に出してはいないので大目にみることにしよう<br> やれやれ、また会議か<br> 時期的に今度は春休みか?<br> 「あなたの席はここ一年ずっと涼宮さんの前でしたよね?」<br> 急に何の脈絡もないような話を振ってきた古泉<br> 「ああ、そうだ」<br> 「それは恐らく、彼女が望んだからそうなったのです。涼宮さんはあなたのそばにいたいのです」<br> 指で前髪を遊ばせながら古泉が語る<br> 誉め言葉ではないがこういう仕草がこいつにはむかつくほど似合う<br> </div> <div class="main"><br></div> <div class="main"> 「単刀直入に言います。涼宮さんと付き合ってみてはいかがですか?」<br> いつもの糸のようなが見開かれ、その視線は真っすぐ俺の目を見ている<br> どうしてお前の真面目な顔はこうも不気味なんだ<br> 「お断わりだ、付き合う付き合わないは人に言われてどうこうの問題じゃないだろ」<br> 俺がそう言うと古泉は口をへの字には曲げてはいたが、顔に笑みを戻した<br> 「そうですね、失礼しました。それではあなたにお任せしますよ」<br> だから付き合わないと言っているだろう<br> 任せるもへちまもあったもんじゃない<br> 「たっだいま~!」<br> 話が終わるのを見計らったようなタイミングでハルヒが長門をともない戻ってくる<br> ハルヒは朝比奈さんの煎れたお茶を飲み干すとこう叫んだ<br> 「我がSOS団は春休み、花見をするわよ!」<br></div> <div class="main"><br> <br></div> <div class="main"> <ul> <li><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/574.html"><font color= "#666666">第1章</font></a><br></li> </ul> </div>
<div class="main">雪山で遭難した冬休みも終わり3学期に突入し、気付けばもうすぐ学年末テストの時期になった<br /> なのに相変わらず、この部屋で古泉とボードゲームに興じている俺ははたから見ればもともと余裕のある秀才か、ただのバカか2つにひとつだろう<br /> どちらなのかは言わなくてもわかるだろ?<br /> 先程、俺と古泉に世界一うまいお茶を煎れてくれた朝比奈さんもテスト勉強をしている<br /> 未来人なんだから問題を知ることぐらい容易であるように思えるがその健気さも彼女の魅力の一つだ<br /> この部屋の備品と化している長門も今日はまだ見ていない<br /> 最近はコンピューター研にいることが多いようで遅れて来ることもしばしばだ<br /> 観察はどうした?ヒューマノイド・インターフェイス<br /></div> <div class="main"><br /></div> <div class="main">「最近涼宮さんに変化が訪れていると思いませんか?」<br /> わざわざ軍人将棋なんてマイナーなものを持ってきやがった、いつものにやけ面がもう勝てないと踏んだのか口を開いた<br /> 「その台詞、前にも聞いたぞ、今度はなんだ?」<br /> 半ば勝ちが決まったゲームの駒をすすめながらこたえる<br /> 「いや、失礼。表現があまりよくなかったようですね。あなたが最近…というかクリスマスイブ以降、長門さんに無意識に目がいくようになったのを目ざとく最初に見つけたのは涼宮さんです。」<br /> 「質問の答えになってない」<br /> 俺の言葉は自分で思ったよりぶっきらぼうだったらしく古泉は微笑のなかで眉をひそめた<br /> 「最後まで聞いてください。あなたには話していませんでしたが、それ以来閉鎖空間の頻度が少しだけあがっているのです」<br /> 「ほお、それで?」<br /> 聞き役に撤するのは得意ではないが、ここは言葉を続けさせるべきだろう<br /> 「あなたが長門さんを気にするのを涼宮さんは気に入らないのですよ」<br /> にやけ面が含み笑いを取り入れ、いつもの数倍は苛立つ顔になる<br /> あまり続きを聞きたくなくなったので手元のボードゲームの勝ちを決めることにした<br /> 「あなたも、もし僕が朝比奈さんと仲睦まじげに話していたらイライラするでしょう?…それとも、この例えは涼宮さんの方が的確でしたか?」<br /> やめろ、古泉<br /> 忘れたかった記憶が戻ってきそうだ<br /></div> <div class="main"><br /></div> <div class="main">「ありません」<br /> 勝ちが決まったゲームを投了するのはいささか不快だが話を終わらせる手段はこれしか見つからなかった<br /> 「投了ですか?