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「涼宮ハルヒと邪神」(2009/05/27 (水) 23:18:29) の最新版変更点
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<p>高校卒業から10年程が経過した、最近高校時代の夢を良く見る、ひょっとしたら今も夢を見ているのかもしれない<br />
今の俺はただ生きている、無意味な時間を過ごし、一人寂しく生きている<br />
高校時代の友人とはもう連絡を取っていないしあいつに集められた3人ももういない<br />
10年前の情報爆発が原因で皆散り散りになった<br />
ニヤケ面したやつ、名前なんだったっけ?<br />
そいつはわけのわからない組織と共に行方をくらませた<br />
マイエンジェルなどと呼んでいたあの人は、自分の時代へ<br />
本が好きだったあいつは、親元へ還っちまった<br />
<br />
そもそもの原因はあいつとくだらない事で喧嘩しちまったことだ<br />
それは今でも後悔している、あの時の俺はどうかしていたんだ<br />
もしも戻れるならあの頃に戻りたいものだ<br />
そう考えながら、俺は急激な眠気に襲われ眠りについた<br />
<br />
『今回も前回と同じ思考に陥ってくれてるようだね<br />
さぁ君の願い叶えてあげよう、あの頃に戻してあげるよ<br />
でもその前に少しの間眠ってもらうよ<br />
再び始めよう、無限に続く世界を!!<br />
今回も主人公はジョン・スミス…君だ<br />
そして、ヒロインは……』<br />
<br />
またこの夢か……。そういえばあいつとの喧嘩、本当にくだらないことだったのか?<br />
そうだ、その喧嘩はいつもより酷かったような……、喧嘩した理由なんだっけ?<br />
思い出せないなんでだ、そもそもここはどこだ?<br />
それに今はいつだ?細かいことを何も思い出せないどうなってるんだ……<br />
<br />
『おい人間』<br />
そうだ、こんな時は!……誰だったっけ?確かこんな時誰か頼りにしていた奴がいたはずだ<br />
『人間!聞こえていないのか人間!!』<br />
うるさい!俺は今考え事しているんだ!!黙ってろ<br />
と言おうとして振り向いたのはいいが誰もいない<br />
その代わり一冊の本があった<br />
『ようやく気付いたな人間』<br />
本から声が聞こえる……まさか、ありえるわけ……いやこんなことをしでかすやつを一人知っている<br />
知っているが思い出せない、やれやれ俺はどうしてしまったのかね<br />
『良く聞け人間、汝は邪神により汝自身の未来を閉ざされている<br />
妾はその邪神を追ってここにきた、そして今汝の精神に語りかけておる』<br />
邪神?なんのこった、わけわからんことを並べ立てやがって<br />
イライラしていたそのときだ、銀色の髪と黒い瞳をした少女がそこに立っていた<br />
『……あなたは誰?彼に危害を加えるのなら、あなたを敵性と判断し、情報連結を解除する』<br />
今度は誰だ?わからない、でも懐かしい感じがする<br />
『ほう奴らの人形か、暫く見ないと思っていたらこの星に来ていたのか<br />
まぁよい二人とも良く聞け<br />
邪神が汝等の運命に介入し汝等の未来を狂わせている<br />
もしも汝が邪神と向き合い、戦う意志を持ったならば聖句を唱えよ!<br />
聖句は今汝の心に刻み込んだ、この聖句が妾と妾の伴侶に聞こえた時必ず汝の力となることを約束する<br />
人形、こやつをそれまで守ってやってくれ。こやつの精神は見ての通りくたびれておる<br />
こやつはこの10年間を何億と言う回数を繰り返しておる、普通の人間なら発狂してもおかしくない状態だ<br />
妾たちがそちらの世界にいけるようになるまで頼んだぞ』<br />
『……了解した』<br />
<br />
あぁもう何がなんだかわからん、誰か説明してくれ<br />
何で俺はここにいる、お前らは誰だ?<br />
『落ち着け人間、そのうちわかる だが勇気を忘れるな!!』<br />
勇気とか何だよ、俺に何をさせようってんだ!<br />
『汝は何もしなくていい、ただ戦う意志を強く持て、それだけでいい』<br />
何と戦えって言うんだ!<br />
『ナ■■■■■■■■■、検閲かふむ……まぁいい、何度も言うが戦う意志を強く持て。また会おう人間!』<br />
ちょっと待て!!<br />
『あなた達は私が守る』<br />
お前もだ、誰なんだお前は!<br />
『……直ぐに思い出す……また図書館に……』<br />
図書館?何のことだ、おい待ってくれ!<br />
<br />
「……ョン!キョン!」<br />
「ぅん……」<br />
「ちょっとキョン!!」<br />
「涼宮さん、彼も疲れているのですよ、もう少し寝かせて差し上げてはいかがですか?」<br />
「仕方ないわね……、キョンも起きないし、今日はもう解散!あたしはキョンが起きるまで待つから皆は帰っていいわ」<br />
「わかりましたではまた」<br />
「それじゃ私着替えますね」<br />
「……また明日……朝比奈みくるボソボソ」<br />
「長門さん?わかりました」<br />
「……コク」<br />
<br />
「長門さん、僕も行ったほうが良いですか?」<br />
「……コク……ただし彼と涼宮ハルヒには内密に」<br />
<br />
<br />
-古泉サイド-<br />
さて、長門さんが僕たちだけを呼び出すなんて何事でしょうか<br />
本来は彼の視点で勧めるべきところですが、彼はまだ就寝中です<br />
午後6時僕と朝比奈さんはここ、長門さん宅に来て用件を聞いています<br />
「本日午後3時21分48秒に彼の精神に二つの存在を確認<br />
うち一つは午後3時34分6秒に情報連結を解除、正体は不明<br />
残る一つは午後4時32分28秒に接触、何ものかの意思であると確認<br />
情報統合思念体とも天蓋領域とも違う存在、但し有機生命体で言う女性に該当することが判明<br />
彼女は私に言った<br />
彼はこの10年邪神の力でループしている、回数は不明但し億を越えている<br />
邪神が涼宮ハルヒの力を使い、運命の輪に閉じ込めている<br />
ループの記憶は消されているものの、彼の深層意識と精神は疲弊しきっている<br />
このまま行けば彼は自らの命を断つ可能性が高い<br />
邪神の目的は恐らく彼の死を原因とする涼宮ハルヒの負の情報爆発<br />
現在情報統合思念体に邪神の正体を問い合わせ中<br />
情報統合思念体は未来人・超能力者と協力し彼の保全を最優先することを決めた<br />
あなたたちにも指示が行くと思う、しかし私という固体はあなたたちに友人として協力<br />
を要請したいと思っている」<br />
邪神ですか、それは神人とはまったくの別物なのですか?<br />
「神人は涼宮ハルヒが生み出したエネルギー生命体、邪神は起源も規模も不明<br />
今情報統合思念体から連絡があった、邪神の名は…エラー言語化できない、なぜ?<br />
起源……エラー……規模……エラー……目的……エラー<br />
機能検索……何者かが私に検閲プログラムを導入、解除不能<br />
邪神に関する全てにプロテクトがかかっている、情報統合思念体に解除要請……<br />
エラー、情報統合思念体にアクセスできない<br />
ただし、情報操作・私と言う固体の能力について制限は無い」<br />
どういうことでしょう、邪神に関する項目のみに検閲、さらに情報統合思念体とアクセスができない<br />
となると、僕たちは推測に推測を重ね今後の対策を練らなければならないようですね<br />
「い、今未来から私に指示が来ました。TFEI端末・超能力者と協力しキョンくんを死なせないようにという事です<br />
長門さんと同じ、邪神については禁則がかかっています……<br />
TPDDに制限がかかって、空間移動はできますが時間移動ができません……<br />
あっ、ふえぇぇ、未来との通信もできなくなりましたぁ!」<br />
困ったことになりましたね、まず整理しましょう<br />
長門さんが得た情報、女性と思われる方によると<br />
邪神が涼宮さんに情報爆発を起こさせ何かをさせようとしていること<br />
それと末端の僕たちを孤立させようとしていること、機関は大丈夫でしょうか<br />
念のため確認してみましょうか<br />
もしもし、古泉です。はい……はい……わかりました<br />
どうやら機関とも連絡が取れなくなりました、本当に孤立させることが目的のようですね<br />
ではこうしましょう、これから毎日団活後長門さん宅に集合<br />
各エージェントと情報交換し、情報をまとめましょう<br />
それでいいですか?<br />
「……構わない、彼と涼宮ハルヒは私と言う固体にとって大切な人、危害を加えるものは<br />
全て敵性と判断」<br />
「わかりました、私もこの時間平面にいる駐在員と連携して情報を集めます!」<br />
<br />
では今日の所は解散という事で<br />
<br />
<br />
-キョンサイド-<br />
<br />
うぅん……<br />
「あっ、やっと起きた、さぁ帰るわよ!」<br />
ハル…ヒ?あれ?<br />
「あんた泣いてるの?」<br />
言われて気付いた、何で俺泣いてんだ?<br />
すまんハルヒ!<br />
そう言って俺はハルヒを抱きしめた<br />
「ちょ、ちょっとキョン!……もう……」<br />
すまん、しばらくこうさせてくれ<br />
どれくらい、そうしていたのかわからなかった<br />
それから俺はぽつぽつと語りだした<br />
<br />
なぁハルヒ、もし俺がいなくなったらどうする?<br />
「そうねぇ、世界の果て、違うわね……そう宇宙の果てまでおっかけて連れ戻すわ<br />
あんたはSOS団の団員その1で雑用係だからね」<br />
じゃあもし俺が死んだらどうする?<br />
「バカなこと言わないで、今度そんなこと言ったら死刑!」<br />
おい、それじゃ死ねと言ってるようなもんじゃないか<br />
「そうよ、あんたはあたしの……なんでもない……」<br />
そうかい、やれやれだな<br />
「ところでキョン、そろそろ放してくれない?」<br />
良く見たらハルヒは顔を真っ赤にして口を尖らせていた<br />
あぁすまん<br />
「さっき寝ながら泣いてたけど、どんな夢見てたの?」<br />
さぁな、よくは憶えてない、けど大切なもの全部無くして絶望に明け暮れていたような<br />
なんというかだな、そんな感じの夢だ<br />
それでなんだったかな、もう一度やり直したいって考えてたら<br />
声が聞こえて、その後は憶えてないなぁ<br />
「ふぅん」<br />
最近良く見るんだよな、この夢<br />
「何かの暗示かもね、あたしでよかったらいつでも相談に乗るわよ<br />
あっ、勘違いしないでよ、あたしは団長なんだから団員のメンタル面も把握する必要が<br />
あるだけだから!」<br />
へいへい頼りにさせてもらいますよ、団長さん<br />
じゃあ、早速だが聞いてくれハルヒ<br />
<br />
何でこんな事を思ったんだろう、俺は目の前にいるハルヒが無性に愛しく思えた<br />
いや、以前からわかっていたはずだ、ハルヒの気持ちも、俺自身の気持ちも<br />
この1年半という時間でどれだけ俺はハルヒと二人きりになれたのだろう<br />
よくこいつにはドキっとさせられることもあったっけ<br />
文化祭の後なんかもそうだ、勝手にこれってデートか?と勘違いして古泉たちが来て落胆したっけ<br />
今思えばこいつと二人きりで、こうやって話した時間って少なかったんじゃないか?<br />
でも今はこいつと、ハルヒと二人きりでいたい、いやもっと二人の時間が欲しい<br />
俺らしくないが、こんな事考えてたら理性が欲に変わっちまった<br />
ハルヒが欲しいという欲にな<br />
<br />
だからこの日、俺はハルヒに自分の想いを全てぶつけた<br />
「遅いのよ……バカ……あたしだって、あんたの事好きなんだから……」<br />
こうして俺たちは彼氏彼女という関係になった<br />
まぁ周りからはやっとかと言う反応しか返ってこなかったがな<br />
文芸部室に行くと、いつの間に準備されていたのか、俺とハルヒを祝福する会が開かれた<br />
ハルヒはというと、顔を真っ赤にしてそっぽ向いちまった<br />
俺は俺で、気色悪いニヤケ面120%増で顔が近い古泉を適当にあしらいつつ、<br />
笑顔120%増の朝比奈さんのお茶を啜る、長門はいつもと比べ少し笑顔な気がする<br />
他にも鶴谷さん、国木田もこの会に出席してくれた<br />
谷口もいたような気がするが気のせいとということにしておこう<br />
そしてメインの鍋パーティーだ、これもお馴染みになってきたな<br />
ん?今が何時かだって?2年の11月の始めだ<br />
そしてどっから情報を得たのか、俺とハルヒが付き合いだして二日後、新聞部の校内新聞号外により俺たちのことが報じられた<br />
ハルヒよこれもお前の無意識の仕業なのか?<br />
さらに弁当を忘れてきた俺は、仕方なく学食で飯を食うことにした、もちろんハルヒと一緒にな<br />
でここでも事件だ、新聞部に見つかっちまった……<br />
馴れ初めだとか、どっちが告白しただとか、根掘り葉掘り聞かれた<br />
ハルヒは紅茶をこぼすし、大変だったよこの日の昼飯はな<br />
この学校でハルヒを知らないものはまずいないほど有名だからな<br />
全校生徒の興味を引いたんだろうさ<br />
男子生徒の目が痛かった気もするが俺は気にしない<br />
さらに週明け、バカップルの日常と称して校内新聞に俺たちの記事が掲載された<br />
はぁ……まったくやれやれだ<br />
ん?週末は何をしたのかって?SOS団で不思議探索だ<br />
勘違いするな、班分けでデートなどしていない<br />
この日班分けで当たったのは午前は古泉と午後は長門と朝比奈さんだ、ハルヒとは当たらなかった<br />
何?もう一日はどうしたのかって?それは聞くな、いや聞かないでくれ頼むから……<br />
<br />
ハルヒとのこんな日常がずっと続くんだなと、このとき何の疑いも持たなかった<br />
<br />
<br />
-古泉サイド-<br />
<br />
さて、彼には悪いですがここでまた僕にバトンタッチです<br />
長門さんに呼ばれた次の日、僕は森さん、新川さんと会い情報交換をしました<br />
現在のところ目新しい情報はありませんでしたが<br />
機関との連絡は森さんを経由と、今まで通り動けという命令を受けました<br />
つまり、SOS団のメンバーと協力しろということでしょう<br />
他の方たちは新しい情報は……現状ではあまり期待できませんね<br />
この日は至って平和でした、団活終了後長門さん宅に集合し現状報告・情報交換をしました<br />
朝比奈さんは、未来との連絡も取れず時間移動不可の状態、駐在員のお偉方に禁則解除してもらおうとしましたが、ダメだったそうです<br />
なにせそのお偉方も同じ禁則を受けていたからです<br />
長門さんも他のTFEI端末と接触したそうですが、全員同じ状況でした<br />
全員と必要な情報を共有したそうで、何かわかったらすぐに僕たちに連絡するとのことです<br />
<br />
しかし驚きました、あの日僕たちが帰った後、彼と涼宮さんがお互いの想いを伝え合っていたとは<br />
これで僕のアルバイトも減るというものです<br />
なんにせよおめでとうございます、あなたたちの幸せは僕たちが守って差し上げますよ<br />
「顔が近いんだよお前は!!」<br />
んっふ、そんなに照れなくてもいいじゃないですかキョンさん<br />
僕はただ祝福したいだけですよ、この話を聞いてすぐに準備しましたよ<br />
彼と涼宮さんには指定時刻まで部室には来ないようにしていただき<br />
その間に彼の友人二人と鶴谷さんをお呼びし盛大に祝福させていただきました<br />
涼宮さんは団長机で顔を真っ赤にしてましたね、キョンさんはいつもより少しニヤケてましたよ<br />
<br />
そして週末の団活ですが、午前中は彼と一緒になりました<br />
そこで彼にこんな相談をされました<br />
毎日が既視感の連続であること、既視感の強さにより眠れない日があること<br />
変な夢を良く見ること、内容までは覚えていないそうです<br />
なるほど、深層意識下にある彼の記憶ですね。これが彼のストレスとなって……<br />
僕はこう彼にアドバイスしました、あまり気にせずゆっくり休んだ方が良いと<br />
午後の班分けで長門さんと一緒になる場合、僕からそのことを話しておく事を伝えました<br />
結局、午後は僕と涼宮さんの組み合わせになりましたがね<br />
団活終了後はもちろん集合しました<br />
この件を長門さんに伝え、今後どうするかを決めました<br />
彼は彼で、朝比奈さんに心配をかけたくなかったのでしょう。<br />
長門さんには相談しなかったようです<br />
なるべく彼にループしていることを悟られないようにすることで、一致しその日は解散となりました<br />
<br />
しかし週明けのあの校内新聞思い出しただけでも笑ってしまいます<br />
馴れ初めや告白、イロイロ書かれていました<br />
見事なほどバカップルでしたね、こんな彼らを守るそう決めた僕たちはこの後目立った情報も無く<br />
邪神と呼ばれる謎の敵も動きを見せませんでした<br />
<br />
それから約1年が経過しました<br />
2ヶ月ほど前からでしょうか、いえ夏休みの終わりごろからですね、彼の様子がおかしくなり始めたのは<br />
自傷行為を起こすことが増え、精神的にも不安定になっていったのです<br />
恐らく、以前話していた既視感が原因でしょう<br />
このままでは危険と思った僕は、彼を長門さん宅へ連れて行くことにしました<br />
誘拐と言っても過言ではないくらいの勢いでね、もちろんご家族の了承は得ています<br />
ここで彼に全てを話しました、僕たちの置かれている状況、あなたが何度もこの10年間をループしていること<br />
<br />
話し終えた後彼は少しずつ落ち着きを取り戻していました<br />
ただ、何故もっと早く教えてくれなかったんだと思っていることでしょう<br />
落ち着きを取り戻した彼は、僕たちにもう自傷行為はしないと約束してくれました<br />
それなら涼宮さんに連絡をし、そう言ってあげて欲しいとお願いしました<br />
ですが彼は、今自分は涼宮さんに合わせる顔もかけるべき言葉もないと拒否しました<br />
<br />
この日の夜彼と涼宮さんがこの世界から消えました、正確には閉鎖空間へとシフトしてしまったのです<br />
無事彼と涼宮さんは閉鎖空間から帰還しましたが、その後彼らは別れてしまった<br />
とこれはループの話しです<br />
さてそろそろ彼に語ってもらいましょうか、彼がどんな選択をし、どんな未来を勝ち取るのか<br />
<br />
<br />