確実に負けたと思っていましたが、あなたには何手先が見えたんです?」<br /> 今しか見えていないさ<br /> 話を中断する理由がほしかっただけだ<br /> とも言えないので俺は黙ってお茶を飲むことに集中した<br /> うん、うますぎる<br /> 「そんなことはどうでもいいですね、今回は僕の勝ちです」<br /> そう言いながら古泉は対戦成績表に丸をつける<br /> ながら丸付けか、小学校の教師ならやりそうだ<br /> 「では話を戻しましょうか」<br /> 思わずお茶を吹き出しそうになるがもったいないことこのうえない<br /> しかし、ごまかしたと一瞬でも油断した俺がバカだった<br /> 俺がバカなのは冒頭で述べたばかりなのでいまさらだが<br /> 「涼宮さん風に言うと、一種の精神病ですね、彼女はまさに今その状態です」<br /> やめろ、そこまで記憶がさかのぼると閉鎖空間での悪夢を思い出す<br /> そんな俺の危惧を知ってか知らずか古泉は続ける<br /> 「閉鎖空間から涼宮さんと二人で戻って来れたのですからあなたもまんざらでもないのでしょう?」<br /> …近くに44オートマグがあったなら自分の頭を打ち抜いていただろう<br /> 銃刀法に感謝しろ、古泉<br /> 「おやおや、そんな顔をするなんて予想外でした。続きを話すのが少し億劫になってきましたね」<br /> そんなことを言いながらもちっとも表情を崩さない古泉に殺意すらおぼえた<br /> どういう言葉で殺意を表してやろうか考えていると、いつものようにどでかい音をたてて我らが団長が飛び込んできた<br /></div> <div class="main"><br /></div> <div class="main">「やっほー!みんないる?」<br /> 銀河系の星達がすべてちりばめられたような笑顔を振りまきながら入ってきたハルヒ<br /> やばいな、これは何かろくでもないことを思いついた時の顔だ<br /> 「…あれ?有希はまだ来てないの?」<br /> 寡黙な宇宙人の指定席であるパイプイスに目をおき、疑問をなげかける<br /> 「長門なら、多分コンピ研じゃないか?」<br /> 疑問にこたえたのは俺だった<br /> 朝比奈さんはハルヒのお茶を煎れに行ってしまったし、古泉は微笑を浮かべるだけなので自動的にこたえるのが俺の役割になっていた<br /> 「ふぅん、じゃああたし連れ戻してくるから、それまでに会議の準備しといて」<br /> それだけ言うとハルヒはスピードスケートの清水のようなスタートダッシュで駆け出した<br /> やれやれ、おっとこれは禁句だったか<br /> だが、口に出してはいないので大目にみることにしよう<br /> やれやれ、また会議か<br /> 時期的に今度は春休みか?<br /> 「あなたの席はここ一年ずっと涼宮さんの前でしたよね?」<br /> 急に何の脈絡もないような話を振ってきた古泉<br /> 「ああ、そうだ」<br /> 「それは恐らく、彼女が望んだからそうなったのです。涼宮さんはあなたのそばにいたいのです」<br /> 指で前髪を遊ばせながら古泉が語る<br /> 誉め言葉ではないがこういう仕草がこいつにはむかつくほど似合う<br /></div> <div class="main"><br /></div> <div class="main">「単刀直入に言います。涼宮さんと付き合ってみてはいかがですか?」<br /> いつもの糸のようなが見開かれ、その視線は真っすぐ俺の目を見ている<br /> どうしてお前の真面目な顔はこうも不気味なんだ<br /> 「お断わりだ、付き合う付き合わないは人に言われてどうこうの問題じゃないだろ」<br /> 俺がそう言うと古泉は口をへの字には曲げてはいたが、顔に笑みを戻した<br /> 「そうですね、失礼しました。それではあなたにお任せしますよ」<br /> だから付き合わないと言っているだろう<br /> 任せるもへちまもあったもんじゃない<br /> 「たっだいま~!」<br /> 話が終わるのを見計らったようなタイミングでハルヒが長門をともない戻ってくる<br /> ハルヒは朝比奈さんの煎れたお茶を飲み干すとこう叫んだ<br /> 「我がSOS団は春休み、花見をするわよ!」<br /></div> <div class="main"><br /> <br /></div> <div class="main"> <ul> <li><font color="#666666">第1章</font><br /></li> </ul> </div>

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