-キョンサイド-<br />
<br />
俺は今夢を見ている、それも毎晩毎晩同じ夢を、内容はこうだ<br />
男のような女のような、それでいて全身黒いオーラのようなものを纏った奴に俺は追われている<br />
どこまでもどこまでも逃げる、逃げ続けた<br />
だがそいつは、俺がどれだけ逃げようと、気が付けば正面に立っている<br />
追い詰められた俺は、こいつに腕を引きちぎられ、足を押しつぶされ<br />
最後ははらわたを抉られ、頭を潰され、元の状態に戻されまた俺は逃げる<br />
これを何十回何百回と繰り返す事になる<br />
最後は俺を襲う奴とは違う何かが目の前に現れ、光に包まれ目が覚める<br />
これが春先から見る俺の悪夢だ<br />
<br />
ハルヒと付き合いだして約1年が経過し、俺たちは3年に進級した<br />
朝比奈さんは卒業後近くの私大に入学した、やはりハルヒ監視の任務がまだ続いているのだろう<br />
3年になってからと言うもの俺は毎晩悪夢にうなされている<br />
さらに既視感も1年前と比べ日を追うごとに強烈になっていく<br />
夏休みが終わり二学期の1週目から俺は学校に行かなくなった<br />
夏休みの終わる頃には、もうこの悪夢と既視感に耐えられなくなり、寝ることさえ辛くなっていた<br />
そんな中2ヶ月が経過し11月になった、本来なら大学の受験勉強をしなければならない大事な時期だ<br />
SOS団のみんなはよくしてくれる、特にハルヒは毎日来てくれる<br />
始めこそハルヒのノートを写すなどで勉強はしていたが、だんだんそれも億劫になっていく<br />
<br />
そしてこの2週間生きる気力を失い始めた俺は自傷行為を始めた<br />
そう自殺するためだ、未練はある、それでも現状から逃げ出せるのなら<br />
行動に移そうとした時に限ってハルヒ達が俺の部屋に来た<br />
<br />
「キョン!」<br />
「何をやっているんですあなたは!!」<br />
「キョンくん、ダメですよぉ!」<br />
「長門さん、僕が押さえている間にナイフを取り上げてください!」<br />
「……了解した……」<br />
放せ古泉!頼む、頼むよ逝かせてくれ!!<br />
<br />
渇いた音が響いた、俺の頬がじわじわと熱くなる<br />
俺に平手打ちをした張本人であるハルヒが泣いている<br />
「バカ!何やってんの!<br />
またあたしに、独りでいろって言うの!<br />
そりゃ、今は有希もみくるちゃんも古泉君もいるわ<br />
でもそれはキョン、あんたがいたからじゃない!<br />
あんたがいたから大切な友達を作れたの!<br />
だからあんたがいなきゃ、意味無いんだから!!<br />
ねぇ、あたしを……独りにしないでよ……キョン……」<br />
そういうとハルヒは俺の部屋から出て行った<br />
……ハルヒ……<br />
<br />
「キョンくん、涼宮さんを追いかけてください!」<br />
朝比奈さん、今の俺にそんな資格ありませんよ<br />
<br />
渇いた音が響き再び俺の頬が熱くなる、今度は朝比奈さんに叩かれたようだ<br />
「私今のようなあなたを見たくないです!<br />
涼宮さんを追いかけてください!」<br />
……<br />
「どうして黙っているんです!どうして動いてくれないんです!<br />
どうしたら涼宮さんを追いかけてくれるんですか?」<br />
……朝比奈さんまで泣かないでください、今の俺には……<br />
「追いかけてください!<br />
私の好きなキョンくんは、そんな意気地なしじゃないはずです<br />
私の一番大好きな人は、こんな弱虫じゃない!!」<br />
……すみません朝比奈さん……でも俺は……<br />
「うぅ…ばかぁ!!」<br />
朝比奈さんも俺の部屋から出て行ってしまった<br />
<br />
その直後電話が鳴り出した、どうやら古泉の電話のようだ<br />
閉鎖空間か……すまん古泉……<br />
「はい古泉です、わかりました。<br />
キョンさん、僕は少なからずあなたという人に嫉妬を覚えていました<br />
ですがそれも勘違いだったようです、失礼ですが僕はあなたを見損ないましたよ<br />
しかしそれでも、それでも僕はあなたが立ち直ってくれる事を信じています<br />
またあなたとオセロができることを、楽しみにしています。それでは」<br />
古泉もいっちまったか…<br />
<br />
長門すまん、一人にしてくれないか……<br />
「……落ち着いたら私の部屋に来て……話したいことがある<br />
キョン……生きて、ハルヒのためにも、あなた自身のためにも」<br />
<br />
……みんなすまん……<br />
<br />
<br />
-ハルヒサイド-<br />
<br />
キョン……あんたどうしちゃったのよ<br />
死ぬだなんて考えないでよ、あたしを独りにしないで<br />
もう独りはいやだよ、お願いだから生きて<br />
<br />
気が付いたら公園にいた、公園のブランコであたしは泣き続けていた<br />
どれくらい時間が経ったのかわからないけど、あたりは暗くなっていた<br />
誰かが近づいてくる、キョンなのかな……<br />
そんな淡い期待は顔をあげた瞬間に裏切られた、けど嬉しかった、反面そこにキョンがいなかったことが悲しかった<br />
有希、みくるちゃん、古泉君があたしを探してこの公園に来てくれた<br />
みくるちゃんも泣いていたのかな、目が赤いよ<br />
「涼宮さん、キョンくんきっと立ち直ってくれます<br />
だから、キョンくんを支えてあげてください」<br />
「僕からもお願いします、今の彼を支えられるのはあなただけです」<br />
「……私からもお願いする」<br />
私じゃ力になってあげられない、いつからこんな弱くなったのかな<br />
「いいえ涼宮さん、あなただからこそ彼の力になってあげられるのです<br />
僕たちでは、彼の心の奥底にある何かに触れることができません」<br />
「そうなんです、私たちじゃ涼宮さんほどの力になってあげられません」<br />
ダメよ、こんな弱い私じゃキョンの力になれない<br />
渇いた音がして私の頬が熱くなった<br />
え?<br />
「なんで、なんでキョンくんも涼宮さんもお互いを避けるんですか?<br />
私の知ってる二人はとても優しくて、どんな困難も乗り越えられる強さも持ってるじゃないですか」<br />
「そうです、あなたの彼の前でだけ見せるあの笑顔があれば、きっと彼も生きる気力を取り戻してくれるはずです」<br />
「それは私たちにはできない、あなたの笑顔こそ彼の心の奥底にある恐怖を払う力になるはず、私はそう信じる」<br />
「そうですよぅ、今のキョンくんも涼宮さんもお互いを必要としてるのに、逃げちゃだめです!」<br />
うぅ……ごめん、ごめんねみんな。<br />
そうよね、あたしがしっかりしなきゃ、あいつはもっと苦しいんだよね<br />
あたしと付き合いだしてから、ずっと変な感覚に苦しんできたんだもんね<br />
悪夢もずっと見続けて、独り苦しんでるあいつを支えてあげなきゃ!<br />
そう決意できた時、あたしはまた泣いた、泣き続けた、涙が枯れるんじゃないかってくらいに<br />
そんなあたしを受け止めてくれた、ありがとうあたしの大切な友達<br />
<br />
あたしもあいつと一緒に、あいつの苦しみと戦うんだ!<br />
だからあいつが元気になるまであたしは眠らない<br />
あたしをこれだけ悩ませたんだから、元気になったら罰金だからね!<br />
<br />
<br />
-キョンサイド-<br />
<br />
それから2週間こんな俺をハルヒは励ましてくれる、しかしどうにも生きる気力が沸かない<br />
ハルヒもまた眠っていないらしい、目の下にくまが出来ている<br />
バカ野郎…俺なんかのために綺麗な顔にくま作ってんじゃねぇよ……<br />
<br />
結局この2週間で俺が取った行動は、自傷行為を続けハルヒに叩かれる毎日を送ることだった<br />
全部未遂に終わったがな、これもハルヒの俺に生きて欲しいという想いが起したのだろう<br />
長門に話しがあるから部屋に来いと言われていたが、とてもそんな気分にはなれなかった<br />
<br />
次の日の朝、古泉が所属する機関に俺は無理矢理連れ出された<br />
ほとんど誘拐だったな、親と妹には話をしていたらしく、何も言わなかった<br />
<br />
着いた先は長門の家だ、マンションの入り口で長門、朝比奈さん、古泉が待っていた<br />
そこで俺は全てを聞かされた、俺の既視感の原因、そして俺だけが去年からの10年間ループしているのだという<br />
もっと早く教えて欲しかった、だが知ったところでどうしようもなかったのも事実だ<br />
このことを知れただけでも気が楽になり、自傷行為はやめることを約束した<br />
だがハルヒには合わす顔もなければかけてやる言葉も無いと、ハルヒへの連絡はしなかった<br />
家に帰され久しぶりに寝れそうだと思い布団に入った<br />
<br />
気が付くと閉鎖空間だ……、俺が原因で発生した閉鎖空間……<br />
北高か……<br />
そう呟いた時赤い球が俺に近づいてきた、古泉だ<br />
「やぁ、少しは眠れましたか?」<br />
多分な<br />
「既にお気づきの通り、ここは閉鎖空間です。2年前のあの空間と同じタイプのね」<br />
そうかい<br />
「僕たちからの応援の言葉です、邪神に負けないで自身を強くもってください、あなたなら必ず未来を勝ち取れます」<br />
……<br />
「おっと時間のようです、あなたが未来を勝ち取りこちらの世界に回帰することを祈っていますよ」<br />
……<br />
古泉が消えた、俺はどうすりゃいい……<br />
<br />
しかたない……部室に行ってみるか<br />
ドアをノックする返事が無いがまぁいい開けよう<br />
<br />
「キョン!」<br />
ハルヒ……すまん……心配掛けた<br />
「バカ!あたしがどれだけ心配したと思ってんのよ!バカバカバカバカバカ!」<br />
ホント……すまん……<br />
そういってハルヒを抱きしめてやろうと思った<br />
その時今までに無い強烈な既視感に襲われた<br />
『そいつは本物じゃない、本物は後ろにいる<br />
後ろだ後ろにいる者こそ本物だ!』<br />
何かが俺に語りかけてきた、男の声だ、だが聞き覚えが無い<br />
それでも目の前のハルヒを受け入れてはいけない、そう思い後ろを見た<br />
確かにハルヒがいた<br />
「キョン!遅い!あたしを心配させておいてただじゃ済まないわ!<br />
そっちの奴を選んだら死刑だからね!!」<br />
ハルヒが二人……さっきの声を信じるならこっちが本物か<br />
しかし……そういえば目の前のハルヒはくまが無い<br />
後ろのハルヒにはくまがある、それにさっきまで泣いてたんだろう目が腫れてる……<br />
それに後ろのハルヒには100万Wの笑顔があるじゃないか!!<br />
それと比べて目の前のこいつはなんだ、何をニヤニヤしてやがる気持ち悪い、100W、いや1Wのかけらもないただのニヤケ面だ<br />
そうだ、迷うこと無い後ろのハルヒこそ本物だ!<br />
なら目の前のこいつに言うべきことは一つ<br />
お前は誰だ?<br />
<br />
「おや、とうとうばれてしまったようだね、さすが人間だ<br />
いつもの事だけど、人間の絆ってやつには驚かされるよ」<br />
男と女が入り混じったような声でそういうと目の前のハルヒは、いや目の前の化け物は正体を現した<br />
漆黒の化け物?そうかこいつが古泉が言ってた邪神か、なんでだろうな足がすくんで動けない<br />
「その通り、さて邪魔が入ったし。まずは後ろの小娘から殺そうかな」<br />
そうだこいつだ、俺の夢に出てきては俺を何度も何度も生かさず殺さずを繰り返してくれた奴は!<br />
<br />
頼む、動いてくれ俺の足!!<br />
くそ動かない、ならせめてハルヒ伝えるんだ、あいつらがこの閉鎖空間に入ってこれるように祈ってくれと<br />
ハルヒ!!<br />
ハルヒ良く聞け、長門、朝比奈さん、古泉をこの世界にも来るよう考えてくれ<br />
「え?キョン?どういうこと?」<br />
SOS団が揃えば何だってできる!そうだろ?<br />
それが夢の世界ならなおさらだ!<br />
「うん、わかった!(有希、みくるちゃん、古泉君来て!!)」<br />
やばいハルヒ!!ぐ…あっ…、動けたと思ったらこれかよ……<br />
「おっと間違えた、小娘を殺すつもりが君を傷つけてしまったよ」<br />
「キョン!」<br />
ハルヒ俺の事はいい、今はあいつらをこの世界に呼ぶんだ!!<br />
「でも!」<br />
あいつらが来るまで俺は耐えてみせる!だからあいつらが来るよう祈ってくれ!!<br />
ハルヒ!!!<br />
「……(みんな早く!!)」<br />
「さて次は、肩を壊してやろうかね。やはり人間の悲鳴はいい、肩の次は背中を破壊してあげよう」<br />
くそっ!まだかよ、このままじゃさすがに持たんぞ……<br />
「ふふふ、背中を潰すのは後にして足を破壊してあげるよ人間!!」<br />
があああああああああああああ!!<br />
ここで俺は倒れちまったみたいだハルヒが泣きながら俺を抱きしめてくれてる<br />
ハルヒ……<br />
「キョン!キョン!!」<br />
ハルヒ聞いてくれ、俺さバカだからお前を悲しませてばっかだったな<br />
「ばか、いいわよ今はそんなこと!」<br />
強く祈ってくれあいつらがここに来ることを!!<br />
「うん、うん」<br />
<br />
「さぁって次は内臓を抉ってあげよう<br />
どうだい、夢と同じ事をされる気分は<br />
まぁ本当なら腕を引きちぎってるところだけど、優しい僕は後にしてあげることにしたよ」<br />
そうか、お前か俺にあの悪夢を見せたのは!<br />
「そうさ、君の悲鳴は何度聞いてもいいものだ、これからがお楽しみだ!」<br />
「ふんもっふ!」<br />
ははっ、ホントにきやがったこれで俺たちの勝ちだ!<br />
「すみません、遅くなりました」<br />
「ふえぇぇぇ、キョンくん大丈夫ですか、涼宮さんも!」<br />
「……私が彼の治療をするその間邪神を」<br />
「みんな、本当に来てくれた、キョンの言った通りに、ありがとみんな!」<br />
「さぁ一度退避しましょう」<br />
「おや、逃げるのかい?まぁいいだろう、じゃあ12時間猶予をあげようその間に態勢を整えるといい<br />
僕は高みの見物をさせてもらうよ」<br />
<br />
保健室に逃げた俺は長門に治療してもらい、そのまま寝ちまったらしい<br />
それで変な夢を見た<br />
「人間、おい人間!!」<br />
またこの夢か…、どうせまた本が喋っているのだろう<br />
「その通りだ人間、どうやら妾のこと憶えていたようだな<br />
どうだ汝はあの邪神と戦えるか?」<br />
さぁな、さっきはハルヒを守るって一心でやっと動けたからな<br />
本音言うと逃げたしたいよ…・・・<br />
「それは仕方ない、普通の人間であれば彼奴の瘴気で全員発狂してもおかしくない<br />
これも一重にあの小娘のおかげだろう」<br />
なぁ俺はどうすればいい?<br />
「それは汝が決めることだ、戦う意志があれば必ず勝てるとだけ言っておこう」<br />
そうかい、まったくどいつもこいつも、俺には秘密主義なんだな<br />
「そういうな人間、そうだ以前汝に刻んだ聖句、憶えているか?」<br />
聖句?なんだそれ<br />
「やはり憶えておらんか、まぁ戦う意志を持ったとき、汝の心に浮かび上がるだろう」<br />
そんなもんでいいのか?<br />
「うむ、なんの問題もない」<br />
そうかいやれやれだなまったく<br />
「さて、彼奴に気付かれるわけにはいかんのでコレで失礼するが<br />
意志を強く持て、必ず勝てる。」<br />
あぁありがとよ……<br />
<br />
「…ョン、キョン」<br />
あぁハルヒか、どうした?<br />
「もうすぐ、12時間たつわ、さっきの奴また来るのよね?」<br />
多分な<br />
戦う意志か、大丈夫なんだろうか、あれを目の当たりにして俺は戦えるのか?<br />
くそ、思い出しただけで震えがとまらない……<br />
「お目覚めですね、どうですか動けますか」<br />
大丈夫だ……と思う<br />
「あっ、キョンくん!よかった」<br />
「……もうすぐ12時間……くる!」<br />
<br />
「やぁ揃っているようだね」<br />
うっ……体が震える……汗もとまらない<br />
「ちょっとキョン、大丈夫」<br />
「涼宮さん、彼と朝比奈さんを連れて下がってください。ここは僕と長門さんで食い止めます」<br />
俺も戦うぞ古泉<br />
「目の前の敵に怯えているようでは足手まといです、下がってください<br />
朝比奈さん、二人がいう事を聞かないようなら、あなたの能力で移動してください」<br />
勝手なことを言うな、俺のどこが怯えているっていうんだ<br />
「自分でもわかっているはずです<br />
先程からぶるぶる震えて、冷や汗を全身に掻いてるあなたに何ができるんです」<br />
くっ……<br />
言い返せない、でもこのままじゃ俺は……<br />
「キョンくん、涼宮さん行きましょう<br />
私たちがいては邪魔になるだけですから……」<br />
わかりました……<br />
「有希、みくるちゃん、古泉君……わかったわ。さぁキョン行くわよ!」<br />
すまん、長門、古泉<br />
「……ここは私たちが相手になる」<br />
「ふふふ、実はまだ君たちの相手をする準備ができていないんだ」<br />
「どういうことでしょう?」<br />
「直にわかるさ、その間こいつらの相手をしてもらおうか」<br />
<br />
なんだよこの音……何かが大地を揺らし、なおかつ這いずるかのような音<br />
「朝比奈さん、彼らを連れて今すぐ離れてください!」<br />
「わ、わかりました!二人とも目を瞑って」<br />
くそ、結局逃げることしか出来ないのかよ俺は!!<br />
「わかったわ」<br />
「いきます!」<br />
この感覚……時間遡行か!<br />
「もういいですよ」<br />
朝比奈さん、あれからどれくらい経ちましたか?<br />
「ここは閉鎖空間の旧校舎、あれからわずかな時間しか経過していません」<br />
そうですか、古泉たちは?<br />
「グラウンドにいます」<br />
「みくるちゃんすごいじゃない!<br />
何?一瞬で部室棟に移動したの?<br />
すごいわみくるちゃん!」<br />
「一瞬でというより、わずかな時間遡行です」<br />
「もしかしてみくるちゃん未来人?」<br />
「ふふ、涼宮さんの夢ならなんでもありですからね」<br />
「そういえばこれはあたしの夢だったわね」<br />
こうしてみると、あの朝比奈さん(大)の面影が出てきてるな<br />
これから一気に成長するのだろうな朝比奈さんは<br />
<br />
『いいのかい?仲間に戦わせて自分は何もしなくて』<br />
誰だ!<br />
『誰だっていいさ、この空間のわずかな綻びを見つけてね、ちょっとお邪魔させてもらったのさ』<br />
空間の綻び?それはもうすぐこの空間がなくなるって事か?<br />
『そうじゃない、さっき混沌が召喚した時に綻びができてね、それを利用させてもらったのさ<br />
それでジョン・スミス、君はどうしたいんだい?』<br />
俺は戦いたい、あいつらだけに戦わせたくない<br />
『じゃあ、勇気を持つことだ<br />
どんな恐怖にも負けない勇気をね<br />
そして共に詠おう、生命賛歌を』<br />
勇気……<br />
『私の知り合いにね、後味が悪い、胸糞悪い<br />
たったそれだけで正義の味方になった人がいる<br />
君にもあるはずだよ、君だけの正義、君だけの勇気、君だけの愛がね<br />
それじゃあ私はそろそろ行くよ、意識を侵入させるだけで精一杯だったからね』<br />
待ってくれ、俺はどうしたらいいんだよ!<br />
『君はもう答えを持っている、自分で答えたじゃないか<br />
戦う意志があるなら後は勇気を持てばいい』<br />
<br />
「キョン!」<br />
え?あ、ハルヒ?<br />
「何ボーっとしてんの、部室に行くわよ、ここにいても有希たちの邪魔になるわ」<br />
ダメだハルヒ、俺は戦いたい!<br />
そう言い切りかけたとき渇いた音が聞こえた……またハルヒに叩かれたようだ……左の頬が熱く痛い<br />
「今のあんたに何ができるってのよ!震えて、冷や汗掻いて……死にに行くようなモノじゃない!<br />
夢の中であってもあんたに死なれたくない、少しはあたしの気持ちもわかってよ!バカキョン!!」<br />
……くそ、俺はまだ震えてんのか、この期に及んでまだ……<br />
爆発音が響き古泉と長門が化け物の攻撃で、俺達のところに飛ばされてきた<br />
古泉!長門!!<br />
「すみません、油断しました。まさかあのような化け物が出てくるとは」<br />
「……私達の戦闘能力だけでは抑え切れなかった……」<br />
<br />
「さすがの情報統合思念体対ヒューマノイドインターフェイスも、ダゴンとヒュドラの群れには適わないようだね」<br />
ダゴン?ヒュドラ?なんだそりゃ<br />
「クトゥルーに仕える深きものどもの首領さ、どうだいすごいだろ」<br />
「多勢に無勢です、このままでは」<br />
「さぁよく頑張ったね、しかし人形と能力者一人じゃもう限界だろ?<br />
僕は僕の目的を果たさせてもらうよ」<br />
「え、うっ…あぁ…キョン!なにこれ……頭が痛い……あぁぅっ!……しゃい……にんぐ……とらぺぞ……へどろん……<br />
なにこれ、何なのよいや、こんなのいやいやいやいや<br />
何なのよこれ、こんな世界見たくない、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!!!」<br />
ハルヒ!落ち着けハルヒ!ダメだ、完全に取り乱してる<br />
なんだ、ハルヒに何しやがった、くそこの期に及んでまた足が震えやがる、動けよ俺の足!!<br />
「少し面白い物を見せてあげてるのさ、僕たち邪神の住まう宇宙をね<br />
おっと、能力者に人形さん、君たちも動かないでもらおう」<br />
「これは!?動けない!」<br />
「ふえぇぇぇぇ!」<br />
「……私たちの周囲に重力結界が発生、解除不可」<br />
長門、朝比奈さん、古泉!<br />
「勇気を、恐怖に立ち向かう勇気を持ってください」<br />
「キョンくんだけが頼りです」<br />
「……あなたならできる」<br />
「そろそろ出現かな、あぁ出てきた出てきた」<br />
くそ、なんだあれ…、金の箱?違う黒い、結晶体?なんだアレ、形が変わり始めた、なんなんだあれ!<br />
「輝くトラペゾヘドロン、僕はね、あれを破壊したいんだよ。<br />
この娘の力を使えば世界をまるごと改変できるけど<br />
それじゃあ面白くない、どうせならこいつを破壊する瞬間を連中に見せてやりたいからね<br />
さてそろそろ神人とやらにもご登場願おうか<br />
おそらく彼女が出した巨人ならあれに封じられることは無いだろうね」<br />
てめぇ!!<br />
「…………」<br />
ハルヒ、ダメだ意識を失ってる<br />
くそっ、くそっ、俺には何にもできないのかよ、震えて黙って見てるしか出来ないのか俺は<br />
今動けるのは俺だけなんだぞ、しっかりしろ!今動かないと絶対後悔するぞ<br />
失わなくて済むモノを失うんだぞ、戦うんだよ俺!そうだ足を動かせ、拳を握り構えろ!<br />
うおぉぉぉぉぉ!<br />
黒い化け物に一発、また一発、俺は何度も殴り付けた<br />
「ふふふ、痛いじゃないか、震える体でよく頑張ったね人間。そんなに死にたいのかい?なら望みどおり君から殺してあげるよ!」<br />
うるさい黙れ、死んでたまるか、俺はこいつらと生きるんだ!<br />
生きて現実空間に戻るんだよ!!<br />
そう叫んだとき全身が光輝いた、後ろを見ると長門たちの動きを封じていた結界が消滅していた<br />
ハルヒはまだ気を失っている、でもさっきより楽になったみたいだよかった<br />
そういえば、夢で聖句がどうの言ってたな、なんだったかな<br />
「あれは連中の……そうか、また彼らを愛せるんだね……ふふふ、さぁ人間早く早く、早く喚んでくれたまえ<br />
あぁ、楽しみだ楽しみだよ」<br />
なんだこいつ……いや今は聖句だ……なんだったっけ……確か……確か……<br />
<br />
『さぁ人間、唱えよ!未来への路を開く無垢なる翼を汝の手でつかみとれ!!』<br />
<br />
……思い出した!!<br />
<br />
「うぅん、キョン?」<br />
ハルヒ、目覚めたかもう少しゆっくりしてろ<br />
「うん……」<br />
憎悪の空よりきたりて!!<br />
正しき怒りを胸に、我らは魔を断つ剣を執る!<br />
汝、無垢なる刃デモンベイン!!<br />
……なんだよ、何も起こらないじゃないか、くそ!<br />
「キョンさん、涼宮さんと一緒に聖句を唱えてはどうでしょう、もしかするとそういうものなのかもしれません」<br />
そういうもんなのか?<br />
「まぁこういのはお約束ってことで」<br />
そうだな、だが顔が近いぞ古泉<br />
ハルヒ、すまんが今のを一緒に頼む<br />
「さっきのアレをするの?」<br />
頼む!<br />
「仕方ないわね、いい?一回だけだからね?」<br />
それで十分だ!じゃあ行くぞ!<br />
憎悪の空より来たりて<br />
「正しき怒りを胸に」<br />
「「我らは魔を断つ剣を執る!汝、無垢なる刃デモンベイン!!」」<br />
唱えた瞬間、急に俺とハルヒの体が光り出した<br />
そして目の前に五望星が描かれ一際眩い光が放たれたと思ったらそこに誰かが立っていた<br />
「人間、よく戦う勇気を持ち決意をした、後は我らに任せるがよい」<br />
この声、夢に出てきた<br />
「アル!」<br />
「応!!」<br />
「……ふふふ、あははははは、待っていたよ旧神・大十字九郎!!そしてアル・アジフ!!」<br />
「久しぶりだな、ナイアルラトホテップ!<br />
何度目かは忘れちまったが、あんたの企みこれまでだ!<br />
それにしてもまだ諦めてなかったんだな、輝くトラペゾへドロンの破壊をよ」<br />
「久しぶりだね大十字九郎、僕が諦めるわけないだろう。<br />
今度は輝くトラペゾヘドロンの衝突による破壊ではなく<br />
人間の力で破壊しようと思ったのさ、まぁ成功する確率は低いけどね<br />
さて、もう少し僕の相手をしてもらうよ大十字九郎、6体の人形と遊んでいてもらおう」<br />
「させるかよ、クトゥグア!イタクァ!!」<br />
何だあれ、何もないところから火?氷?いや違う、拳銃だ<br />
「……魔術」<br />
魔術だぁ?<br />
「ちょっとキョン!なんなのアレ!」<br />
わからん、俺が聞きたい。それと、お前はまだ不思議を諦めてなかったのか<br />
「当たり前じゃない!」<br />
あぁわかったわかった、じゃあまた皆で不思議探索しようぜ。<br />
「そうね!」<br />
で、長門よ魔術ってなんだ?手品師みたいなもんか?<br />
「違う、魔術とは魔導書と契約することで己の力とするもの<br />
高位の魔導書になれば、意志を持ち、神を召喚することが可能」<br />
神?この空間に出るアレみたいなもんか?<br />
「違う、恐らくは最高峰の魔術で編み上げる巨神……!?<br />
邪神に関する項目のプロテクトが解除された、原因は不明」<br />
「私もです、邪神に関する禁則が解除されました、TPDDも正常に作動してます」<br />
やれやれどうなってんだ、今回は<br />
「あはは、あんたのその顔久しぶりに見たわ」<br />
そうか?<br />
「うん!」<br />
そうかい<br />
「まったくせっかちだねぇ君たちは、今出したばかりだってのにもう殺しちゃったのか<br />
まっ君たち相手に足止めになるとは思ってなかったけどね<br />
では能力者と人形の相手はこいつらにやってもらおうか」<br />
今度は何だ……、おおおおおいなんだこいつら、半魚人か<br />
「さぁ邪神の眷属よ、君たちの欲望を人間たちで満たして来るんだ」<br />
『シャアアアアアアア!!』<br />
「させるか!うおおおおおおおお!!」<br />
……俺は、いや俺たちは息を飲むしかできなかった<br />
恐ろしいまでのスピードで邪神の眷属と言われた半魚人たちを全て倒してしまったからだ<br />
正直何が起こったのかさっぱりわからん……<br />
「これを持ってここから離れろ!」<br />
これは?<br />
「それは妾のロイガーとツァールを模して作った小剣、そしてこれがバルザイの堰月刀だ<br />
見たところ、小娘二人と汝は武器も無ければ特殊な攻撃能力を持っているわけでもない<br />
人間、それを持ってこの場から離れよ!」<br />
なるほど、自分の身は自分で守れって事か<br />
ってあんたたちはどうするんだ?<br />
「ナイアルラトホテップを倒す、あっちの建物の一部に防護結界を張っておく<br />
そこに入ったら何があっても出るんじゃない」<br />
わかりました……<br />
「人間、その小娘大切にするのだぞ。妾たちは彼奴を倒す、その後すぐに汝等を元の空間に戻してやる」<br />
「お互い、苦労しそうな奴に惚れちまったが、頑張れよ」<br />
あぁ、ハイ……<br />
「さて九郎、さっさと終わらせよう!」<br />
「そうだな<br />
憎悪の空より来たりて」<br />
過去幾億回と繰り返された聖句を高らかに詠みあげる<br />
「正しき怒りを胸に!」<br />
正しき怒りに応え、全ての悪に等しく滅びを与える<br />
「「我らは魔を断つ剣を執る!!汝、無垢なる刃!!」」<br />
最弱にして無敵の剣、汝の名は<br />
「「デモンベイン!!」」<br />
爆ぜる光、闇を照らす聖なる光<br />
五芒星が覇道を往く者の紋章が、灰色の世界に光と色を与える<br />
<br />
今度は外が明るくなったなって、なんだありゃ!!<br />
「……鬼械神、機械仕掛けの神、全ての悪を打ち滅ぼす神像、デモンベイン」<br />
え?なんだって?<br />
「で、デモンベインです」<br />
朝比奈さんまで…なんですか、そのデモンベインって<br />
「……説明はあと、あなたは涼宮ハルヒを守るべき<br />
彼らの防護結界は部室に張られている、今は一刻も早く部室に行くべき<br />
私の力ではこれから起こるであろう事象に対処できない」<br />
そうだな<br />
そしてまたもや世界が揺れる、それも一度に6箇所で<br />
ハルヒ立てるか?ここは危険だ、部室に行くぞ<br />
「わかったわ」<br />
ここは危ないさっさと部室に行こう<br />
防護結界とやらを張ってくれているなら一番安全だ<br />
「それでは僕が追っ手を抑えます<br />
先頭は長門さん、左右にはあなたと朝比奈さん、中央に涼宮さんです」<br />
わかった、朝比奈さんにはこの小剣の片方を渡しておきます<br />
そういえば朝比奈さんは武器を持ってないんですか?<br />
「武器の携行は禁止されてますから……<br />
そ、それじゃこの小剣お借りしますね」<br />
ハルヒお前もこれを持っておけ、俺たちだけで対処しきれない時は自分で自分の身を守るんだ<br />
「あんたがあたしを守りなさい、団長命令よ!」<br />
わかったよ、じゃあ部室に急ごう<br />
<br />
しっかし多いなぁこの半魚人どもは<br />
「後ろもかなりの数です、しかし通常の閉鎖空間と比べ僕の力はかなり上がっています<br />
ですから僕に任せてください」<br />
前方は長門が朝倉と同じ攻撃方法で撃退してくれてるが、如何せん数が多すぎる<br />
「……問題ない、しかし0.1%ほど撃ち漏らしている、あなたと朝比奈みくるはそれを撃退して」<br />
分かった<br />
バルザイの堰月刀ね、……どうせなら<br />
虎王斬神陸甲剣!!<br />
『グギャアアアアアア』<br />
すげぇ、なんて切れ味だ……しかしグロいな……<br />
「おやおや、ノリノリですね」<br />
黙れ古泉<br />
「ふえええええ、こっちに来ないでくださぁい!」<br />
朝比奈さんに渡したロイガーの刀身から風刃が巻き起こり、ばったばったと細切れにされていく<br />
あの人たちはなんつう危険なもんを……<br />
<br />
「見ろ九郎、ロイガーを持った小娘を、あ奴魔術の才があるぞ」<br />
「そうみたいだな、というかアル」<br />
「なんだ?」<br />
「ロイガーってあんな使い方もできたのか?」<br />
「……まったく汝と言う男は……ロイガーの属性を考えれば当然だ、無論非公式だがな!」<br />
「非公式って……そんなメタ発言して、怒られるだろいろんな所から!」<br />
「問題ない、所詮この作者の妄想だ。」<br />
「いや、そりゃそうだが……」<br />
「それよりも九郎、雑魚共が動き出したぞ!一気に片付けろ!」<br />
「応!!クトゥグア!イタクァ!神獣形態!!」<br />
<br />
「さすが大十字九郎だ、ダゴン程度じゃ足止めにもならないか<br />
じゃあ次はデウスマキナが相手だ」<br />
<br />
なんだ今のは!<br />
「……旧支配者であるクトゥグアとイタクァ」<br />
それってさっきの銃じゃなかったのか?<br />
「……銃は力を制御するための器に過ぎない、今のが真の力」<br />
「しかし本当にすごいですね、大十字九郎さんにアル・アジフさんと言いましたか<br />
僕たちが苦戦したあの化け物を瞬殺とは、恐れ入ります」<br />
「アルアジフ?それってネクロノミコン、オリジナルの名前じゃない!!」<br />
なんだそのネクロノミコンって<br />
「西暦730年ダマスカスにて、狂人アブドゥルアルハザードが書いた魔導書です<br />
キョンくん、今後も涼宮さんと一緒にいるなら、これくらい憶えておいた方がいいですよ」<br />
そうですね、って待てよさっきの少女がその魔導書とか言わないよな?さすがに<br />
「それはありえません、いくら強力な魔導書といえど人の姿をするなどとは思えません」<br />
「彼女は間違いなく魔導書アル・アジフ、力ある魔導書は魂を持ち姿を変え、神の模造品を召喚できる」<br />
じゃあ、あのロボットが神の模造品っていうのか?<br />
「あれは神の模造品の模造品、人間のための鬼械神(デウスマキナ)、それがデモンベイン」<br />
さっぱりわからん……<br />
「あんたの頭じゃ考えるだけ無駄よ」<br />
そうだな、……って遠まわしに馬鹿って言うな<br />
「団長様に心配ばかりかける団員は、バカで十分よバカキョン!」<br />
へいへい、さてこっちも粗方片付いたし、ようやく部室に着いたな<br />
「部室棟に入ってからは、あの半魚人の数も減りましたからね」<br />
それじゃ一息入れますか<br />
「あっ、じゃあお茶煎れますね」<br />
ありがとうございます」<br />
……しかし、緊張感のかけらもないな……<br />
「まったく、困ったものです」<br />
顔が近い、よるな気色悪い<br />
<br />
「九郎、このままでは埒があかない!アレで往くぞ!」<br />
「応!断鎖術式壱号ティマイオス!弐号クリティアス!!」<br />
<br />
「ふぇ!何ですか?何でこんなに時空が!」<br />
「……現在戦闘中のデモンベイン脚部シールドから時空間歪曲を観測<br />
そして元に戻ろうとする時空間の反発力で機動力を得る<br />
さらにそのエネルギーをぶつけることで凄まじい破壊力を生み出す」<br />
<br />
「アトランティス!」<br />
「「ストライィィク!」」<br />
<br />
すっげぇ、延びてきた腕かわしながら、頭上に踵落しを食らわせてさらに銃弾ぶち込んでやがる<br />
「残り5体」<br />
<br />
おっ、今度は刀持った奴だ<br />
上とか横からの攻撃をかわしながらよくやるなぁ……<br />
って何だあいつ、脇から腕だしやがった!隠し腕ってやつだな<br />
<br />
「光射す世界に汝等暗黒凄まう場所なし!<br />
渇かず飢えず無に還れ!!<br />
レムリア!インパクトォォォ!!」<br />
「昇華!!」<br />
<br />
「……無限熱量による近接昇華、あれを食らえば一溜まりも無い、後4体」<br />
すっげぇ……<br />
<br />
上からの攻撃に加え、金ピカおきあがりこぼしのレーザーに、黒い弾を撃ってきてる奴か<br />
こいつは厄介だな<br />
おっと黒い弾の流れ弾……<br />
おいおい、何の冗談だ、人の顔が窓に映ってるぞ<br />
「キョン!幽霊よ幽霊!早くカメラを持ってきなさい、心霊写真として雑誌に投稿するわよ!」<br />
ハルヒ、あれだけは止めとけ、いやホラ何か声みたいなのも聞こえるし<br />
「何言ってるの、こんなチャンス滅多に無いわよ、早くカメラ持ってきなさい!」<br />
あぁハルヒ<br />
「何よ」<br />
言いにくいのだが<br />
「だから何よ」<br />
消えちまったみたいだぞ幽霊<br />
「あぁぁ!もうこのバカキョン!せっかくの不思議だったのにもったいない……」<br />
夢の中なんだし、撮っても仕方ないだろ、第一どうやって現実の世界に持っていくんだ<br />
「それもそうね、夢なら仕方ないか……夢ならね」<br />
何か言ったか?<br />
「別に!」<br />
とこんな問答を繰り返してる間にも外では戦闘が続いていた<br />
<br />
「ニトクリスの鏡!」<br />
<br />
今度は分身か?<br />
「違う、鏡を使った魔術、現実と虚構の境界をなくし、幻を見せている」<br />
でも長門、何かその幻、鏡みたいに割れてるぞ<br />
「……そう」<br />
<br />
「クトゥグア!イタクァ神獣形態!」<br />
<br />
至近距離でそれを撃って大丈夫なのかあのロボット<br />
「……直ぐに離れているから問題ない」<br />
みたいだな……<br />
「本当にすごいですね、見てください」<br />
おぉ、あの二匹地上にいるもう一体の奴を襲ってやがる<br />
「地上の敵は終わったみたいですね」<br />
しかし、空中の敵はどうするんだ?<br />
<br />
「シャンタク!」<br />
<br />
今度は翼か……なんでもありだなこのロボット……<br />
緑の方はすばしっこいなぁ、どうやって倒すんだ?<br />
おっ、あれはリボルバーだなあれでどうする気だ<br />
どこ狙ってるんだ、全然ちが「マッガーレ」<br />
……気のせいだ気のせいにしておこう<br />
「気のせいではありませんね、残念ながら<br />
弾道が確かに曲がりました」<br />
お前の仕業か古泉<br />
「いいえ、どうやらあれは自動追尾弾のようです<br />
的確に動力部を貫いたようですよ」<br />
とどめはさっきの無限熱量ってやつか<br />
<br />
残りはあのデカ物だな<br />
「すごいですねぇ、自動拳銃とリボルバーが融合して長距離砲になりましたよ」<br />
あれで撃ち貫くってわけか<br />
「そのようですね、っ!撃ちましたよ」<br />
一撃かよ……<br />
<br />
とまぁこんな感じでこの戦いを見ていたわけだが<br />
ほんと、俺の日常ってどこにいったんだろうねぇ誰か教えてくれ<br />
<br />
「さぁナイアルラトホテップ、後はあんただけだぜ」<br />
「まったくさすがだよ君たちは、仕方ないここは退こうか」<br />
「この空間から簡単に逃げられると思うな、邪神よ」<br />
「そうだね、ならまずは君たちから死んでもらうよ!」<br />
<br />
「荒らぶる螺旋に刻まれた」<br />
「神々の原罪の果ての地で」<br />
「「我らは今聖約を果たす」」<br />
「「その切実なる命の叫びを胸に」」<br />
「「祝福の花に誓って」」<br />
「「我は世界を紡ぐ者也」」<br />
<br />
デモンベイン最強にして最凶の必滅奥義<br />
第零封神昇華呪法 輝くトラペゾヘドロン<br />
<br />
おいおい、あっちの奴あそこにある奴と同じもん出しやがったぞ<br />
「……デモンベインが握るモノが本物、恐らくナイアルラトホテップの封印と同時に消滅する」<br />
<br />
「大十字九郎ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」<br />
「大人しく眠ってな、永遠にな」<br />
「紛い物のトラペゾヘドロンも消えた、今回も終わったな九郎」<br />
「あぁ、さてアル、さっき現実空間に戻してやるとか言ってたがどうすんだ?」<br />
「ふむ……」<br />
「あっ、お前何も考えてないな!そうだろう!」<br />
「これも運命だ諦めよ」<br />
「またそれか!」<br />
「さてな」<br />
<br />
なんか、痴話喧嘩みたいなのが聞こえるなぁ<br />
「……オワタ\(^o^)/」<br />
どうした長門?<br />
「……なんでもない」<br />
「お疲れ様ですキョンくん」<br />
あぁ、ありがとうございます<br />
「さてここから出る方法ですが」<br />
……っゴホン!<br />
「そ、それよりもキョン、説明してくれるんでしょうね!」<br />
な、なんのことだ?<br />
「有希たちの事、あたしに隠れて何をしてたのか、きっちり話してもらうわよ!」<br />
お、おい古泉<br />
「しかし、綺麗ですねデモンベインは」<br />
朝比奈さん?<br />
「ホントですね」<br />
長門!<br />
「……」<br />
……しっかし、綺麗だなあのデウスマキナってやつは<br />
「そうね、それよりキョンあたしを待たせた罪で罰金だからね!<br />
それと今回のことと有希たちのこと、その時にたっぷり説明してもらうから、覚えてなさいよ!!」<br />
……えぇい、仕方ない!罰金はとりあえずこれでカンベンしといてくれ<br />
「え?んん!」<br />
ハルヒ、また学校でな……<br />
<br />
こうして俺は自室で目が醒めた、気分のいい夢だった、夢ではないんだけどそういう事にしておこう<br />
さて、ハルヒがこれを夢と認識してくれればいいんだが……<br />
ん?メールか<br />
from古泉<br />
お帰りなさい、先の閉鎖空間で涼宮さんの力は失われました<br />
それと同時に僕の力もなくなりました<br />
これで僕はなんのしがらみなく、あなたたちと付き合えます<br />
僕たちの事は、あなたから涼宮さんに話してあげてください<br />
涼宮さんが力を失った以上、隠す必要もありませんからね<br />
今までありがとうございました、そしてこれからもよろしくお願いします<br />
しかし、ようやくあの閉鎖空間から回帰できた理由がわかりました<br />
こういうことだったんですね<br />
ではまた部室で<br />
<br />
To古泉<br />
うるさい、黙れ、営業スマイル面を写メで送ってくるな気持ち悪い<br />
オセロでボコボコにしてやるからおぼえとけ<br />
<br />
……いろいろ迷惑かけたなありがとよ<br />
<br />
from朝比奈さん<br />
キョンくん、お帰りなさい、時空の歪みも消えて未来が固定され、涼宮さんの力もなくなりました<br />
これで私の任務も終わりです<br />
大学卒業までこの時間平面に居ていいと許可がおりました<br />
卒業後お別れになっちゃいますけど、それまでよろしくね<br />
そういえば、あれが閉鎖空間から帰ってくる方法だったんですね<br />
眠るお姫様を起こすためのキスだなんて、まるで白雪姫ですね!<br />
涼宮さんと幸せになってくださいね<br />
<br />
To朝比奈さん<br />
そうですか、とうとう帰ってしまうんですね。<br />
また部室にも顔を出してください朝比奈さんなら大歓迎です<br />
あの時の朝比奈さんのビンタ効きましたよ、ありがとうございました<br />
<br />
from長門<br />
お帰りなさい<br />
涼宮ハルヒの能力は完全に消失した<br />
情報統合思念体は私に蓄積するエラーこそ自律進化の可能性と認識した。<br />
情報統合思念体はあなた達に感謝している<br />
私という固体もあなたに感謝している<br />
情報統合思念体は私の能力にプロテクトをかける事と、私に蓄積するエラー情報の提供を条件に、この世界で生きていいと言っていた。<br />
また図書館に<br />
<br />
To長門<br />
そうか良かったな長門、それから今までありがとな<br />
また図書館に行こうな<br />
<br />
さてまだ時間も早いし、もう一回寝るか<br />
今日は月曜、学校に行くのにハルヒとセットでくまなんか作ってたら、谷口あたりに何言われるかわからんからな<br />
<br />
そしてまたこんな夢をみた、あの閉鎖空間で俺たちを助けてくれた二人組みの夢だ<br />
「よく頑張ったな人間、人間でここまで邪神に立ち向かったのは九郎以外で汝が初めてだ<br />
ロイガー・ツァール・バルザイの堰月刀は返してもらうぞ」<br />
「急にあの空間が消え始めた時は焦ったな」<br />
「確かにな、汝一体結界内で何をしたのだ?<br />
まぁ、またあ奴が現れたら遠慮なく聖句を唱えよ」<br />
「俺とアルとデモンベインがすぐに駆けつけるぜ」<br />
「あの小娘の力は妾達で消しておいたからその心配はないと思うがな<br />
では九郎往くとしようか」<br />
「あぁそうだな。それよりアル、子供が欲しいと思わないか?」<br />
「無茶を言うな、妾達は戦いの日々を送らねばならんのだ<br />
それに妾は魔導書だ子供ができるかどうかもわからぬ<br />
仮に子供が出来ても、戦いで汚れた妾達の手では……」<br />
「そうだな……、まぁそん時は姫さんにでも頼んでみるか」<br />
「また覇道の小娘に頼るのか汝は!」<br />
「頼れるのは姫さんとライカさんくらいだからな」<br />
「まぁ、出来た時はそうするしかないが、なるべくは作らないようにするからな九郎」<br />
「あぁわかってるよ」<br />
(と言うより、あんなもので毎日毎日……)<br />
「どうしたアル?顔が赤いぞ」<br />
「うつけ!」<br />
「いつまでも長居してないで往くとするか、じゃあなジョン・スミス、幸せにな」<br />
「さらばだ人間」<br />
<br />
まったくこの人たちは……俺の夢に何度も入ってきては、最後に夫婦喧嘩までしていくなんて……<br />
もういないかもしれませんが、ありがとうございました<br />
ん?そういえばあの時語りかけてきた奴も、この大十字さんも何でジョンスミスを知っているんだ?<br />
<br />
こうしてデモンベインと呼ばれていたロボットの手に乗り彼らは去っていった<br />
彼らが離れていくにつれ、俺はいつかハルヒに話そうとした幸せの青い鳥の話を思い出していた<br />
<br />
「キョン!キョン!!起きろ!!!」<br />
ん?なんだハルヒか…は?ハルヒ?<br />
「学校行くでしょ?」<br />
あぁ、それよりなんでお前がいるんだ!<br />
「別にいいじゃない」<br />
2ヶ月と1週間ぶりってとこか、それよりハルヒ着替えるから部屋から出てくれんか<br />
「あっ…そ、そうねじゃあリビングで待たせてもらうから、さっさと着替えてくること」<br />
わかったわかった<br />
<br />
「すまん、待たせたな」<br />
「いいわよ、それよりあの灰色空間のこと説明してもらえるんでしょうね?」<br />
「わかったよ、いいか・・・」<br />
とまぁハルヒに閉鎖空間のこと、長門や朝比奈さん、古泉のことを教えてやった<br />
まぁさすがにアレを目の当たりにすれば、さしものハルヒも信じるしかなかったようだ<br />
ハルヒの能力については、ハルヒの機嫌が悪くなったりすると閉鎖空間が発生する程度しか言わなかった<br />
これ以上喋ってまた能力を発現されても困るからな<br />
ジョン・スミスについて話したのかって?それはまたもう少し後の話しだ<br />
<br />
さて今日から学校に復帰するわけだが、授業も遅れてるし、出席日数も危うい<br />
せめてハルヒと同じ大学に入れるよう勉強しないとな、……そうだな、ハルヒに勉強見てもらうか<br />
<br />
こうして俺は学校に復帰した<br />
試験結果はハルヒ教諭のおかげでそれなりの結果だった<br />
だが出席日数が僅かに足りず、3月に補習を受けることで何とか卒業することが出来た<br />
<br />
SOS団全員で同じ大学に合格し、朝比奈さんが未来に帰るまでの間遊びと学業を共にした。<br />
朝比奈さんが大学を卒業する頃にはもうあの朝比奈さん(大)になっていた<br />
未来に帰ってしばらくしたら、高校生の俺に会うのだろう、白雪姫と星型の黒子を伝えに<br />
<br />
俺はと言うと4年の春に就職もきまり、あとは卒業に向けて遊ぶくらいしかやることがなくなっていた<br />
せっかくなので暫くアルバイトをすることにした<br />
なんのためかって?そりゃ決まってるハルヒとの結婚資金を少しでも稼ぐためだ<br />
今日はSOS団の団活の日だ、朝比奈さんはこれないが、俺たち4人で結構楽しくやっている<br />
長門と古泉はいつのまにか付き合いだしていた<br />
そうそう、あの事件結局なんだったのかと言うと<br />
<br />
邪神ナイアルラトホテップが仕組んだことだったらしい<br />
何をしたかったのかというと、既に失われた輝くトラペゾヘドロンをハルヒの力で創造し<br />
それを破壊することで、アザトースの庭とやらを解放するのが目的だとか<br />
解放したらどうなるのかきいたが長門は答えてくれなかった<br />
知らない方がいいらしい、そうだな知らない方がいいかもしれん<br />
旧神とやらは何だったのかと言うと、邪神ナイアルラトホテップを追っていたらしい<br />
あらかじめどこに出現するか分かっていたが、彼らの力だけでは閉鎖空間に入れなかったのだと<br />
だから俺とハルヒで聖句を唱えることであの場に顕現できたというのだ<br />
さすがはハルヒだ、神様と崇められていただけの事はある<br />
邪神はどうやって入り込んだかと言うと、俺にくっついて入ったらしい<br />
でもあの時、俺がハルヒにあいつら呼ぶよう言わなかったら確実に死んでたな俺<br />
もしハルヒが情報爆発を起こしていたら、どうなってたんだろうなこの世界<br />
本物のハルヒが居る場所を教えてくれたあの声に感謝だ<br />
でもあの声旧神て呼ばれてた人に声が似てたな<br />
できればもう一度会って話しがしたいものだ<br />
<br />
そういえば、さっきから奥の席が騒がしいがなんだろうか<br />
そこにはどこかで見たことのある二人がいた<br />
こっちに気付くと、男の方が俺たちのところに来た<br />
「よっ、元気そうじゃねぇか、まっこれからも頑張れよ!」<br />
「九郎、もう行くぞ!」<br />
少女に引っ張られて男は去っていった、あぁそうか彼が大十字九郎さんか<br />
あの時はありがとうございました、大十字さん!<br />
聞こえたらしく、手を振っていた<br />
<br />
「知り合い?」<br />
とハルヒが聞いてきたので<br />
高校の時世話になった人だと返した<br />
「そう、ならいいのよ。今度会ったらあたしもお礼言わないと」<br />
だがこの後彼らと会うことは無かった<br />
当然だ邪神とやらと戦う彼らに安息の日々は無いのだから<br />
さて今日の班分けはっと…<br />
俺とハルヒは色つき、古泉と長門は色無し<br />
なぁこの組み合わせなら、Wデートでいいんじゃないか?<br />
「いいですねぇ、僕は賛成ですよ」<br />
「……異議なし」<br />
「古泉君と有希がいいならそれでいいわよ!」<br />
<br />
もしもあの時選択を誤っていたら、俺は今頃あの頃に戻りたいと願っていたかもしれない<br />
でもあいつの笑顔があれば、あの頃に戻りたいなんて思わない<br />
そう、ハルヒの太陽のような笑顔があれば他には何もいらないのさ<br />
<br />
-Fin-<br />
<br />
<br />
<br />
-古泉サイド-<br />
と、彼が締めてしまいましたが僕の方でまた少しだけ続けさせてもらいます<br />
<br />
あの時は驚きました<br />
突然機関の皆さんがいる前で閉鎖空間の入り口が現れたのですから<br />
他の能力者はまったく気付いていない様子でした<br />
その時発生していた閉鎖空間と同じ境界でその入り口があったのです<br />
もしかしたらと思って、それに触れるとなんなく入れました<br />
僕だけが入れるのでしょうねあの入り口は<br />
入ったら入ったでまた大変でした、能力を使って学校まで行き、そこで長門さん、朝比奈さんと合流しました<br />
一番驚いたのは朝比奈さんです、どうやってきたのかとたずねたら<br />
突然頭にここの空間座標が送られてきたそうで、TPDDを使い侵入したそうです<br />
長門さんもほぼ同様でした<br />
異常事態でしたね、僕だけじゃなく長門さん、朝比奈さんまでこの空間にいるのだから<br />
部室に行くとそこには漆黒の闇を纏ったようなそんな感じの化け物がキョンさんを襲っていました<br />
僕は急ぎ光の球を作りだし化け物に投げつけました<br />
正直驚きました、いつもの20倍の威力でしたからね、それでもこの化け物には通用しなかったのですが……<br />
化け物が時間をくれるそうなので、一旦保健室に退避して長門さんに彼の治療をしてもらいました<br />
涼宮さんも疲れていたのでしょうね、彼の治療が終わるとすぐに眠ってしまいました<br />
僕たちは外で彼らを起こさないよう対策会議を始めましたが、結局いい案が浮かびませんでした<br />
しかしここで、長門さんが以前彼の精神に入ったときにあった女性が、彼に聖句を教えたことを聞かされました<br />
この聖句が勝利の鍵であることを確信した我々は彼らを守ることに専念することにしました<br />
結果は重力結界やダゴンと呼ばれた化け物のおかげでさんざんでしたけども<br />
後は皆さん知っての通りです<br />
<br />
そういえば、あの時部室に直接時空移動すればよかったんですが<br />
残念ながら彼らが張ってくれた結界の影響で、移動できなかったと朝比奈さんが言ってましたね<br />
<br />
僕は卒業と同時に長門さんに僕の想いを伝えました<br />
ですがこのときは振られましたねやっぱり<br />
長門さんがキョンさんを好きだという事は知っていましたから<br />
でも大学2年の時ですか、長門さんから僕にアプローチがありまして<br />
そこでようやく僕と長門さんは恋人同士になったわけです<br />
涼宮さんが好きじゃなかったのかって?<br />
確かにそうですが、僕にとって彼女は高嶺の花ですよ<br />
あの太陽のような笑顔は僕ではなく、彼に向けられているのですから<br />
え?それではどうして長門さんを好きになったのかって?んっふ、禁則事項です<br />
<br />
そして大学4年になってキョンさんの就職が決定して少ししてから<br />
何かいいバイトが無いかと相談を持ちかけられまして<br />
ちょうど機関で人手が足りないからどうか?と答えました<br />
機関は彼に特別恩がありますからね、さて大学卒業後の七夕の日にサプライズを用意しておきましょう<br />
これは僕たち機関に所属するもの全員からのお礼ですからね<br />
クリスマスに僕たち機関からのクリスマスプレゼントとして、彼らに教えてあげましょう。今からならたっぷり準備期間もありますし<br />
彼は彼でこの七夕にプロポーズするそうです、何でもその時にジョンスミスの話しもするそうですよ<br />
んっふ準備のし甲斐がありますよ<br />
実は僕は僕でもう長門さんにプロポーズをしてしまいまして、もちろん答えはYESでしたよ<br />
W結婚式なんて涼宮さんがきいたらどんな反応するんでしょうか<br />
実に楽しみです、あぁもちろん長門さんもこの計画知ってますよ。さてこのくらいにしておきましょうか<br />
それでは皆さんにも幸せが訪れますように<br />
<br />
そして僕からの忠告です、あの頃に戻りたいなどと考え邪神に惑わされないでください<br />
その邪神はいつどこであなたを狙っているかわかりませんからね<br />
それに、未来は悪いことばかりではありません、自分自身でどうにでもなるのです<br />
もちろん、どうにもならない事もあります。ですが、そこから自分でどう修正するかで、また未来は大きく変わるのです<br />
<br />
-TheEnd-</p>